[1255] Macでビジネス~見損なっちゃいけない

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1255   2003/02/20.Thu.発行
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   1998/04/13創刊   前号の発行部数 20577部
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            <OS Xは悪魔の発明だ>

■Powerbook Publishing Project ~ (42)
 Macでビジネス~見損なっちゃいけない
 8月サンタ

■笑わない魚 57
 続・機械音痴のCGアーティスト
 永吉克之




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■Powerbook Publishing Project ~ (42)
Macでビジネス~見損なっちゃいけない

8月サンタ
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●また英会話セミナー、やってます

まず宣伝させて下さい。今週日曜も、ホテリエのための英会話セミナー、東京
国際フォーラムでやってます。santa8が受け付けやってます。サービス業で格
好イイ英語しゃべりたい方、よろしかったら来て下さい! 詳細は下記URLで
http://www.londontown.to/misawa/hotel.html


●今週は「Macでビジネス」

ここでいう「ビジネス」とは、Vゾーンの狭いダークなスーツを着た若者がパ
ワーポイントで作った紙切れを持って「~させていただきます!」とか「一緒
に成功しましょう!」とか説明にくる、あの便器に付着した糞の筋みたいな儲
け話のことではなくて、実際にものを納品したりお金を受け取ったりするとい
う「商売の現場」のことである。「現場で働くMac」ということを、ちょっと
考えてみた。

●ビジネスの相棒として

先週、アメリカから友人が、会社をひとつ立ち上げるために日本にやってきた。
(友人ったって50代だが)この人は目白生まれの日本人だが、渡米して30年以
上になるので、もう飯の食い方・話し方、何もかもがアメリカ人である。

この人の話は簡単で、アメリカで数社が、日本で売ってみたい商品をいくつか
持っている。ひととおりの調査も済ませたので、とりあえず現地法人をつくっ
てやってみよう! という、単純極まりないものだ。夢とかモチベーションだ
とかインキュベーションだとかコア・コンピタンスとかいうマジナイ語はなく、
まさに単なる「ビジネス」である。本人は日本への輸出業を手堅くやって30年
という企業オーナーなので、知識も経験も資本も十分だ。

体一つで現れて、とりあえず、接続環境が欲しいという。しかし当分はホテル
暮らし、地方にも行く可能性がある。そこで、128K常時接続のPHSカード、エ
アエッジを契約、PowerBookG4に差して、そのまま渡した。

●エア・エッジ+MacOSXの快適さ

この常時接続PHSカードの便利さについては、他に比較するものがない。OSXで
使うと、さらにメリットは上がる。契約してきてカードスロットに差し、設定
・接続まで数分とかからない。接続後も、まあ大した操作はない。ブラウザを
立ち上げればつながるし、放っておいてもスリープさせても勝手に切れる。料
金は月額固定である。「使わないときは、電源があるときは放置しておいて結
構です。外にいるときは、蓋を閉めればそのままスリープします。よほど調子
が悪くなってきたときには、再起動してみて下さい」とだけ教えてある。

・今回購入したカード 本多エレクトロンAH-H401C
http://www.ddipocket.co.jp/syohin/ah-h401c.html


その前の2日間ほどはPowerBookと電話線を渡して、「プロバイダの設定はして
ありますから、ホテルでもグレーの公衆電話でも、ここのパネルをこう開いて、
ここをクリックしてください」と教えたのだが、現実にはホテルには発信番号
が必要だったり、公衆電話は機種によって通信方法が違ったり、まあおわかり
の通り、面倒くさくてたまらない。電話で「つながらないんだけど」とたずね
られても、とても問題の切り分けまでは、する気にならない。エアエッジを渡
して、もうこれで大丈夫、と一息ついた。

私は機械をさわるのが本業だから、トライ&エラーのトラブルシューティング
は仕方のないところだが、単に機械を使って何かをしたい普通の人にはそうで
はない。調子の悪い機械を触ってつぶす時間ほど無意味なものはないわけで、
OSXのありがたみを、はっきりと感じる。

●ビッグ・ビジネス?

