[0927] 作品の意味

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0927    2001/09/06.Thu発行
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 <私もマスコミにインタビューされたいものだ>

■デジクリトーク
 作品の意味
 永吉克之

■デジクリトーク インターネットの紆余曲折(19)
 「保存版・本気で使うためのデジカメ選び」デジカメ(7)
 8月サンタ

■デジクリトーク
 Web 3D & 3DVR レポート:バーチャルキャラクター特集(3)
 オリジナルWeb3Dプラグイン制作日誌-3
 出渕亮一朗
 


■デジクリトーク
作品の意味

永吉克之
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岡本太郎が『太陽の塔』を作った当初は、わけの分からないモノということで、
国内の評判は悪かったそうだ。そこでマスコミに「この作品にはどういう意味
があるのですか?」と聞かれて、太郎さんは「意味なんかない!」と答えたそ
うである。

なんという爽やかな言葉だろう。この奇妙なオブジェというべきか建築物とい
うべきか、何だか分からないが、とにかく話題の「モノ」の秘密について、セ
ンセーショナルな記事を書こうとしたマスコミの野望を粉砕する「意味なんか
ない!」は、私の座右の銘でもある。この言葉は、ある意味でアートの本質を
ついている。

先日のディジタル・イメージ東京展は中国、韓国の作家とのジョイントだった
ので、パーティーで知り合った中国人作家二人に、私の作品について「コレハ
ナニヲ、イミシマスカデスカ?」と、いちばん聞かれたくないことを聞かれて
しまった。

本来ならここで、二人の前で仁王立ちになり、「意味なんかない!」と会場中
に響き渡る声で吠えるべきであったが、遠路はるばる中国から来た方々に、そ
れは失礼と思い、しかも中国とは教科書問題もあったので、怒らせてはマズイ
と考えて、笑顔で事細かに、しかし核心には触れず、テキトーに解説してさし
あげて、最後に私の作品の前で三人で記念写真を撮ったのであった。

私もマスコミにインタビューされたいものだ。

記者「あなたのアーチストとしての社会的意義は、何だとお考えですか?」
永吉「社会的意義なんかない!」
記者「アーチストとしての、これからの展望を教えて下さい」
永吉「これからの展望なんかない!」
記者「ブロードバンド化を鑑み、WEB上での表現も考えているのですか?」
永吉「ブロードバンドなんかない!」
記者「生涯、命が尽きるまでアーチストとして活動するおつもりですか?」
永吉「命なんかない!」
記者「小泉首相の靖国神社参拝の13日前倒しをどう評価されますか?」
永吉「小泉首相の靖国神社参拝の13日前倒しなんかない!」

                 ●

アーチストに、その作品の意味や意図を聞くというのは、漫才師に「いまのギ
ャグの意味はなんですか」と聞くようなものだ。ギャグとは、それを聞いた人
が面白いと「感じて」、図らずも笑ってしまうものだ。その意味を分析して説
明なんぞしたら、面白さが雲散霧消してしまう。   
     
それと同じことで、アーチストも自分の作品から何かを「感じて」ほしいので
ある。「美しい」「神秘的だ」「奇妙だ」「豪快だ」「べらぼうだ」など、表
現は曖昧だが、そういった説明の困難なものを「感じて」ほしいのである。作
品から感じられる何か。それが「意味」である。

意味を感じるということは、その作品および作家と波長が合ったということだ。
そして観た人の感想などから、その波長を受信してもらったことが分かった時、
アーチストは「嗚呼、アーチストでよかったナ」と感涙にむせぶのだ。そして
自然と『月の法善寺横町』の歌詞が口をついて出てくる。近畿地方のアーチス
トは、みんなそうである。

先の岡本太郎に話を戻すと、「意味なんかない!」という叫びには「意味を説
明することなんかできはしない。君らとは波長が合わんのだから、何を言って
もムダだ。さっさと家に帰って『スター千一夜』でも見て寝たまえ!」という
苛立ちが込められていたのかもしれない。

岡本太郎の信条は、芸術は「上手であってはならない」「きれいであってはな
らない」「心地よくあってはならない」である。そして、観客が彼の作品を見
て「な、なんだこれは!」とギョッとし混乱する、それ自体が芸術だというの
である。彼の作品の意味を強いて言えば「ギョ」なのだろう。

