[1156] トキハカネナリ

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1156   2002/09/11.Wed.発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 21450部
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   <そんなお通夜みたいな話しても暗くなるばかりなんですがぁ>

■MKチャット対談
 トキハカネナリ
 笠居トシヒロ&まつむらまきお

■電網悠語:Ridual開発記編(8)
 チームのレベルアップとツールと
 三井英樹

■デジクリトーク
 本日の噂の人:フランツ・ベッケンバウアー
 本間可奈



■MKチャット対談
トキハカネナリ

笠居トシヒロ&まつむらまきお
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かさい: またまた水曜日がやってきました、早いなあ…笠居ですー
まきお: いやもう、知らんまに9月も三分の一ですよ。どないなっとんねん、
    のまつむらですぅ
かさい: そうそう、またまたマツカサ巡業Flashセミナーが決定しましたね
まきお: 巡業なんか(^_^;)。今回は10/12に長野県は上田市に参上いたします
    その名も【Hallo Flash 2002 in UEDA】通称フラッシュ祭りだっ。
    <http://flash.wda.jp/index.html>
かさい: 営業ともいう(笑)今回の上田市のセミナースタッフは、かなり気合
    入ってますね! 告知サイトのコンテンツも充実してます
まきお: 普段からパソコン関係でいろいろ活動されてるらしいですね。我々も
    負けないように話しなくてはー。Flashの面白い話をたくさんするか
    らお近くの方はぜひぜひっ。無料だよ~ん♪
かさい: ですですー、すでに申し込みも始まってるみたいなので、お近くの方
    はお早めに席を確保してくださいね。
    あ、そうそう。FLASH目安箱のほうも 今週いっぱいで一度集計します
    ので、まだの方はお早めに~
    <http://www.flash-jp.com/fmx_bug_hope/>
まきお: まだまだバグはあるはずだよーん
かさい: へいへい、ところで例のお仕事は請けてもらえるん?
まきお: ああ、あれなー、うーむ、うーむ(^_^;)ゆーてた仕事の返事が今日来
    るはずだったのが、来ないのだよー
かさい: それはもうきっと来ないパターンだね(笑)

