[0675] マッカー・リスタート宣言

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0675   2000/08/25.Fri発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 16662部
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 <「ガソリン入れたら?」>

■デジクリトーク
 マッカー・リスタート宣言
 須貝 弦

■連載「ip2000」プロジェクト奮闘記 0131 8/25
 アタマのエンジンは自分ひとりでは点火させられない・・・・
 川井拓也@land

■新刊案内
 はじめまして、そして、さようなら
 Windows DTP PRESS vol.8、発売中です!



■デジクリトーク
マッカー・リスタート宣言

須貝 弦
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実は去年の今ぐらいだったか、日刊デジクリ上で「Webマガジン作るぞ!」と
息巻いて、勢いで作ったのが「MACKER(マッカー)」だった。その日刊デジク
リが配信された直後にKNN神田さんから「やめるなら今のうちだ、やるなら突
っ走れ」みたいなことを言われ、その他いろいろな叱咤激励をいただきつつ創
刊したのが昨年の10月1日。その後、紆余曲折がありながらもサイトは今日ま
で存在している。

創刊当時のうたい文句に「シェアサイト」というのがあって、これは「読んで
気に入ったら恵んでください!」というものだったのだが、当初は「創刊効果」
もあって一気に10人くらいが私の口座に振り込んでくれて、その後チョロチョ
ロッと入金があってトータルで18人×2,500円をお振り込みいただいた。また、
そうやって得た収入は「書き手に還元する」というルールも作った。実際に昨
年度の分は精算し、原稿を寄せてくださった方々に図書券でお渡ししている。

さて、そんなMACKERだが今年の連休明けから突如としてトーンダウンしている。
今見ると、とてもじゃないが「Webマガジン」とは言えない。作っている本人
がキッパリ言うのもおかしいが、本当にそう思う。

すべては私がだらしないせいなのだが、実際に今年に入ってからの多忙さと、
昨年後半からほとんど休みを取らずに働いてきたツケから大きく体力を落とし
てしまい、ちょっとしたことですぐダウンしてしまう状態だった。

また、当時原稿作成やアイデア出しを手伝ってくれた他のメンバーが、みな転
職したりして状況が変わってしまったというのもある。とにかく、MACKERにあ
まり手が回らないという状態が続いていた。

●肩の力の抜け具合

いくらデジクリ同様の「部活ベースの活動」と言え、このような状況は本人と
してはたいへん心苦しかった。例えば、怒濤の勢いで進んでいく「ip2000」と、
体調不良やらを理由に更新が遅れていくMACKERとを自分の心の中で比較して、
ダークな気分になったりもした。ときどき体調が復活してやたらとカラダが動
くときに限って、全然ネタが思い付かなかったりして、何時間もドトールで悩
んでいたこともある。次第に「更新しなければ!」という思いは、プレッシャ
ーへと変化していってしまった。

「おかしいなぁ、自分がやりたくて始めたハズなのに…」と思っていたある日、
昔に自分が書きためていたいろいろなテキストを、HDDのフォルダの奥底から
見つけだして読む機会があった。それは、今は閉鎖されている自分個人のWeb
のテキストだったり、これまた最近活動停止中のバイク関連のWebサイトだっ
たりするのだが、どれにも共通して言えるのは、「今よりも肩の力が抜けてい
る」というコトだった。

ふつう逆だろ、年齢重ねると肩の力抜けるだろ! と思うのだが、実際読んで
みると昔のテキストの方が読みやすい。つまり、適度に軽いしテンポもいい。
それでいて要点はちゃんと言ってる。長くはないが、長い文章を読む気がしな
いWebには、むしろそのほうが向いているんじゃないかと思えるくらいだ。ど
うやら最近の自分は、何かと考え過ぎだったらしい。

そんなワケで、もうちょっとラクに考えることにした。自分でやりたくて始め
たわけだし、自分のやりたいようにやろう、と。自分のペースでやろう、と。
「面白いもの作ってやろう!」と気構えるのもやめよう、と。突っ走ることは
できなくても、確実に歩いていければいいだろう、と。