                  ●

どんなに評価の高い歴史的名作でも、波長が合わなければ感動はできない。絵
画ではシャガール、ルノワールなど。映画ではトリュフォーなど。文学ではヘ
ミングウエイなど。この辺りが、私としては波長が全く合わず、例えば、トリ
ュフォーの『突然炎のごとく』は名作といわれているので、とりあえずビデオ
で見たが、何も心に残っていない。『大人はわかってくれない』も、『突然炎
のごとく』よりはいいが、ぜんぜん興味のない町を旅行しているような気分で
見た。

アートとは何かよく分からない割には、高尚さや、奥の深さのようなものがあ
り「一般の人」(この定義も難しい)にとって入りにくい世界ともなっている。
だから、へたに理解しようとせず「おら、カマボコはきらいだ」くらいのノリ
で、見ていけばいいのだ。

「ダリの絵は、変な形がいっぱい出てくるから好きだ」
「ゴッホの絵は絵の具がヌルヌルして嫌いだ」
「ゴダールの映画はわけがわからないから嫌いだ」
「フェリーニの登場人物はしゃべりが多く、字幕を読むのが大変だから嫌いだ」
「キューブリックの『EYES WIDE SHUT』は裸女がたくさん出てくるから好きだ」
「『カラマーゾフの兄弟』はページ数が多いから嫌いだ」
「戯曲『セールスマンの死』は、セールスマンが死ぬから好きだ」
「『狭き門』の主人公はちょんまげをしていないから嫌いだ」
「『杜子春』にはコモドオオトカゲが出てこないから嫌いだ」

そんなんで、ええやおまへんか。

【永吉克之】CGアーチスト
私のサイトの作品をご覧になって、波長が合う、とお思いの方は以下の二文字
をコピー&ペーストして送って下さい。

              合う

E-MAIL/ katz@mvc.biglobe.ne.jp
URL / http://www2u.biglobe.ne.jp/~work

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■デジクリトーク インターネットの紆余曲折(19)
「保存版・本気で使うためのデジカメ選び」デジカメ(7)

8月サンタ
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先週は(1) 乾電池駆動を買え (2) F2.0以下のレンズを選べ というお話だった
のだが、いまひとつぴんとこなかったというメールを何通かいただいた。理由
を説明すると、「電池がどこでも買える」「レンズが明るい」などは、どちら
かというと「セールスポイントとして地味」だから、である。

●とにかく「売りたい」メーカー

一台でも多く売りたいメーカーとしては、デザインや新機能で「新製品」とし
てのインパクトを出したい。しかし乾電池駆動を前提として設計すると、デザ
インは自ずと限定される。例えば「クレジットカードの大きさ」「世界最小・
最軽量」などにこだわれば、ほとんど乾電池の入る余地はなくなってしまう。

そして電池の持ちを良くする~消費電力を押さえる技術にはマジックはない。
液晶の消費電力を減らし、モーターの電力を減らし、待機消費を減らし…と、
ひたすら地味な努力の積み重ねが必要な作業で、メーカーが真剣に、数世代に
渡って取り組んでいないと自信のある数字が出ない。

一方今の日本では、デジカメは「格好良く」「画質が良ければ」売れる。実は
デジカメを買うほとんどの層にとって、画質を判断する基準は画素数にしかな
いので、「格好良く」「画素数が多ければ」売れるのだ。だから勢いメーカー
の営業会議では、電源部分の売りなどは後回しにされてしまう。手っ取り早く
「売る」ための新機能、新デザインこそが前面に出されてしまうのだ。

だが「格好良さ」「画素数の多さ」は購入時には非常な満足感を得られるけれ
ど、時間が経つにつれてその価値は目減りしていってしまう。一方、「電池が
どこでも安く買える」「明るいレンズが付いている」ことは、カメラが自分の
手元にこれから数年あっても、その価値が変わらない。むしろボディ・ブロー
のようにじわじわとそのありがたみを感じる。

特に私のように、年に最低一度は海外に持ち出し、撮れるだけ、ありったけの
画像を持ち帰るような使い方をしていると、乾電池駆動はメーカーの良心とす
ら感じる。現在相棒がロンドン取材でC2000Zを持ち出しているが、2年間ですっ
かりへたってしまった電池を3セット買い直し、4分の1の価格に下がったスマ
ートメディアを買い足すだけで済んだ。専用バッテリではこうはいかない。是
非とも、貴方のデジカメ選びの基準に付け加えていただきたいと思う。

●(3) 使いやすさ~熟成度の高いモデルを選べ!

