[0634] もっとWeb的な編集者が必要だ

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0634   2000/06/23.Fri発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 16278部
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 <“彼ら”と手を切るのなら今のうちだ!>

■デジクリトーク
 もっとWeb的な編集者が必要だ
 須貝 弦

■デジクリトーク
 新月の夜には気をつけて
 なゆみ かすい

■連載「ip2000」プロジェクト奮闘記 0098 6/23
 船を下りるとまず目に飛び込んでくるのが、砲撃で破壊された白い教会
 ------(フェーズ1)航海日誌32日目-------
 川井拓也@land

■展覧会案内
 小さな小さな大展覧会

■展覧会案内
 とみぞうちゃん展2000





■デジクリトーク
もっとWeb的な編集者が必要だ

須貝 弦
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●ITの中でのWebデザイン

MdNの7月号を読んだ。自分で買ったのではなくて、人が買ったのを読ませても
らったのだが、IllustratorとFreeHandのバージョン9の比較は某Mac雑誌のそ
れとはまったく質が異なっていて、久々に「MdNもなかなかやるじゃねーか!」
と下品にも思ってしまった次第だ(ごめんなさい>編集部のみなさん)。

IllustratorとFreeHand、それにアドビから新しく出るWebグラフィック作成ソ
フト「Live Motion」(私の中では"イメスタ リベンジ・エディション"と名付
けられている)の機能詳細の紹介記事が続いた後、昔ワイアード日本語版なん
かにもたびたび登場していた某ライターが、「ITの中でのWebデザイン」みた
いなテーマで文章を書いていた。

デザイナーに求められてくる仕事が変わってくる。Webの世界では、DTPのよう
な「ページデザイン」では完結せず、もっとスピーディーで、もっとプログラ
マ寄りの仕事をしなければいけない。デザイナーがそこまでやるか? という
話もあるが、ページデザインだけでは稼ぎが知れているので、この分野で本当
に成功しようと思ったら、「そこまでやる」より他にない――みたいな主旨だ
ったと、私は理解した(ちょっと浅いかも>自分)。

●ありがたい話しを聞いていた頃…

その記事には「Webデザインはインターフェイスのデザインであるという議論は、
昨年中に終わっていて――」とも書いてあったが、私が見てきた世界では、3年
くらい前には終わっていた。(偉そうに書くけど)その頃の私は、そういう世
界をちょっぴり見ることができた。

ある情報誌の会社が「情報誌のデータベース情報をインターネットと連係でき
るようにすれば、ウチはこの分野でイチバンになれるかもしれない」とか言っ
てる話を、どっかの印刷業界団体のワークグループが「ありがたい話」として
聞いていた頃<http://www.jagat.or.jp/9708/article/pi_htm/I9612moj.htm>、
私が付き合いがあった会社<http://www.isize.com/>はすでにそれを大方の部
分で実現していた(まぁ会社規模も違うけどね)。

3年以上前には、私がかつて勤めた会社の社内の一部で「Webサイトの仕事は、
プログラマー的センスを持ったデザイナーと、デザイナー的センスを持ったプ
ログラマーがいっしょに仕事をしていかなければいけない」みたいな声が挙が
っていたりもした。残念ながら私は、それを「ありがたい話」として聞いてい
るだけの立場のまま、辞めてしまったけれど。

●「Web的」になれますか?

私の知り合いにも、何人かWebのデザイナーを自称している人がいる。ある人
は広告代理店の「ひ孫受け」みたいな仕事で、未だに手打ちオンリーで制作す
るも物量/モラルの両面で限界に達している。別の女性は、趣味の延長みたい
な感じで仕事を始めて、ある有名人のコネで仕事をとってきては、まるで「自
称ネットアイドル」が「ホームページビルダー」で作ったようなのを納品して
いる。

どちらも関わっているのは非常に「細かい」仕事(印刷で言えばバラ印字みた
いなものだ)ばかりで、大きな仕事に関わったとしても、末端中の末端――と
いう状態だ。やってる仕事は、「Web」というより「ホームページ」的という
印象だ。

まぁ、ライター業界で言う私みたいなポジションだわな~(>末端中の末端)。

でも、この人たちは来年、再来年と何をしているのだろう? と自分をヨソに
心配してしまうのは事実だ。Webのパーツ作成屋さんにでもなるのだろうか。
でも、スライスも書き出せないような人(と使用ソフト)で、パーツ作りにも
限界あるだろ? はやくそこから脱出して「Web的デザイナー」になってよね。

