[0451] 沖縄のクリエイティブ業界に貢献したい

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0451   1999/10/26.Tue発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 14207部
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 <遅れた出版人が対応できるのだろうか?>

●デジクリトーク
 沖縄のクリエイティブ業界に貢献したい
 カネマキトモコ
  
●デジクリトーク 
 JPC猪股裕一さんにCTPについて聞く
 柴田忠男

●デジクリWeb案内
 「楽天市場」に「キヤノンミュージアムショップ」がオープン

●デジクリ@メールマガジン案内
 メールマガジン「ももマガ」が創刊



■デジクリトーク 
沖縄のクリエイティブ業界に貢献したい

カネマキトモコ
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やはりここは自己紹介からはじめるのがセオリーだと思ったりして。はじめま
して。ラブクリエイト代表のカネマキトモコといいます。つい先日、デジクリ
誌上にて「インターネットウルマ」編集長としてコラムを書かせていただきま
した。

「インターネットウルマ」とは沖縄の情報をお伝えするオンラインマガジンの
名で、雑誌ウルマのオフィシャルサイトでもあります。私の現在の肩書きはそ
の編集長であり、もちろん「インターネットウルマ」がなければデジクリにコ
ラムを書く事もなかったでしょう。

沖縄県は「マルチメディアアイランド構想」というものに着手しています。そ
れに基づき、県内でのデジタル産業も活発になりつつあります。しかし、その
中で、今現在知り合いになったクリエイターたちに県のデジタル産業に関して
尋ねると、クリエイター同士あるいは技術者同士の繋がりが弱く、中々仕事を
見つけることができない、という返事が返ってきます。

さらには、県内におけるクリエイティブ産業においてのギャラの安さに不満の
声も返ってきます。その結果、いくら構想を抱こうとも優秀な人材は本土に流
れていってしまっているというのが沖縄県の現状です。

とはいえ、1年と半年前、沖縄に移住してきた私はどうにかこうにか沖縄でう
まくやってきています。そしてその私のことと、沖縄のクリエイティブ業界の
ことを少しずつお伝えしていくことで、県内で働かれているデジタル産業の方、
あるいは県外で働かれている沖縄出身の方、また県内で仕事をしたいと思われ
ている県外の方、地方で私たちと同じようにデジタルな仕事をされている方と
出会いうまくつながっていけたらなあ、などという目論見をひそかに抱いてい
たりします(笑)。

県外出身者の私がこう思うにはいくつかの紆余曲折があったのですが、まずは
私の話からはじめたいと思います。

なぜ沖縄に来たのか、と言われると非常に困るのですが、実を言うと、私、沖
縄に来るまで飛行機にも乗ったことがありませんでした(笑)。もちろん沖縄
に来たのだってはじめてです。ふらふらふら~っと沖縄にやってきて、そのま
まいついてしまったというのが真実で、それ以上のものもそれ以下のものもあ
りません。

沖縄に来る直前までおよそ22年の間、私は横浜以外の町で生活したことのな
いチャキチャキのハマッコでした。父も横浜出身で、母は東京葛飾ですから、
本当にまんま都会っ子でした。そんな両親は自営業を営んでおり、その職種と
はなにを隠そう写植屋でした。ちなみに父の実家は製本所です(笑)。

写植手動機のカチャコン、カチャコン、という音を母のおなかの中にいるとき
から聞いていたわけです。もちろんその後も我が家は写植屋でしたから、級数
表に文字見本帳、写植の切れ端、ライトテーブル、デザインナイフがごろごろ
と転がっている中で私は叱られたり、転んだり、歌を歌ったりしながらすくす
くと育ちました。高校卒業後、1年間のフリーター生活を経て、出版社のアル
バイトにはいったのも当然といえば当然のことと言えるでしょう。
(つづく)

【かねまきともこ】 tomoco@love-create.com
「インターネットウルマ」編集長。1975年生まれ。自分ではピチピチのつ
もりの24歳女子。LOVE-CREATE代表

インターネットウルマ
http://www.u-r-u-m-a.co.jp/

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■デジクリトーク 
JPC猪股裕一さんにCTPについて聞く

