[0074] Windows World EXPOのセミナーで講演した

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0074 1998/07/07発行
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●本日のコラム「Windows World EXPOのセミナーで講演した」
 火曜日担当:柴田忠男

●草臥電画教師の脱線記/ 飯田HAL

●イベント・情報
 ◎第5回かながわマルチメディア産業未来展
●本日のTIPS/3Dアプリケーション「LightWave3D」編



●本日のコラム「Windows World EXPOのセミナーで講演した」
 火曜日担当:柴田忠男

7月2日、幕張で行なわれたWindows World EXPOのセミナーで講演した。テーマ
は「Windows環境におけるハイエンドDTP市場の最新動向」で、相棒は図書文字
情報システムの久富隆洋さんだ。私はWindows DTPについては、「Windows DTP
PRESS」誌の一号で一定の見解を出しており、それ以上言うことなかったが、郡
司秀明・永田豊志のチームが「ビジネスDTP」をやると聞いて、では負けていら
れないとヘンなライバル意識を燃やして、最強のパートナー久富さんを巻き込
んで出演をOKした。

昨年のシーボルトセミナーズの「Windows DTPチュートリアル」では、郡司さん
が招集した濃ゆい濃ゆいWindowsDTPの専門家が発言したが、WindowsDTPのソ
リューションを与えるべきチュートリアルで「WindowsDTPですか~、やりたけ
ればおやりになれば~」という投げやりな雰囲気も漂ってしまったときに、と
ても親切な発言をした、もっともいい人が久富さんであった。そのときは挨拶
を交わしただけの久富さんとは、今年の初めに「PREMedia」のインタビューで
会った。

それがあきれるほど淡々とした進行で、盛り上がりがなく、私も久しぶりにイ
ンタビューの失敗を感じた。こりゃ記事にならないかもしれないと、同行した
編集者・小川好子さんもかなり焦ったようだ。ところが、テープを起こしてま
とめてみると、これが意外にグッドだ。じわじわと面白い味が漂う不思議な出
来で、私は気に入ったインタビューになった。取材時に分からないままに聞き
流していた事柄が、きっちりとまとまっていた。もちろん、小川さんの原稿つ
くりの手腕によるものだが。

6月下旬はためこんだ原稿書きに追われて、セミナーの内容については何も考え
られなかった。やっと7月1日、午前中いっぱいをかけてシナリオを作り、久富
さんにメールで送りつけた。シナリオといっても、私はこういう質問をする予
定であるから、答えを考えておくように、という身勝手なものだ。すると、明
日は11時に講師控室で打ち合わせしようと返事が来た。実質的な最初の打ち合
わせが本番前2時間である。

セミナー当日。11時からシナリオに沿って話を始めたが、12項目あるテーマの
うち最初の4個くらいで時間は尽きた。となりでは郡司・永田チームが、数時間
後にやるセミナーのプレゼン素材を今になって作っていた。こっちより上手が
いた。

午後1時からのセミナー会場は、ざっと半分くらいの入りか。聞けば、古川享さ
んの基調講演こそ立ち見が出たが、他はかなり空いていたとのこと。我々の
チームの話が始まる。私がリードするが、ほとんどシナリオはすっ飛んで、成
り行きの進行となるが、それでもきちんと話はつながっていたと思う。淡々と
して盛り上がりはなかったが、要点は押さえたはずだ。75分なんてあっけなく
過ぎてしまう。

その後、わたしは会場と次のセミナーSOHOネットワーク埼玉(森川さんと一緒
にしゃべる)に行ってしまったので、郡司・永田チームのセミナーの様子は見
られなかった。郡司さんはいくらでもハイになれるし永田さんも一種の怪人で
ある。陽気な面白いプレゼンができたであろうか。どっちが勝ったであろうか?
担当の本間修さんに聞く勇気がない。


当日、私が提示したのは大体以下の通りで、現実面は久富さんがフォローして
くれた。これは、私のWindowsDTPについての意見である。セミナーでは、プリ
ンタドライバーの設定や、最近遭遇したPageMakerとTrueTypeのトラブル例など
を久富さんがプレゼンした。

