[0577] デジタル・ライブ編集時代の訪れ

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0577   2000/04/10.Mon発行
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 <桜の生命力を感じながら書いた>

■デジクリトーク
 デジタル・ライブ編集時代の訪れ
 神田敏晶

■連載「ip2000」プロジェクト奮闘記 0054(4/10)
 荒波があるから陸地にたどりつける
 ------世界一周出航(5/22)まで残り42日-------
 ------南十字星出航(8/31)まで残り142日------
 川井拓也

■展覧会案内
 「オフラインもも展」も4月20日~22日に開催! 
 すべての参加作品をデジタルアートの祭典で展示 
 


■デジクリトーク
デジタル・ライブ編集時代の訪れ

神田敏晶
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KNN神田です。

ラスベガスにやってまいりました。今回から、ソニーのMDビデオカメラ「MD
DISKCAM」を使っていますが、このビデオカメラ、ボクにとっては液晶ビュー
カム以来の感動にひたっています。

DVも確かに偉大な進化なのですが、触っていて楽しいという感動にはいたりま
せんでした。とにかく、撮影した画像をそっくりそのまま、ビデオカメラのみ
で編集できることなのです。これは長年、待ち続けていたテクノロジーです。
CANONのXV1がさっそくサブマシンというか、ダビング用の受けマシンとなって
います。 XV1はアナログ映像入力があるので、それはそれですばらしいのです
が…。

昨年のCOMDEXのキーノートで、SONYの出井社長が「MD DISKCAM」をプレゼンし
てから、アメリカでもこのビデオカメラを使っていると問い合わせがひっきり
なしで、毎回デモをさせられています(笑)。展示会よりもボクの後ろに人が
並びます。

編集といっても、撮影した順番をかえたり、トリミングしたりするだけなので
すが、これが撮影した現場でできてしまうだけで画期的です。当然、デジタル
メディアだから当たり前なのですが、コンピュータに取り込む前に、それがで
きてしまうことは、うまく使いこなせばコンピュータも不要になる可能性さえ
持っています。

まだまだ試していない機能があるのですが、このビデオカメラはどうやら、ジ
ャバOSで動いているらしく、IPアドレスを発行してくれて、10BASE-Tでコネク
トできるようになっています。著作権の関係でIEEE1394は搭載されなかったよ
うですが、非常に可能性を感じさせてくれます。また、ビデオカメラなのに編
集中に、時々フリーズしたりして、パソコンのような機能も発揮してくれるの
で驚きました(笑)

今まで、ディゾルブをDV編集でおこなうと時間がかかって大変だったのですが、
このDISKCAMであれば、再生時にエフェクトを撮影ファイルごとに設定するこ
とができます。素材は非破壊で再生時に生成しているようです。これはまた画
期的であると同時にいろんな活用が考えられます。

しかもタイトル作成機能もあり、これも画面の好きな位置へインサートするこ
とができるのです。しかし、フォントが大きく、種類がなく、文字数が限られ
ているため、なかなか実用的ではないのですが、最初のタイトル表示くらいで
あれば十分使えそうです。

フォントの種類やサイズ、文字数などは、どうやら今後はOS側で対応できるそ
うなので、もしかするとダウンロード型で、Webで提供することも可能なはず
です。

残念なのが、アフレコや、画面インサートの機能がないことですが、これは次
のバージョンに期待したいと思います。これがあればもう完璧なのに…残念。
アフレコ機能がないのが撮影時間の短さよりもショックです。

収録メディアは、ミニディスクの新フォーマットMD-DATA2です。650MBのディ
スクに フルスクリーンでSPモードで約10分、LPモードで約20分録画すること
ができます。時間の短さは、サブのDVでフォローするとして、メインはこちら
で速報ビデオなどを作ることができるでしょう。

しかも、圧縮はMPEG-2なのでそのままDVにアナログダビング(デジタルコピー
はできません)したりしても民生機としては十二分のクオリティだと思います。
まあ、テレビ関係者は画質にこだわりすぎで、面白さと画質では、面白い方が
優先されると思うので、画質は家庭のブラウン管で見ることを思えば問題ない
でしょう。

レンズは標準レンズにRAYNOX DVR-5000の0.5倍を装着して、マイクはインタビ
ューマイ クをつけて使用しています。

今回はこのカメラで速報ビデオにチャレンジします。それではこれから取材に
向かい ます。かえってくるころには編集が終わりだなんて、デジタル・ライ
ブ編集時代の訪れ を感じます。
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■KandaNewsNetwork
NAB2000ビデオレポート販売のお知らせ!
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KandaNewsNetwork(KNN)の神田敏晶が、本日よりラスベガスで
開催される『NAB2000』の取材を行いそのビデオを販売いたします。

