[0137] 公募展 --こんなこともあるある大事件--

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0137 1998/09/26発行
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情報提供・投稿はこちらまで mailto:hamamura@dgcr.com
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●「公募展 --こんなこともあるある大事件--」
 ゲスト:柴田敏明

●スガイのDTPウォッチ!
 ◎第3回「DTP雑誌、読んでますか?」

●主要サイト情報
 Netscape/ Microsoft/ Sun Microsystems/ Macromedia/ Silicon Graphics



「公募展 --こんなこともあるある大事件--」
公募展を目指す若きデジクリしょくんに
ゲスト:柴田敏明
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僕がある大手の会社のマンガの公募に応募したのは、ディジタル・イメージに
参加したばかりの去年の3月のこと、受賞の発表は6月の予定になっていた。そ
の6月になっても連絡がないので、なんだ落ちたのかしょうがないな、と思っ
ていたら「ディジタルアート展大阪展」が終わった8月になって公募展の編集
長より電話があった。
「入賞しました。9月には授賞式がありますので来て下さい」

やった、やったと有頂天になって喜んだ。しかし、これが悪夢の始まりだった。

9月が過ぎても受賞式の連絡がない。ちょっと延びただけなのかな、と思って
待った。10月になると何の連絡もなしに受賞作品が収録されたCD-ROM作品集が
送られてきた。これは商品になって実際に発売されるものと同じものだ。ちゃ
んと「見本(非売品)」とシールが貼ってあった。価格3800円。はて? 授賞
式はどうなったのだろう?

ちなみにこの公募展の賞金は30万円とPowerMac86001台だ。これがもらえない
限り、いくら見本が送られてきても納得いかない。電話や手紙、FAXで編集部に
連絡を入れてみるが電話は留守電、手紙やFAXに対する返事はない。何か変だ、
と思いつつまだ待つ。

何度も手紙、FAXで連絡をとろうとするが、いっこうに相手はつかまらない。こ
れは逃げられたかなと思っていたら、年が明けて2月に賞品のPowerMac8600がい
きなり送られてきた。またも何の連絡もなしだ。

そのPowerMacの箱を開けてみようとすると、既に、ガムテープをはがした跡が
ある。あれ? 商品のチェックをするために箱を開けたのだろうか? と思って
中を見ると、PowerMacを包んでいるビニールに貼ってある「重要」シールがは
がされている。変だ。保証書を見てみると「特別販売用」と書いてある。さら
に、「整備済製品(初期不良品を修理調整した機器です)」と書いてあった。
マジかよ。これは中古か? 不良品というからには使用しているはずだから、
少なくとも新古品ではあるまい。コンペの賞品が中古か。ナメられたものだ。

こいつはやばい。あと残りの賞金を、なんとしても手に入れねば。そう考えた
僕は、違う手段をとった。もともとこの公募展は「公募ガイド」を見て応募し
ている。その「公募ガイドには「公募110番」というのがあって、公募に関する
トラブルを扱ってくれる。今回の賞金未渡しなんかはそのトラブルのうちだ。
さっそくいままでの経緯をまとめた。相手側から送られてきたCD-ROMの入って
いた封筒やその中のメモなど、残っている全ての資料をコピーしてこれを「公
募110番」に送った。

公募ガイド社からの返事はすぐあった。何日かすると公募展側に連絡がとれた
と電話があり、近く公募展側より連絡があるということだった。そのとおり連
絡があり、4月になったら賞金を銀行口座に振り込みます、ということだった。
そして、4月2日に振り込みはあった。賞金が払われなかった理由は、CD-ROMの
印税が販売元より入らなかったためだという。結局この公募展の問題解決まで
7カ月もかかった。

ちょうど、このゴタゴタの間には3月の決算があったから、ひょっとしたら不景
気がこんなところにも影響しているのではないかというのが僕の私見である。
いままで政治と自分は関係ないと思っていた僕だが、このあと7月の参議院選挙
に行って、怒りの1票を入れたのは言うまでもない。

その後も公募展には出している。こんなことばかりではないはずだ、ちゃんと
管理しているところのほうが圧倒的に多いはずだと思っている。弓田さんの文
章にもあったように(8月29日付113号)、まじめに応募している人がいるのだ。
公募展側の関係者は、多くの人の才能と努力を扱っているという自覚をもって
責任ある公募展を運営してほしいものである。

そういえば、これも大手の出版社とタレント事務所が共同で行った「○○○」
(英語3文字)のコンペの発表が7月末になっているのに、9月になってもまだ
なんの発表もないのはどうしたことでしょう? またやられたかな。おーい、
ちゃんとやってくれ。あの1作品をつくるのに一体何日かかったとおもってるん
だよー。