●仕事と趣味の両立か?<デキル

まきお: ならいいんだけどよー(^_^;) なんで1ヶ月は30日しかないんかねぇ
かさい: そんなこと言ったら、なぜ1日は24時間しかないのか、とか(笑)
まきお: そうなんだよな。一日30時間あったらいいんだよなぁ
かさい: 年を経るごとに時間がドンドン早く過ぎていくようになるからなぁ
まきお: 30時間あったら、今度は48時間欲しくなるんだけどね(^_^;)
かさい: 48時間あればあったで無駄遣いするのも目に見えてるんだがな(笑)
まきお: 40年も人間やってたらさ、いーかげん24時間の時間の使い方上手くな
    ってもよさげなのに、なぜこう上手くいかないのかなぁ(^_^;)
かさい: なんでだろうなあ? 忙しいから時間が足らない、てならわかるんだ
    がな、暇なときでもあっという間に一日終わっちゃうからなぁ
まきお: 僕の場合、やらなくてはならないことを「あー、やらなあかんなぁ」
    と思っているうちに、時間が過ぎていくのだが(^_^;)
かさい: あー、一緒いっしょ(^^;) なんか外的要因(クライアントから急かさ
    れるとか)でもないとやらないよなあ(笑)で、その「やらなあかん
    なあ」と思っている時間には、他のことはできない(やっちゃいけな
    いような気がする)から無駄になる(^^;)
まきお: 時間って、すぐに足りなくなって、次の日に穴埋めしたりするから、
    ついつい、積み上げで考えちゃうんだけど、実際は積み上げではなく
    て、分割で考えないといかんのだよな
かさい: ようは尺の決まったムービーと同じってことだね
まきお: そそ。アニメだと、尺が決まってなくても、たとえば右から左まで何
    秒くらいで歩くか、で考えないと、ずるずるダラダラしたムービーに
    なっちゃうのね
かさい: しかしなぁ…自分の時間が限られてる、って考えるのも、なんだかな
    あ…サミシイ…(/_;)
まきお: 10年前に作ったものって、あまり10年前という感じはしないでしょ?
    「げ、この仕事やって、もう10年か~」みたいな
かさい: ああ、そゆのはあるね。こないだも今までのポートフォリオ整理して
    て、ファイルの作成日付みて、自分でビックリしてた
まきお: そう考えるとさ、やっぱ残りはあとわずかではあるよなぁ(- -;)
かさい: そらそうだよ。ワシらももう折り返し地点から5年以上経過してる。
    あと30年…あっという間だよぉー
まきお: とまぁ、そんなお通夜みたいな話しても暗くなるばかりなんですがぁ
    (^_^;)もちょっと日常的にですな、笠居さん土日きっちり休んでる?
かさい: んー、知ってると思うが、私は土日はキッチリ働いてます(^^;) 学校
    の授業があるのだ
まきお: 別に土日でなくていいんだけど、週休してる? という意味ですわ
かさい: 週に一度は休みの日があるか? ということね。やっぱり答えは「NO」
    だなぁ。丸々一日休むことはないよ
まきお: だよなぁ~。どうしても〆切があるとはいえ、ムービーづくりのリク
    ツから言えば、ちゃんと計画すりゃあ週休二日とれるハズだよなぁ
かさい: んー、やっぱ頭悪いのかも…ワシら(/_;)
まきお: そーいってしまうと、身も蓋もないのだが(^_^;)
かさい: あーでもねえ、完全に休みだと逆に落ち着かないとか、ない?
まきお: ない(笑)いつまでも休んでいたい(笑)
かさい: そうか、いいな。オレはあるのだ、それ。何にもないときでもPCの前
    に座ってしまうのだ
まきお: メールチェックとかはね、あるけど。プラモデル作ったりするのに忙
    しいからな、おれ(笑)
かさい: そういうのは「忙しい」とは言わないのだ、ふつーわ(笑)
まきお: 何を言う~。作りかけのプラモが山のようにあるのだ(笑)
かさい: 仕事せえ(笑)
まきお: プラモデルづくりでは収入が得られないではないか。あ、仕事にすれ
    ばいいのかー。うーむ(^_^;)
かさい: 海洋堂みたいに、それが仕事になれば万々歳なのか?
まきお: 絵描きになっても、それ以外のコトやって自分のクビしめてるわけで
    同じだろうなぁ(^_^;)
かさい: 結局、自分の好きなことを仕事にすると、それ以外のことがしたくな
    るわけだよな(^^;)
まきお: だからさぁ、ちゃんと時間を上手く使えればね、デキルと思うのだが