さて、店頭へ行って「乾電池駆動」「F2.0以下」を基準に探すと機種はかなり
絞られる。その他に目減りしない価値としては「小さくて軽量」「分かりやす
いスイッチ類」などがあり、これらが全て絡み合って「使いやすさ」という価
値になるのだ。

人間の手の大きさや形は変わらないので、自ずと持ちやすい形や、押しやすい
ボタンの形状というのはある程度セオリーが決まってくる。そして操作系とい
うのは常に一貫していなければならない。右手と左手と眼球がきちんと連携し
て仕事が出来るよう、各ボタンの役割と位置と形状が明確でなくてはならない。

だから、「いいモデルほど外観が変わらない」。熟成しているモデルは、簡単
には形が変えられないのだ。常に最新のモデルばかり見るのでなく、一世代前、
二世代前のモデルを参考にしながら、着実に地味な部分を改善しているモデル
を探そう。モデルサイクルの早いデジカメだからこそ、ロングセラーには深い
深い意味がある。

また、デジタルマビカやオリンパスのUZのように、「超望遠」を売りにしてい
るモデルや、キヤノンのIXYやフジのFinePixのように「最小、最軽量」を売り
にしているモデルがある。これは必要な人にとっては欠くことの出来ない機能
だ。このような特徴のあるモデルを選択するときも、基本は同じと考えて欲し
い。なるべくなら乾電池駆動、なるべくなら明るいレンズ、なるべくならロン
グセラーモデル。この順序で選べば、まず満足出来る買い物が出来ると思う。

●雑誌では新製品レビューは常に「良い製品」と紹介

メーカーは新しい製品が売れなくては困るし、雑誌はそのメーカーの広告出稿
がとれないと困る。だから新製品は余程のことがなければ「良い製品」と紹介
されるのだ。

しかし最近はメーカーと消費者の距離がうんと近寄って来た。悪評は悪評とし
て、インターネットを通じて情報が共有されるようになってきたから、消費者
の希望は以前よりダイレクトに製品に反映されるようになってきた。

それでも自腹で買い、もとが採れるまで数年使い続ける消費者と、無償提供と
までは行かないまでも、経費で定期的に製品を買い換える雑誌のレビューライ
ターでは立場が全く違う。

貴方がお金を握りしめてデジカメを買いに行くとき、頭の半分はその新機能や
美点にばかり心がいくはずだ。店頭に行けばどれもピカピカで、カタログには
美辞麗句が並んでいて、新しい機種のデザインは前の機種より遙かにあか抜け
て見える。(そう意図的にデザインされている)。

でもカメラは写真を写す「手段」だ。本当に使いやすいカメラを使っていると、
いつしかカメラの存在など忘れてしまう。そして手元には一番大事なもの、
「貴方が撮った写真」が残る。

貴方はカメラを所有したくてデジカメを買うのか、写真が撮りたくてデジカメ
を買うのか、一度良く考えてみよう。

●今週のお試し写真~3枚、全部80k前後です。
http://www.londontown.to/dgcr/6sep01.html

(次週は「ニコンとキヤノンとオリンパス」社風について。よろしく!)

【8月サンタ】ロンドンとル・カレを愛する33歳 santa@londontown.to
9月です。今週の一曲は誰に聴かせても「あ~、これ懐かしい!」度第一位、
1982年のHall & Oatesの小ヒット、"Did it in a minute"。アルバム「プライ
ベート・アイズ」に収録。爽快!ベスト盤に入らない隠れた大名曲です。
H&Oには他にも初期の"Las Vegas Turnaround"とか、定番にしたい名曲が一杯。
片割れDaryl Hallはソロ時代にそのまんまの"The provider"という曲を歌って
ます。プロバイダの皆さん、CMソングにいかがでしょうか? シブイですぜ。

ロンドン好きのファンサイト(相棒が現在ロンドン取材中!まもなく大改装)
http://www.londontown.to/

▼デジクリサイトの「★デジクリ・スターバックス友の会★」横浜編載るよ!
http://www.dgcr.com/
 
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■デジクリトーク
Web 3D & 3DVR レポート:バーチャルキャラクター特集(3)
オリジナルWeb3Dプラグイン制作日誌-3

出渕亮一朗
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Web3D / 3DVR サイト紹介のコーナー

●Dog'n' Dhole / AnimaPlayer beta2
http://www.atom.co.jp/anima/

Anima3Dに上でレポートしました、AnimaPlayerの新しいデモサイトが付け加え
られました。ドールはAnimaPlayer beta2 によるおしゃべりWeb3Dアバターで
す。表情豊かに話し、あなたの返事にインタラクティブに答えてくれます。

