[0096] アゲゾコ ビジネスの終焉

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0096 1998/08/03発行
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●本日のコラム「アゲゾコ ビジネスの終焉」
 月曜日担当:神田敏晶

●本日のニュース
 ◎主要サイト情報
  Apple/ Microsoft

●イベント・情報
 ◎第5回 fDESIGN展「波・WAVE!」



●本日のコラム「アゲゾコ ビジネスの終焉」
 月曜日担当:神田敏晶

久しぶりに某ソフトウェアをアップグレードしました。以前は、どんなソフト
ウェアでも最新版が登場する度に、ワクワクしながらアップグレードしたもの
です。しかし、この数年ソフトウェアのアップグレードは控えめでした。アッ
プグレードのメリットがあまりみえなかったからです。…というより、マイ
ナーなバージョンアップが多すぎるからです。よくよく確かめてみると、「バ
グが少なくなったとか、エラーがでにくくなりました」と書かれています。
そっ、それっておたくの会社の責任なんじゃないんですか…。また、古いハー
ドウェアに古いOSで走ってるマシンでは、新しいバージョンが動かない場合も
よくあります。日本の店頭には旧OSは並んでもいません。アメリカでは、まだ
Windows3.1が店頭で販売されていました。DOSからアップグレードする人がいる
かららしいです(^_^)。

ウチの事務所でもソフトウェアのパッケージが壁面にズラリと並んでいます。
しかし、そのソフトウェアのパッケージのサイズがバラバラで、壁面は見事に
自然増殖したパッケージのおぞましいデザインに犯されています。どうして、
このパッケージの規格サイズってないんでしょうね。ちなみにマイクロソフト
社製品は、タテ24センチ・ヨコ19センチでデザインされているようです。ほと
んど上部からオープンするようになっています。他のソフトウェア会社も、ほ
ぼ同じようなパッケージサイズですが、上から化粧用のまわしをかけたり、菓
子折りのような箱であったり、てんでバラバラなんですね。その中から必要に
応じたマニュアルをとりだすのって至難の技です。

数万円もするソフトウェアらしいパッケージにするためのアゲゾコがほとんど
です。中身をとりだせば、とても薄いのです。かといってマニュアルだけで保
存しようとすると、薄手の「最初にお読みください」や、副読本の「チュート
リアル」そして、CD-ROMやFD、ビデオ、登録ハガキの控え、などがすぐに迷子
になってしまいます。やはりそれらが、点在するとややこしいのでオリジナル
のアゲゾコパッケージにおさまるハメになるのです。すると、壁面はずらっ~
とパッケージの保管場所となり、ほとんど使用されないパッケージのためにオ
フィスが侵略されるんですね。
とにかくソフトウェアパッケージの規格サイズって、どこか決められないんで
しょうかねぇ?中には本とCD-ROMぐらいなんだから…。

もう、そろそろこの大袈裟なアゲゾコパッケージをやめませんか? どれだけ
地球環境にもやさしくなることでしょうか…。パッケージがデカくて重い方が
高そうに見える人って、もういないと思うんですけど…。また、取り扱い説明
書がいらない人には、ネットワークで本体のみの販売でもいいと思います。さ
らに、ネットワークでダウンロードして、マニュアルだけを別途購入というの
もありでしょう。ソフトウェア会社も在庫を抱えることなく、マニュアルは注
文をうけた分だけ、発送すればいいのです。しかも直販で…。

アップルコンピュータ社は、ハードとOSとソフトを扱う、唯一のコンピュータ
メーカーです。マイクロソフト社は、マウスやキーボードを販売してもパソコ
ン本体は扱っていません。そのアップルコンピュータ社は、MacOSを次から次へ
とマイナーバージョンアップしてきています。ウチのオフィスのMacはバージョ
ン違いのMacOSに満ちあふれています(^^;) 。悲しいかな、進化するOSとは違い、
ユーザーサポートから「OSのアップグレード」のご案内は一度も来たことがあ
りません。メールニュースで知って、販売店か雑誌のCD-ROMで入手してくださ
い…というアップグレードなのです。