いわゆるMacintosh のハイエンド路線にとって代われるかというと、現状の
Windowsではまったく力不足であり、無理してやること自体がナンセンスである。

WindowsのDTPには、そのハイエンド路線以外に、顧客の作るWindowsのデータを
処理するビジネスDTPという路線もあり、さらにPostScriptとは違うTrueTypeの
環境があり、デファクトスタンダードのないソフトの選択肢の多さからけっこう
行けるのではないかと感じている。

現状で大きな問題は、誰が使うかである。印刷を知らない人が勝手に使ってい
るから、非常識なデータが作られる。これはMacintoshでも同じだ。ユーザーの
裾野が広がれば広がるほど、ヘンなことが起きる。Windowsの方が裾野が広いし、
ユーザーも圧倒的に多い。その分、トラブルとはいえないまでも問題のあるデー
タは大量に作られて出力の現場に持ち込まれる。

WindowsのDTPで最大の問題は人材である。きちんとしたデータを作れるデザイ
ナーが非常に少ない。MacintoshとWindowsの、両方を十分に理解している人は
さらに少ない。

フォントはMacintoshと同じ環境ではない。PostScriptフォントで、画面表示に
ATMが使えるのはアドビのType On Callだけである。現在のバンドル版では、タ
イプバンク書体、平成書体のCIDフォントが収録されている。これに限り、
Macintoshと同じPSフォントによるWYSIWYGが可能だ。他のPS書体(印刷業界で
は標準的なモリサワなど)での出力も可能だが、画面上では仮想フォントとし
て扱う。もちろんWYSIWYGではなく結構いいかげんな表示になるが、一応使え
る。すでにMacintosh用にPSフォントがプリンタにインストールしてあれば自由
に使えるわけで、メリットはある。Type On Callの次期製品版パッケージでは、
アドビの小塚明朝とタンプバンクの新書体などが追加されるが、モリサワは技
術的課題が解決できず収録されない。どうしてもモリサワで、ATMで画面上で
トータルに使いたいという条件だったら当面WindowsベースのDTPは不可能で
ある。

現時点では、仮想フォントを使ってPS出力するか、TrueTypeを使用するかの二
つの選択肢があるが、TrueType使用が標準になると見る。TrueTypeならPSの
ATMと同様に、画面上ではWYSIWYGであり、なによりも圧倒的に価格が安い。
TueTypeを用いても、イメージセッタ出力を考えると、PS環境は必要である。

色はどうか。やっとWindows98でICM2.0が搭載されて、今のMacintoshの環境に
追いつく。だが、Macintoshでも真面目に色合わせして制作するデザイナーがい
るのかというとごく少数である。Windowsでは、もともと画面はいいかげんでも
かまわない道具だったから、色を信じてはいけない。DTPはやはり経験である。
画面がこうだったら、仕上がりはこうなるというイメージを持てるかどうかで
ある。

組版ソフトはどうか。DTPの定番となっているQuarkXPressのWindows版が出れば、
一気にWindowsDTPになだれ込むというのは、まず現実的な話ではない。たまた
ま出力が安定していたのがQuarkしかなかったという時代があったという理由で、
いまの地位を築いているのだから、Windowsではそうなる必然性がない。

WindowsベースのDTPは可能性あり、ということになる。しかし、いま
Macintoshで不自由していないのなら、WindowsDTPと銘打って人材や機器に投資
するのは愚かである。わざわざ無理して不自由な道具に変える必要はない。こ
れからDTPを始めようというのなら、低い投資ですむWindowsでもいいだろう。
だが、導入しても、いざというとき助けてくれる人が少ない。それなりの覚悟
が必要だ。

Windows World EXPOの新製品情報などがここにある。
http://www.idgexpo.com/wwe/cool/whatcool.htm

【プロフィール】
しばた・ただお 7月から仕事の環境を変える。いままで完全SOHO者だったが、
今後は、午前はSOHOで仕事、午後は都内の編集室(完全禁煙というすばらしい
環境だが、冷房がきついのとデスクのパフォーマが超トロなのが難点)で仕事、
夜はSOHOで部活とする。ひさしぶりに電車や地下鉄で通勤するのも健康にいい。
これで読書する時間が増えた。