ドールはAnimaPlayer技術により、リップシンクしてのWAVファイルの再生、瞬
きや目の動きの自動アニメーション、表情モーフィング、首や体の動きのオー
トメーションをサポートしています。文章再生には発音記号、表情記号、動作
記号をまったく同レベルで混在させて使用することができます。「言葉とはし
ゃべること、表情、身振りの一体化したものである」と考えるからです。

また、StoryGraph 2.0というフローチャートに重点を置いた、オリジナルフォ
ーマットであるシナリオ記述スクリプトを使用することができます。

「俺の名はドール。なんでも知っている占い師だ。よろしくな。」--Dholeより

●3DAnywere / 3DAnywere.com
http://www.3danywhere.com/index.html

3DAnywereはJAVAアプレットベースのWeb3Dプラグインである。「JAVAをベース
としているので特別なプラグインが必要でなく、Windows,MacOS,Sun Solaris,
Linux...と数多くの環境で動作するはずである。」とのこと。Viewpoint的な
デモを見ることができる。商用にはアップロードライセンス料が必要。

●Matrix Engine / NETDIMENSION
http://mxengine.net-dimension.com

日本のWeb3D開発元サイト。こった描画テストページがある。自分のPCの能力
測定ができてしまうぞ。サントリー株式会社の“CLUB MALTS"や、@ニフティ
の通信ゲーム“WorldFishing”などで使用されている。

●Facemail / LifeFX, Inc
http://www.lifefx.com/FaceOfTheInternet/index.html

LifeFX Stand-In Virtual PeopleはLifeFX社の開発したフォトリアリスティ
ックな3Dバーチャルキャラクターである。実際、映像かと思ったくらいだが、
良く見ると3Dデータである。(マウス回転などができないのでわかりにくい)

Stand-Inを使用したLifeFXの最初の製品はフリーダウンロードできる
Facemailである。これは声をWAVで再生するか、IBM TTS(Text to Speech)を使
った音声合成で、写真的な3Dキャラクターにリップシンクを行わせてしゃべら
せることのできるメールツールである。この手のものは今までもいろいろあっ
たが、一番よくできている気がする。

●RAMONA / KurzweilAI.net
http://www.kurzweilai.net/meme/frame.html?m=9

RAMONAは Raymond Kurzweil のバーチャルな「別の人格」である。彼女は「初
めてのバーチャルに存在するミュージシャン」だという。(あれ? なんか昔
聞いたような?)Raymond氏は男なんでちょっとやば系なんだけど…

TED XI Conference などではモーションキャプチャーでアクターの動き、表情、
声がそのままリアルな3D女性キャラとして変換されて、リアルタイムで動くデ
モンストレーションをしている。また「彼女」のプロモーションビデオもある。

KurzweilAI.netではRAMONAがサイトホステスをしている。これには上で紹介し
たLifeFXが使われている。デモを見る限りサイトを使って音声認識もしている
ようだ。

ところで、このKurzweilAI.netは人工生命他、刺激的な分野のリンクがたくさ
ん含まれている。

●門田ちはるのおしゃべりDC Webサービス/ DC CARD
http://www.dccard.co.jp/tatsujin/3d_anime/index.htm

DC CARDのサイトにちはるちゃんがWeb3D版で誕生しています。以前ここでご紹
介したQED Softの技術を使い、おしゃべりする3Dバーチャルキャラクターが
Webページの上で動き回ります。やはり日本でデザインされただけあってキャ
ラは日本人好みになってるような?(実はデザインされた方はけっこうこのキ
ャラに似ているようです)モーションキャプチャーを使っているらしく動きも
滑らかです。

●コレキャラドットコム / ポリゴンズ
http://chorechara.com/

極端に賛否両論のある、あの3D美少女作家ソネハチさんがWeB3Dの実験を開始
されている。Web3Dには、PulsePlayer,Cult3D,Viewpointの3つのプラグインを
実験している。パラパラを踊るcorry、バーチャル3Dフィギュアと化している
yukari他を見ることができるが、同じデータをおもに使っているので、この3
つのプラグインの違いもよくわかる。(しかしデータの出て来方がちょっとや
ばいんじゃ?)「ソネハチ彫刻展」というのも開催中。

CORECHARA STUDIOとしてWeb3Dやゲームに展開して行きたい意向。もしかした
ら、携帯電話3Dも狙っているのかあ? というWEBデザインだが、ハードの性
能的に今のところそれはどうなんだろうか?