というワケで、MACKERは9月に2回更新した後、10月はちょっとお休みをいただ
いて、11月からリスタートをかける。また、サイトの名称も変更しようと思う。
独自ドメインの取得も視野に入れている。Mac中心の現状は維持しつつも、Mac
には縛られない――というあたりを考えている。Macそのものについて語るこ
とは、以前よりも少なくなるかもしれない。

ラクな気分でネタを考えると、次から次へとアイデアが湧いてくる。いま私の
WorkPad c3は、MACKERのネタがビッシリとメモされている状態だ。他の仕事で
抱えていた悩みも少しずつ解決されてきているし、暑い夏が過ぎれば少しは体
調も戻るだろうから、新しいネタを考えるには今が一番適しているのだろう。

新しいアイデアが湧くということは、まだまだやりたいことがたくさんあるワ
ケで。今はそれをはやく実行したくてウズウズしているのだが、あまり一気に
やろうと考え過ぎるとすぐ尽き果てるタイプみたいなんで、まぁ考え過ぎるこ
となく、一歩一歩進んでいこうっていうのが、当面のテーマである。

【すがい・げん】gsugai@hh.iij4u.or.jp
現在欲しいMacは? と聞かれたら「Cube!」と答えるのが常識的なところを、
「Classic II」とか「Power Mac 6100/66」とか答える、ヒネクレ気味の25歳
ももう後半。でも本当に欲しいのはハードじゃなくて、いろんなソフトなんだ
けど。

▼そうそう、マイペースでいきましょう。デジクリも週6回発行だから本当に
気を抜けないのだが、いまんとこはなんとかなっている。ちょっとした旅行の
ときなどどうする? とデスクと相談したら、「休んじゃいましょう」とキッ
パリ。部活はときには休みも必要。正月とGWとお盆以外も休みをとります。

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■連載「ip2000」プロジェクト奮闘記 0131 8/25
アタマのエンジンは自分ひとりでは点火させられない・・・・

川井拓也@land
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●MMCA「人材育成型コンテンツ制作事業」に応募する!

企画という作業はどうしてこうもギリギリにならないとエンジンがかからない
ものだろうか? それは子供が夏休みの宿題を8月29日になって慌てだすのと
なんら変りがない。

帰国してある程度の時間があったが、船が戻るまではアタマの中でプロジェク
トの総括ができなかった。そして今週はじめに船が戻り気分的に「フェーズ1」
が本当に終わったということを実感できるようになってきた。

デジクリで見た情報の中にMMCAの「人材育成型コンテンツ制作事業」募集のプ
ロジェクトがあった。ip2000が試行錯誤したことの要素として人材育成という
観点がある。今回は充分にその成果を得るには至らなかったが90日600人の船
旅という特殊環境は、多かれ少なかれ「人材育成」の成果が見られる。人は90
日で成長する人もいればなにも変わらずに帰っていく人もいる。

私はデジクリの自分のコラムを読み返しながら、当初の触れれば火傷しような
「どうしようもなくこのプロジェクトをやりたい!」という気持ちがなぜ起こ
ったのかを思い出していた。90日間に体を通じて感じたさまざまなことから、
いま私は冷静に次のステップを考えることができる。

明日を締切りとして迎えた今日は、一日自宅にこもりノートパソコンで企画を
練っていた。しかし、考えれば考えるほど焦りばかりが募り、いい企画文章が
出てこなくなった。夜になり会社に向かい環境を変えてみたがそれでも気分は
変らなかった。額からは焦りの脂汗がでてきた。

そこに、携帯メールからの一行がパソコン画面に飛び込む。「調子はどう?」
ip2000のサイトを毎日更新してくれている薮中さんからのメールだ。「行き詰
まっているよ・・(汗)」と送ると「ガソリン入れたら?」と戻ってくる。彼
女が言うガソリンとはいつもビールのことである。「一杯つきあってよ!」と
送ると「しゃーない、新橋へ寄るわ」と戻ってきた。いつも元気な彼女から企
画のきっかけをつかもうという魂胆である。

