[0018] デジタルだろうがなかろうがクリエイターはクリエイター!?

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0018 1998/05/02発行
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●コラム1『デジタルだろうがなかろうがクリエイターはクリエイター!?』
     / 岩渕泰治
●コラム2『自分の市場は自分でつくる』/ 岸本栄司
●コラム3『文章ってらぶれたー?』/ 小泉茜 
●コラム4『MIDIって何なの?-忘れ去られた素朴な疑問』/ 宮脇貴久

●イベント・情報
 ・麻宮騎亜 回顧展
 ・雑誌「AXIS」発売中





【日刊・デジタルクリエイターズ】土曜日のコラム・その1
 ゲストライター:岩渕泰治

「デジタルだろうがなかろうがクリエイターはクリエイター!?」

 ピアニストが静かな雰囲気でありながら、時折過激なフレーズが混じるイン
トロを弾き出した。短い起承転結の後、インテンポでテーマが提示される。客
のノリが良いからか、いつもより若干テンポが速い。すべるようにシンバルレ
ガートを付けていくと、同時にベースも入ってきた。メリハリを大きくつけた
テーマが終わり、ピアノのアドリブに入る。数コーラスを経過した時、サビの
部分でベースが高いラインで音をキープし続ける攻撃に出てきた。ピアノはポ
リリズム適な繰り返しフレーズを連発し、様子を伺っている。私もあえてベー
ドラを踏まずに、シンバルとハイタムで高いテンションを保ちながらサビの終
わりを迎える。よっしゃ、とばかりハイタムからロータム、ベードラへおかず
を入れると、合わせてベースが一番低い解放弦まで一気に下りてきた。ワタタ
タタ、グガン、ドシャン!! コーラスの終わりまで盛り上がる。次のコーラスを
そのまま行くと濃すぎるとの感覚から、コーラスの頭に向けてハーフオープン
のハイハットとスネアロールをデクレッシェンドで入れる。案の条、ピアノも
ベースもついてきた。コーラスの頭はノーアクセントにして、全体の音をフッ
と引かせる。「いぇ~っ!!」客がわっとウケる。いい感じだ・・・。
 っというのは私がジャズドラムを演奏する際に、リアルタイムで感じたり
思ったりしていることだったりします。ジャズの面白いところは、その制約の
少なさとリアルタイム性から奏者の人間臭さがものすごく表にでる音楽である
ことで、これが深いです。でもって突き詰めると「センス」が一番で、如何に
客にウケるかということになります。
 考えてみると、この「ウケる」というのが不思議なもんで、人間が感じる方
向は大筋同じところに向かようですよね。初めてジャズを聴いた人は、よくわ
からないけど何かいいと感じ、ジャズマニアの多くは、そこの展開が渋いなど
同じような感覚を感じたりするわけです。
 要するに「いいものはいい、悪いものは悪い!!」。そしてこれは技術的なテク
ニックを追及するのとはいっさい関係のない世界であって、結局はハートに
グッと来る演奏が「いいもの」であるという結論に至ります。
 凄いテクニシャンが、「ウケない」現実は山のようにあり、また勘違いして
テクニックばかり磨くものの、本質の音楽を見失っているミュージシャンが思
いのほか多いのは事実です。これが最重要なことなのですが、「テクニックは
自分の表現の幅を広める引きだしでしかない」ということを常に胆に命じてお
かなければ大きく間違ってしまいます。で、これはデジタルもいっしょ(やっ
とデジタルが出てきた)。コンピュータやソフトを扱うテクニックとは別次元
で、「ウケる」ものを目指してクリエイトしなければクリエイターになりえな
いわけです。
 ということで、本題の「クリエイター」ですが、何かモノ作りをする人々を
すべてクリエイターと言ってしまえば、「何か作ってみたら!?」としか言えな
いので(笑)、ここでは自分の作りたいものが作れる人のことを指すことにし
ましょう。
 で、巷ではデジタルで何でも出来るような錯覚があって、それを使って何か
を作る人をトレンド視するような風潮もありますが、クリエイターということ
に関してはまっっっったく関係ないですよね。表現手段としてたまたまデジタ
ルがあり、PhotoshopやFireworksがあるということを何を置いても念頭に置
かねばなりません。いいですか、例えば「このソフトの○○フィルタを適用す
ると、素材がすげぇアートになった。オレって才能あるじゃん」というのはク
リエイターでもなんでもないのですよ。強いて言えば、そのソフトの○○フィ
ルタのアルゴリズムを考案した人がクリエイターかな!? ちなみに、他人に指
定された通りのものを作れる人は、デジタルの世界ではオペレーターと呼ばれ
てしまいます。
 さて、問題は自分の作りたいものを作った作品(誌面、CG、Webページ、
絵、ムービー、音楽、etc...)が、素人にも、その道の人にも「ウケる」もので
あるかどうか・・・、と言うことです。多くの人のハートにグッとくるもの
を、作る度に連発できれば、真にクリエーターと言えるでしょう。そして、こ
れはほぼ100%その人の「センス」に左右されるわけです。あ~こわ。あ~
おもろ。