ところで、この先の展開はどうなるだろうか。彼は何をしなくてはならないだ
ろうか? 以前であれば、倉庫と営業拠点の確保が物販商売の基本だった。今
なら、土地を探し、倉庫を建てて、事務員を探し…などというリスクを負う必
要はさほどない。輸入などの諸条件さえクリアすれば、物流を大手宅配業者
(例えば佐川急便、ヤマト運輸など)に丸ごと委託出来たりする。エンドユー
ザーへの直接配送、決済代行委託すら可能だ。(もちろん、ある程度の規模が
必要だが)だから、必要なのは販売管理、顧客管理、在庫管理、経営管理とい
った、情報をいかに集約・管理するかという仮想会社の構築となる。

これをIBMや富士通やオラクルにお願いしたらどうなるか。大喜びでやってくれ
ると思うが、安く見積もって数千万、あっという間に億である。ネクタイを締
めた立派な営業やらSEやらが押し寄せて、分厚い契約書を渡されて、とりあえ
ず格好はいい。大きな目的も達成出来るだろう。

赤坂や青山や六本木の一等地にピカピカの総代理店のオフィスを構え、物流は
大手物流会社に任せ、宣伝は一流広告代理店に任せ、受発注のシステムは有名
ベンダーに任せれば、どんなに格好いい「ビジネス」だろう。同じようなこと
を商社に頼んでもいい。

だが、今は、他にも選択肢がある。

「もの」が実際に動く現場、物流・決済の部分は専門業者に任せた方が賢明だ
ろう。しかし情報処理の部分だけなら、今、エンドユーザー側で可能なことは、
驚くほど多い。この、私が愛するパーソナルなコンピュータ、Macintoshにだ
って、十分な活躍の余地があるのだ。

●難しかったことが、簡単に、安く出来てしまうとどうなるのか

以前は選択肢そのものがなかった。ビジネス用コンピュータはワークステーシ
ョンであって、ネットワークを使ったシステム構築は高価なもので、大容量・
高速な情報処理設備は、大企業の神殿だった。ほんの10年前までのお話である。
ネクタイを締めた立派なSEのたくさんいる、大きな企業のもとでしか、ネット
ワークが前提の、情報処理システムの受託開発は出来かねた。

しかし、たった10年でコンピュータも、ネットワークも、メダカから猿くらい
にまでは進化してしまった上に、価格も100分の1になってしまった。システム
を構築していた人間の方は、10年間できっかり10年ぶん年をとり、給料は2倍
くらいにはなり、その手に残ったノウハウで変わらず今も通用するものは、ほ
んのわずかになってしまった。

今は誰にでも手が出せる。安く、速くなったコンピュータは、社会のあらゆる
場所でかつてあった「専門職の聖域」を破壊している。DTP、DTM、DTV… 情
報を扱う業界の、エンドユーザーに一番近い部分から、プロの住む宮殿に向か
って破壊されていくという流れである。

そしていちばん直視しなくてはならない問題は、まだ「全ての聖域を破壊し尽
くしてはいない」ということだ。こういう話になるとだいたい、「周りにすで
に起こってしまっていること」についての観察に終わってしまうのだが、パソ
コンの進化はまだ全然終わっていない。ここまで来たんだから、もう十分だろ
う、という適当なところで終わってくれない。むしろ、これからなのであって、
例えば「ビジネス」の根幹が情報のやりとりである以上、そこも聖域ではない。

エンドユーザーの使うポップなコンピュータとOSが、企業のビジネスの基幹を
成すシステム・エンジニアリングに食い込んでいくと考えている。現場の人間
に放屁されるか、ものすごい反発を受けることは必至だが、状況を見て欲しい。
今まで、どの業界もそうだったのだ。

