[0494] 自分のリストラ、やってます?

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0494   1999/12/17.Fri発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 14679部
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 <俺って天才かも~>

●デジクリトーク
 自分のリストラ、やってます?
 須貝 弦

●デジクリトーク
 「表現」
 大島宏文

●イベント案内
 第3回「文化庁メディア芸術祭」授賞作品決定



■デジクリトーク
自分のリストラ、やってます?

須貝 弦
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むかし、アクシスからビジネス雑誌がほんの少しだけ出ていたのを覚えている
だろうか? たしか「Eプランナー」という名前だったような気がする。私は
けっこう気に入って読んでいたが、私の記憶が正しければ1年もたずにフェー
ドアウトしている。

その雑誌の創刊のときのことばの中に、「自分の仕事のリストラをしてみよう」
みたいなことが書いてあった。ここで言うリストラとは「撤退」「人員削減」
という意味ではなく、本当の意味での「再構築」だ。つまりは、「自分のキャ
リアを見つめ直して、自分に何ができるかもういちど考えてみよう」というこ
とだ。

私は「自分に何ができるか」ということをあまり考えず、頭に血がのぼった勢
いで会社を辞めた。1998年、23歳のときのことだ。そのとき私が持ち合
わせていた「キャリア」は、印刷会社での営業アルバイト2年半,DTP雑誌
での編集や原稿執筆、進行管理などが2年弱だった。実は会社を辞める前から
いくつかの雑誌でライターを併行してやっていたので、文章を書くということ
については自信を持っていたが、それ以外のことはあまり考えていなかったの
が正直なところだ。

会社を辞めるときに確保した仕事が、某マック雑誌と某プロバイダーの会報誌
の原稿書き。それも定期という保証はまったくナシ。それ以外は、辞める会社
から原稿書きの仕事をいくつかもらえれば食えるだろうとタカをくくっていた
が、それは甘い考えだった。世の中のルールがそうなっているのか、案の定、
干されたのだ。

もっとも、私には干されるだけの理由があった。よく考えてみれば、私はDT
Pをやっている会社を取材したり、他人が書いた原稿を編集することがメイン
の仕事だった。それにともなう原稿書きはたくさんやったが、別に私自身がD
TPや印刷というものにすごく詳しかったワケではなく、業界の雰囲気や最低
限のルールみたいなものを、身体が覚えていただけのことだったのだ。だから、
イザDTP関係の原稿書きを依頼されても、自分ひとりでは何も書けなかった
りするのだ。それに、私自身が相当に生意気だというのも、物事を悪い方向へ
と進めていった。

もう仕事することのないであろう人、もう出入りできないであろう会社、たく
さんある。その相手の何人かがデジクリ読んでいることも知ってるけど…。た
だ、非難の声を承知でいえば、私は「会社を辞めてまでやりたくない仕事をや
る気はない!」という気持ちが強かった。だから、相手が最初に言っていたこ
とと現実とがあまりにかけ離れているような仕事とか、仕事の領域とギャラを
ハッキリさせないで、何でもかんでも押し付けられるような仕事に対しては、
「やりたくない!」とハッキリ言ってしまっていた。

そんなワケで、気がつくと「何ができるワケでもないのに、何もやりたがらな
い」というレッテルを一部から貼られていたり、むかし勤めていたと会社や仕
事をした会社から厄病神扱いされたりとか、そういうのがあったのは事実だ。
たぶん、私の耳に入ってきているのは実際に言われていることの1/256ぐ
らいであることは承知している。

今になって、「もう少しよく考えてから行動すればよかった」とか「もうすこ
しガマンをしておくべきだった」とか、考えることはたくさんある。でも、よ
く言えば「いろいろと勉強した」ということだ。そんな時期を経て私はようや
く(今さらになって)、「自分は何がやりたいか」とか「何ができるか」とい
ったことを真剣に考えはじめ、重い腰を上げはじめたところなのだ。そう、今
の私は「リストラ中」なんである。人にリストラされるワケじゃないから、そ
んなに悪い気はしない。