●自分達の夢の分身

しばらくして、SL広場の近くの居酒屋に入りガソリンを入れながら話した。
「未来日記の映画あるでしょ? めっちゃおもしろいらしいよ。あれやられた
らドラマはもうだめって言われているくらいなの」「ふーん、船の上でも未来
日記真似して作っているチームあったよ」「見てた? 未来日記?」「見てな
い・・」「だめやん!」「どーしてそんなにはまるのかね? やらせでしょ?」
「本人の意志とは違うことを演じないといけないから共感するのよー、あーそ
こでそう言っちゃう! みたいな」「でも視聴者がシナリオ書くわけではない
んでしょ?」・・・・・「!!!!」エンジンが点火した。

私は3つのことを思い出した。「ブレアウィッチプロジェクト」で監督が使用
した出演者とのコミュニケーションのとり方。出演者を実際に精神的に不安定
な方へ誘導していくやり口。もうひとつはフェーズ1で我々がリクルートisize
のために行なったおみやげゲッター。たったひとりの当選者のためにおみやげ
を買い付けるという企画。予想以上の反響があったコンテンツだ。そして最後
に愛ぴ~メール。船という通信が衛星でしかできないことからの情報飢餓感が
双方を強く結んだ例だ。そしてこの3つに「未来日記」と「ツゥルーマンショ
ー」の要素を絡めながらいつか考えていた自分の携帯向け企画を。

「もし乗船者のプロフィールが公開できるなら、ニックネームで公開してサイ
トにアクセスしてくるユーザーのプロフィールに近い人を選び、その人からの
旅行記がiMODEなどに届くようにするメールサービス。つまり自分と同じよう
な背景を持つ人が地球一周をしていて、自分に向けてメールを送ってくる。自
分の運命もほんの少しのことで変り、陸地ではなく船に乗る側になるかもしれ
ないことを感じさせる。でもこれだけでは弱いよね~」

このことからMMCA企画の書き出しはこうなった。このデジクリが配信されてい
る頃には企画書としての体裁を整えていることだろう。現在深夜4時。間に合
っているといいのだが・・・・。

時間や金銭的な条件から、したくてもできない「90日間地球1周の船旅」を登
録ユーザーによるオーディションで選出して「自分達の夢の分身」として旅を
させる。登録ユーザーは分身に対し、各地で何を見てどんなものを手に入れて
欲しいかをリクエストしていく。そのリクエスト自体を決めるために、登録ユ
ーザー間で活発な意見を取り交わさせることにより濃いコミニティが出現する。
分身は男女10代、20代、30代、の合計6名。その6名の洋上からのメール・画像
・映像による報告作業を補助するためにデジタルツール及び技術に精通したサ
ポートスタッフをチームとして乗船させる。日本と大型客船というふたつのコ
ミニティから、ユニークなデジタルコンテンツを創出させる仕組み。

薮中さんサンクス! ギアが入ってきたぜ!

http://www.ip2000.net/

「ビデオα9月号」試用レポートSONY PD150&DSR70!

「ドリームキャッチャー~人生の宝物~」
7/30より連続10週毎日ノンスクランブル枠で放映予定!
http://www.vaionet.com/

週刊「ウルトラ1」で「はなこの地球一周日記」連載

▼DAPに続き、MMCA「人材育成型コンテンツ制作事業」応募、いけそう。

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■新刊案内
はじめまして、そして、さようなら
Windows DTP PRESS vol.8、発売中です!
http://www.gihyo.co.jp/dtp/index.htm
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はじめまして。技術評論社「Windows DTP PRESS」編集部の久保田と申します。

まっとう一直線孤軍奮闘の「Windows DTP PRESS」――。そんなコメントをこ
ちらで柴田さんにいただいたこともありましたが、要はただの独りよがりって
ことでした。それが証拠に、今回ご案内のvol.8をもっていったんお休みをい
ただくことに…。つまりは最初で最後のご案内というわけで、まぬけな話でご
めんなさい。

詳しい内容はホームページをごらんいただきたいのですが、これだけはぜひ!
という記事をちょっとだけご紹介させてください。

まず、第一特集の「DTPの“組版”を考える」はなんと78ページ!。
写研SAPCOLまでを視野に入れつつ、そもそもDTP以前には、何がどのように行
なわれていたのか。そして何が引き継がれ、何が引き継がれなかったのかを改
めて確認します。執筆は、伝説の「日本語の文字と組版を考える会」でも知ら
れる、前田年昭、逆井克巳、太等信行の各氏ほか。

