[1013] 小説『市民の安全を守る警察』

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1013    2002/01/24.Thu発行
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 <ははははは。「創作」はいい。>

■デジクリトーク
 小説『市民の安全を守る警察』
 永吉克之
 
■デジクリトーク
 はじめて手をつなぐふたり。
 白石昇



■デジクリトーク
小説『市民の安全を守る警察』

永吉克之
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「・・・じゃあな。次回を乞うご期待だ、ははははは」

電話の向こうの勝ち誇ったような笑い声を、苦々しいおもいで聞きながら高田
警視(48)は、受話器を置いた。それを横で聞いていた、今年定年の佐々木警
部補が遠慮がちに声をかけた。

「また、西尾ですか・・・」
「ああ、今度の現金輸送車襲撃も奴の犯行だった。このところ、ずっと襲撃に
 成功してるもんだから、野郎、図にのりやがって、今度は犯行声明を出して
 きやがった」

西尾敬三。かれは高田警視にとって、いや狛江警察署全体にとって悪夢そのも
のだった。狛江市内で起こった12件の現金輸送車襲撃は、すべて西尾一味の犯
行であったということが判明している。銃を撃ちまくって輸送車ごと現金を奪
い取る彼らの手口は残忍というしかなく、すでに18人の犠牲者を出している。

犯行が常に狛江市内で起きているのは、西尾が市内の賃貸マンションに住んで
いるからである。小田急線の和泉多摩川という駅のそばに、彼のマンションは
ある。そして、そのすぐ裏を多摩川が流れている。天気のいい日は、川辺の芝
生の上で寝転んで、うとうとするのが好きだった。

「あ、もう5時だ、帰るか・・・」
今回の件が高田警視の頭を離れないが、定時なので帰らなければならない。
 
                 ●

「今さっき西尾さんていう人から、あなたに電話があって、まだ帰ってないっ
 て言ったら、自宅に電話くれっておっしゃるんで、電話番号聞いといたわ。
 でも失礼な人ね『ダンナいるかい』だって。ふん! はいこれ」

帰宅するや否や、妻は、お帰りなさいも言わずに一方的にしゃべって、メモを
差し出すと、さっさと台所に引っ込んだ。メモにかかれた番号にかけると、西
尾が出た。

「高田さんかい? ワルいね手数かけて。いやね、警察署に電話したら、もう
 帰ったって言われたもんで、家の電話番号教えてもらって、その・・・」
「こいつ、さんざん好き勝手なことしやがって、なんだ今度は」
「実はね、もう現金輸送車襲うの、やめようと思ってるんだ」
「なんだい、堅気になるってのか」
「いいや。今度は銀行を襲うことにしたよ」
「ふざけやがって。ビリー・ザ・キッドにでもなったつもりか。もう金は相当
 稼いだはずだ。さっさと山分けして、足を洗ったらどうだ」
「やだね。この銀行には、ちょっとした恨みがあってね、こんどは、その仕返
 しも兼ねてんだよ。そんなわけで、明朝9時、小笠原銀行の狛江支店を襲う」
「まて、なんだ、その恨みって・・・」

そこで電話は切れた。高田はかけ直してみたが、留守電に切り替わっていた。
「・・・こんどは、犯行予告か、なめやがって」

                 ●
 
翌朝、9時少し前。刑事課の刑事たちが出勤してきた。高田警視が浮かない顔
で刑事課の部屋に入ってくると、刑事課で、いちばん若くて元気者の北山警視
総監が声をかけてきた。

「どうしたんですか、高田さん。いつもの笑顔がないですね」
「ああ、実はゆうべ、西尾が自宅に犯行予告の電話をよこしてきたんだ。奴は
 9時に、小笠原銀行の狛江支店を襲うつもりだ」

刑事課の部屋全体が一瞬、凍りついたようになった。
北山警視総監が、奇声をあげた。

「9時! もう9時じゃないですか! ちくしょう、卑劣な手を使いやがる。刑
 事課の出勤時間にあわせて襲うとは考えやがったな。われわれが現場に着い
 た時には、もう逃げた後ってわけですね」