いま、実を言うと私の仕事のメインはライターや編集者ではない。守秘義務で
ガンジガラメだから何も言えないのだが、ある特定分野のアプリケーションを
集中的に触り、基本的なところから突っ込んだところまで調べたりしている。
いままで知っていたつもりのアプリケーションに対しての知識を再構築したり、
まったく知らなかったアプリケーションの操作を覚えたりと、頭の中はパンク
状態だ。しかし、探究心の旺盛なメンバーと中身のある仕事をしていると、自
分では思っている。

この仕事で得た知識は、将来別のカタチで再利用できると信じている。たとえ
ばライターをやっていく上でも、何か特定のアプリケーションに強いというの
は大きなセールスポイントになる。また、仕事のメインテーマとは関係なく、
いままで以上にコンピュータと触れることで、弱かったWindows やネットワー
クの知識、OSのカベを超えたドキュメンテーションについてなど、副作用的
に得られる知識はたくさんあるのだ。

具体的に何の仕事かが書けないから伝わりにくいかもしれないが、私はキャリ
アの再構築の時期にある。それでは、再構築してどこに向かうのか。いまのと
ころは「自ら実践し、人にノウハウを提供する」ということだけを考えている。
その手段はライターだったり、ソフトウェアメーカーだったり、パソコンショ
ップだったりといろいろ考えられるわけで、「DTPのオペレーターを目指す」
といったようなことよりは、(自分にとっては)健全だと思っている。あくま
でも「自分にとっては」だけど。

仕事に行き詰まったり、自信を失いかけている人。現状から脱したい人。「自
分をリストラする」という作業にとりかかってみてもいいのではないだろうか。
必要以上に焦る必要はない。まずは、コーヒーショップで考え事をする時間を
確保するところから始めればいいのだ。

【すがい・げん】gsugai@hh.iij4u.or.jp
来年からは「外食費を削減する」という日本的リストラも実施予定の24歳。
たとえば、スターバックスを我慢してドトールにするとか…。Webマガジン
「マッカー」もよろしくね。バックナンバーも読んでみたい人やボーナスが思
ったよりも多かったひとは、ぜひ登録ユーザーに! ちなみに私はボーナスを
もらったことがない。会社は長続きしないから&長続きしたところに限ってバ
イトだから。

マッカー
http://www.dgcr.com/mac/

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■デジクリトーク
「表現」

大島宏文
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最近自分の描くイラストの中でも、目、口と言った顔の表現方法に対して納得
のいかない状態に入ってしまった。性格が飽きっぽいというか、自分の描いて
いるキャラクターが安定しだすと、それを壊したいという欲求が出てしまうの
である。

これはあるきっかけというか、自分描いたイラストをプリントアウトして見て
いるうちに、もっと別の顔の表現方法はないものだろうか? という自分の中
での問いかけが始まりだった。

僕の描くキャラクターの目の表現方法は、白目を大きく描き黒目を小さくする
という、単純な方法を取っているのだが、最近この目の表現方法の仕方に悩ん
でしまっている。目にはいろいろな表現を付けることができるのだが、それと
ともにそのキャラクター自体の性格までも決めてしまう、重要な役割を果して
いると考えているからだ。

最近僕のサイトでも目の表現実験として、Day's なるコーナで紹介しているの
だが、実際キャラを描いている本人がキャラの変わりように驚いてしまってい
る点もたたあるのだ。

僕のキャラには口とまゆげなる物がない、変と言えば変なのだが、白目を大き
く描き、黒目を小さくといった感じの目の表現の時に、口、まゆげといったパ
ーツを描いてしまうと、実にブキミ、愛想のないキャラクターになってしまう
のである。そのため急きょ余分な箇所を外し、今のキャラクターが完成したわ
けなのだ。

今回新しい試みとして、もう少し目らしい目をキャラクターに付けてみたかっ
たのと、目の表現方法を変えるだけで、僕の描いているキャラクターでどこま
で変えることができるのだろう? という問題にもチャレンジしてみたかった
のだ。