    そうじゃないのかね
かさい: 仕事と趣味の両立か?<デキル
まきお: 仕事、趣味、休暇、複数の仕事などなどねー。どうもやりたいことが
    多すぎて
かさい: うーん、どうすればいいのかね
まきお: 時間をうまく管理すりゃあええ、っちゅーんでね、手帳とかのテクニ
    ックの本とか、いろいろ出てるでしょう
かさい: PIMソフトもいっぱい出てるしなあ。ちょっとしたデジタル製品には、
    必ずといっていいほどスケジューラ機能がある。最近は冷蔵庫にすら
    スケジュール機能がついとる(-_-;)
まきお: わはははは。USJにもつけといたれ(^_^;)
かさい: 食料品売り場の冷蔵棚に、真っ先につけとけ<スケジューラ機能
まきお: でまぁ、TODOの便利さなんかはPalmに教えられたようなところもある
    んだけど、でもやっぱ、「うまく時間を使いこなす」ところまでは至
    ってないんだよなー
かさい: あー、秘書とかタイムキーパーとか雇わないと無理だね(笑)
まきお: ええなぁ~、秘書(^_^;)
かさい: なんか違う想像してるやろ(笑)
まきお: いやまぁ(笑)しかし、それもまたお金がかかるねぇ
かさい: そやねん。しかしそう考えるとアレやね「時は金也」ちゅーのはホン
    マやねんな。昔の人は上手いこと言うわ
まきお: まぁ、それもあるが。ほら会社だとさぁ、共通の時計で自分も動くわ
    けだから、ある程度は規則正しい生活もできるんだが、自分一人で、
    自分の時計だと、あかんなぁ
かさい: 結局はやっぱり自分がだらしないのがイカンのだよなぁ(^^;)
まきお: 基本的にさ、ムダに時間を浪費するのは好きなのよ(^_^;)
かさい: じゃあ無理じゃん(^^;)
まきお: 時々、「いつ寝てるんだ、この人は?」みたいな人っているでしょ?
    やっぱ睡眠時間なのかしらね
かさい: あー、昔はね、僕も一日1時間弱の睡眠で半年くらいがんばった時期
    があったけど、今はもう無理! 死んじゃう(笑)
まきお: げ。そんなことが人間にできるんか(^_^;)
かさい: なせばなる、つーか、そのときはそんなに苦痛じゃなかったな。ちょ
    うど、会社に勤めながら WEBとか執筆とかセミナーとかやってた頃だ
まきお: 充実してた?
かさい: 充実かな(笑)会社終わって帰るのが10時くらいで、帰ってメシ食っ
    てちょっとだけ寝て、そこから自分で請けた仕事始めて、朝までやっ
    て、そのまままた会社行くの
まきお: げー。普通、そのパターンだと会社で寝るのだが(^_^;)
かさい: ちゃんと仕事してたよー(笑)気が張ってたんだろうけど眠くなった
    りはしなかったなあ。今はナンボ寝ても眠たいんだが(^^;) でも、や
    っぱ無理だよ、これは。火事場の馬鹿力みたいなもんで、ずっと続け
    てたら死んじゃうって
まきお: そりゃそうだ(^_^;)やっぱあれかね、クリエイターってのは、休めな
    い仕事なのかね(^_^;)
かさい: そんなこともないと思うんだが…現にまつむらさん、事務所通いの頃
    はちゃんと休んでたじゃない
まきお: たしかに、メチャクチャ忙しかったけど、家に帰ってまで仕事はして
    なかったよな。とすると、環境っすかね
かさい: きっとそう。某杉山さんとか、かなり忙しいはずだけど、家に帰った
    らPCは触らない、って言ってたし。「家で仕事するクリエイター」特
    有の現象だよきっと
まきお: たしかにダラダラしちゃうんだよね、自分の家だと。濱村さんも外に
    事務所かりて、時間の使い方変わったのかな
かさい: どうだろうね?<ハマム ダラダラというか、ずっと仕事場にいるよ
    うなものだからなぁ、区切りがつけにくい
まきお: ええやら悪いやら。明日不動産屋に行って来ようかな(^_^;)
かさい: 事務所借りるのか?
まきお: その方がいいような気がしてきた(^_^;)
かさい: その分、金がかかるぞ
まきお: それやがなー。なんぞええ方法はないんかな
かさい: こういうのはどうだ、まつむらさんはオレの家で、オレはまつむらさ
    んの家で仕事するのだ。
まきお: おお、それはええかもしれんな。メシもそれぞれ相手の家で喰って…
かさい: ついでに夜もそのままそこで寝れば…
まきお: 意味ないやんけ(^_^;)
かさい: わははははは