そしてもうひとつ。拡大スペシャル版の「書体が生まれる」は、縦組み・31ペ
ージで用紙はクリームキンマリ(だからどうした?)。執筆は言わずと知れた
朗文堂 片塩二朗氏(http://www.ops.dti.ne.jp/~robundo/index.html)。
リョービ本明朝書体の改刻の歴史を追いながら、話はやがて「ぼくらにとって
明朝活字とはいったい何?」なんて壮大なテーマへと……。一見穏やかな文章
ですが、射程距離は長く、破壊力は強く。そんな一本。

念のため申しますと、いずれもけっして懐古趣味ではなく、歴史をなめちゃい
けませんね、ってお話です。幸か不幸かあんまりWinな内容ではなくなってし
まいましたので、Macな方もぜひ。立ち読みだけでも。

Windows DTP PRESS vol.8
B5判・240ページ・本体価格1880円・ISBN4-7741-1060-4
http://www.gihyo.co.jp/dtp/index.htm

▼これはすごい内容ですよ。Windows DTP PRESS のWindows はとってしまった
ほうがよかった。DTP 関係者(もちろん編集者をふくむ)必読です。これがと
りあえず最後だと覚悟しての編集内容か、気迫がこもっています。休刊の知ら
せを聞いて、ああこれでニッポンのWindowsをベースにしたDTPはなくなったな
と実感。なんかかつてのSUPERDESIGNINNGみたいなテイストが好きだった。

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■編集後記(8/25)
・オンラインの出版状況というテーマでいろいろ調べている。資料はどんどん
たまっていくが整理する時間がない。締切は迫る。夏休みも終わりに近い子供
の気分だ。先日オンライン書店ビーケーワンに、相当マイナーな版元2社の本
を発注した。すぐに注文承りのメールが来て、一時間後に出荷完了のメール、
そして夜の7時に本が届いたのには驚き。しかも9月末までは送料無料のサービ
ス中だ。近所のリアル書店ではまず入手できそうにない本なので、バーチャル
な書店は便利だ。しかし、バーチャルのせいでリアルがつぶれないで欲しい。
うまく使い分けるべきだろう。今日も暑そうだ。エアコンのスイッチが入った
のを察知したハニー号が玄関前で「入れて!」と大声出している。(柴田)

・アンディ・フグ選手急死。信じられない。もちろん私は、知り合いでも何で
もない。私は子どものときに寸止めの空手をしていた。どうも幼稚園で男の子
らにいじめられたらしく、同じ場所でバレエも習えるのに、空手を習わせろと
母親に言ったらしい。別に強くならなくても、ああいう武道をするということ
で、自分の中に支えみたいなものができ、普段は力を誇示する必要はなくなり
(勝てるのわかっているから)、いざとなったときに相手に立ち向かえるよう
になる。痴漢に対して殴る蹴るの暴行を与えたことも(汗)。学生時代に入っ
たクラブは、まだK-1が存在しない頃の正道会館下で、いま有名になった選手
らとスパーをさせてもらったことはあるし(誰でもできた)、フグ選手を近く
で見たことはある。TVで見るとたいしたことのないように見えるが、K-1選手
の蹴りをまともに受けたら私は生きてはいないだろう。極真もキックもスゴイ。
そりゃわかる。でもK-1の、あの中で頂点に立てるのだって化け物だと思う。
その化け物フグが病気なんかで、あの歳で死ぬなんて。いじめから、空手をは
じめたと聞いたことがあり、親近感があったので余計に悲しい。短い人生、幸
せだったかな。最後の試合が故郷での勝試合で良かったな。 (hammer.mule)
http://www.k-1.co.jp/

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■ 日刊デジクリは投げ銭システム推進準備委員会の趣旨に賛同します ■
http://www.nagesen.gr.jp/  <投げ銭システムをすべてのhomepageに>
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デスク     濱村和恵 
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