 次回はその「センス」ということについて・・・、えっ、終わり!? ゲスト
ライターは1回きりっ・・・、おめ~みたいな何やってるかわかんねぇ奴にそ
んなこと書かれてもって・・・、ハイ、ハイハイすんません、今回はとんだ失
礼を・・・、いえ・・・、ハイ、反省し・・・、はい、はいっ・・・、いやと
んでもないです・・・、はいっ・・・、おっしゃる通りで・・・。

【プロフィール】
岩渕泰治
1966年生まれ。
CG-Artist!? CG-Illustrator!? JazzDrummer!?
デジタルイメージ会員
あっ!! っと思い突然Macを購入してフォトレタッチによるCG制作を始めた瞬
間、阪神大震災で家の中がシャッフルされる。こたつの上のMacは無事だった
ため、余震におびえながらも制作を続行。MdNからPhotoshopの達人に祭り上
げられたりしながら現在に至る。本業は普通のサラリーマン。
URL : <http://www.asahi-net.or.jp/~dx8y-iwbc/>
E-mail :

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●「ディジタル・イメージとは?」

「ディジタル・イメージ」とは、デジタルアーティストが自主的に運営する日
本で唯一にして最大のグループで、東京と大阪で開催する年2回の大型展覧会
と、デジタルアート作品集の発行が主な活動である。現在約150名のアーティ
ストが参加している。「ディジタル・イメージ」はバーチャルな組織である。
会費がない。会則がない。アーティスト同士の横のつながりだけという、居心
地のいいゆるやかな連帯が特徴である。業界では先生と呼ばれる超有名人か
ら、美大に在学中の超無名人もいるが、みんな仲良しである。ただ、長幼の序
ぐらいのエチケットはある。創立して早くも8年になるが、代表はCG業界の良
識・長田智行氏(CG制作会社シフカの社長)がずっとやっている。今年の展覧
会は、4月29日~5月5日に銀座のワシントンアート(ワシントン靴店7階)
で、8月4日~15日に大阪府立現代美術館で開催する。作品集は5月にインプレ
スから発行する。184ページでカラー160ページ、モノクロのデータベースが
24ページ、定価は4800円である。
今回は129チーム(2名1組の作家や共同制作の作品もある)の作品が掲載され
る。東京展ではいちはやく販売する。
現在、「ディジタル・イメージ」の情報が最も充実しているのがオンラインマ
ガジン「月刊アイピーネット」<http://ip-net.ieps.co.jp>である。昨年の東
京展、大阪展の報告やいままでの展覧会の報告などのほか、アーティストが週
替わりで登場する「週刊ディジタル・イメージ」があり、いままで登場した
アーティストは、ラジカル鈴木、柴田敏明、桑島幸男、武田瑛夢、高根寿明、
中川潤、小笠原たけし、中林たける、梅地浩太郎などがいる。これらはバック
ナンバーで読むことができる。(柴田)
●イベントの詳細はこちら
http://www.towers-inc.com/mag/daily/event/02.html#06