【笠居 トシヒロ/WEB&グラフィックデザイナー】
つかの間の暇な時期。サイトをリニューアルしました。と言っても半分工事中
なところが何ともはや…
<http://www.mad-c.com/>

【まつむら まきお/まんが、イラスト、アニメーション作家】
寺田克也氏の「ペインタボン!」を買った。Painterがやりたくなった
(Ver1で挫折経歴を持つ)。
<http://www.makion.net/>

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■電網悠語:Ridual開発記編(8)
チームのレベルアップとツールと

三井英樹 / ※Ridual=XMLベースのWebサイト構築ツール
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リレーのチームの監督になったとする。早い選手を更に早くするか、遅い選手
を少しでも早くするか。総タイムはどちらが容易に縮まるだろうか。

Webサイト開発のチーム作りは、それに似ている気がする。Flashの花形選手の
効率を優先するか、HTMLをしっかり仕上げるコーダーを優先するのか。先を行
くものを加速させると、その影響が他のパートにまで広がることも多々ある。
ドロドロした現場の底上げを図ると総合工期は短縮されるかもしれないが、芸
術性や先進性がイマイチで終わってしまうこともある。その辺りのタズナさば
きがチームリーダの優劣だろう。

最近のWeb系ツールは、四番打者を更に強打者にする方向を向いている。GUI
ベースのHTML記述から、DynamicHTML、CSS、そしてDB連携まで一人でこなせる
ようなツールをこぞって目指す。それはそれで便利なんだけれど、世の中そん
なスーパーマンはそうそうコロがっている訳じゃない。チームとしてはある程
度の分業を始めているので、どうしても現場とツールの想定しているモノにズ
レが出る。そして、よく言われることだが、四番打者だけ揃えても優勝できる
訳ではない。強打者だけのチームは、技術的にはトップの座につけるだろうが、
人的調整で大変な気がする。

"Ridual"は、そうした風潮から外れたツールを目指している。強打者と強打者
の間で、目立たないかもしれないが、必要な仕事をキッチリこなす人達を支援
することを目的にしている。そういった人達が居なければ実際の仕事は回らな
いと思うからだ。

「スーパーエンジニアへの道(ワインバーグ著)」の中に興味深い話が載って
いる。バグ対応をしている4人のプログラマの話だ。各人の行動から「効果的
な影響行動」の回数を調べ、開発におけるリーダーシップを考えるという趣旨
であった。4人のうち3人が、何回も何らかの「影響行動」をとる。1人だけが
ログ(?)を見つめ続け、一回だけ発言する。それを起点に一気に問題解決に
至る。この場合誰の「影響」が一番大きかったか。何に対して効果的かという
問題に絡むが、「そのバグを取る」ことにおいて一番影響力をもったのは、そ
の人の一回の発言であった。それが全体の舵取りになった。

現場の"非"花形選手はそんな立場のように思う。ログ分析は正直いってそれほ
どエキサイティングな作業じゃない。ページリスト作成もリソース一覧も目立
たない。しかし、巧く使えば、品質保証において確実に意味を持つ。しかし、
そうした作業を支援するツールが少ないし、そうした作業を評価する風潮もな
い。けれど、そうした作業をこなしている人達の目で、1ページ1ページを大切
に育て上げている人達の目で、サイト全体を見るならば新しいアイデアが出る
可能性が高いのではないか。

このツールを「華がない」と評した方が居た。申し訳なさそうに言っていたが、
私にはこの上もない誉め言葉だった。華がないが役に立つ、それは地に足がつ
いたツールのことのように思えたからだ。しかしそんな地味なツールがサイト
マップを自動生成してくれる。ページ一覧を作成するための情報は、基本的な
部分でこのサイトマップを生成する情報と同じであった。基本仕様を決めて開
発を進めていて、このサイトマップが目の前に広がったとき、実際息を呑んだ。
変な言い方だが、「こーゆうことだったのか」とも思った。サイト構造を決め
ていく作業の本質に触れたような気がした。

今までの開発経験で、何人もの素晴らしい人達に出会った。でもそんな人達に
事務的でツマラナイ仕事を頼まなくてはならないことが多々あった。事務的な
仕事を蔑視している訳ではない。けれど、今、貴方に操作して欲しいソフトは
EXCELではなく、Photoshopだ……と何度思ったか。それでもギリギリの工期の
中で限られた人材の中では、それをお願いせざるを得ない。

一生懸命作表している姿を見ながら、あるいは出来上がってきた一覧表がきれ
いであればあるほど、なんだか割り切れない気持ちに満たされた。そんなこと
やっている時間があれば、もっと奇抜で凄いアイデアを出して欲しい、実装す
る工夫をして欲しい、という言葉を飲み込む。

無理難題を言って、それに従う姿を見ることが目的の人もいるが、そんなこと
はサイト開発の目的ではない。開発に関わる全ての人が、開発チームメイトで
あり、それを苦しめることは本来の趣旨に反する。顔も知らない人々のアクセ
スに一喜一憂するサイト作りだ、チームメイト全員がハッピーになりたい。そ
れは持てる力を精一杯発揮できる「場」だと思ってきた。場を作るには、規則
よりもモラルよりもポリシーよりも、ツールが一番有効だと直感した。それで、
ツールなのである。