まぁようするに、「ホームページデザイナー」じゃなくて「Webデザイナー」
が求められている。同時に私が痛感するのが、「もっとWeb的な編集者が必要
だ!」ということなのだ!(続く)

【すがい・げん】gsugai@hh.iij4u.or.jp
デジクリの物欲担当。あと、クリエイティブじゃないモノを担当。しかし今週
は、予告どおり(?)物欲じゃないネタでいってみた1975年型。続きでは、あ
るメジャー系Webサイトのリニューアルに関わるお話を。

Macユーザーで,いいじゃない。情熱系?Macマガジン。「マッカー」
http://www.dgcr.com/mac/

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■デジクリトーク
新月の夜には気をつけて

なゆみ かすい
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われは思ふ、末世の邪宗、切支丹でうすの魔法

(北原白秋「邪宗門秘曲」より)

●魔術師たちの本性

「我々に任せれば正確かつ確実に万事を記憶する。三色(さんしき)の光の束
を、音という空気の振動を。そして、もし望むのなら何度となく取り出すこと
も可能である」そんな風に“彼ら”は言い寄ってくる。まして、その言葉を疑
おうとする者などいない。

しかし、騙されてはいけない。そんなに都合の良いことばかりのはずがないの
だ。“彼ら”はその文言の意味するところを巧妙に包み隠している。その隠さ
れた意味とは何か。それは「記憶、請け負います」ということなのだ。これで
も、まだ分かりにくいかもしれない。記憶を他者に委ねるということはどうい
うことなのか、よく考えていただきたい。何か引っ掛からないだろうか。そう、
新月の夜毎、闇に紛れて現れる性悪な魔術師たちは記憶行為の代償に“記憶の
価値”を奪っていくのだ。それも、誰にも気付かれることなく。

●“記憶”と“記録”

そんな寓話めいた文章では回りくどいかもしれない。はっきりと言ってしまお
う。物心がついてからというものカメラ・ビデオ否定論者なのだ。写真は嫌い
だし、今時ながらテレビ番組の録画なんてやったことはない。

いや、むしろそれらには大いに興味はあるのだ。それは自己のための記録から
再生への行為に対する限定的な否定だからだ。その範疇でさえなければ大いに
活用したいところなのだ。

それではなぜ、自己のための記録から再生への行為を否定するのか。それは、
ヒトというものは便利さにはかまけたくなるもの。記憶が確実に代行されるこ
ととなれば、記憶行為を蔑ろにしても差し支えない。たとえそれが思い出であ
ったとしても、何か変わるだろうか。おそらくそんなには変わらないと思う。

下手をすれば、憶えているのは“記録があるという事実”だけで、記録された
断片のある前後の光景すらも思い出せないようなことがないだろうか。まして、
その断片を切り取る瞬間に思い出を収束しようとする行為もまた論外であると
しか言いようがない。

“記録”なしに“記憶”を語れない――色褪せた記録に思い出までも頼るとい
うことに意味があるとは思えないのだ。そして、そんな色褪せた記録を思い出
などとは思いたくない。そのようなものは思い出というにはほど遠いものだと
思うのだ。

だからこそ、最初から否定してしまっているというわけだ。そうすれば外的な
記憶に頼ることはない。いや、頼ることはできないわけだ。そして、“彼ら”
に頼らず、記憶に焼付けたいと思うのだ。しっかりと。その上で、言うなれば、
記録=外部に遺されたものを疑い、記憶=心に遺されたものを信じたいのだ。

また、フレームに収めることに気を取られて、実体験を阻害したり、逃したり
しまうというのは本末転倒以外の何物でもない。もちろん、フレームに収めら
れたかどうかは関係ない。これは、どなたでも理解できるところだと思う。

しかし、創作という観点からは、断片を忠実に切り取った写真や映像よりも、
一旦、頭の中で自分の言葉に翻訳されたメモやスケッチの方がどんなに稚拙で
あっても頼れはしないだろうか。種や芽とならないだろうか。