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土曜日のコラムは「クリエイティブ」を色々な角度から見ていこう…と前々回
にはクライアントの立場からの原稿をお願いした。今回はインターネットビジ
ネスとして、WEBでTシャツを販売されている有限会社イージー代表取締役の
岸本栄司さんにお願いしました。

ボクが岸本さんのホームページに遭遇したのは2年前。ちょうどG-TOOLという
サービスを開始した頃でした。デザイナーとしてページを作るのと平行して新
たなビジネスを始めよう…と考えている時期です。はじめて岸本さんのページ
を見たとき(当時は岸本屋さんでした)デザイナーとしてのボクは非常に
ショックでした。デザイン的に凄かったから…?いえ、まったく逆なんです
(笑)はっきり言ってデザイン的にはメチャクチャなページ(岸本さん、ごめ
んね)なんです。やたらフォントはデカいし、文字も多い。しかし、ボクはそ
のページにぐんぐん引き込まれて、結局全部のコンテンツを読破しました(こ
れがまた凄い量なんです)その膨大なコンテンツは、岸本さんが売っているT-
シャツについて書かれたものでした。

岸本さんはホームページでT-シャツ販売を本業にされている京都の商売人で
す。もちろんデザイナーではありません。しかし、彼のホームページで自分の
言いたいことを伝えようとする姿勢・情熱は多くのデザイナーが参考にすべき
何かがあります。デザイナーが仕事と割り切ってコギレイなページを作って
も、きっと岸本さんのページにはかなわないでしょう。視覚によるコミュニ
ケーションを信じているクリエイターの皆さんには、さらに参考になる意見を
聞けるのではないか?と思います。(森川)

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【日刊・デジタルクリエイターズ】土曜日のコラム・その2
 ゲストライター:岸本栄司 (有)イージー代表取締役

『自分の市場は自分でつくる』

■尊敬する森川さんにとってもナイスな前振りをいただきました

【日刊・デジタルクリエイターズ】正規軍団、藤波辰也に挑戦?する、気分だ
けは長州力(ちゃちゃいれ?の藤原嘉明か)^_^の(有)Easy岸本です。

■はじめて森川さんのG-Toolを拝見したときほんとうに驚きました

 マーキー谷口調で「おいおいコレただでやらはるっちゅうんかいな!」
って感じでした。あんまり感激したんで森川さんにさっそく「感激しました」
なんてメールし、しっかり返事をいただいたのを覚えています。

 今回、光栄にも原稿依頼をいただいたのは神田さんの[日刊KIP]でぼくが「自
分の市場は自分でつくる」ってのを書かせてもらったのがきっかけだと思うの
ですが、実はこの「自分の市場は自分でつくる」、これは2年前にまさしくぼ
く自身が「G-Tool」をはじめて拝見し思ったことそのものです。

■つまり、ぼくは商売の視点からのG-Toolにものすごく興味をもったんです

 それは「売れなければ、売らなければ!タダやったら食えへんやんけ」のま
ずは疑問からでした。

 ぼくの自身のページつくりへの視点は以前も今も「ページは、サイト造りは
折り込みチラシや!」そう、ページをつくる、運営することが売れることにつ
ながらないのならその存在意義がまったくなくなる「折り込みチラシ」です。

 これは揺るぎないしぼくのシゴトは常にページで、ページによって訴え、
買ってもらわなければどうもこうもならないんです。その手法っていうか自分
としてはこれしかできないのですがこれは少し【日刊・デジタルクリエイター
ズ】読者のみなさまからの観点とズレてることと存じます。

 ぼくは「ズレてることこそが重要」と思っております。

■好き嫌いが分かれるサイトであること

今日は自分のページ造りへのコンセプトっていうか方針を書いてみます。

 今の自分自身のページには100%不満足です。やりたいことは山ほどいつも
あります。サイト運営者としてとうぜんだと思います。
 見る方の主観によって評価が「はっきり」分かれるページであること、売れ
るサイトをつくるためにはここが重要なことと思います。