具体的に言ってしまおう。例えば単純な物販会社のシステム構築なら、今なら
ファイルメーカーで十分出来てしまう。安い・早い・柔軟。目の前にある
iBookで可能である。Linuxでブラウザベースのシステムなら安定して安全で速
いかも知れないが、メニューボタン一つ直すのにプログラマに頼んで、工数な
にがしで書類のやりとりで発注なんてことを考えれば、データベースのエレメ
ントやインターフェイスは自分でいくらでも直していける方が良いと考えるエ
ンドユーザーはいくらでもいるだろう。皆、知らないだけだったりする。今は
可能なのだ。

はっきり言うが、SEには普通のユーザーの立場に立って考える能力の欠落した、
コミュニケーション自体が出来ない奴らが一杯いる。システム・エンジニアリ
ングが技術者上がりの人間の聖域だった状況だから、そんな態度でいられたの
だ。そんな相手にいつまでたっても使いづらく、それでいて直すたびに実作業
分の請求書が届くシステムを抱え込まなくてはならないのなら、なにも体裁に
固執する必要は全くない。自分たちでやることを考えた方がいい。

ミッション・クリティカルとまでいうほど、安全性が求められる現場を別にす
れば、ユーザーは、刻一刻と変わる状況に合わせて、なるべく柔軟に使い勝手
よく変えていけるシステムが本当は欲しいのだ。それはエンド・ユーザーのわ
がままそのものである。そのための選択肢がシステム開発会社が提供する高価
で融通の利かないフル・オーダーのシステムだけ、なんていうことはない。

ファイルメーカーでパンクしそうなら、そのときに初めて、オラクルなり
WebObjectなり、別のやり方を考えればいい(だいたいファイルメーカーなら
オラクルと接続することも可能である)。だが指揮系統は常に一つ、ユーザー
からエンジニアへ。あくまで命令を出すのはユーザーで、今は選択肢はたくさ
んあるということである。

ファイルメーカーを例に出したが、このソフトは、「ビジネス用システム」と
いう聖域をエンドユーザー側からぶち壊せる、現時点で最強のツールである。
私にしてみれば、どうしてこんな情報をタダで公開して下さっているのかわか
らないのだが、本サイトのこちらのページを見て欲しい。これは現金(げんな
ま)ですよ。
http://www.zdnet.co.jp/macwire/news/filemaker.html


再度言うが、情報処理の面に限って言えば、エンドユーザーの使うパソコン側
から、やる気になればどこまでも、今はアプローチしていける。この姿勢が、
もうお察しだろうが、とんでもないコストダウンと中抜きを可能にする。ある
種の人々にとっては、致命的な失業を意味する。

●Macを、Appleを、見損なうことの恐ろしさ

と、ここまではMacだろうがWindowsXP搭載マシンだろうが、あまりかわりのな
い話。というか、例えば本来商用の友人に渡すべき機械は、小型軽量安価な、
WinXP搭載のサブノートがストレートな回答だろう。WindowsXPは基本的には良
いOSだと思う。

しかし今回のテーマは「パソコンとビジネス」ではなく「Macとビジネス」で
ある。その理由を告白しなくてはならない。ビジネス環境としての、MacOSXの
面白さ、可能性にうちのめされているのである。「MacOS9を一年は使い続ける」
などと宣言したものの、日にちがたつにつれOSXに感嘆し、依存していく自分
がいるのである。

未だに、OS XのFinderには手こずる。書類の整理がほとんど出来ていない(管
理は出来ている)。だが、ビジネスのコアとしての頼りがいは増すばかりだ。
ネットワークに強い。OSとして、安定している。この二つの基礎の上に、今の
Macは単純だが、確実な進化を日々遂げていっている。

「単純だが、確実な進化」。なんてありがちで恥ずかしい言葉だろうと思うが、
日を追うごとに、きちんと良くなっている今のMacOSに対してこういう言い方
をしたい。例えば10.1から10.2になって、ファイル共有とファイアーウォール
の設定がどれほど簡単になったことだろう。実際、これほど楽にネットワーク
関係の設定が出来るパソコンを他に知らないのだ。共有とセキュリティについ
ては、UNIX屋のお説教の定番だったが、とりあえず誰でも触れるかたちのコン
トロールパネルにまとめられていれば、それだけのことである。誰でも開き、
誰でも使う。