そもそも、実体験ほどの感覚を追体験で呼び戻すというのは多くの場合におい
て困難だと思うのだ。風となって散るの待つだけの“発展なき事象”に用はな
い。戻らない時間の浪費を恥じるしかないのだ。

加えて、思い出を作ることと蒐集癖の錯綜というのも挙げておかねばならない。
ここでいう蒐集癖の対象とは記録だ。また、たとえ蒐集の行為が思い出となり
えるとしても、蒐集されたモノは思い出とは異なる。“証”に過ぎないのだ。
その“証”に裏打ちされることを求める行為、それに安心するという行為もま
た疑わざるをえない。

もちろん、一方で、記録を採ることに利点があるのも確かだ。“彼ら”を利用
すれば実に容易に他者との“共有”が可能となる。それも非同時的にだ。更に
は無制限に複製をも可能とする。つまり、至高のコミュニケーション・ツール
となりうるのだ。分別のある利用を望みたいところだ。

●潔く切り捨てる精神

ところで、かねてから、個人的にではあるが“芸術ないし作品”と“娯楽”の
境界線を明確に定めている。例えばテレビ番組の場合はこうだ。「『作品』と
みなす番組は他の一切の作業を中断して視聴に集中しなければならない。但し、
『娯楽』とみなす番組は他の作業を進めつつ垣間見ても構わない」ということ
にしている。

それというのも、“彼ら”に頼らないということはこれまでに述べた通りなの
だが、再放送が予定されているのならまだ別としても、二度目の視聴というの
は原則としてありえないのだ。もし、見逃してしまえば終わりだ。“崖っぷち”
なのだ。そのため、たかがテレビ番組といえども、心して見るようにしている
というわけだ。

そして、もうひとつ、そこまでする理由がある。それは、蔑ろに見ては“作品”
に、あるいは、制作関係者に失礼だと思うのだ。殊更、商業メディアには載り
難い、アナログ的手法で手間と隙を掛けられたクレイ・アニメーションやペー
パー・アニメーションの類を見ていると、そう思わずにはいられない。まして、
記録して再び見ようという行為はもはや卑しくすら思えてならないのだ。

とはいえ、そうは言ってられないところもあるだろう。“彼ら”というのは、
非同時性を売りとしている。我々が時間という“不可逆の次元”に囚われてい
る上で、社会的生活を営もうとすると制約が付きまとう。そんな時、放送とい
う流れの止まらない情報の川から、指定した情報を拾い集めてくれるのが“彼
ら”であるわけだ。

しかし、いくら“彼ら”が蓄えてくれようと、それを取り出さなければ意味が
ない。取り出す時間ができたとしても、駆け足に垂れ流すだけではなおのこと
だ。それならば、潔く切り捨てる精神をもって“彼ら”とは縁を切るのが得策
ではないだろうか。

ところが、残念なことに世の中には既に当たり前のように“彼ら”の魔の手が
蔓延っている。もう手遅れかもしれない。“彼ら”に頼ることは容易だが、今
から逃れるには苦痛を伴うかもしれないからだ。

●歴史は繰返す

思い起こせば、“彼ら”は過去にも同様の手口を使った。口承という非物理的
伝達から、図像や文字という物理的記録の手法の登場に際してだ。

音声言語や身体言語というのは、同時性の媒体であり、時として物質を媒介し
ながらも、実質、人と人との間で直接的にのみ成り立つ。人と媒体は切り離せ
ない――Man to Man。

一方、図像や文字言語というのは、非同時性の媒体であり、人と人との間で間
接的にのみ成り立つ。人と媒体を切り離しうる――Man to Matter, Matter to
Man。

この人と媒体=メディアを切り離しえたという事象は、大きな転換点であった
のだ。そして“彼ら”は、今や音声言語や身体言語をも物質に封じ込め、瞬時
に万人に伝えることることをも可能とした。

それでも、“彼ら”は決して手を緩めようとしない。次の手まで打ってきたの
だ。デジタル放送だ。デジタル放送が始まれば、真の意味で情報の流れを制御
することに限りなく近づくのだ。

●ヒトがヒトたりうるということ

マクルーハン的に言えば、機械というのはヒトの身体を拡張する――外への、
爆発(EXPLOSION)的拡張だ。そして、電気というのはヒトの中枢神経を拡張
する――内への、爆縮(IMPLOSION)的拡張だ。殊更、爆縮的拡張というもの
は、世界規模=地球規模での拡張ないし共有を意味する。表皮をすり抜け、時
空をも超えることを可能とする拡張というわけだ。