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■草臥電画教師の脱線記/ 飯田HAL

序章

突然電話のベルが「リンリン」と鳴り響き、右手はタブレットを動かしながら、
左手であわてて受話器を取り「はい!」と返事をする。電話がかかってきたと
きのいつもの動作である。いや、電話が「リンリン」と鳴るのは昔のアナログ
の話しで、今時は「ぷるるる~!」。

はて、ここで考えたが家の電話の音はいったいどんな音だったのだろう。電子
音であることは確かなのだが、身の回りあまりに電子音が多いせいなのか、毎
日の事なのにすっかり忘れている。いきなり冒頭で脱線してしまったが、まあ
脱線を繰り返しながら話しは進行していくものである。しかし、そろそろその
電話の話しに戻るのである。

さて、その内容は「CGを教える学校があるのだが教師が不足しているので、
是非にHALさんに話を聞いて欲しい」と言う事。以前、某米国映画会社に似
た名称の学校でPhotoShop等を教えたと言う経験もあり、それを知っての依頼な
のだが、「若い人材を育てることはとても有意義な事だ」等と、自分にうそぶ
いて、真は指して忙しくもない身の上なので、翌日詳しい話しを聞きに先方ま
で出向くことにした。

行った先は原宿、若者の街。私も若かりし頃この街に居住し生活の拠点として
いただけに、なつかしい事しきりである。「たけのこ」等という訳のわからん
人種が伸びてくるよりもずっと以前の話だ。若い頃から体型はあまり変わらず、
背は高く今よりももっとスリムで、これでなかなかもてていて、と言う自慢話
はさておき、それは年上の女性の所に転がり込むという貧乏人であったせいか
も知れない。若いと言うことは良いことだ、とは言え私はまだまだ若い! 
わはは(⌒▽⌒)。

この学校は今年発ち上げたたばかりで、専門学校4校からの専攻科目としての
CG及びDTPを目指す子供達が集まりクラスを作り、最後はプロを目指し勉
強していくために作られたとの事。ほとんどがコンピューターに触るのが始め
てと言う子供達だが、絵画をやっていた子供やデザインを志す気持ちの高い子
供達がほとんどで、みんな前向きだと言う。しかし始まったばかりのこの学校
はカリキュラムも出来ていず、教師として何人かの人間にあたっては見たもの
の若い人材はことごとく逃げていってしまったらしい。うぅ~ん、やはり私が
若いとは見られていないぞ。

しかし、私はPhotoShopは自分の範囲では完全マスター!?してはいるが、
Illustrator等ほとんど触ってもおらず。ましてはDTP等というものは無縁の
人間。学校に通うと言うことは1日を完全に使ってしまうという事だし、給与
は高いぞと言って金額をお出ししたが、それでも良いとのこと。前記したが、
さほど忙しい身の上ではないので(言ってみれば暇)「まあいいでしょう」と、
お受けした。そして、「いつからでしょう」とお伺いすれば、明日からだと言
う話。進行中の仕事も1日くらいの余裕は充分あるので、早速翌日から教室へ
出向くことになった。

さあ、この後が大変。事の顛末、とは言っても未だ進行中なのだが、週2日間
の珍教師生活のはじまり、はじまり。あちらこちらと脱線しながら綴り続ける
行き着く先は、書いている当人にも読めないのだ。

【プロフィール】
飯田HAL
アナログアートから一躍デジタルアートへ転身したものの、一匹狼故仕事もま
まならず。しかし、作品第一段は小学館からデジタル絵本「ウニベルソ」
(ISBN4-09-727045-1)を執筆、好評を得ると言う好機に恵まれ。続けて宏和印刷
よりCD-ROM作品集[3D STEREOGRAM WORLD]を出す。Web関連ではここでの執筆者
である笠居聡宏氏等と共に秀和システムのクリエーターシリーズに同席、昨年
から今年6月にかけてはWINDOWS WORLD誌の表紙イラスト等を担当。今年6月の
出版物Painter Super ArtWorks(翔泳社)に寄稿。
e-mail : mailto:hal_@yk.rim.or.jp
www : http://www.kobanzame.co.jp/HAL/main.htm
Digital Image 会員

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■イベント・情報
 今見られるイベント・アート・セミナースケジュール
http://www.towers-inc.com/mag/daily/event.html
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●第5回かながわマルチメディア産業未来展