刑事課の総責任者である長谷部巡査が刑事課全員に向かって言った。
「では、みんな、現場に行ってみよう」
 
狛江署の刑事課全員165名が現場に着いた時は、すでに犯人グループは現金を
奪って逃走したあとだった。行員の大半は射殺されており、助かった行員の証
言によると、開店時間になってシャッターを開けると、入り口に戦闘服を着た
5~6人の男達がライフルを持って立っていて、入ってこようとするので、警備
員が、そんな物騒なモノを持ってこられては困るというと、男達のひとりに、
「ライフルを持って銀行に入ってはならないなんて項目は公職選挙法にはない」
といわれ、反論できずに彼らを中に入れてしまった。

彼らはカウンターに近づくと、いきなりライフルを乱射し始め、行員のひとり
にバッグを渡し、現金を詰め込ませて、車で逃走したということだ。

                 ●

「またやられた」
全員が無言で署にもどると、高田警視が力なく言った。西尾一味が犯行に成功
するたびに発せられる言葉が今回も聞かれた。

「高田さん、報告書が来てますよ」
寺岡副総監が、佐川急便の送り状が貼ってある封筒を高田に手渡した。興信所
に、西尾の身辺調査を依頼していたのだ。

それには西尾の写真が数枚添付されていた。細面だが眉が濃く、苦み走ってい
て、動物でいうと、ヒヨコのような印象である。

報告書によると、西尾敬三は昭和31年福岡県生まれ。中学を卒業後、集団就職
で上京し、夜学に通いながら自動車の部品を製造する工場で働き、38歳の時に
コツコツ貯めた金を資本にし、自動車部品製造の経験を活かして日焼けサロン
を経営するために独立した。しかし全国的な不景気と、部品製造の経験を活か
すという目論見がはずれて経営危機に陥った。

そこで、景気のいい時は機嫌よく金を貸してくれた小笠原銀行の狛江支店に、
また融資を申し込んだが、経営状態の悪化を知っていた銀行は、手のひらを返
したように冷たい応対をするようになった。そして、いわゆる貸し渋りにあい、
不渡りを出して、日焼けサロンは倒産した。

債権者が自宅に押しかけて、ヤクザまがいの取り立てをするなどで家庭は荒れ、
妻はふたりの子を連れて出ていった。

追いつめられた西尾は、現金輸送車襲撃を思いついた。そして、どうやって見
つけたのか分らないが、社会に不満を持っている者、世間に復讐してやりたい
と思っている者、正義なんか信じられない者たちを集めて、襲撃グループを結
成し、巧妙だが残忍な手口でつぎつぎと襲撃を重ね、稼いだ金で借金を完済し、
妻子も連戻し、現在は無職だが、襲撃で稼いだ金が潤沢にあるので、幸せな生
活を送っている。妻は三人目を身ごもっているとのことだ。

「なるほど分かったよ。昨夜、奴が言ってた、銀行への恨みの意味が。でも、
 今じゃ幸せなはずなのに、なんで襲撃をやめないんだろうね、ははははは」
刑事課全体が和やかな雰囲気に包まれた。

                 ●

「もう昼だ。みんな飯にしよう」
長谷部巡査がそういうと、刑事課の全員165名は狛江署の近くの食堂街にある、
「お食事処・ながよ志」へ、ぞろぞろと向かった。この店は40人で満員になる
ので、あとの125人は外で待っていなければならない。遅れて署を出た高田警
視は、外で待つ組に入ることになった。
 
一月の寒空の下でじっと立っているのも辛いので、立ち読みでもしていようと
近くのコンビニに入った高田警視はがく然とした。西尾が、あの西尾がいるで
はないか! 警視は、写真でしか見たことないが確信をもった。写真で見るよ
り小柄で、きゃしゃな体格をしている。

彼は、警視には気がついていない。雑誌のコーナーで『少年ジャンプ』を読ん
で笑っている。その笑い顔をを見て、警視の驚きは怒りに変わった。つかつか
と大股で西尾に近づくと、その肩を掴んで尋ねた。
「西尾だな?」
西尾も一瞬、驚いた表情を見せたが、すぐに高田警視だと悟ったらしく、ニヤ
リと笑って「高田さんだね?」と尋ね返した。