●Do! Chara.com / エムバディ・ネットワークス
http://www.do-chara.com /

パイオニアの系列会社であるエムバディ・ネットワークスは新しいWeb3Dのビ
ジネス形式を実験している。Do! Chara.comではクリエーターの制作した3Dキ
ャラクターの登録、そしてユーザーへの派遣があった場合はロイヤリティを払
うという方式を打ち出している。

カスタマーは登録されたキャラクターを選んで使用する(派遣してもらう)こ
とができる。Web3Dプラグインには専用プレイヤー、Motion Playerが使われる。
MotionPlayerはコントロールのメソッド(関数)をJavaScriptで組み合わせて
いく、という独特のシーン構築方法を採っている。またQEDSoftのような透過
背景を使うこともできる(レイヤー機能)。

●もーしょんパラダイス / Pioneer Corporation
http://www.nifty.com/motpara/index.html

これもパイオニアのサイト。ブロードバンドをにらんだ、3Dキャラクターの振
り付け付きでカラオケが楽しめるサービス。振り付けの練習ができるのが売り。
「フリカラ」とはつまり「振付け付きカラオケ」のことである。

楽しむためにはスタンドアローンの専用のプレイヤーのダウンロードが必要。
また@nifty、Combo会員登録が必要であるがデモ曲なら無料体験できる。浜崎
あゆみやモーニング娘のフリカラを楽しめちゃう。(でもこれ次に紹介する
D-Playerに良く似てる。どっちが先?)

●D-Player/SpaceIllusion, Inc.
http://www.spaceillusion.com/japan/index.htm

D-Player は韓国からやってきた、MP3音楽に合わせてバーチャルダンサーが踊
るリアルタイム3Dソフト。アニメーションにはモ-ションキャプチャ-を使っ
ている。(日本語サイトあり)

数多くあるダンス音楽データ、キャラクター、ステージから好きなものをダウ
ンロードすることができる。これでダンスの勉強ができるということであるが
…(左右反対になるミラーモードもある)猫やカバが踊っちゃうのがなんとも
かわいい。ほんと、世界中のダンスや踊りをバーチャルコレクションしたくな
る、やられた!ていう感じの3DVRです。

【でぶち・りょういちろう】debuchi@atom.co.jp
九州芸術工科大学画像設計学科卒。1981からオリジナルソフトウェアによるコ
ンピューターアニメーションを制作。91、94 SIGGRAPH Electronic Theatreに
入選。96からWeb3Dに興味を持つ。VRMLの作品群の制作。00よりさらにAnima3D
という独自の3DVR環境を開発中。インタラクティブなバーチャルキャラクター
や人工生命制作へと向かっている。

http://www.atom.co.jp/anima/index-j.html

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■編集後記(9/6)
・谷口ジロー「神々の山嶺2」を読む至福のひととき。夢枕獏の原作でも極限
の寒さや絶望的な疲労をイメージできたが、さすがに谷口ジローの画力はすさ
まじい。孤高のクライマーの遭難から生還までを描く70余ページが圧巻だ。読
み進むのが惜しい気分で333ページを読み終えて、あらまだ終わっていないと
わかったときの喜び。原作を確かめると、厚い文庫本2冊の1冊目の8割くらい
の見当だ。ああしばらくはこの物語が続く。連載雑誌は見ていないので「神々
の山嶺3」がいつになるかわからないが、待ちますとも。      (柴田)

・アジアベンチャーマーケットに行ってきた。韓国の優秀なベンチャーがプレ
ゼンし、商談するというもの。あんまり期待していなかったんだけど、qmail
やsendmailよりも、多数のメールを早く処理するメールプログラムにびっくり。
プロセスを最小限に押さえ、独自アルゴリズムで100万通を一瞬で処理すると
言っていた。日本にも類似のものってあるのかな。メルマガ配信システムさん
たちや、大手プロバイダーさんが、これを利用してくれたら遅配が減るかも。
総代理店探してはったで~。他にもオーディションシステムや、投票システム
(アメリカでは盛んだけど日本にはないらしい)、セキュリティシステムに他
言語対応サイト作成ジェネレーターなどがあって面白かった。(hammer.mule)
http://www.jpd.co.kr/ Widemail
http://www.b-platz.ne.jp/event/nikkan/ アジアベンチャーマーケット
↑興味のある人は問い合わせてみては? 競合なければオイシイっすよ。

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発行   デジタルクリエイターズ
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編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 

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 担当:濱村和恵
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