[0394] キャラクターイラストの裏話

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0394     1999/08/07.Sat発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 13679部
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 <今日から甲子園ですねえ>

●デジクリトーク
 キャラクターイラストの裏話
 筒井海砂

●展覧会案内
 ドラッグ&ドロップ展

●展覧会案内
 M&H Digital Art展

●Web上の展覧会案内
 第9回「もも展」 8月13日締切

●コンテスト案内
 第7回富山CGコンテスト



■デジクリトーク
キャラクターイラストの裏話

筒井海砂
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私はキャラクターイラストを中心に仕事をしています。オリジナルのキャラク
ターだけで食べて行ければいいのですが、若輩者はそうもいかないので、既存
のキャラクターの仕事も時々受ける事があります。

既存のキャラクターイラストは著作権が相手側にあるわけで、自分の名前は一
切出ないし、自分の作品として公表することも、もちろんできません。その割
に背景までぎっちりの書き込みを要求される場合が多いので、ストレスも溜ま
ります。

「ゴーストライター」と呼ばれた時はかなりショックだったりします。初めて
キャラクターの仕事をする場合なんかは、作家審査が行なわれることがあって、
これが結構大変なところもあります。

既存のキャラクターイラストを描く時には、版権を持っている人間からのチェ
ックを何度も受けることになるので、これがたいそう面倒です。大体はペンシ
ルラフ、カラーラフ、彩色の段階で各々チェックを受けるのが一般的です。

しかも、一発で通ることはまずないし、そのチェックが理解不能なんてのは、
しょっちゅうです。1枚のイラストを完成させるのに、1ヵ月くらいは軽くか
かってしまいますが、その殆どは「審査待ち」の期間なんです。

某D社キャラクターは複数の人間がチェックをしているため、担当者によって
指示がバラバラだったりして、キャラの立体感など「前回はこうじゃなかった
けど、ホンマにこれでいいんかいな」と思いながら修正したりすることが珍し
くありませんでした。

イラストの下書きから全部やるんですが、キャラクターの線画だけは描いても
らったものをトレースしなくてはなりません。初めてやった時に「1mm もずれ
ないように」って言われて、300 %表示でキチキチ描いたりしたもんです。ま
あ、慣れてくるとね。色々と要領が良くなって(笑)。

某P社キャラクターは分厚いキャラクターポートフォリオがあって、そこから
希望のポーズを抜き出して使います。頭と手と体を別々のポーズから取ったり
するのもオッケーなので、これはCGだと楽です。洋服などは勝手に描いても構
わないのですが、ラインが微妙にブルブル震えたようになっていて、これはた
ぶん描いているおじいさまの年のせいで、自然にこうなっているのではないか
と....(推測)。

でもこれがひとつの特徴になっているので、わざとブルブルにしなくてはなり
ません。これ結構ムズカシかったりします。このキャラクターイラストの面白
い所は、キャラクターがまったく立体感なしのぺったんこなのに、背景はかな
りリアルに描いてもオッケーなところ。この違和感が面白いです。

某ゲームキャラクターの場合は、レイアウトをやるために2週間もゲームをや
るはめになりました。「このゲームの世界感をしっかり把握して下さい」とい
う指示があったからです。

生まれつきゲームの才能がない私に、これは結構ハードでした。お陰ですべて
のキャラクターの名前、種類、特徴、攻撃技、進化すると何になるかまで覚え
てしまいましたが、余りお金にはなりませんでした。下書きをやっただけで、
彩色は他の人がやったからです(泣)。

既存のキャラクターイラストの仕事をしていると、手抜きのできない緊迫感が
逆に刺激になります。ここまで徹底しないとイイものは描けないんだぞ、とい
うことをヒシヒシと感じます。こういう人気のあるキャラクターにはそれゆえ
の要素があるわけで、同じキャラクターで飯を食おうとしている人間からする
と、自分が進歩して行く上で、結構有意義な仕事ではないかと思ったりもしま
す(反面教師としての意味も含む)。

将来は、自分のキャラクターを他のイラストレーターさんに描いてもらうよう
になって、「そこ直して!」なんてエラソーに言えたら楽しそう(笑)。

【つつい・みさ】
1970年生。一般会社員からいきなりフリーイラストレーターになった変り者。
動物キャラクター系の2DCGをメインに活動中。昨年末から歌舞伎に興味を持ち、
動物キャラと合体した「KABUKidsシリーズ」を密かに展開中。ディジタル・イ
メージ会員。

http://plaza9.mbn.or.jp/~artworks/

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■展覧会案内
ドラッグ&ドロップ展
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<以下は主催者情報>

関西在住の個人サイト・クリエイター4人による、アナログ・テイストたっぷ
りの展覧会を開催します(※)。日頃ネットを通じて交流のある人達にとって
は、4人の実作品を見ることが出来るまたとないチャンス。それからもうひと
つ。パソコンやインターネットに関わっていない人達にも、これを機会に Web
の楽しさを知ってもらえればいいなと考えています。

場所は大阪心斎橋のタンク・ギャラリー。趣味も指向もバラバラなクセ者どう
しで、一体どんな展覧会になることやら?それは始まってみないと分かりませ
ん。夏休みでヒマを持て余している人、大阪に一度行ってみたいななんて考え
ている人、是非遊びに来て下さい。