ところが、ヒトは爆発的拡張を失うと、その瞬間、退化することとなる。それ
までの生活の水準や状態を維持することはできない。旧世代さながらの生活に
逆戻りするしかないのだ。しかし、全く生活が営めなくなるわけではない。十
分、生きていくことはできるのだ。

とはいえ、爆縮的拡張が進んでしまうことには危惧を覚えざるをえない。爆縮
的拡張で得た能力に頼りきって<生かされてきた>ヒトがそれから切り離され
た時、果たして生活していくことができるだろうか、生きていくことができる
だろうか。そこには危うさがつきまとう。ひょっとすると、もはやサル未満の
存在でしかないかもしれない。映画「猿の惑星」のあの状況を思い浮かべても
らえばいい。そこに集団意識や生産行為などは存在しないのだ。

いずれにせよ、ヒトという種は拡張なくしてヒトたりえない存在なのだ。拡張
とで“一揃い”というわけだ。つまり、ある意味、ヒトという存在は既にサイ
ボーグ化されているということになる。いわゆるサイボーグと違うのは直接的
に融合されているか否か、それだけだ。実に些細な違いにすぎないのだ。

あるいは、こう喩えることもできる――ヒトは全高15メートルの巨大ロボット
の小さな操縦席に乗り込む操縦者だと。巨大ロボットという頑強な筐体は身体
を拡張し、操縦席という空間は情報で満たされ中枢神経を拡張する。そして、
巨大ロボットに操縦席というものを組込む必然性はない。離れた場所にあって
も良いのだ。また、ヒトは操縦席と分離可能だ。

高度な爆縮的拡張というのは本来の能力の退化=無機質な人間への進化をもた
らす。そんな不安がよぎってならない。これはSFではない。これから起ころう
としている現実なのだ。“彼ら”と手を切るのなら今のうちだ!

いや、たとえ“彼ら”と手を切ったとしても安心している暇はない。“彼ら”
とは別のグループもまた予てから暗躍していることに気付かなければならない
のだ。しかも、質の悪いことに各国の政府をも影で操り“必然性”をちらつか
せている、あいつらに。我々が歴史とともに獲得してきた本来の能力や智慧を
奪い去ろうとする者たちとの戦いはまだまだ続くのだ。

さて、宇宙は膨張しているという。そして、やがて収縮するとも言われている。
その次には何があるのだろうか。また、我々の爆発、爆縮、その次にあるもの
とは何なのだろうか……。

●主なキーワード

Walter Benjamin (ヴァルター・ベンヤミン)
Herbert Marshall McLuhan (ハーバート・マーシャル・マクルーハン)
Andre Leroi-Gourhan (アンドレ・ルロワ=グーラン)
Friedrich Kittler (フリードリッヒ・キットラー)

【なゆみ かすい】mailto:kasui@flux.gr.jp
青空の下、木陰でお昼寝中の猫たちを見ながら日向ぼっこするのが日課の社会
不適合者(たぶん)。ところで、「邪宗門秘曲」というと、またまた趣味的な
ユニットが歌っていたりする。しかし、残念ながらこのところ長らく活動休止
状態(?)の様子。

星屑旅行社
<http://www.tky.threewebnet.or.jp/~euren/stardust/index.html>

あと、何かを検索していた時に見つけたのか、「邪宗門」をやった劇団をブッ
クマークしてあったりする。でも、ぜんぜん知らない。単純に劇団名に惹かれ
ただけともいう。どうも、こんなんには惹かれてしまう。(汗)

月蝕歌劇団 <http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Miyuki/4995/>

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■連載「ip2000」プロジェクト奮闘記 0098 6/23
船を下りるとまず目に飛び込んでくるのが、砲撃で破壊された白い教会
------(フェーズ1)航海日誌32日目-------

川井拓也@land(日曜にカイロからオリビアへ再合流予定)
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【現在の船の位置=凸】
東京>>香港>ベトナム>シンガポール>スリランカ>セイシェル>ケニア>>>>
エリトリア凸>エジプト>イスラエル>クロアチア>ギリシア>イタリア>>>>
Transported by http://www.peaceboat.org/
Planning&Produced by http://www.taiyokikaku.com