「警察をバカにしやがって・・・いや、警察よりも被害者だ。いいか、お前ら
 に殺された被害者の中にはなあ、子供が生まれたばかりの人や、大家族を抱
 えた人たちもいるんだ。そんな人たちの悲しみや、これからの苦労も知らず
 に、真っ昼間からコンビニでマンガの立ち読みかい」

西尾はニタニタするだけで返事もせず、マンガに視線を戻した。その態度が、
警視の怒りに油を注いだ。警視の放った右フックが西尾の顔面に炸裂し、西尾
は背後の陳列棚まで吹っ飛び、ティッシュペーパーやタンポン、綿棒などが散
乱するなかで、顔面をおさえて、のたうちまわった。
「これは、被害者とその家族の恨みだ。よく噛みしめろ」

そして、店内の客に向かって言った。
「市民のみなさん、私は狛江署のものです。ここに倒れている男は、例の連続
 現金輸送車襲撃事件と先だっての小笠原銀行襲撃事件の主犯格です。こんな
 やつらをのさばらせておいていいのでしょうか! われわれ市民の手で、こ
 のゴロツキどもを隣の世田谷か川崎にでも追い払って、安心して住める狛江
 市にしましょう!」
何人かの客から声が上がった。
「人殺しィ!」「出ていけー!」「頭を剃って被害者に詫びろ!」「ばかー!」
それだけではない。客のなかには、棚にあった卵や、ジュース、とうふ、餃子、
冷凍枝豆、裁縫セット、糸楊子などを、西尾に投げつける者もいた。

罵声を背に受けながら、西尾はよろよろと立ち上がり店を出ていった。

                 ●

その後、数日間は、めだった事件もなく市民の表情に笑顔が戻った。公園には
サーカス団のテントが立ち、芝居小屋の客の入りもよく、『名月赤城山』『婦
系図』『金色夜叉』『リア王』『吸血鬼ノスフェラトゥ』あたりは連日大盛況
だった。

「君のパンチが効いたんだよ、高田」
長谷部巡査が警視の肩を叩いて言った。
「ありがとうございます。あれで反省してくたらいいんですが・・・」
「昼だ、飯にいこう」
かけ声とともに刑事課165人全員が「ながよ志」に向かった。

昼食が終わって午後1時、全員がそれぞれの持ち場に着くやいなや、刑事課中
の電話が鳴りはじめた。みんなパニック状態になって電話に飛びついた。

「東和泉でコンビニが襲われて、売り上げ金が奪われました!」
「岩戸南で、パチンコ店の景品向交換所に賊が押し入りました!」
「猪方でサラリー・ローンが襲われ、従業員が殺害された模様!」
「駒井町の郵便局に5人の男達が押し入り、局員を殺害して現金を強奪!」
「和泉本町のレンタルビデオ店に賊が押し入り、店員を縛ってアダルトビデオ
 ばかり約300本を持ち去った模様!」
といった報告が怒濤のように刑事課にあふれた。全部で100件以上の報告が入
った。

「やられた。完全に盲点をつかれた」
高田警視は唸った。昼食で刑事課が空になる午後12~1時を犯行時間に選んだ
のだ。もう今頃、連中はアジトに戻って金の勘定をしているころだ。

電話の嵐が一段落ついた頃、西尾から高田警視に連絡が入った。
「この前、あんたに殴られて、前歯がまだグラグラしてるよ。今から歯医者に
 行くんだが、前歯を差し歯にするのに、国民健康保険は使えるのかよ? も
 なし使えかったら、警察に補償してもらうからな。いいな!」
一方的に怒りをぶちまけて、西尾は電話を切った。

高田警視のなかで何かが、音もなく崩壊した。
「おれの鉄拳で反省をしてくれたと思っていたら、とんでもない見当違いで、
 その鉄拳を恨んでたんだ。この数日間の静寂は、奴が仲間を増やして、復讐
 計画を立てる準備期間だったんだ。おれは、なんてダメな警官なんだ。おれ
 は、そもそも警官には向いていないんじゃないのか? 郷里に帰って、おや
 じのやってるイソギンチャク採りでも手伝って、のんびり暮らすか・・・。
 ・・・いや、待てよ、あんな奴のために何でおれがイソギンチャク採りをし
 なきゃならないんだ。冗談じゃない」
絶望感は突如として義憤に変わった。そして全体に響き渡るような声で叫んだ。