■それはあなたの思う通りのサイトをつくることだと思います

 人間は個人の主観で判断する動物です。一般ウケ?することよりも「売れる
こと、売れる数、利益になること」のほうがぼくにとっては大事なんです。
今の流れは 大多数にウケないこと=少数にはおおいにウケること。これが現
在の売れる商品、売れるサイトの基本です。
 最初から大多数へのアプローチ、これが最低だということです。
 100人のお客様がいらっしゃってたとえば80人にウケることよりも、できれ
ば20人に売れることこの視点のほうがとうぜん大事なのがぼくのいる
webshop業界です。

■かっこいいことよりも「売れること」、売れたらいいんだ

 ことばはよくないけどそう思っています 売れなければダメなんです話にな
んないんです。ページ造りのぼくの視点は「どうやったら売れるか」なんで
す。
だれにでもウケる受け入れられるページは売れないんです!
 どうやってきらわれようか?くらい思っていていいかげんなんですよね。

■売るためにたいせつなこと、つまり広告の視点は説得できるか否なのか

 だと思っています。土俵にあがってもらう=ページを見にきていただく、あ
りがたいうれしいことだけど本質的にはトウゼンそれだけではまったく足りま
せん。そのうえに「売るための説得力」が必要なんです。
 日本人は紙、文章の文化の国民です。読ませること、表現はよくないですが
「ページの存在を頭に刷り込む」こと、刷り込むにはどういった視点でページ
をつくればいいのか、これを真剣に考えるんです。

■それには「しつこく」(笑)訴える

 「しつこいやっちゃなあ」なんて思ってもらえる部分が商品と決済方法など
お客様の心配ごとである部分ならこれはぼくの本望です。なぜならぼくからみ
て一番訴えたいことだから(ただし商品のお買い上げリピーターさんにはしつ
こすぎるんではないか?とぼくも思っていますんで徐々に改善しています)
ページを見るだけのお客様はもちろんありがたいのですが、それは現実にたと
えていえば自分の店の前を歩かれる通行人さまでしかないです。あくまでも買
う気になったお客様にどうやってあとひとことで買っていただけるか、これこ
そというか、これしか考えてないです。

■半分以上の人にどうすれば「もっさー(笑)」と思ってもらえるか

 「なんじゃこのページ」なんて思ってもらえればいいんです。ピカチュー
だって「なんじゃこのへんなネズミ」だったはずです。
印象をもってもらえるキャラクターの雰囲気(っていえばいいかな?)を心が
けることです。


■売れるページとはその手法は違ってもお金がいただけるページだということ

 それにはページをどう考えればいいか?ぼくの方法をご紹介します。

 ひとことで書けば「買ってくれー買ってくれなおれめし食えへんねん」って
モニターに向かって念力をかけ、「ぼくのページにもっとたくさんのお客様に
買っていただけるパワーを!」なんて真顔でほんとにマジにいつでも願かけて
ます。笑われてもいいんです。ぼかあ思いっきりマジに願かけてます。売れれ
ばそれでいいんです。
 だからこそそう思っていられたからこそ自分にこれからもぜったい満足はし
ないけど、多少でもwebの世界で売れてる組のサイトになってこれたんだと思
います。

■「本気で取り組めばきっとなんとかなるのさ、自分の市場は自分でつくるの
さ!」

 勇気とやる気とあんたそりゃーむちゃくちゃやがな!をいただいた(笑)
森川さん、神田さんにいつも感謝しております。これからもヨロシク

【プロフィール】
岸本栄司/きしもと えいじ
<http://www.easy888.co.jp/><http://www.easy.ne.jp/>
(有)イージー代表取締役