雑誌で配付された差分のアップデータを利用したりして、アップグレードをし
ましたが、やはりシステムを新たに構築したい時などとても不便です。ここま
でアップグレードするには…このバージョンに、このパッチをあててから、こ
のインストーラーで…頭がパニックになりそうです。販売店も一々そんなビジ
ネスを相手にやっていられません。
 
Windows98でも同様の事が言えます。Windows95からアップグレードした人は、
当然新たにインストールする時は、95を入れてから98を入れなおすんですよね。
その不便さを解消するための、バージョンが必要です。フルパッケージ版とは
違って、両方を持っているユーザーのための、フルパッケージ版もしくは、フ
ルパッケージ版の割り引き販売をすべきでしょう。また、ネットワーク上でも
注文できるようにしてほしいと思うのです。

パソコンのソフト流通は、非常に今つらい立場にあります。ネットワークでダ
ウンロードして、CD-ROMライターで焼いてしまえば、パッケージとマニュアル
以外はすべてユーザーは、手中におさめることができるのです。マニュアルも
PDFファイルを、近所のコピー屋さんにもちこめば、瞬時に製本してくれるよう
な所も登場してきました。マニュアルやメディア用のパッケージを整理できる
規格製品が、文房具屋さんで手に入れば、便利かも知れません。

いや、アスクル( http://www.askul.co.jp/ )で申し込みができればさらに
便利でしょうね。きっと事務所のパッケージの保管場所もスッキリすることで
しょう。また、近所の文具屋さんにお願いするよりも、アスクルの方が早く到
着するから不思議です。あとは、この流通網に今週のボクあての荷物も一気に
ほうりこんでもらえるような付加価値サービスが生まれると、もっともっと便
利になるでしょう。もしかすると流通革命になるかもしれませんよ。

海外のウエブサイトで買ったものも、インターネットで一箇所の管理会社の私
書箱あてにすると、運賃が安くなるようなサービスは考えられます。決まった
場所にいつも決まったパケットを届けるだけですからね。料金は国際便でもか
なり安価になります。すると定期的な国際の宅配便の物理的なルートが完成し
ます。そこにアスクルのような、流通費用の送料を負担するようなシステムが
登場してきた事によって、家庭や職場と全国、いや世界を結ぶパケットがうま
れるのす。家庭や職場の属性がわかると、属性やターゲットにあわせた試供品
やサンプルのポスティングが可能になり、チラシやカタログなどの広告媒体を
混入することができれば、新たなマーケティングツールになるのではないで
しょうか?新たなインターネットビジネスが登場しそうな気配ですね。ダイ
エーとウオルマートの値段を比較したり、三越とハロッズの値段を比べて家庭
でショッピングすることも可能な時代なんですね。

…でも、そうなるとますますインターネットに出遅れたところがジリ貧になっ
てしまうんでしょうね。それでなくても、日本で2~3年前からはじめていると
ころとでは、大きく差がついています。今活躍しているウエブビジネスの成功
者たちは、今から2~3年前にはじめられたものばかりなのです。その頃に専用
線とサーバを手に入れているところが伸びているんですね。

1994年、サンノゼで開かれたインターネットエクスポジションという展示会で、
2人の大学生のBookmarkジャンル分け無料リンクサービスが受賞していました。
しかし、その時ボクは彼らが、この世界のガリバー企業になるなど、ちっとも
想像できませんでした。Gパン姿の彼らに「えっ?」ってサービスの名前を聞き
直してたほどです。今や彼らのサービス「ヤフー」を聞き直す人などどこにも
いません(^_^)。それでも、たかだか4年しかたっていないんですね。株価はす
でに超有力企業並みになりました。

これから、さらに加速度をあげてウエブビジネスは進化していくことでしょう。
流通から何から何まで、インターネットにシフトしてくると思います。今まで
あったビジネスがインターネットに飲み込まれるのは、時間の問題なのです。
アップグレードぐらい、電子メールとインターネットでダウンロードできない
ソフトハウスに、将来はありえません。流通や販売店を気にしている間にいつ
しか、自分のところがヤバくなってしまいます。アゲゾコ商売にアグラを組ん
でいる間に、自分がアゲゾコ側にならないようにくれぐれも注意しましょうね。