期間は8月23日(月)~29日(日)まで(25日休、12時~20時)。
(※)CG展ではありません。

会場 タンク・ギャラリー 大阪市中央区西心斎橋2-10-12ガレッジ内
tel:06-6211-4522 fax:06-6212-6532
http://manzoku.topica.ne.jp/tank/

江川宜宏(工作屋)"Gallery Saccade"
http://www.osk.3web.ne.jp/~saccade/index.html

木村牧子(具象芸術家)"Square Doodle"
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/macco/doodle/

血脇菜々美(秘書)"Froggie"
http://www.kaba.or.jp/~chiwaki/index.html

西田智紀(現代芸術家)"Maltese Gallerie"
http://www4.justnet.ne.jp/~motherfucker/index.html

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■展覧会案内
M&H Digital Art展
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<以下は主催者情報>

出展者 松林あつし はるなゆきのり

日時:9月13日(月)~19日(日) 12:00~19:00
   オープニングパーティー  9月13日(月)17:00~
   (最終日は16:00までとさせていただきます)

場所:ペーターズショップ&ギャラリー
   東京都渋谷区神宮前2-31-18 tel 03-3475-4947
JR原宿駅より、徒歩5分

告知サイト:http://www.rr.iij4u.or.jp/~atusi-m/m_h/m_h.htm

デジタルイラストレーターとして活動する2人のオリジナルの作品や、普段の
制作活動を紹介する作品展です。手描きのイラストとはひと味ちがった作風と
世界観をお楽しみください。

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■Web上の展覧会案内
第9回「もも展」 8月13日締切
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Web 上のCG展として人気の「もも展」が開催中である。8月7日朝8時半現在
319人が参加している。

開催期間:8月1日~8月31日
作品の種類:2DCG・3DCG・MOVIE・MUSIC・etc
題材:自由
応募方法、応募フォーマット:Webサイトを参照。応募は1人1点。
締切:8月13日23時59分まででの予定。

主催者(もも)談:リンクページの延長というようなもので、コンテストのよ
うに順位も決めてませんし、賞金や賞品などもありませんが、いろんな作品が
まとめて鑑賞することができます。紙媒体では、素人さんが作品を公開するの
はなかなか難しいところですが、もも展ではそんなこと関係なく、倫理的に問
題なければすべて掲載しております。こういったことが、まわりに影響を与え
てますます活性化しているんだと思います。

初心者の方(はじめは誰でも初心者です)&プロ級の方などたくさんのご応募
お待ちしております。なお、今回のもも展については、某出版社から本の発売
が決定しました。もも展参加者で本に掲載を希望する方の作品はすべて収録し
ます。

「もも展」の詳細は
http://www.3dcg.ne.jp/~momo/

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■コンテスト案内
第7回富山CGコンテスト
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(株)富山県総合情報センター主催の、第7回富山CGコンテストが作品募集中
である。締切は9月10日。募集部門は、CG静止画一般部門(テーマ部門・フリ
ー部門)、CG動画一般部門、CG静止画学生部門。

表彰・副賞は、 一般部門 (静止画部門、動画部門含)最優秀賞1点20万円、
優秀賞2点5万円、奨励賞5点3万円、学生部門最優秀賞1点2万円(図書券)
優秀賞1点1万円(図書券)、奨励賞3点5千円(図書券)。

募集作品、CG静止画は、CGで制作された静止画で、A3サイズ以下で出力され
た作品CG動画は、CG技術を取り入れた1分以内の動画作品。平成10年10月以降
に制作された未発表のオリジナル作品、一人何作品でも応募可能。展示は平成
11年11月5日(金)~7日(日)富山市友杉<テクノホール>

http://www.toyama-tic.co.jp/tic/cgcontest/
 
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■編集後記(8/7)
・巨人の形勢不利ないしは逆転不可能となるとチャンネルを変えてしまう妻だ
が、これって本当にファンなのか。昨夜は久しぶりにビデオを見た。夏だから
「IT」だ。何回も見たけど、見るたびに面白い。が、こわさは段々薄れてくる。
これは友情物語なのだ。後半になると化け物がかたちを現わすが、これがクモ
ってのがな~、笑ってしまうぞ。翻訳ものは苦手だが、原作を読んでみようか
とも思う。もっとも未読のホラー文庫が7冊ばかり積まれているが。(柴田)

・メディアはいつも渦中にはいないから追っかける。取り上げる頃には、古く
なって腐り始めている。メディアに引きづられて、書かれてあることを鵜呑み
にするようじゃ、いつまでも追っかける側でしかないメディアの後ろについて
いく羊になる。メディアのからくりも見抜かないといけない。自分の目で。本
当に先端にいる人たちは笑っている。追いついて来いよ、って。無名の若い人
たち。柔軟で、驚異的。 そういうことを肌で感じてしまって、三角座りをし
ないと見られない小劇団にも通ったり、小さなライブハウスに行ったりする。
そこで出会うひとまわりも若い人たちと年齢差を感じずに上下感覚なしに同じ
レベルで熱く語ったりする。面白い。得るものが多い。視点が違うから。ギャ
ップがあるから。空気が違うから。デザインやネットもそう。 確立しはじめ
ると壊したくなる。物足りなさを感じる。のっちゃえば楽なんだけど。のりつ
つも変化を求めている。物足りなさを感じるときは飛躍の前兆。ルーツ的な古
いものに興味を持ち始めると、次の波がくる。淀むと腐る。(hammer.mule)

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発行   デジタルクリエイターズ
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編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
        森川眞行 

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