1995年10月より家業/岸本屋の一部門として店長業務兼任で開始した
internet通販がおかげさまで好調に推移し、自身の事業としての独立を決断し
1997年3月よりinternet通販専業会社代表として(有)Easyを設立、現在に至る
<http://www.easy888.co.jp/html/prf/aisatsu.html>ごあいさつ
<http://ippin.vip.co.jp/>「有名こだわりショップの一品!逸品!IPPIN!」
<http://ippin.vip.co.jp/mail/magazine.html>「WebShop成功への道」
<http://www.kip.net/daily/index.html>「日刊!関西インターネットプレ
ス」
美人(^ε^)女性スタッフが当社のすべてをバラします~_~「Easy裏ネタリ
レー」
<http://www.easy888.co.jp/html/prf/easy.html>毎日欠かさず書いてま
す!
「卸」卸事業部長/山本へどうぞ

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今回、初の女性登場です(やっと!)。プロフィールにありますように、ライター
として活躍されている小泉茜さんです。
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【日刊・デジタルクリエイターズ】土曜日のコラム・その3
 ゲストライター:小泉茜

『文章ってらぶれたー?』

はじめまして、小泉茜(こいずみあかね)です。
東京で昼間は会社員、夜や週末に執筆の仕事をしています。
去年夏刊行の「みんなのFlash2」も、深夜の産物。この原稿もしかり。だんだ
んどちらが本業かわからなくなってきた今日このごろです。
こんなふうに執筆業を始めたのは、いまから2年前。ある方の紹介でそのソフ
トの評価記事の依頼が舞い込んだのがきっかけです。「面白いソフトがある」
と聞き、海外通販で注文したそのソフトがとどいた翌日の出来事でした。そう
いう偶然が重なり、実績もなにもない私にお鉢がまわってきたわけですが、全
国紙の一ページをかざるわけですから、そのプレッシャーたるやハンパなもの
ではありません。2~3日はパソコンの前で新規書類を広げて「あーでもない、
こーでもない」とうなってたのですが、「自分の目の高さで見たこのソフトの
印象を書けばいいんだよ(^^)」という知人の一言に背中を押され、とまって
いた筆(指?)が動き始めて、なんとか書き上げることができました。初体
験って何につけても緊張しますよね~。
そのときのソフトが「FutureSplash Animator」。後に「Macromedia
Flash」となったソフトでした。ライターデビュー作と同じソフトで、書籍デ
ビューを果たすことになるとは思いもしませんでしたが、レビューを書いたこ
とで野心がめばえたのも事実です(笑)

こういう仕事をしていると、専業のライターさんではない方から「いま執筆の
お話がきているのだけど、原稿ってどうやって書くの?」といった質問をされ
ることがあります。そういう時には、「この文章を誰に読ませたいか、どんな
人々をターゲットにするのかをはっきりさせてから書きはじめると、書きやす
いよー」と答えるようにしています。雑誌に書くなら、購読層を把握しておく
必要もあるでしょうし、書籍にしても初心者を相手にするのか、ハイエンド
ユーザーを対象にしたものかによって、手順の説明方法自体かわってきます。
そこをはずすとトンチンカンな原稿になりかねません。
さらに私の場合は、ターゲットにあてはまりそうな知人をひとり想定し、「こ
の人にわかるように説明したい、このソフトの良さ(もしくは欠点?)を正し
く知ってもらいたい」といった具合に、その人に語りかける感じで書くことに
しています。相手が具体的になればなるほど、説明の仕方や内容、言葉の難易
度が自然と決まるので筆も進みやすくなるはず。なにかの本で「文章とはすべ
からくラブレターのようなものだ」という一文に共感を覚えて以降、いろんな
方をターゲットにさせていただきました。そういうわけで。私の書く文章って
ぜんぶラブレターなんですよねー。もちろん、「みんなのFlash2」にもター
ゲッターがいます。誰かはナイショです(^^)
あ、それと「自分の目の高さで見た、このソフトの印象を書けばいいと思うよ
(^^)」ということもあわせて(受け売りですね(笑))。