【柴田敏明】
ディジタル・イメージ会員
http://www.kcn.or.jp/~ko-shiba/
mailto:ko-shiba@kcn.or.jp

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■スガイのDTPウォッチ!
第3回「DTP雑誌、読んでますか?」
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すみません、毎週1本はテキストを書こうと心に決めていたのですが、できませ
んでした。
胃の不快感を何日かごまかしたまま、前の会社の送別会で飲んだりしていたら、
途端にカゼをひいてしまいました。胃にくるカゼというのは本当にツライです。
39度を超えた熱は一晩で下がりましたが(といっても37度中盤をコンスタンス
に維持)、かえってひどくなる一方。しまいには腸までおかしくなってしまい
ました。胃腸が機能しないので、やつれていくばかりで、痛いのが我慢できな
くてマシンにも向かえないし、こんなに辛いの久しぶりでした。それもフリー
になった矢先になんて....。

ということで、フリーランスに油断は大敵! カゼひいて仕事できないなんて言
い訳はできなんですよね、代わりはいないから。
しかし、何がいちばん辛いかっていったら、胃が痛くて歩けない間に多用した
タクシー代でしょう。中でもいちばんもったいなかったのは、神谷町駅から麻
生郵便局までのわずか数分....。これからしばらくは、実家で夕食をとって生
活費を浮かすことにしよう!

さて、本題。
私は、DTP関係の雑誌の編集業務に携わった経験があり、今もいくつかそれ関係
の原稿書きの仕事をしているのですが、どういうわけか、自分でDTP関係の雑誌
を買って読もうという気にはなれません(もちろん仕事上必要なんですけどね)。
どうしてだろうと自分で考えてみたんですが、やはり「欲しい情報がない」と
いうのがいちばんの理由です。

実際、周囲の友人知人にも聞いてみたところ、DTP関係の雑誌を個人で定期的に
講読している人というのは、ハイエンドユーザーでもあまりおらず、「欲しい
情報があるときだけ買う。会社にあればまぁ読むかな」という程度なのです。
「毎月買って読むような雑誌はないよね」と、(DTP雑誌の編集者にとって)冷
たいことを言う人もいます。

では、みんなが欲しかがっている情報って何でしょう。同じように周囲に聞い
てみたところ、答えはやはり「アプリケーションのTips」と「仕事のやり方」
が多数でした。「他の人がどんなふうにしてアプリケーションを使いこなして
いるのか」 「他の人がどんなふうにして仕事をこなしているのか」というこ
とが、いちばん知りたいというのです。「でもあんまりそういう記事って載っ
ていないから、雑誌は買わない」と、友人に言われてしまいました....。

少し前、ある著名なグラフィックデザイナーにお話を伺った際、「今DTPの世界
でいちばん求められているのは、ワークフローですよ」と言われたのを思い出
しました。「DTPというのは理屈ではなくて、実践されなければいけない」とも
言っていました。

そのような記事を、現状のDTP雑誌に求めることは不可能なのでしょうか。
ひとつ言えるのは、コンピュータ関係の雑誌を作っているような出版社に、
DTPのことを総合的に理解している編集者と言うのは、そうはいないということ
です。そこがいちばんのネックだと、私は思います。「知っているけど、やっ
たことはない」人が作っているわけですから、自ずと限界は見えてきます。
確かに、個人レベルでDTPの世界にどっぷりつかり、豊富な知識を持っている方
はたくさん知っています。しかし、DTPの総合的なプロセスに関わったことが
あり、それを大企業レベルから個人レベルまで、幅広く理解している人と言う
のは、少なくとも雑誌の編集なんて仕事はやっていないわけです。

DTP雑誌からの情報に限界があるとするならば、どうやって情報を入手すればい
いでしょうか。メディアに頼るわけにもいかないとなると、やっぱりセミナー
などに参加するしかないのでしょうか。しかし、いくら貴重な話がたくさんき
けるとはいえ、その手のセミナーの参加費は「どうして?」と言いたいくらい
高額な費用が発生します。

となると、やはり自分たちで情報を交換するより他ないでしょう。幸い、今の
世の中メーリングリストやメールマガジンがありますから、それは可能になっ
ています。だから、後は自分たちの横のつながりを広げていくしかないのです。

私は、自分の知っていることは可能な限りこのスペースに書こうと思います。
そしてみなさんも、ご自分の知っていることを教えて下さい。仕事に役立つ生
きた情報をお寄せください。面白いと思ったものは、どんどんこのスペースで
紹介していきます。自分に必要な情報は自分から取りに行きましょう。そして、
知ったことはできる限りシェアしていきましょう。デジクリは、それが可能な
スペースだと思うのです。

【須貝 弦】
すがい・げん
「フリーランス」と「フリーター」の間を彷徨う1975年型の23才男子。
10代末期を印刷会社の営業補佐として過ごしたのが間違いのはじまりで、その
後DTP専門誌の編集部をハシゴ(自称「仁義なき転職者」)。98年夏、小田急線
で会社に通うのがイヤになって退職を決意。「早まったかな....」と思ったり
思わなかったり。10月は半分以上小田急線に乗らないと仕事にならないことも
判明。トホホ。
http://www.tt.rim.or.jp/~gsugai/
mailto:gsugai@tt.rim.or.jp