「もう我慢の限界だ。西尾を逮捕する!」

刑事課に歓声が上がった。
「逮捕かあ!」「やったね!」「どんなに待ったことか!」「あんたは男や!」
刑事課全員165名が外に走り出た。目的地は猪方2丁目にある西尾のマンション
である。狛江署から走ると5分くらい距離なので、みんな、われ先にと半狂乱
で走り続けた。

マンションに着いた時には、彼らは、ほとんど暴徒と化していた。どこで拾っ
てきたのか、角材や鉄パイプを持っている者が数人いた。マンションをぐるり
と囲むと、1階の西尾の部屋のベランダに、5~6人の男達が柵を越えて降り立ち、
窓ガラスを叩き割って屋内に侵入し、部屋の中の物を手当りしだいに破壊する
と、西尾を縛り上げて狛江署まで担いで帰った。

                 ●

取り調べ室で、高田警視は西尾と向かい合っていた。
「あれだけ充分な金を手に入れた後も強盗をやめなかったのはどうしてだ?」
「貯金するためですよ」
「なるほど、そういうことだったのか。でも、やり方が乱暴だったな」
「高田さん、あれだけのことをしておいて、厚かましいお願いだけど、嫁さん
 と子どものこと、よろしく頼みますよ」
「わかってるさ。それに、お前は死刑になると思うが、うまくいけば執行猶予
 の可能性もある」
「そ、そうならいいんですけどねえ」
「そうなるさ」
「でも、死刑の執行猶予って、どのくらいの期間になるんでしょうかねえ」
「知らん」

                                (終)

【永吉克之/CGアーティスト】katz@mvc.biglobe.ne.jp
論文やエッセイよりも、詩や小説、戯曲といった、いわゆる「創作」の方が、
悩まずに書ける。資料を調べたり、裏付けをとったりせず、思いっきり無責任
に書きまくれるからであろう。ははははは。「創作」はいい。しかし、面白く
なかったら最悪だ。
URL / http://www2u.biglobe.ne.jp/~work/

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■デジクリトーク
はじめて手をつなぐふたり。

白石昇
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白石昇です。お賀正です。新年の挨拶もそこそこに前回からの続きなどを。

◆前回までのあらすじ。
下訳完了した某ベストセラー著作の翻訳出版実現にむけて動き出したものの幾
多の試練にぶち当たり難航。しかし捨て身で二度の郵便テロを決行した結果、
十二月十二日に著作者側のアシスタント氏から三度目の電話がかかって来た。

とにかく今、彼は来月に迫った舞台のプロデュースや脚本の準備で忙しいんだ、
とアシスタント様はおっしゃいました。

ああそうかやるのですね来月遂に、とわたくしは思いました。

彼は六年ほど前に、この国で画期的な形式の舞台をプロデュースして大成功を
納め、それ今までに以来、四回の舞台をこなして、全て大成功させてきました。

それはこの国の舞台表現形式としては前代未聞の、画期的なものでした。

そして、その舞台台本や、彼によるその他の著作はすべて、この六年間一度の
絶版もなく、激しく売れ続けて来たのです。

日本ではじめて彼の著作を翻訳しようとする立場であるにも関わらず、わたく
しは恥ずかしながら、来月の舞台のことを微塵も存じ上げておりませんでした
のです。

アシスタント様は、どうやって日本語の本をこっちの出版社で出すつもりなん
だ? と聞いてきます。さすがに国を代表する一流表現者のアシスタント様で
す。ツッコミどころを心得ていらっしゃいます。質問に少しの無駄もございま
せん。

編集から版下のデジタルデータ作成まで全てわたくしが執り行いますいってみ
たらわたくしが編集者です作ったデータはベクトルのデータにしてシーデーに
焼きそれを出版社様に入稿すれば問題は微塵もないはずです、とわたくしはデ
ジクリメーリングリストで仕入れた版下デジタル入稿に関する知識をフル活用
して彼に告げ、とにかく日系の出版社からは出したくはないのです安い値段で
お客様に手に取っていただくために、と言葉を繋ぎました。