【プロフィール】
かんだ・としあき
KandaNewNetwork ビデオジャーナリスト
mailto:kanda@knn.com
http://www.knn.com/
年令不祥? B型 大阪学院大学経済学部卒業 出身地=神戸
東京でワイン関連のマーケティング業からコンピュータと出会い、コンピュー
タの道にハマル。以後、神戸で 1991年、関西のMacintosh生活情報誌
「MacPress」を発刊。1995年、コンピュータ雑誌の連載コーナー名がそのまま
社名となり独立ビデオジャーナリストとして、デジタル業界をリポートする。
1997年、関西発信のデジタル生活情報誌「関西インターネットプレス」発刊。
1998年、関西のマルチメディア情報が毎日届くメールマガジン「日刊!関西 イ
ンターネットプレス」発刊。世界で一番小さなデジタル放送局
KandaNewsNetwork代表。テレビ、新聞、雑誌、講演、世界旅行、ワイン、 ロッ
クバンド、インターネットとリビドーの命ずるまま行動する。
2001年12月01日バージニア州の民間航空宇宙企業が開発した「ツー・ビークル
式スペース・クルーザー」で宇宙旅行を遂に予約してしまった(^_^)。
1998年6月10日より、ワールドカップのインターネット放送を数十万人規模でお
こなう。毎月第1金曜日・第1日曜日はライブハウスでポール・マッカトニーに
なっています(^_^)

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■本日のニュース

●主要サイト情報

Apple
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Farallon社では、9月までに EtherMac iPrint Adapter LTを発表する。これは
iMacにおいて、イーサネット経由でプリンターや他のデバイスを使うことがで
きるというもの。
http://www.apple.com/hotnews/

$32.3 millionの収入において、$2.96 millionの利益報告。
マクロメディア社によると、プロダクト収益の51%は、マッキントッシュ関連で
のものであり、昨年の同期よりも11%増加しているとのこと。
http://www.apple.com/hotnews/

Macworldは、マックやアプリケーションの性能を効率よくさせる101のtipsを集
める為、17人のトップマックエキスパートを訪問した。
http://www.apple.com/hotnews/

CompUSA storeでiMacを予約した顧客は、CompUSAでのアップル関連製品を最大
$800の割引が出来るクーポンブックがもらえる。
http://www.apple.com/hotnews/

ニューハンプシャー、ハノーバー。著名な卒業生であるDaniel WebsterとDr.
Seussは、2002年卒業のクラスの為iMacを推薦したという話。
http://www.apple.com/hotnews/

Microsoft
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世界最大のデベロッパーイベントを見逃すな! 今すぐレジスターを。
http://www.microsoft.com/

マイクロソフト社は、Outlook 98かOutlook Express 4.xの利用者に、E-mailの
セキュリティの為のPatchファイルをダウンロードすることを勧める。
http://www.microsoft.com/

マイクロソフト社とAfropaedia LLC間でのコラボレーションであるEncarta
Africanaでは、地理、歴史、政治、文化、アフリカ系人、についての軌跡記事
を記述。
http://www.microsoft.com/

Windows CEに関してのマイクロソフト社のヴィジョンを調査。Windows CEが小
型モバイルPCで使用されているのは氷山の一角。
http://www.microsoft.com/

最初の正式な返答で、マイクロソフト社は連邦及び州自治体による訴訟は「全
くの事実無根」と発表した。
http://www.microsoft.com/

インターネットでWebサイトを接続する基本を。ハードウェアやソフトウェアは、
セキュリティの記事やセットアップの為のステップバイステップのガイドを必
要としている。
http://www.microsoft.com/

マイクロソフト社は、beta版 RealNetworks G2 Media Playerでのバグのための
働きを提供した。
http://www.microsoft.com/