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●これは業界誌に対してケンカ売っている内容ではありませんので、お願いし
ますね。この原稿を読んで、私自身デジクリで悩んでいることが書かれてあっ
て、びっくりしました。読者の方々は何を望んでらっしゃるのだろう、もっと
いいものにするには、です。

私がネットにはまってしまったのは、周りにマックをさわれる人がいなくて、
独学をしなければいけなかったからでした。雑誌や解説本もほとんどなく、頭
を痛めていました。「こういうアプリが出ました」と書かれてあっても、「こ
んな使い方ができます」とあっていくら知識を増やしても、実際の作業上で出
てくる疑問点には答えてくれません。経験者のみが持つ実務レベルの問題点や
知識に関しては、やはりネットで拾ったり、質問することにはかないませんで
した。

「情報はええねん、使い方もええねん、今、このたったいま出力できない原因
を書いている本はないのか~(泣)!!! 誰か助けてくれ~!!」
自分でいろいろな本を調べ、手をつくして、でも駄目な場合の最後の砦でした。

この、日刊デジクリの読者の方の中にも、一人で戦っている方って沢山いらっ
しゃることと思います。書店がお友達になって、解説本やセミナーなどでお財
布が空になって、電話やネット代金の請求書を見て落ち込んでいる方々。お互
い頑張りましょう!!                <裏番長・ハマムラ>

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■主要サイト情報
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Netscape/ Microsoft/ Sun Microsystems/ Macromedia/ Silicon Graphics
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▼Netscape
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NetscapeとSnapの合意により、Snapが運営するポータルサイト向きにカスタマ
イズされたCommunicator 4.06(Windows版のみ)の配布が開始された。
http://home.netscape.com/newsref/pr/newsrelease675.html
http://www.snap.com/download/item/pc/0,22,-39017-g,501000.html?st.sn.hd.0.ns

Netscape Communicator 4.5日本語版(Windows版のみ)プレビューリリースの
配布が開始されている。
http://home.netscape.com/ja/comprod/mirror/index.html

▽Sun Microsystems
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サン、メンター・グラフィックスが、共同で通信機器用の高性能開発環境を提
供~マイクロテックのXRAYデバッガをChorusOSおよびJavaOS for Consumersと
統合 (1998/09/22)
http://www.sun.co.jp/Press/release/1998/0922.html

H. William Howard氏をChief Information Officerに任命 (1998/09/24)
http://www.sun.com/smi/Press/sunflash/9809/sunflash.980924.1.html

米サンとMARC Analysis Research Corporationは、ネットワークで繋がれた
Sun Ultra 60ワークステーション等を用いたデモを実施。高度に複雑化した定
形要素の分析において、威力を発揮することを示した (1998/09/23)
http://www.sun.com/smi/Press/sunflash/9809/sunflash.980923.2.html

▽Macromedia
~~~~~~~~~~~~
米マクロメディア、社員教育用オンライン学習システム「Pathware 3 -
AttainEnterprise Learning System Essentials」を主要金融機関数社が採用し
ていると発表。導入実例も紹介 (1998/09/24)
http://www.macromedia.com/macromedia/proom/pr/1998/learning_profits.html

▽Silicon Graphics
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
日本SGI、Autofact'98情報にSolutionsを追加 (1998/09/25)
http://www.sgi.co.jp/Misc/events/1998/autofact98/solutions.html

【▼担当 Hironori DOI】 mailto:h-doi@pop13.odn.ne.jp
http://www1.odn.ne.jp/happy/
ポータルサイトですが、ぼくのオススメはMy Yahoo!です。最初ちょっと面倒で
すが、一度自分好みにカスタマイズしてしまえばとっても便利。新聞社や
ZDNETなどからニュースを集めてくれるのがよいですね。

【▽担当 山口 壮/ えむ】 mailto:PXX06120@nifty.ne.jp
http://member.nifty.ne.jp/yamaguchi/
Apple社関連で面白そうな書籍が立て続けに登場しましたね。売行き好調の
『アップル薄氷の500日間』と、間もなく発売される『アップル(上・下)』。
他の本を読むのをやめてでも読みたくなります。でも、しばらく前に古本屋で
買った『スティーブ・ジョブズ(上・下)』もまだ読み終わっていない...(^^;)。

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発行   デジタルクリエイターズ
     <http://www.dgcr.com/>

編集長  森川眞行 
     柴田忠男 
     神田敏晶 

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 担当:濱村和恵

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Copyright(C), 1998 デジタルクリエイターズ
許可無く転載することを禁じます。
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