[0034] ラスター編集も、まっかせなさい!

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0034 1998/05/21発行
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●本日のコラム『ラスター編集も、まっかせなさい!』
 木曜日担当:森川 眞行

●柴田のコネタ
 ・「イメージングビジネス」再び
●本日のニュース
 ・5月23日(金)から「デジラ創世紀」
 ・海外主要サイト情報
  Apple/ Microsoft/ Sun/ SGI/ W3C/ Macromedia/ Adobe/ Meta
●イベント・情報
 ・デジタルハリウッド公開セミナー
●本日のTIPS/3Dアプリケーション編



●本日のコラム『ラスター編集も、まっかせなさい!』
 木曜日担当:森川 眞行「TOWERS」取締役/ デザイナー

一昨日の「日刊・デジクリ」にも書いたが、月曜日から3日間、東京のホテル
ニューオータニで行われた『マクロメディア・ユーザーコンファレンス』に
Fireworksのスピーカーとして出演した。ボクと一緒にプレゼンテーションした
のは、Macromedia Inc.のTom Hale。サンフランシスコからやってきた
Fireworksのプロダクトマネージャーだ。

前回も少し触れたが、当日のFireworksは最新のベータ版を披露することができ
た。現在ダウンロード中のパブリックベータよりも機能が増えている。今回は
新機能について少し触れてみる。(まだ見た人が少ないので具体的な方法より
も、概念的な記述になるが…)

Fireworksはベクターイメージ(Adobe Illustratorなどで作られたもの)とラ
スターイメージ(Adobe Photoshopなどで作られたもの)を同時に扱える。
…と言うことは「IllustratorとPhotoshopが合体してWebに特化したソフトウエ
ア」という事になるのだが、実際に今まで使ってみた感想としては、ベクター
イメージのハンドリングの方が強いように感じていた。ラスターイメージのハ
ンドリングは、イメージレディの方が向いているのかな?と正直思っていたの
だが、今回の新機能である「コンバートアルファ」によってボクの考えは払拭
された。「コンバートアルファ」とはオブジェクトをアルファチャンネルとし
て認識させる方法だ。

マスクとしてグループ化する事によって複数のアルファチャンネルをオブジェ
クトに対して与えることが出来る。オブジェクトに対してアルファチャンネル
を与える…。考えてみればこれは画期的な事である。アルファチャンネルの観
念をAdobe Photoshopでしか理解していなかったボクにとって(殆どの人がそう
だろうけど)目からウロコが落ちた出来事だった。オブジェクト単位でアル
ファチャンネルを持つということは、画像の編集作業の効率がよくなる。

加えて、ドロップシャドウやグロウ(発光)などのエフェクトも、オブジェク
トに対して独立したアルファチャンネルで管理しているので、画像の編集に対
してリアルタイムでエフェクトが変化するのである。
ラスターイメージ(写真など)にドロップシャドウのエフェクトをかけてみよ
う。そのラスターイメージを消しゴムツールなどで切り抜いても、ドロップ
シャドウはリアルタイムで追従してくる。これはオブジェクト単位でアルファ
チャンネルを適応させているためである。

こんな事が出来てしまうのは、FireworksがPNGというファイルフォーマットを
採用しているためである。PNGのメリットである、複数のアルファチャンネルの
管理・適応がFireworksに見事に活かされている。

ボク自身、Photoshopとはバージョン1.0からのつき合いで、Photoshopベースで
のデジタルコラージュが体に染み着いている。最初、Fireworksはデジタルコ
ラージュなどのラスターイメージのハンドリングは不得意だと思っていた。し
かし、今回の新機能をはじめとして多くのラスター編集をマスターすることに
よって、新たな表現が出来るのではないか?と期待している。Tom Haleと話せ
てヨカッタ(笑)

その他の新機能では、アニメーションの強化やスライス、ロールオーバーなど
もあるが、これはまた次の機会に…。

あ、そうそう…、今回のバージョンでは日本語をサポートできている。ボクっ
てやっぱり日本人。日本語が通って初めてテキスト編集の機能の豊富さに改め
て気が付いた(お恥ずかしい)さすがにFreeHandゆずり。(Tom Haleはもとも
とは、FreeHandのプロダクトマネージャーなのだ)

今回のバージョンも日程は未定だが、ベータダウンロードの予定がある。とア
ナウンスしていた。また暫くはMacromediaサイトの定点観測が必要になるな…。

【プロフィール】
森川 眞行
1958年大阪府茨木市生まれ。 1981年大阪芸術大学美術学科彫塑専攻卒業。
以降、17年間グラフィックデザイナーとして活動。
1989年Macintoshに遭遇して、カッターナイフとシャープペンと写植見本帳
を窓から捨てる。1993年シリコンカフェの名称でフリーランスになる。同年
関西DTP協会を設立して初代会長に就任。1996年G-TOOLという素材フリーサ
イトを作り、爆発的アクセスに腰を抜かす。1997年、ボクのアイデアに出資
者があつまり、G-TOOLをコアにした新会社・タワーズ株式会社を設立。取締
役に就任。