柴田忠男
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「日経デザイン」12月号の仕事で、CTPの現状をレポートした。CTPと
は、コンピュータ・トゥ・プレート、つまりデジタルデータから直接刷版を出
力するシステムである。CTPにより、フィルムを出力して刷版を作るという
中間工程がなくなるため、劇的な工程短縮が可能となる。製版と刷版の工程は
統合され、さらに印刷工程全体の合理化・標準化、品質の向上・安定化も同時
に実現する(ハズである)。

このレポートでは、印刷会社、プリプレス会社を数社取材した。また、日本で
たぶん初の、CTPシステムを使った雑誌の制作という、一見「暴挙」にも見
える挑戦をした、MdN の「エフェクツ」誌の編集長、猪股裕一さんにも話を聞
いた。

わたしの執筆のやりかたは、とにかく分散したままどんどん書いてしまう。そ
れから脈絡をつけてつなぐ。だからものすごい分量になる。今回も約束の倍く
らい書いてしまった。それから、バサバサ切る作業になる。せっかくいいエピ
ソードを書いても、規定の文字数には勝てない。泣く泣くカット。

だから、猪股さんに、日本のデジタルパブリシングを推進する「JPC」(Japan
Publishing Consortium )の理事長としての発言を求め、回答をいただいたの
にどうしても文字数の制限で収容できなかったのが残念で、残念で。そこで、
デジクリのほうでご紹介させていただく。

なぜ、CTPにしたのか。多くの出版社、編集者が、現状問題なく出版できて
るからいいじゃないかと、デジタル化さえ達成していない中で(出版社のデジ
タル化は大幅に遅れている)、「雑誌でCTPとは無謀だ」と言われながら、
あえて突っ走るのか。

「ひとつのメディアを出している者として、新しいことにチャレンジしていく
責任があると思うから。ぼくらは、メディアを革新的に変えなければならない。
パブリッシャーには、そういう姿勢がもっともっとあってもいいんじゃないか。
そうでないと、新しいデジタルの時代に紙のメディアから次のメディアに変わ
ったとき、自分たちは乗り移れなくなるんじゃないか。もっと真剣に、自分自
身を心配すべきじゃないかとぼくは思うんですね」

一方、印刷会社に対してはどう考えるか。「エフェクツ」がCTPでやる宣言
をしたとき、大手の印刷会社は一応CTP対応の手を上げたものの、印刷の見
積りは「テストランだから従来と同じ」と答え後込み。「要するに川下として
は新しいことへのチャレンジに消極的なんですよね。これ以上混乱させられた
くない、そういうニュアンスがありました」と猪股さん。

「CTPにともなうプリプレス側へのややこしい理屈を、印刷側が提案したく
ないという理由もある。しかし、パブリッシャーに新しいチャレンジが必要な
ように、印刷の側だって印刷技術者として生き残るためには、顧客に対して新
しい技術をきちんと提案していく必要がある。いままでの受注産業から提案産
業へと、自分たちのコンセンサスをしっかりと持って取り組まなければいけな
いでしょう」

これ以外に、原稿に収容できなかったけど、気にいっていた部分をいくつか書
きとどめておく。

クライアントが直しを入れることが前提で進んでいる印刷工程は、CTPとは
相容れない。「校正紙を何枚も要求したり、最後の最後の最後まで直しを入れ
るクライアントがいる限り、CTPなんて絶対に無理」と嘆く印刷人にとって、
最近囁かれている朗報(?)は、クライアントも代替わりする、印刷会社の言
うことを理解できる人たちが担当になる、ということだそうだ。

セミナーなどでCTPメーカーの結ぶ言葉は「CTPを導入した会社としない
会社の格差は広がる」「課題はあるが取り組む姿勢が必要だ」「CTPこそが
印刷業界が直面する課題を一挙に解決するキーテクノロジーだ」と、どこも同
じである。とにかくCTP刷版にすればいいことずくめで、製版業者の生き残
りはCTPの機械導入です、なんて恐ろしいことを言う先生もいる。印刷機の
ない製版業者がCTPの機械持ってどうするって。