Tipsというにはほど遠い内容になってしまいましたが、これから原稿に向かう
人、締め切り間際なのにまだ悩んでいる人の気持ちが少し楽になればいいか
な、と思っています。
…む、今日のターゲッターはもしかして私自身なのかもしれません(汗;)

Postscript...
実は今、タワーズさんの事務所に来て、タワーズさんのマシンを借りて書いて
ます。このご時世にフロッピー入稿。しかも手直しあり。

【プロフィール】
小泉 茜(こいずみあかね)
神戸市出身。昨年上京し、現在は東京都杉並区在住。
一番困る質問は「で、本業はなにやってる人?」
ライターって単語、なんか照れくさいから、自称「書く人」。
そろそろ二束のわらじは脱ぎたい今日このごろ。
本当はスポーツ新聞記者になりたかったくらいの阪神ファン。
もし阪神が優勝したら、そのときは仕事全部おいて道頓堀へ飛び込みに帰って
きます!(笑)
著書に「みんなのFlash2」(エーアイ出版)。
HomePage <http://akane.softwind.ne.jp/>

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今回掟破りの(笑)、ゲスト2週連続登場!! 有り難うございます! 語りたい方、投
稿お願いします!!
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【日刊・デジタルクリエイターズ】土曜日のコラム・その4
 ゲストライター:宮脇貴久

『MIDIって何なの?-忘れ去られた素朴な疑問』

日刊デジクリ読者の皆様こんにちは。流浪のサウンドクリエイター、宮脇貴久
でございます。カレンダー通りでいけば中途半端なこのGW、いかがお過ごし
でしょうか。僕はと言えば、一挙に10日以上の完璧なGWを、といった夢もむ
なしく今年も勤労に明け暮れてしまいそうです。これも好きで選んだ僕の人
生。だーれのせいでもありゃしないー。

さて、今日はMIDIについて少しお話してみたいと思います。

MIDIに関するあらゆる情報は、この世に溢れかえっております。初めてMIDIに
ふれる方たちに向けたメッセージから専門家を対象にした規格解説書まで、そ
の種類も多岐に渡っていますね。選択肢が増えたのはとってもいいことだと思
いますけれども、反面、自分が本当に知りたいことを探すのがとっても大変で
す。特に、これからDTMを初めてみたいんだけど、という方達にとっては始め
る。

前にヤになっちゃうかもしれません。

確かに情報は溢れかえっているんだけれども、既に語り尽されてしまっていて
今となっては雑誌の記事にも中々取り上げてもらえない事柄ってありますよ
ね。そんな中にも、実は多くの人から求められている情報があるのではないで
しょうか?

●「MIDIって結局何なの?」

これって中々説明しづらい質問です。コンピュータ専門誌を読んでいると誤解
を招く表現にもしばしば出会います。曰く

「MIDIの音がイマイチよくない。」
「このPCはサウンドも素晴らしい。特にMIDIのオーディオは迫力がある。」
「MIDIサウンドのギターが非常にリアルである。」等々。

これらは間違いではありませんが適切な表現ではありません。なぜなら、
MIDIの情報に音声データは含まれていないからです。上記のような文は多分、
こう言いたかったんだと思います。

「MIDIで鳴らされる音色がイマイチよくない。」
「このPCはサウンドも素晴らしい。特にMIDI音源の音は迫力がある。」
「MIDI音源の中のギターの音色が非常にリアルである。」

え? よけい分からない?
うむ、自分で書いててもそう思う。それでは、貴久君流の解説を試みてみま
しょう。

●「貴久君、だからあ、MIDIって結局何なの?」

唐突ですが、「音」って一体どんな要素から成り立っていると思いますか?ま
あ、ざっくりと分解してしまうと、音色、音量、時間の3つの要素に分かれる
かなあ。前者の2つはその言葉のとおり、3つ目の時間とは、音の鳴っている時
間のことです。

MIDIとは音をコントロールするためのルールのことです。ということは、つま
り「音色、音量、時間の3つをコントロールするためのルール」と言い換える
ことができますね。