【今日の東京プレゼン日記】

ビデオαの中村氏の尽力により、あのSONYのVX2000のDV CAMバージョンである
PD150とポータブル液晶付きの機種であるDSR70を、エジプトからイタリアまで
借りられることが決定した。誌面での試用レポート6000文字が条件ではあるが
現在民生機だけで撮影を行っているチームへの補強機材として、これほど心強
いラインナップもない。ステディカムDVともどもこれからの撮影が楽しみであ
る。24日にピックアップして25日にエジプトへ飛行機で持ち込む。


【エリトリアからの速報】

□□□□テクニカル度
■■■■旅行シズル度
■□□□おもしろ度
□□□□制作プロセス度

船からの「送る立場」から東京での「待つ立場」になると「想像力」が膨らむ。
映像は限られた通信環境と速度を考慮して送られてくるから、文字からどんな
映像が次に届くか非常に期待する。特に和平締結直後のエリトリアへの入港は
今回のクルーズの中でもハイライトといえるシーンだろう。

ip2000メーリングリストには現在200人の登録をいただき、現地からの制作レ
ポートをメールで配信している。その担当は広報の吉澤由香だが、彼女はいつ
でも一定のトーンで文章を書ける人間である。元某メーカーのプレス担当だけ
あり、その客観的なトーンの維持には感心する。そんな吉澤からの「広報ニュ
ース」を今日は引用しよう。冷静な表現の中にも感動が見え隠れする文章で、
東京サイドにいる私は何度も何度も読み直してしまった。

今日には映像が届くはずだ。仕事から離れ今までと違うスタンスで上陸した彼
らはエリトリアで何を見て、何を映像におさめ、何を感じたのだろうか?

------------(以下簡略引用)-----------
───────────────────────────────────
広報の吉澤由香です。市長や外務省関係者、現地NGOや報道陣の出迎えを受け
エリトリアに上陸。砲撃で破壊された建物がそこここに残る、ガランとした港
町マッサワ。ラクダが歩く波穏やかな海岸。岩肌と白い砂埃で覆われた、『バ
グダッド・カフェ』みたいな山岳地帯。ケニアの“元気さ”とは対照的な、静
かなるアフリカでした。

■プロジェクト進行状況
  -inエリトリア-

・早朝マッサワ港に入港。船内でマッサワ市長らによるピースボート歓迎
 セレモニーが行われました。エチオピアとの和平協定締結で、苦難の
 歴史を歩んできたエリトリアに新しい時代が到来。ささやかながら、
 国民の歓びが伝わってくるセレモニーでした。
 船を下りるとまず目に飛び込んでくるのが、砲撃で破壊された白い教会。
 しかしケニアのような土産物売りの一団も見当たらず、閑散とした静かな
 街並みはかえって気持ちを落ち着かせてくれます。

・午前中は旧市街をバン(初めてのエアコン無し。しかも今日の予想最高
 気温50度!)でシューティング。内戦で使用された戦車のモニュメント、
 ハイレ・セラシエ皇帝別荘跡、市場や海岸を一巡。

・昼からはピースボートのUPA(物資援助チーム)の活動を取材するため、
 彼らのバスの後に着いて山岳地帯にある難民村へ。片道3時間。
 半年に渡る準備期間でUPAが集めた物資は1600箱。
 それをひとつひとつ積み込み、荷下ろしし、3万人の難民のもとへ。
 心身に傷を負いテント生活を送る人々ですが、子供たちは屈託無く
 一行を迎えてくれ、またエリトリア・コーヒーをふるまってUPAチームを
 ねぎらってくれました。

・難民村を去り、夜マッサワ港到着。フェスティバル(現地NGOとピース
 ボートとの交流会)会場でチーム・ユネスコのダンスと署名活動
 「マニフェスト2000」を撮影。 

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【ip2000プロジェクト】6/23
エリトリアは最高気温50度 砲撃で破壊された白い教会
衛星経由映像はまだ届かず!
http://www.ip2000.net/
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■展覧会案内
小さな小さな大展覧会
http://www.spoon.co.jp/
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<主催者情報>