<商品内容>
NAB2000速報ビデオ(約60分)
公式ガイドブック
NAB2000の最新レポートをダイジェストにまとめた速報ビデオです。

<商品お届け予定日>
2000年4月中旬

<販売金額>
■定価:5万円 
お申し込み:KandaNewsNetwork info@kip.net
サブジェクトに【NAB2000VIDEO】と明記ください。
お問い合わせ:KandaNewsNetwork kanda@knn.com

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Toshi Kanda mailto:knn@rr.iij4u.or.jp

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■連載「ip2000」プロジェクト奮闘記 0054(4/10)
荒波があるから陸地にたどりつける
------世界一周出航(5/22)まで残り42日-------
------南十字星出航(8/31)まで残り142日------

川井拓也
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コラムを書いていて歯がゆいのは、ここに書けないことが多くなってきたこと
だ。先週の後半はさまざまなことがあったが、そのほとんどが関係者のことを
考えるとここに書けないことばかりだった。しかし、現状を整理しよう。

現在プロジェクトは、「地球一周という実験・検証」と「南十字星による実証」
の2ステップを踏もうと考えている。なさすぎる準備期間でさまざまなことは
できない。確実にコンテンツに落とし込めるものだけを実行に移し、いわゆる
今後の「名刺」になるようにしていきたい。資金はいまだ厳しいところで、さ
まざまな手段を講じている。

・某人材開発系のベンチャー企業がこのプロジェクトのプロセスに興味を持っ
 て、投資もしくは人的協力をしていただける可能性が出てきた。
・某勉強会で出会ったプロダクションの部長と共同で企画をしていくことにな
 った。ターゲットもはっきりしており、今週プランニングを進める
・某番組提供クライアントの検討が続いている。周辺情報によると可能性があ
 るとのこと。
・某環境系のイベントで協力な仕掛け人に出会った。彼自身はミュージシャン
 でもあり、今後相談していきたい。
・4月22日のアースディにて、このプロジェクトについて話をする機会がもらえ
 そうだ。

・ピースファイヤーはさまざまな事情から一度中断。しかし最後まで望みは捨
 てたくないので、パートナーと共に「火」を携帯している。12時間しかもた
 ない懐炉を2つ使い、会社にいるときはキャンドルに移し、細心の注意を払
 って保存している。出航までにさまざまな問題がクリアになれば実現可能。
 しかし、可能性は現在のところ極めて低くなっている。

・4月14日に晴海に現在の地球一周クルーズが戻ってくる。どんな人が乗って
 いるのか? どんな思い出をかかえて寄航するのか? 見に行くつもりだ。
・衛星に関しての情報が続々と寄せられている。デジクリ読者の中の支援者と
 あるプレゼンで出会ったKDDの方からの情報による。衛星装置を搭載可能か
 どうかも、17日の晴海埠頭で下見をさせてもらうことになりそうだ。
・本日はNiftyにプレゼンする機会をもらった。
・MFTVの番組企画として提案する機会をいただいた。プロジェクト自体を追
 っていくミニ枠で提案する予定。

・パートナーがNABに視察に行くので一週間ほどは制作段取り、予算、社内交
 渉すべてひとりでやらなければいけなくなる。かなりきつい一週間になりそ
 うだ。

・VaioNetの番組は「ドリームキャッチャー~人生の宝物~」として企画決定。
 web連動をベースに、予算組みと編成スケジュールに入る。2分半のミニシリ
 ーズとして20本の制作になる。

「火」を携帯していて考えたこと。「火」は生き物であるからケアしなければ
果ててしまう。常にポケットの懐炉が暖かいかを気にして、ふたつのうちのひ
とつが冷たくなったら火種を別の火に移し、さらにベンジンを補給していく。
会社にいるときも、家にいるときも、まるでペットでもいるかのようにケアし
なければいけない。なぜそんなにもケアしなければいけないのか?

当然のことながら、これが「広島の原爆の火」であるからだ。そしてそのこと
から「火」と生活を共にすることによって、自分なりにそのことを日常で考え
るようになった。小さなことだが実践をすることにより「平和」に対する思い
が強くなっていく。

人に会うときその懐炉を取り出し、暖かさを実感してもらって、なぜこれを携
帯するに至ったかを説明する。それはとてもシンプルなことだ。私はこの火を
自分の手の中で絶対に絶やしたくない。だから24時間細心の注意を払う。

いままでいくら緊張しても、24時間気にしつづけなければいけないことはそれ
ほどなかった。しかし今は、朝起きた時に「火」がついていることにホッと胸
をなでおろす。それは自分が生きていることへの感謝へと通じていくのだ。過
去の犠牲、悲惨な歴史を思い出すことは重要だ。

しかし、そればかりでは意味がない。重要なのは「自分が生かされていること」
を実感してその「価値」を自分なりに毎日検証することだと思う。映像制作に
携わり2000年にやるべきことはなんなのか? ip2000がやるべきこととはなん
なのか? 「火」と同じく絶え間ない自問自答だ。

私はもともと平和活動家でもなく、NGOの人間でもない。一サラリーマンに過
ぎない。しかしそんな人間が「火」を保ちつづけている。もしかしてこれがバ
ウさんが「火」を通じて伝えたかったことだろうか?