パソコンショップに行くと、「MIDIデータ集」なんてコーナーがあって、最近
のヒット曲集とか人気アニメのサントラ盤なんかがありますね。これ、媒体は
フロッピーだったり、CDだったりしますけど、中身はMIDIデータのファイル
が曲数分、つまり1曲1ファイルの形で収録してあるものですね。

こういった「MIDIデータ」と呼ばれるものは、フタをあければこの「音色、音
量、時間」の3者をコントロールする命令の集まりなんですね。もちろん、そ
の命令とは、「MIDIデータ」を作った人達が好き勝手に作り出したものではあ
りません。
「MIDIデータ」ですから、先に述べたとおり、ルールに従って定められた命令
を駆使して作られたデータ、というわけです。MIDIデータとはそのような命令
の集まりなんですね。

「命令のアツマリ? じゃあ、命令されるヤツって一体どこにいるんだよ?」

【プロフィール】
宮脇貴久
1960年代東京生まれ。幼い頃より注意力散漫/自己中心的との評価を受けつつ
現在に至るまで、かの評価を証明するような人生を歩む。
20代中頃にはコンピュータはメシの種、音楽は道楽と割り切ったつもりであっ
たが、このところどっちが本職なのかわからなくなってきている。
現在、ゲームミュージック、MIDIデータ集などの制作を手がける一方、イント
ラネット構築、データベース設計なども立派にこなしている。今後のなりゆき
が注目される期待の中堅道楽人である。

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■イベント・情報

●麻宮騎亜 回顧展

デジタルからアナログまで自在に操るアーティスト「麻宮騎亜」の回顧展。
「サイレントメビウス」「遊撃宇宙戦艦ナデシコ」などのコミックにとどまら
ず、イラストレーションやコンピュータグラフィクまで、幅広い分野で活躍す
るマルチメディアクリエーター、麻宮騎亜。代表作であるコミック「サイレン
トメビウス」の10周年を記念して回顧展が開催されている。これまでの作品ご
とに鑑賞できる。

4月08日(水)~5月05日(祝)「サイレントメビウス」
5月09日(土)~5月31日(日)「聖獣伝説ダークエンジェル」
6月03日(水)~6月21日(日)「コンパイラ/アセンブラOX」
6月24日(水)~7月20日(祝)「Variety(遊撃宇宙戦艦ナデシコほか)」
7月23日(木)~8月16日(日)「快傑蒸気探偵団」

期間:3月21日(火)~8月16日(日)(各期間中無休)
会場:GoFa (Gallery or Fan testic art)
   渋谷区神宮前2-52-2 JBPオーバルビル2階
料金:ドリンク代のみ(500円~)
問い合わせ先:03-3797-4417
●麻宮騎亜プロフィール
http://www.tron.co.jp/Aprofile/index.html

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●雑誌「AXIS」発売中

特集:Designing Identity
   アイデンティティーの在処
シリーズ・トピックス:
 ・匠のかたち-伊勢型紙
 ・トピックス-レクソン アートディレクター ルネ・アダ氏に聞く
 ・登場!BMWのニュー3シリーズ クリス・バングル
 ・ポルシェ デザインのデザインフィロソフィー
http://www.axisinc.co.jp/AXIS.html

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0018 1998/05/02発行
発行社  タワーズ株式会社
     <http://www.towers-inc.com/>
     大阪市中央区高麗橋1-5-6 東洋ビル3F
     TEL:06-231-1011 FAX:06-231-0838

編集長  森川眞行 < morikawa@siliconcafe.com >
     柴田忠男 < tdo@green.ocn.ne.jp >
     神田敏晶 < kanda@knn.com >

情報提供はこちらまで < mailto:daily@towers-inc.com >
           担当:濱村和恵
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※リアルタイム編集後記「編集長はつらいよ」はこちら↓
http://www.towers-inc.com/square/editor/visit.shtml
※討論・激論・あったか感想・なんでもありの「日刊デジクリBBS」↓
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