サイトマップ作成やファイル一覧の苦行から開放されたら何をして欲しいか。
もちろん、丸々工期短縮に使っても良い。しかし、もう一工夫する時間や、マ
ーケティング的な活動時間や、更なる勉強時間にして欲しいと思っている。パ
ソコンを仕事の負荷を減らす道具と見るか、仕事の質を高める道具と見るかの
違いかもしれないが、私は Ridualには、後者の効果を期待している。よりよ
いサイトを作るための道具であって欲しい。

もちろんこの環境にも不自由さがある。なんと言ってもCPUパワーを喰う。1G
クラスのファイルの塊にはインポート/解析とを合わせて約3時間強かかった。
CPUモニターを見ていると解析中はずっと100%に近い。でも、それは私のマ
シン環境にも依存している、Pentium700MHz(Win2000)、G4/450MHz(MacOSX)
での話である。そうそうマシンは換えられないが、いずれ低価格でより早い
CPUは手に入る。それを待てばよい。

更に、CPUより先に解析の問題も山積みだろう。我々が試しているサイトは全
体量に比べて余りにも少ない。ブラウザの過剰サービス気味な能力で、HTMLの
書き方も千差万別だ。昔のサイトを解析すると、よくこんなの通るな……と最
早感動するファイルすらある。

でも、こうした自動解析や視覚化の「種」を蒔けばいつかもっと大きな「実」
がなるかもしれない。もしかしたら、今Ridualが行っている作業はOSレベルや
違うレベルでサポートできるかもしれない。このツールの未来ではなく、Web
に関わる全ての我々の未来を考えるとワクワクしてくる。

問題は多々あれど、地道な部分へ光をあて続けた先に明日があると、今はまだ
思えている。共感する方は、この種に水をやってください。いっしょに収穫し
ませう。

(*)スーパーエンジニアへの道-技術リーダーシップの人間学
   G・M・ワインバーグ
  http://kyoritsu-pub.topica.ne.jp/bookhtml/0102/000025.html

【みつい・ひでき】 ridual@mac.com / info@ridual.jp
叱咤激励、苦言苦情リクエスト、なんでも募集中です。
・Ridual(XMLベースのWebサイト構築ツール)公式サイト
http://www.ridual.jp/
・超個人的育児サイト(書籍は絶版中)
http://member.nifty.ne.jp/mit/MilkAge/index.html

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■デジクリトーク
本日の噂の人:フランツ・ベッケンバウアー

本間可奈
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サッカーワールドカップの興奮の余熱が残る7月に日本に里帰りした。知り合
いが「そう言えばさー、俺ワールドカップの時に韓国に出張行ったんだけど、
飛行機フランツ・ベッケンバウアーと一緒だったんだぜー。サインもらってお
けばよかったなー」と言い出した。

サッカーファンなら彼の名前を知らない人はいない筈。選手としても、監督と
してもワールドカップの優勝を手に入れた。エレガントなサッカーをする男と
して称えられ、「皇帝」(カイザー)と呼ばれる。2006年にドイツ開催予定の
ワールドカップも彼の人脈とお膳立てがなかったら、他の国に行ってしまって
いただろうとも言われている。

軽快な口調といつまでも若々しい容姿で人気がある。そう、女の人にも、、。

サッカー選手として一番勢いのよかった時期、ベッケンバウアー氏の頭の中は
自分のキャリアのことで一杯だった。当時の一人目の奥さんとの間に二人の息
子がいたが、育児は彼女まかせ。移動の多い仕事だし、家庭を顧みる暇も心の
余裕もなかったのだろう。

そのうち、子供は成人し、奥さんとの間にも波風が立ってきた。そして離婚。
二人目の奥さんは彼の所属チームF.C.バイエルンで秘書をしていたシルビアさ
ん。彼女は既に40歳を超えていて、「子供は欲しいけれど、きっと無理でしょ
う」と、インタビューで答えている。とても控えめで、注目を浴びるのは苦手
なように見えた。

ゴルフでチャリティー募金を集めたり、何かの記念式典に出席したり、ベッケ
ンバウアー夫妻はいつも一緒で仲睦まじそうだった。でも予想通りやはり子供
には恵まれなかった。

2年前のクリスマスの頃、F.C.バイエルン主催の泊りがけの旅行があった。シ
ルビアさんは参加していなかった。その時に事務の女性とベッケンバウアー氏
は大接近しすぎてしまい、十月十日たった翌年8月のある日、ベッケンバウア
ー二世(マックス)が誕生する。