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■柴田のコネタ

「イメージングビジネス」再び

前に「イメージングビジネス」が、内容は面白いのにレイアウトのせいで読み
にくいと文句を言った。さいきん4号(6月号)が届いたので読んでみたら、特
集の「Ondemand On Business」が面白かった。しかも、3段組がとても読みやす
かった。もっとも、他は相変わらず1段組の文字数の多い(行長が半端ではなく
長い)ページも存在している。でも、創刊、2号あたりとくらべるとずいぶんマ
トモになってきたと感じる。

この本は業界誌ではないと思う。だが、キーマンインタビューでは相手の顔写
真が見開き2回の4ページ中に4~5枚も出てくる。こういう偉いオッサンの顔な
んか1枚でいいから、じっくり記事を読ませてくれといいたい。なんか業界誌っ
ぽさがモロに出ているページなのだ。それから、全体にケイや色帯、地の色な
んかがうるさいんだな。これでは、落ちついて読めない。と、また読みにくい
デザインに文句を言ってしまった。私はこの雑誌を支持する。内容が面白いだ
けにじつに惜しい、これは本音である。

それから、この号の「業界マルヒ小話」で意味がわからない部分がある。今の
組版ブームに対して疑問を投げかけているモモちゃんのセリフ(でも、「今の
組版ブーム」って何だ? そんなものあるのか)。
「ページネーションマニュアルそのものには何の文句もあらへん。ウチが文句
をいいたいのは、自分から過去のレイアウト・組版知識を学ぼうとしないDTP世
代が、ちらっとDTP雑誌などを扱っただけでごっつうもてはやされ、みんながそ
のマニュアルを扱うというその風潮はごっつう気にいらんわ!」

どうやら酔っぱらいギャルのようだが、このセリフは意味不明だ。「ページ
ネーョン・マニュアル」に関わる者として、なんかすっきりせーへん。筆者の
「デジタル亭やる像」(すごいね、このセンス)サン、わかりやすい日本語で
解説してくれませんか。

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■本日のニュース

●5月23日(金)から「デジラ創世紀」

5月12日号で紹介した京都のデジタルデザインの「d学校」の主催で、京都の町
家を利用したギャラリー“デジラ”が今週オープンする。

初回の参加メンバーは、京都の藤原ヨウコウ、井上佳子、井上和洋、そして西
宮市の弓田純大の各氏、および「d学校」の竹久マサオ氏。

題して「デジラ創世紀」。5月23日(金)から6月6日(土)まで。日・月は休
み。オープン時間は正午から午後7時まで。
5月23日は午後3時からオープニングパーティー。メンバー全員集合の予定。場
所は阪急烏丸駅から南へ数分(京都市中京区東洞院高辻下ル西側)。殆ど廃屋
なので電話はない。地図は下記ホームページにて。

また、もしスペースを見て気に入ってもらえれば個展なりグループ展などにど
んどん使って欲しいとのこと。ただし、家に買い手がつけば追い出される期間
限定の運営。会場費自体は不要、プレスリリースを兼ねた学校発行の新聞など
で紹介するが、DMなどは作家が準備する。

詳細は下記ホームページの「ギャラリー」欄に記事にしてある。
もっと詳細はそこからpdfにリンクしている。

「d 学校」 604-8222京都市中京区四条通室町西入ル一筋目上ル観音堂町467 2F
Tel.075-253-2886 Fax.075-253-2887
http://amnet-park.com/d-gakko/
竹久(mailto:YUMEWORK@aol.com)

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●海外主要サイト情報

http://www.apple.com/hotnews/
・アップル代表者たちは、1998夏にユーザーグループツアーを行い、全米
30以上の都市の現地コンピューターユーザーグループを訪れる。
・アップルストアーは、広告業がもっとも欲しがる名誉のうち、2つを獲得。
「ゴールド・クリオ・フォー・ベスト・ワールド・ワイド・ウェブ」と「ゴー
ルド・ペンシル・フォー・ベスト・ディレクト・マーケティング/インター
ネット・コマース・サイト」
・パワーマックG3デスクトップコンピューターと新パワーブックG3はイギリス
バーミンガムで行われたG3で情報収集操作の中心となった。

<マイクロソフト> http://www.microsoft.com/
・Microsoft Expedia社からパリへのチケットと1998ワールドカップ・決
勝戦のチケットを手に入れよう
・マイクロソフト、歌手のRebaの最新曲「If You See Him」のCDを売るため
に協力。
その中には、未発表の曲が聞けるサイトにアクセスできるReba仕様のインター
ネットエクスプローラーが含まれている。