毎年恒例となっております『小さな小さな大展覧会』のご案内です。私どもが
企画させていただいているこのクリエイターズ・サマーフェスティバルは11年
前、七夕の企画展『小さな小さな大展覧会』としてスタートしました。

5年前、阪神大震災の年よりクリエイターズ・サマーフェスティバルと改名し、
イラストレーターだけでなく各業界の方々との交流の場をはかり、またデザイ
ン業界の活性化と向上、地域社会との密着、学生さんのようにこれから社会に
出られる方の発掘と育成などを考慮し、「文化的な展覧会」を目指し、進めて
まいりました。

昨年は、『毎日放送 本社1Fロビー(大阪)』での開催!!という会場にも
恵まれ、一般社会と密着した文化的展覧会を願っている私どもにとっても理想
的なステージでありました。今年もソニーサロン『ソニータワー9F(大阪)』
での開催が決定し、ますます楽しい企画展を目指しスタッフ一同がんばってお
ります。

今年は参加者全員の作品を掲載した図録も制作いたします。また、作家様のプ
ロフィールや別作品などの掲載などによって、より楽しめる、記念、思い出に
なる「CD-ROM作品集」を制作したく考えております。

会期 7月1日(土)~7月13日(木)11時~19時
会場 ソニーサロン(ソニータワー9F)
  
パーティー 7月1日(土)18時~授賞式&オープニングパーティー

イベント 7月9日(日)13時~トークショー(カズ・オオモリ、KUNTA、福井
真一、藤本聡、渡辺宏)

テーマ 自由・1作家1点 額装サイズでA4という小型の作品を590点展示

〒540-0035 大阪府大阪市中央区釣鐘町 2-3-17 ベルハウス 株式会社スプーン
06-6943-1166 spoon-os
http://www.spoon.co.jp/

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■展覧会案内
とみぞうちゃん展2000
http://www.canon-sales.co.jp/gallery/cwm.html#digi
───────────────────────────────────
フロム・エーの表紙などで知られる『お人形CGお絵描き作家』とみぞうちゃん
の個展が開催される。
日時 6月26日(月)~9月29日(金)10:00 ~ 17:00(土日祝日休)入場無料
会場 キヤノンワンダーミュージアム キヤノン販売幕張本社ビル 
千葉市美浜区中瀬1-7-2 043 (211) 9541

東京とみぞうちゃんランド
http://www.calley.co.jp/tomizouchan/

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■編集後記(6/23)
・「おかしな男 渥美清」はすごい本だ。複雑で矛盾を抱えたひとりの芸人に
ついて、おそるべき記憶力で600枚も書いてしまう小林信彦って人は異常であ
る。小沢昭一が「渥美ちゃんは幸せですよ。こうやってねちっこく書いていた
だいて」と対談で言っているが、本当にすべてに克明で、読んでいてどきどき
する。誰かさんがトニー谷について書いたのを読んだが、あまりのつまらなさ
に途中で投げ捨てたのとは大違い。昨夜は「男はつらいよ」の2作目を見る。
これが予想外に面白い。じつにテンポがいい。寅さんのテキヤの口上なんかほ
れぼれとするキレのよさと美声だ。ほかの出演者もみんなウマイ。でもこれ以
降の寅さんを見る気はしない。画面の小さいテレビデオで寝ながら見ていたか
ら、ヘンに肩がこってしまった。寝ながら~は読書に限る。    (柴田)

・なんか最近お金にうるさい。経理ソフトを導入したことや、人に手伝っても
らっていることから、敏感になってきたようだ。書籍やライブ、観劇などに関
しては気にせず使ってしまうのだが、同じものが違う値段で買える、そういう
ものに関しては、少しでも安いものをと考えてしまう。ネットだと座って調べ
られるし価格差に驚く。島田氏は金券ショップの達人。図書券ならココ、切符
ならココと大阪のショップに詳しい。その知識をネットで公開したらいいのに
と言っているが笑って聞いてくれない。全国の金券ショップ情報を統括したら、
株式上場できるかもしれんぞ。いやマジで。        (hammer.mule)

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編集長     柴田忠男 < mailto:tdo@green.ocn.ne.jp >
デスク     濱村和恵 < mailto:zacke@days-i.com >
アソシエーツ  神田敏晶 < mailto:kanda@knn.com >
        森川眞行 < mailto:morikawa@siliconcafe.com >

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