JPC の猪股さんが、出版業界はデジタル化に乗り遅れていると言った。そのこ
とは、今年のJPC の調査にもはっきりとあらわれている。今後望まれるフルデ
ジタルワークフローとは、「デジタル校正で校了になったページデータを、デ
ジタル面付けし、面付け校正をして、CTP刷版を出力する」ことである。遅
れた出版人が対応できるのだろうか? _

「編集者やクライアントの意識の低さというのも、ワークフロー上問題ですが、
そのへんのもやもやを背中を蹴飛ばす恰好で解決せざるをえないようにしてし
まうのがCTPだと思います」これは2年も前の1997年の12月、「日本
語の文字と組版を考える会」のセミナーで、グラフィックデザイナー鈴木一誌
さんの発言である。

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■デジクリWebサイト案内
「楽天市場」に「キヤノンミュージアムショップ」がオープン
http://www.rakuten.co.jp/cms/
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キヤノン販売は,インターネットショッピングモール「楽天市場」に「キヤノ
ンミュージアムショップ」を開設した。キヤノンミュージアムショップの『MC
コレクション』は、キヤノンワンダーミュージアム・ミュージアムショップで
取り扱っている有名アーティストの作品グッズコレクションである。檜山巽、
内藤忠行、谷口広樹、田中秀幸、田島照久らの腕時計、Tシャツ、トートバッ
ク、オリジナルプリント、ポスター、ポストカード、作品集など多彩な品揃え。

CANON WONDER MUSEUM -Internet Shopping-
http://wonderland.canon-sales.co.jp/

こちらは、キヤノン販売幕張本社内のワンダーミュージアム内に実在する店。
他では手に入らない有名アーティストがデザインしたTシャツ、ネクタイ、ハ
ンカチなどの販売を行っている。「欲しいけど幕張が遠くて...」の声に応
えてインターネットでも購入できるようにしたそうだ。現在取り扱いのデザイ
ナーは、山城隆一、黒鉄ヒロシ、宇野亜喜良、山口はるみ、服部早苗、ムパタ、
内藤忠行、田中秀幸、檜山巽など。

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■デジクリ@メールマガジン案内
メールマガジン「ももマガ」が創刊
http://www.3dcg.ne.jp/~momo/ml.html
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正式には「CG 情報 by StudioMOMO ももマガ」というらしい。10月25日の
第2号にして早くも576部と快進撃。2号のメニューは、1イベントガイド
2就職情報 3映画ランキング 4もも本続報 5新製品情報 6秋葉原情報
7ももマシン。発行はStudioMOMO、編集はもも。不定期、無料。
意見、要望、投稿情報は → momo_ml@3dcg.ne.jp
登録、解除、変更は →http://www.3dcg.ne.jp/~momo/ml.html

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■編集後記(10/26)
・入院している義母が週末に外出許可をもらって帰ってきたが、前回よりもさ
らに体が不自由になり、自ら動こうという意欲もなく、妻とふたりがかりでも
なかなかうまく動かせず往生した。こういうときの見舞いは困る。ていねいに
お断りしたはずなのに、日曜日のお昼直前、駅についたから道順を教えてくれ
と電話が来る。病人の周囲をあわててかたずけるは、髪ふり乱して介護の妻は
化粧に走るは、義父は茶菓がないと騒ぐは、犬は吠えるは、修羅場です。それ
もわたしより年上のおばさま2人。悪い人ぢゃあないが、想像力がないのか、
身内に例がないから分らないのか、自己チューなのか。ため息……。(柴田)

・メモリを増設した。G4が欲しいなぁと思っていたクセに、不要になったメ
モリをもらい増設したら、ちょっとリッチな気分になり、今のマシンを大事に
しようと思い始めた。勝手なものだ。奥様がいつもと違う雰囲気の装いをした
らドキドキしてしまう旦那さんの気分ってものでしょうか?(hammer.mule)

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■ 日刊デジクリは投げ銭システム推進準備委員会の趣旨に賛同します ■
http://www.shohyo.co.jp/nagesen/ <投げ銭システムをすべてのhomepageに>
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発行   デジタルクリエイターズ
     <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
        森川眞行 

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 担当:濱村和恵
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