Finderは相変わらず、ダメだ。だからといって、舐めていた自分が恥ずかしい
のである。代わりにiアプリ群が、データの使い方自体を変えていっている。
iTunes登場以降は、音楽を楽しむときに、mp3ファイルの置かれている場所な
ど気にしなくなったし、音楽ファイル自体はずっと活用の幅が増えた。実質的
には、フォルダにしまい込んで死ぬデータが減ったのである。それだけではな
い。先日、本当に使いやすくなったiPhoto2を触って、これは単に出来がいい、
ということではないのだと気がついた。(日刊デジクリ拙稿「iPhoto、豹変す」
をお読み下さると幸いです)
http://www.dgcr.com/cgi-bin/backnumber/back.cgi?mode=right&year=2003&month=2&day=6


OSXと、iアプリを開発している連中はFinderの操作性など、実はどうでもよい
と思っているのではないか。彼らが目指しているのは別のもので、「アプリケ
ーションを含めた使い勝手」であるようだ。しかし、どれも最初は完全ではな
かった。この積み重なっていく良さというものを、どう効率よく評価していけ
ばいいのだろうか。

「ビジネス」。極言すればビジネスとは、データとデータのクリアかつ有機的
な結びつきなのであって、例えばSafariも含めたiアプリにおけるXMLの扱われ
方を見ても、MacOSXは確実に「最後に狙っているのは『ビジネス』だ」と思わ
せるものがあるのだ。それはApple Worksのアップグレード=Microsoft
Officeの代替品ではなくて、もっとダイナミックなものであるはずで、もはや
いつ登場してもおかしくないと思う。

●Macでビジネス、良い旅を!

とりあえず、私は友人にMacを持たせて送り出した。現況でも、今のMacはとて
も手がかからない良い機械だ。彼には思い切りわがままを言ってもらう。リク
エストをもらえばもらうほど、今のMacはポテンシャルを発揮しそうに思う。
だから預けたのだ。

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Dear friends,

とりあえず、何でもやりたいことをおっしゃって下さい。まずはファイルメー
カーで、それらをフィールド定義してインターフェイスをつくってみましょう。
理想のシステムが見えてくるかも知れません。写真は全てiPhoto2に入れてあ
ります。知り合いにメールで送りたくなったら下のメールボタンを押して下さ
い。ドキュメントはいつもマウントされているiDiskの中に最新のものが入れ
てありますのでご確認を。メッセンジャーももちろん使えます。Finderは母国
語の英語仕様にしてあります。これから、様々なサービスに直接接続していき
ましょう。

ボタンは一個しかありませんが、この機械はとてもシンプルに手に馴染むはず。
では良い旅を!
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【8月サンタ】ロンドンとル・カレを愛する34歳 santa@londontown.to
・世の中「鬱」が流行っているらしいと聞いて、ムカッときて絶対鬱になるも
んかと心に決めた。なのに、周りは結構大変な一週間です。
・James Taylorの声がこの世で一番好きです。"You've got a friend"、しみ
じみイイっすね。

・ロンドン好きのファンサイト
http://www.londontown.to/


・投稿ロンドン写真館に写真よろしく~
http://www.londontown.to/cgi-local/upppu/upppu.cgi


・デジクリサイトの「デジクリ・スターバックス友の会」
http://www.dgcr.com/


▼「MacWIRE Express」。すみません、今週は全く内容一緒!
http://www.zdnet.co.jp/macwire/


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■笑わない魚 57
続・機械音痴のCGアーティスト

永吉克之
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OS Xは悪魔の発明だ。一体どういうつもりで、こんなものを考え出したのだ。
どれほど多くの無辜の民が驚愕し、混乱し、悶絶し、失禁したかなど、開発者
たちは露ほどの関心ももってはいまい。MACはOS 9.2を最後に消滅したのか。

10年来の友人、マクシミリアン寺田氏(45歳、製麺業)は語る。
「X になれば、また何かと憶え直さねばならぬことも多々あろう。ならばいっ
そのこと、WINDOWSに乗り換えてみるのも、一興かもしれぬて」