不安の中、頭で想像しながら制作に入ったのだが、実際新しいタイプの目を描
いてみて驚いたのだが、これが実にシックリくるというか、実に愛想の良いキ
ャラクターに生まれ変わったのだ。キャラの性格が明るく生まれ変わったのだ。
(思わずニヤリと笑ってしまった)

この表現方法はいける!、と思いつつも今度は目の表現を今までの方法と変え
てしまったので、逆にまゆげ、口といった本来のパーツを付けないと実にブキ
ミなるキャラになってしまったのである(「きしょい」といったところかな)
ブキミキャラよりも可愛い系のキャラを描いている僕としては、早速その目に
合う口やまゆげの制作取りかかり、すべてのパーツを描き上げイラストを完成
させた。

いいじゃん、いいじゃ~ん、俺って天才かも~と自分で自画自賛してしまうほ
ど実に良い感じに仕上がってしまったのだ(はたから見るとその光景の方がブ
キミかもしれない・・・)。

なんとなんと、今まで描いていたキャラクタに比べ断然というか数倍もキャラ
クターの表情や性格を明確に伝えることができていた。今までいろんなキャラ
クターを描いてきたのだが、ここまで表情や性格が変わってしまうことに改め
て思い知る結果となってしまった。

しか~し、しかし、今回新しくした目の表現をすべてのキャラに使うことがで
きないのが、今最大の悩みにもなっている。すべてのキャラが愛想良くなって
しまい、クール、冷たい感じの表現にはちょっと不向きな場合もあるのだ。こ
れは今後の課題にしておこう。

キャラクターにはそれぞれの個性があり、目、鼻、口、まゆ毛といったパーツ
の描き方により、キャラクターの持つ性格が意味付けられてしまう。いくらデ
ッサンの優れたキャラを描いてみても、この表現をちょっと失敗してしまうだ
けで、そのキャラクターは駄作となってしまい、実につまらないものにもなっ
てしまう。

自分のキャラクターの性格を模索しながら、そのキャラに合った表現方法でキ
ャラクターを成長させて行くというのも面白いやり方かもしれない。

【おおしま・ひろふみ】 amiso@amiso.com
http : //www.amiso.com/
デジタル・イメージ会員
イラストレーターなのであるが、Flashアニメーションなどもやっている。
amisoと言う名前はoshimaの文字を逆に並び変えamihsoとなる。
hがじゃまだったので外してamiso(アミーソ)と呼ぶのである。
フルネームではamiso imufori(アミーソ・イムフォリー)となるのだ。

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■イベント案内
第3回「文化庁メディア芸術祭」授賞作品決定
http://www.cgarts.or.jp/festival/
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<以下は主催者情報>

文化庁メディア芸術祭実行委員会(運営委員長:滝川精一、CG-ARTS 協会理事
長)は、審査委員会(委員長:河口洋一郎、東京大学教授/CGアーティスト)
の審議を踏まえ、第3回「文化庁メディア芸術祭」の授賞作品を決定しました。
それにともないまして、2000年2月25日(金)~3月2日(木)に東京
赤坂の草月会館にて授賞作品展とシンポジウムが開催されます。シンポジウム
の内容は各分野のキーマンと大賞授賞者による講演と対談の予定です。また、
企画展を同時開催する予定です。

授賞作品展(入場無料)
会場 草月会館(東京・赤坂)
期間 2000年2月25日(金)~3月2日(木)

授賞者・作品一覧(4部門全20作品・敬称略)

●デジタルアート・インタラクティブ部門

大賞「AIBO」(インスタレーション)
受賞者:大槻 正(ソニー株式会社ER事業準備室長・開発チーム代表)
空山 基(イラストレーター)

優秀賞「明和電機 ライブパフォーマンス」(インスタレーション)
受賞者:明和電機(作者・吉本興業所属)

優秀賞「シーマン ~禁断のペット~」(パッケージソフト)
受賞者:斎藤由多加(プロデューサー)