「神様は子供好きなんでしょう。ハハハ。神の思し召しです」ベッケンバウア
ー氏は訳が判ったような、判らないような妙なコメントをしてマスコミを煙に
巻いていた。少し後に「シルビアには謝った。私達夫婦の間ではもう充分この
ことについては話し合った」と、ベッケンバウアー氏は新聞のインタビューで
語っていたが、まもなくこの件は世間から忘れられてしまう。というよりも、
あまりにあっけなくベッケンバウアー氏がこの浮気の事実を認めたので、マス
コミも世間も拍子抜けしてしまったのだ。

時は流れ、赤ん坊も大きくなる。フンギャ-フンギャー泣くだけだった子供が
歩けるようになる、そして喋れるようになる。「せめて金銭的な援助はしたい」
と事務的に言っていたベッケンバウアー氏だが、ある日マックスに「パパ!」
と呼ばれて、メロメロになってしまった。母性本能ならぬ父性本能(?)をく
すぐられてしまったのだ。

自分はサッカーでは、ありとあらゆるものを手に入れた。名誉も金もある。人
生を振り返ってみて、後悔しているのはただ一つ、子供の成長を自分の目で見
届けられなかった事だ。でもマックスの側にいれば、それが出来るじゃないか
と、あと数年で60に手の届くベッケンバウアー氏は考えた。

だが、こんな夫とシルビアさんが一緒に暮していける訳がない。「フン、勝手
な事ばっかりして、あんたにはホトホト愛想が尽きたわよ! 離婚でも何でも
してやるわ。でも頂くものはきっちりもらうわよ」とシルビアさんが言ったか
どうかは定かではないが、とにかく7月には「離婚します」と発表があった。

その後、ベッケンバウアー氏は南チロルの休暇をマックスと楽しんだり、やた
らと子供の写真を周りの人に見せびらかしたりしているらしい。そう言えば、
9月11日はベッケンバウアー氏の誕生日。世間は別の話題で盛り上がっている
だろうが、彼はひっそりと”自慢の息子”と誕生日を祝うのだろう。

・本間可奈はペンネーム。茨城県出身、ドイツ在住、海外生活17年目、近い
将来の目標:イタリア語習得。 ▼お便りはデジクリ編集長まで。

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■編集後記(9/11)
・ずっしり重い「Web年鑑2003」が届いた。なぜ届いたかというと、わたしは
5人の選考委員のひとりだったのだ。ほかの4人に比べると委員の資格があるの
か、著しくバランスを欠くのではないかト今さらながら冷や汗。いかにも年鑑
らしいオーソドックスなものだが、とても美しく、実用的だ。制作側のコメン
トも興味深い。実際に各サイトにアクセスして、本当の魅力を体験しなければ
なるまい。今度は審査じゃないからお気楽だ。だが、時間がナイ。(柴田)

・J-DSL 1.5MからYahoo!BB 12Mに乗り換えたと、以前書いた。YBBにしてから
ちとおかしい。モデムがカチカチいって、数時間に一度、繋がりにくくなる。
Yahoo!やGoogleというポピュラーなサイトへの接続に1分近くかかる時がある
のだ。支給交換したモデムのせいかもしれないが、J-DSLの時にはなかったこ
とだ。フレッツADSLは「接続ツール」や「コネクト」で接続するという、それ
のどこが常時接続なんじゃろ?なADSLだったし、J-DSLのモデムレンタルは画
期的だったように記憶している。ユーザ数も少なかったみたいで回線は優良で
安定していた。大きなファイルをダウンロードする時に、8Mや12Mのようなス
ピードは出ないけれど、1.5Mでも充分だったくらい。サポートに連絡して、モ
デムやパソコンの設定調整と回線の調査をしてもらおうか。(hammer.mule)

・毎号うるさく「写真を楽しむ生活」もよろしく。 http://dgcr.com/photo/
・「ベンチャー失敗の法則」をプレゼント。詳細は1152号。
・「ウェブサイト制作のワークフローと基礎技術」も。詳細は1151号。

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発行   デジタルクリエイターズ <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
アシスト    島田敬子 

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