また、隣家のご主人、村雨誠氏(56歳、釣具店経営)は怒りを隠さない。
「こら、どげんこつか。あれがMACとは認めん。早うOS 9.3 ば出さんか!」

そして、赤の他人、河原謙三氏(32歳、中古車販売業)は吠える。
「げ、ご、ぐほ、うぎゃ!」

                 ■

実は、私は機械音痴、というより機械無知なのである。確かに、仕事に必要な
アプリケーションソフトは不自由なく使えるが、アプリを使うのに、機械無知
は影響しない。例えば私は、ホームページが作れて、アップロードも当然でき
るが、COOKIEだのプロキシだの、WEBの基礎用語すら未だによく分っていない。

機能拡張フォルダの中には、様々なファイルがスシ詰めになって入っているが、
一体何のためにあるのか分らないものが、いっぱいある。

また、ハード面でも無知で、新しい周辺機器など買う時は、予め人に聴いたり、
サイトで確認した上で店に行き、商品のパッケージの説明を何度も読んでから、
「よっしゃ買うたあ。男の人生にはのう、なんもかんも捨てて勝負せんならん
時があるんじゃ」とハラをくくって、商品をカウンターに持っていくのだが、
少しでも疑問があれば、店員に掴みかからんばかりにして尋ねておく。

ことほど左様に私は無知で、それがために臆病になっているのである。

そこへもってきて OS X なんて神秘的なシステムが現れたもので、周辺機器は
どうなるのか、現在使っているソフトがそのまま使えるのか不安なのである。
たいていのソフトは使えるらしいのだが、怪しいものだ。私はそう易々と騙さ
れはしない。

これは噂だが、Apple が、従来のMAC OSとは全く異なったOSに切り替えた戦略
をとったのは、Microsoft が、中国の新橿ウイグル自治区に進出するのを牽制
するためだったといわれている。つまり UNIXがベースのOS X という、現地の
風俗習慣などに適合したシステムで、いち早く、新橿ウイグル自治区において
のデファクト・スタンダードにしようと画策しているらしい。

そんなこんなでノイローゼ気味になり、私は一時、アーティストを廃業して、
結婚相談所を始めようかと思っていた。

                 ■

しかし先日「勉強すれば無知でなくなる」という神の啓示があったので、なる
ほどと思って、Apple のサイトを見たり、勤めているコンピュータ専門学校の
教え子に聴いたりして、少しづつ OS X への理解を深めているところだ。

まず、Apple のサイトを見ると、OSのインストールは簡単そうに書いてある。
ハードディスクを初期化する必要もないということだ。しかも現在使っている
OS 9.1を削除することもない、とある。これには正直、驚いた。ということは、
OS X と OS 9.1を同時に立ち上げることができるということか。これは凄い!
一体どんなデスクトップになるんだろう。X と 9.1が混ざったデスクトップと
いうのも、ずいぶん見にくそうだが、便利かもしれない。

しかし、最新バージョン、OS X v10.2のインストールには、ハードディスクに
3GB 以上の空きスペースが必要、となっている。 3GBも使うとは横暴なOSだ。
では、ハードディスクが250MB しかない Power Mac 6100 を使っている人はど
うすればいいのだ。その場合のインストールの仕方は、どこにも書いていない。
そんなわけで、Apple に直接電話して聞いてみようかと思ったが、もし電話に
スティーブ・ジョブズが出たらどうしよう、と考えると怖くなって断念した。

また、DVカメラの接続に大問題があった。サイトの解説を要約すると、

「DVカメラをFireWireポートに接続すれば、iMovieが起動し、ハードディスク
とDVカメラ間でやりとりができる」

とある。DV カメラをMAC本体に接続しておかなければ、カメラが使えないとは、
なんという不便極まるシステムだろうか。私のマシンは Power Mac G4 だが、
屋外で撮影をするときなど、この巨大な本体も連れ回さなければならないとい
うのか。登山をして山頂の様子を撮影したいのなら、重いリュックと一緒に、
本体も背負って険しい山道を登れというのか。これは改善してほしい。