アシスタント様はわたくしの少しだけ流暢になってきた泰語の主張を聞き、し
ばらく長考なされました。受話器の向こうから低く唸るような声が聞こえます。

しばし沈黙したあと、アシスタント様は、とにかく今は忙しいから、また追っ
て連絡します、とおっしゃいました。

しかしもう電話は今回で三度目、ハイそうですかとサクリと受話器を置くわけ
にもいきません。三度目なら三度目で、三度目らしい進展があってもいいはず
です。

いきなりラヴホとは言いませんが、手を握るくらいのことはしていただかない
と、なんとなくイヤなのですこれから著作者側と素敵な関係を築こうとしてい
る翻訳者としては。

とりあえずわたくしはアシスタント様の携帯電話と事務所直通の、ふたつの電
話番号をゲットいたしました。これでもうわたくしは狼少年ではありません。
これで向こうとの関係がまがりなりにも前向きな方向で進んでいることをはっ
きりと好きなときにリアルタイムで確認することが出来るようになったという
わけなのです。

それでは電話を下さいメールでもいいです待ってます、アシスタント様にそう
告げ、わたくしは受話器を置きました。

舞台まで一ヶ月とちょっとらしいですから、著作者側は凄く忙しいことが予想
されます、でもこれでまた放置されても、わたくしはこちらから連絡を取るこ
とが出来るようになったのです。

ようやく一歩前進、と言った感じです。 (つづく)

【しらいしのぼる】noboru@geocities.co.jp
言語藝人。昭和44年5月1日長崎県西彼杵郡多良見町生まれ。『抜塞』で第12回
日大文芸賞を受賞。

御意見後感想誹謗中傷などの有り難い御言葉はこちらへ。(完全匿名)↓。
http://ebi.2ch.net/test/read.cgi/21oversea/1008089168/

メールマガジン。↓。
http://www.geocities.co.jp/Hollywood/2444/mailmagazine.html

▼年明けにもらった原稿なので、新年の挨拶付きです。

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■編集後記(1/24)
・昨日もいい天気だった。午後3時に川口市のはじっこにある大日本印刷の印
刷所に刷り出しの立会いに行く。まあ、ご近所だからト久しぶりにクロスバイ
クを飛ばす。約1時間かかった。刷り出しの立会い、わたしにとってもう何年
も絶えて久しいイベントである。しかし、印刷の現場はいつ行ってもいいなあ
(若い頃、歳取ったら活版の植字の仕事をしたいと本気で思っていたが、そう
いう職場はもうない)。印刷の技術の人とは理屈で話が通じるからいい。刷り
は満足のいくものだった。色見本として携えているのがデジタルプルーフとは、
世の中変わったと感じた。予定のページが出た頃はもう外は真っ暗。こんなに
時間を要するとは思っていなかった。ライトのないクロスバイクでは慣れない
帰り道はすこし怖い。3度ばかり肝を冷やしたが、利きのいいブレーキとフロン
トサスペンションのおかげで難を逃れた。高速道路下の一般道の脇道はまった
く車が来なかったので、暗いけどがんがん走った。しかし、明日は必ず体の節
々が痛くなるのであろうなあ。                 (柴田)

・何やってるのよ、三笠書房! 後記ネタがないので、影響を受けた書籍を紹
介しようとしたら絶版。あれは読み継がれる本だと思うけどなぁ。20年前のも
のとは思えない内容。いまのSOHO化を予言されていたり、タフになることや、
自分の時間を大切にするための工夫なんかがあって、仕事でうまくいかない時
に励まされた。おこがましいんだけど、彼女の生き方には共感することが多か
った。ほんと凄い人だったと思う。かなわないなぁと思う。会ってみたかった。
またまたおこがましいけど、友達になりたかった。対等になりたかった。千葉
敦子氏「ニューウーマン」のこと。豚肉、子供、その攻撃性あたりには反発。
議論交わしてみたかったなぁ。自分は怠け者、まだまだだなぁと、この本を読
むたびに思う。/検索すると、影響された人達がいっぱい。抜粋された文章を
見て、どきどき。他の本も読みたくなってきた。      (hammer.mule)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4837901816/  Amazonより

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