優秀賞「motion dive 2 日本語版」(パッケージソフト)
受賞者:motion dive project(制作プロジェクトチーム)

優秀賞「EARTH FROM ABOVE on the web」(webサイト)
受賞者:伊藤幸治(企画・監督・プロデュース)

●デジタルアート・ノンインタラクティブ部門

大賞「愉快な機械」(CG静止画・立体/個人制作作品)
受賞者:岸 啓介(作者)

優秀賞「劇場版ポケットモンスター/ルギア爆誕」(CG動画/劇場公開作品)
受賞者:ピカチュウープロジェクト99(制作プロジェクトチーム)

優秀賞「鉄コン筋クリート」(CG動画/パイロット版)
受賞者:森本晃司(ディレクター)

優秀賞「Tall Small Stories」(CG動画/個人制作作品)
受賞者:Lars Magnus Holmgren(作者・オーストラリア)

優秀賞「檜山巽 3EXHIBITION TOKYO:1999」(CG静止画/個人制作作品)
受賞者:檜山巽(作者)

●アニメーション部門

大賞「老人と海」(大型映像アニメーション)
受賞者:ALEXANDER PETROV(アニメーションディレクター・ロシア)

優秀賞「ホーホケキョ となりの山田くん」(劇場公開アニメーション)
受賞者:高畑勲(監督・脚本)

優秀賞「おじゃる丸2」(テレビアニメーション)
受賞者:大地丙太郎(監督)

優秀賞「上京物語」(個人制作アニメーション)
受賞者:古川タク(監督・演出)

優秀賞「月の夜の話」(個人制作アニメーション)
受賞者:堀 剛史(作者)

●マンガ部門

大賞「I'm home」(青年・一般マンガ/小学館ビッグコミックススペシャル)
受賞者:石坂啓(作者)

優秀賞「ALL NUDE」(青年・一般マンガ/講談社KCDX)
受賞者:すぎむらしんいち(作者)

優秀賞「同じ月を見ている」(青年・一般マンガ/小学館ヤングサンデーコミ
    ックス)
受賞者:土田世紀(作者)

優秀賞「国立博物館物語」(青年・一般マンガ/小学館ビッグコミックス)
受賞者:岡崎二郎(作者)

優秀賞「遥かな町へ」(青年・一般マンガ/小学館ビッグコミックススペシャ
    ル)
受賞者:谷口ジロー(作者)

主催 文化庁メディア芸術祭実行委員会(文化庁・日本経済新聞・CG-ARTS協会)

お問合せ/記者発表会参加申込先
CG-ARTS協会(財団法人画像情報教育振興協会)
文化庁メディア芸術祭事務局 
〒104-0031東京都中央区京橋1-11-2
Tel:03-3535-3501/Fax:03-3562-4840
E-mail:contest@cgarts.or.jp

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■編集後記(12/17)
・昨日は税務署に行った。脱税がバレた、からではない。確定申告時の内訳書
記載の勉強会だ。減価償却という意味がわかった。また、パソコン減税なるも
のは個人やSOHOではなんにもいいことないこともわかった。青色申告の青
は晴れ渡った青空です、みなさん青色申告しましょう、というのが勉強会の狙
いだったように思えた。あいかわらず風邪は完治せぬな。今日も早くフトンに
はいって「幻魔大戦」読もう。改めて読んで、やはり恐るべき小説だと思う。
これを読んで人生変わった人はけっこういるだろうなあ。あまり理解力のない
ころに読んだから、わたしは変わらなかった。残念な気も。(柴田)
・時間なし。ネタなし。ひぃー。/「幻魔大戦」読みましたよぉ。人生変わら
なかった気が。子供の時に読んだ童話の方が影響大きいです。(hammer.mule)

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■ 日刊デジクリは投げ銭システム推進準備委員会の趣旨に賛同します ■
http://www.shohyo.co.jp/nagesen/ <投げ銭システムをすべてのhomepageに>
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発行   デジタルクリエイターズ
     <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
        森川眞行 

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 担当:濱村和恵
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