推察するに、この不便さは、「盗撮」を防止するためのものだろう。カメラに
本体までがついていたら、隠すのに難儀するだろうと判断しての処置であろう。
このあたりの気配りは OS X の優れている点である。

しかし、調べれば調べるほど不可解なシステムで、気が狂いそうだ。

【訂正とお詫び】
前回の私のコラム『めちゃくちゃはヨイか』の中で、早乙女主水之介の剣法を
「諸派流青眼崩し」と表記しましたが、「諸羽流正眼崩し」の誤りでした。
実はこれ、デジクリの読者でもあるウチの生徒に指摘されて気がついたのです。
センセーの面目まるつぶれですが「過ちては改むるに憚ることなかれ」(論語)
という孔子の教えもあることですので、ここに訂正してお詫びいたします。

【ながよしかつゆき/アーティスト】katz@mvc.biglobe.ne.jp
先日、故田中一光氏の回顧展が大阪であり、レクチャーで早川良雄氏のお話が
聴けた。氏は故亀倉雄策氏とともに戦後日本のデザインの方向性を開拓した方
で、いわば「生ける日本デザイン史」といえる。しかし、デジタルには敬意を
もっておられ「デジタルによって現代デザインが始まった」という持論を述べ
られた。また非常に謙虚な方で、私が話しかけても、丁寧に応えてくださり、
私のアヴァンギャルドな名刺とご自分の名刺を交換してくださった。ただ、氏
の名刺には肩書きがなく、既に現役を退いておられることを示していた。
EPIGONE / http://www2u.biglobe.ne.jp/~work/


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■編集後記(2/20)
・2000円の理容店に行った。待ってる人がずいぶんいたので帰りたくなったが、
回転が早そうなので待つことにした。カットだけなら1000円、高年齢者は1500
円だ。小さな店舗の中に理容師とアシスタントがいっぱいいて、どんどんお客
をさばいていく。15分も待たなかった。お客は次から次にやってくる。これで
は従来型の床屋さんは脅威だ。わたしも10年以上なじみの床屋さんから、その
スピーディで廉価なチェーン店に替えてしまった。もう床屋さんに行くのに決
意を要しない。長時間のがまんを要しない。気楽に行けるぞ。とかいいながら、
行くのは2か月半に1回なんだから、やっぱり行くのがめんどうなのだ。(柴田)

・和平飯店でジャズを聴き、新天地をぶらつく。和平飯店は古い建物ならでは
の匂いがする。観客のほとんどが白人で、とっても楽しんでいた。新天地はオ
シャレなお店が並び、歩いている人もファッションにこだわりのある人たちが
多い。NOKIAの携帯電話が人気で、あまり日本では見かけないデザイン。中国
では電話料金は折半で、かけられたほうも支払う仕組みになっていた。その後
ホテルに戻るが、書店に行きたい欲求が強くなりイライラする。ツアーだから、
と納得させようとするがダメ。部屋をひとり抜け出し、ドアマンに聞くが、ホ
テル周辺にはないと言う。(中心地でも書店見かけないぞ~。)雑誌でもいい
からと言うと、コンビニへ行けと言われる。ローソンや百式、良友など、上海
にもコンビニが乱立していて、言葉が話せなくても買い物ができる。この時は
山ほど雑誌を抱えていたから、話しかけられちゃったけど。 (hammer.mule)
http://www.shanghaipeacehotel.com/
 和平飯店
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 「MdN デザイナーズ・ファイル 2003」 1254号。

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発行   デジタルクリエイターズ < http://www.dgcr.com/
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編集長     柴田忠男 < mailto:tdo@green.ocn.ne.jp >
デスク     濱村和恵 < mailto:zacke@days-i.com >
アソシエーツ  神田敏晶 < mailto:kanda@knn.com >
アシスト    島田敬子 < mailto:keiko@days-i.com >

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