神奈川県が中心となり、地域の産学公が一体となって地域情報化の普及啓発を
図る「第5回かながわマルチメディア産業未来展」を南足柄、小田原で開催し
ます。特別催事も開催されますので、ぜひご参加ください(参加費無料)。

南足柄会場:南足柄市文化会館
     (伊豆箱根鉄道大雄山線大雄山駅より徒歩5分)

 1.講演会「変わる日本経済と暮らし」
   内容:急速に普及するマルチメディアによって日本の経済と暮らしはど
      のように変わるのか、についてお話しいだだきます。
   日時:7月15日(水)10:15~11:45
   講師:高成田享 氏 朝日新聞論説委員
      (元 テレビ朝日「ニュースステーション」キャスター)
   定員:300名
 2.「マルチメディアと私たちの暮らし」
   内容:西湘・足柄上地域から、インターネットなど、マルチメディアを
      使って様々に情報発信している地元の方に、それぞれの事例を紹
      介していただきます。
   日時:7月15日(水)13:00~14:30
   出演:富士フイルムバレーボールチーム「プラネッツ」
      蔭山弘道 選手、南由紀夫 選手
      小田原市広報広聴室 職員 関嘉也 氏
      小田原市立報徳小学校 教諭 海野和彦 氏
   定員:300名

小田原会場:小田原市民会館 第7会議室
      (JR小田原駅より徒歩10分)

 3.地域情報化シンポジウム 「マルチメディア時代の地場産業とは」
   内容:地元企業の情報化に対する取り組みの事例を紹介し、地場産業の
      活性化に情報化の果たす役割を考えます。
   日時:7月17日(金)13:00~15:00
   事例紹介: 鈴廣かまぼこ(株)
        (有)魚國商店
        (株)小田原機器
   定員:100名
 4.「こうなる未来の観光」
   内容:西湘・足柄上地域の主要産業である観光産業の未来について情報
      化の視点を踏まえて展望します。
   日時:7月18日(土)13:00~15:00
   出演:(財)余暇開発センター
      (株)ゼンリン
      かながわマルチメディア産業推進協議会
      「バーチャル東海道五十三次ワークショップ」他
   定員:100名

お問い合わせ・申込先:
神奈川県商工部産業政策課情報産業振興班
FAX:045-212-8335TEL:045-201-1111内線5739
mailto:nemoto.1809b@pref.kanagawa.jp

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TO :nemoto.1809b@pref.kanagawa.jp
FAX:045-212-8335

           催事参加申込書

ご参加希望催事:1.講演会「変わる日本経済と暮らし」
      2.「マルチメディアと私たちの暮らし」
       3.地域情報化シンポジウム
         「マルチメディア時代の地場産業とは」
       4.「こうなる未来の観光」
上記の1~4からお選び下さい。複数選択可
企業/団体名:
参加者ご氏名:
   ご住所:
   TEL:
   FAX:

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■本日のTIPS/3Dアプリケーション編
 【日刊・デジタルクリエイターズ】では毎日クリエイティブ関連のアプリケ
 ーションのTIPSを掲載していきます。
 TIPSの難易度は、5段階で★印を文末に付けています。
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●LightWave3D編/「ベベル」

3Dロゴタイトルなどに多用される、押し出し成型された3Dオブジェクトの
角が取れたような形状を生み出す機能です。

ロゴを押し出すだけでなく、ポリゴンに対して自在に適用できますので様々な
効果を生み出すことが出来ます。球体表面のポリゴンに適用すると手榴弾の表
面のような凸凹ができます。(球上の各
ポリゴンにベベルが適用されるため)細分化された板状オブジェクトに適用す
れば、板チョコの様なブロックパターンの凹凸が出来ます。

数値設定によって出っ張り具合の調整が可能です。マイナス数値を設定するこ
とで、へこみを表現することもできます。

★★★
【プロフィール】
松岡アキラ(ディジタルクリエーター)

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0074 1998/07/07発行
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     TEL:06-231-1011 FAX:06-231-0838

編集長  森川眞行 
     柴田忠男 
     神田敏晶 

情報提供はこちらまで 
           担当:濱村和恵
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