マイクロソフトシステムジャーナルの最新号がオンラインに。
http://www.microsoft.com/

多国語をオンライン入力できる Global IME リリース!
http://www.microsoft.com/japan/

「マイクロソフト オフィス 教職員向け文例集」校務文例追加
http://www.microsoft.com/japan/

Windows 98を含むクライアントOSとの互換性情報ページを公開
http://www.microsoft.com/japan/

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■イベント・情報
 今見られるイベント・アート・セミナースケジュール
http://www.towers-inc.com/mag/daily/event.html
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●第5回 fDESIGN展「波・WAVE!」

1989年に NIFTY SERVE で誕生したデザインフォーラム(FDESIGN)が、8月22日よ
り第5回 fDESIGN(エフデザイン)展を開催します。

fDESIGN展とは、日本最大規模のコンピュータネットワーク NIFTY SERVE の中
で唯一、ジャンルを超えたデザインをテーマに活動しているデザインフォーラ
ムの会員が開催するグループ展です。もちろん、今回のテーマや開催場所の決
定などの進行・運営もデザインフォーラム内で専用会議室を開いて進めてきま
した。また、作品の中には、デザインフォーラム内の会議室でアイディアを出
し合いながら作り上げていったものもあります。だから、fDESIGN展そのものが
一つのネットワークコラボレーションだとも言えるでしょう。私たちはこうい
うカタチで、ネットワークを使ってみたのです。どうぞご覧になってください。

主催/NIFTY SERVE デザインフォーラム <FDESIGN>
協賛/NIFTY SERVE
会場/O美術館 <入場無料>
   東京都品川区大崎1-6-2 大崎ニューシティ2号館2階
   電話:03-3495-4040
   JR山手線大崎駅(東口)下車徒歩3分
   駐車場:大崎ニューシティ地下2階駐車場(有料)
会期/1998年8月22日(土)~26日(水)※
   午前10時~午後6時30分(入館は6時まで)
   ※最終日8月26日(水)は午後3時まで

お問い合わせは…
第5回 fDESIGN展準備委員長: mailto:NCA00706@nifty.ne.jp たかし
         準備委員: mailto:PDF00650@nifty.ne.jp KENNE

■デザインフォーラム(FDESIGN)について
1989年に NIFTY SERVE 上に、幅広い視点でデザインを考えるフォーラムとして
開設。デザインのジャンルや、プロ・アマ、発注者・受注者、制作者・使用者
の枠を超えて、デザインを語れる日本で最初のネットワーク型総合デザイン
フォーラムです。
【主な会員層】
インダストリアルデザイナー、インテリアデザイナー、グラフィックデザイ
ナー、サインデザイナー、ファッションデザイナー、ジュエリーデザイナー、
一般社会人、主婦、学生

■前回実績(第4回 fDESIGN展/1997.8.23~27)
出品者数 48名
総作品数 114点
出品内容 絵画、イラストレーション、立体・半立体オブジェ、書(カリグラ
フィー)、グラフィック・インダストリアル・建築・テキスタイル
ファッション・カー・ディスプレー・ジュエリーなどの各デザイン
作品および、工芸・彫刻・陶芸・写真・レザークラフト・木工・
ガラスアートなどの共同制作作品
会  場 O美術館
来場者数 523名

※今回は前回の規模を上回るスケールでの開催を予定しています。

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●本日より、発行社がタワーズから変更になりました。今後共よろしくお願い
いたします。

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0096 1998/08/03発行
発行   デジタルクリエイターズ
     <http://www.towers-inc.com/mag/daily/index.html>

編集長  森川眞行 
     柴田忠男 
     神田敏晶 

情報提供・投稿はこちらまで 
              担当:濱村和恵
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※リアルタイム編集後記「編集長はつらいよ」はこちら↓
http://www.towers-inc.com/square/editor/visit.shtml
※討論・激論・あったか感想・なんでもありの「日刊デジクリBBS」↓
http://www.towers-inc.com/cgi-bin/towers-inc/daily/dailybbs.cgi
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