会社では2カ月前となんら変わりない生活をしている回りの仲間がいる。しか
し自分はこのプロジェクトを始めて、価値観も行動も人間関係もすべて変わっ
てしまった。この3カ月は今までの5年くらいの中身だ。私はこれからも、この
「火」を通じて多くのことを経験することになるだろう。

ここで言う「火」は、ピースファイヤーという企画自体のことではない。物理
的な「火」は船に乗らなくても、私の心に灯された「火」は船に乗ることにな
るだろう。そしていいことも悪いこともいろいろなことがこの「火」をめぐっ
て起こるだろう。自分の想像もつかないことになっていく・・・・・。そうい
う予感がする。私はそれを受け入れ、共に火だるまになっていこう。それで燃
え尽きるようなら、私にはその程度の生命力しかなかったということだ。

桜の生命力を感じながら書いたので、ちょっといつもと文体が違うかもしれま
せん。あまり怖がらないでくださいね(笑)

プロジェクトwebページ
http://www.taiyonet.or.jp/kawai/ip2000/
プロジェクト会議室
http://www67.tcup.com/6708/ip2000.html

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■展覧会案内
「オフラインもも展」も4月20日~22日に開催! 
すべての参加作品をデジタルアートの祭典で展示 
http://www.agosto.com/digart/digart.html
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4月20日~22日の3日間、有楽町・東京国際フォーラムにおいて「Digital Art
2000 Tokyo」が開催される。これは、海外・国内の一流デジタルクリエイター
が一堂に介するはじめてのコンファレンス&展示会である。
http://www.agosto.com/digart/digart.html

このイベントの中で「オフラインもも展」が開催される。これは「もも本」の
版元アゴストが主催するもので、会場内に「もも展」展示スペースが設けられ
る。「オフラインもも展」は、オンラインのもも展と同じくコンクールではな
く、『みなさんの展覧会』である。規定サイズ(A4)にプリントし、パネルに
張った状態で出品すれば、審査なしですべてが展示される。今回は動画、音楽
はなく、静止画のみの展示となる。

応募規定
A4サイズ(縦横自由)にプリントし(どんなプリンタでも可)、7ミリの厚さ
のハレパネに貼る。フレームは不要。裏面に、タイトル、氏名、メールアドレ
ス、ジャンルを書いた紙を貼る。ひとり4点まで出品できる(参加者が多い場
合は展示希望の上位を展示するので、希望順も明記のこと)。公序良俗に反す
ると主催者が判断したものは展示できない。もちろん参加無料。

ジャンルは、人間、美少女、動物、SF、メカ、建築、ファンタジー、クリーチ
ャー、自然、風景、キャラクター、その他。応募作品は原則として返却しない。

締切り:4月14日(金)郵便か宅配便で以下に送る
送り先/問い合わせ先:東京都千代田区六番町1番地 恩田ビル4F 
(株)アゴスト もも展係 電話03-3262-4595

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■編集後記(4/10)
・桜もゆっくり見られなかった今年である。きのう近所の神明社では、朝のハ
ニー号の散歩のとき、桜の下に席を確保する人たちがいた。いい天気だった。
妻は大宮に桜を見に行った。わたしは前日に行われた、高層マンション建築の
業者側説明会の記録をまとめる一日だった。住民対策専門業者の仕切りで、事
業主は殆どなにも言わない。こういう分野に実績のある市議の力を借りて、住
民側が優勢に押し切ったものの、前途は多難だ。横断幕を2枚書く。市長あて
陳情書を書く。自治会ニュースをまとめる。睡眠不足が続く。   (柴田)

・外出した。空気と光が違う。春だ。めちゃくちゃ幸せな気分になって、なん
となく涙が出そうになる。歩いていると、あちこちのビルに桜が植えてあって、
景色が違ってみえる。とっても綺麗。春っていいなぁ。地下鉄に乗った。2歳
くらいの男の子が駄々をこねている。母親が抱え無理矢理降ろそうとしている。
ふと目が合ったので手を振った。一瞬、彼はきょとんとしたあと、自分が外に
いることに気付いたのか、駄々をこねるのをやめ、紳士的に降りて出口に向か
っていった。                      (hammer.mule)

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■ 日刊デジクリは投げ銭システム推進準備委員会の趣旨に賛同します ■
http://www.nagesen.gr.jp/  <投げ銭システムをすべてのhomepageに>
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発行   デジタルクリエイターズ
     <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
        森川眞行 

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