<サン・マイクロシステムズ> http://www.sun.com/
・サン、JAVASAFE1.0の有用性を発表
・サン、性能、精度、容量を必要とされる、Solaris用 64bit アプリケーショ
ン作成のため、ベータプログラムを開始。
・Java Dynamic Management Kit2.0、入手可能。無料試用版ダウンロードあ
り。

<シリコン・グラフィックス> http://www.sgi.com/
・シリコングラフィックス、ハイパフォーマンスシステム製造のため、
Celestica社(世界第3規模の電気工学製造サービス会社)と戦略的同盟を結
成。

http://www.w3c.org/
・W3C、「プラットフォーム・フォー・プライバシー・プレファランス(P3P)」
の内容を発表。

http://www.macromedia.com/
・マクロメディア、「Flash Generator」のパブリック・ベータを発表。ウェブ
グラフィックを作成するため、Flash3で作られたテンプレートを使う、パワフ
ルな新サーバーベースソフト。

http://www.adobe.com/
・Adobe Premiere 5.0を出荷

<メタ・クリエイション> http://www.metacreations.com/whatsnew.html
・リキッドイメージングを次段階にした、「Kai's Super Goo」入手可。

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■イベント・情報

●デジタルハリウッド公開セミナー 5月26日
<特別公開セミナー CREATOR'S TALK '98 Vol.2>
メディアクリエイター平野友康氏(サードステージ)
「インターネットにおけるクリエイターの考え方と最新状況」

「世界を変えるインターネットの存在は、すべての人の未来にとって欠く事の
できない重要な要素となってきている。一時期のいわゆる『インターネットバ
ブル』から脱した現在、本当にインターネットに求められるものは何か、そし
てクリエイターとして表現すべきものは何なのかを、実際の具体例を見ながら
考えていく。Webページはもちろんのこと、我々が向かう未来に何を見るべきか
を、なるべくわかりやすく語っていこうと思う。(平野 友康)」

【プロフィール】
坂本龍一PLAYING THE ORCHESTRA 1997 "f"のインターネットライブ
<http://www.kab.com/f/>を記念して公開した"f Screensaver"のプロデュース
他。
毎週土曜日深夜ニッポン放送「お台場ラジオ会館」パーソナリティー。
サードステージ<http://www.thirdstage.co.jp/>

【開催日時】東京校 5/26(火) 18:45開場 19:00~20:30 (定員:100
名)
  (JR御茶ノ水駅下車 徒歩2分 電話03-5281-9221)
  横浜校 6/ 6(土) 18:45開場 19:00~20:30 (定員:50名)
 (JR横浜駅西口下車 徒歩5分 電話045-316-6001)
【参加費】無料(要予約)
【申込方法】事前に電話・メールでお申し込みください。当日の参加証を発送
      させていただきます。 Eメール/ mailto:dh@dhw.co.jp
※タイトルを「公開セミナー平野氏DC」としてください。
※本セミナーを日刊・デジタルクリエイターズでお知りになられた旨を記載く
ださい。
※住所/氏名/年齢/職業/メールアドレス/電話番号 を記載ください。
※会場所在地は、<http://www.dhw.co.jp/>でご確認いただけます。

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■本日のTIPS/3Dアプリケーション編
 【日刊・デジタルクリエイターズ】では毎日クリエイティブ関連のアプリケ
 ーションのTIPSを掲載していきます。
 TIPSの難易度は、5段階で★印を文末に付けています。
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●StrataVision3D Ver.5.0編/「オブジェクトを隠す」

作りこまれて複雑に入り組んだ構造のデータになると、表示も遅くなり目的の
オブジェクトを選択するのも困難になってきます。

オブジェクトを選択し、[選択範囲]→[隠す]で非表示状態になります。表
示されなくなるだけですが編集やレンダリングができませんので削除されたよ
うに思われますが、[選択範囲]→[全て表示]で隠されたオブジェクトをす
べて表示状態に戻せます。効率よく作業するために是非利用していただきたい
機能です。

[隠す]は必要な時に段階的に利用することができますが、[全て表示]はい
ままで隠されていたオブジェクト全てを表示します。

隠されているオブジェクトを含んだデータを保存しても、情報は保持されてい
ますので再読み込み後も[全て表示]で利用できます。
★★(松岡アキラ)
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●今日から海外サイトの更新ダイジェスト情報をお送りします。訳してくれて
いるのは嶋田美香さん。チェックした方がいいと思われるサイトがありました
ら、メールかBBSへ書き込みお願いします!(濱村)

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0034 1998/05/21発行
発行社  タワーズ株式会社
     <http://www.towers-inc.com/>
     大阪市中央区高麗橋1-5-6 東洋ビル3F
     TEL:06-231-1011 FAX:06-231-0838

編集長  森川眞行 
     柴田忠男 
     神田敏晶 

情報提供はこちらまで 
           担当:濱村和恵
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※リアルタイム編集後記「編集長はつらいよ」はこちら↓
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