[1314] 1セグ放送という名の"ケータイTV"がやってくる!

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1314    2003/05/26.Mon発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 21050部
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              <八方塞がり>

■KNNエンパワーメントコラム
 1セグ放送という名の"ケータイTV"がやってくる!
 神田敏晶

■泰国パパイヤ削り
 儂の娘をどないするつもりや。
 白石 昇

■セミナー案内
 TNG Project セミナー



■KNNエンパワーメントコラム
1セグ放送という名の"ケータイTV"がやってくる!

神田敏晶
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KNN神田です。

世田谷区の砧にあるNHK放送技術研究所の公開展示を見に行ってきた。
http://www.nhk.or.jp/strl/open2003/
http://www.nhk.or.jp/strl/open2003/tenji/

年に一度のあのNHKの技術が公開されるいい機会でもある。
今年の特徴は、やはり地上波デジタルTV化による1セグ放送であろう。
http://www.nhk.or.jp/strl/open2003/tenji/24.html

このPDAやユビキタス端末、携帯電話などに送信されるサービスも一部は今年
の12月から試験的に実施される予定であるが、テレビの世界を大きく塗り替え
ることになりそうだ。地上波デジタルは、2006年に日本全国、2011年にはアナ
ログ放送が終焉するというが、1chあたり13セグメントある放送のうち、HDTV
以外の、この1セグ放送ほどインパクトがあるものは少ないだろう。

今までのテレビを固定電話に例えて考えてみるとわかりやすい。1セグ放送は、
あたかも携帯電話型と考えられるだろう。いくらハイビジョン放送でキレイな
画像になってテレビを見たくても、家にいないとしかたがない。しかし、携帯
というメタファーがテレビと融合することによって、それは大きく変わること
だろう。

すなわち「ケータイTV」が誕生するのである。「ケータイTV」となると、番組
も30分や1時間ではなく、30秒や1分という単位のニッチな時間での視聴となる
であろう。電車を待つあいだ、通勤中、i-modeやメールで使用していた時間に
テレビ放送が食い込むのであるから、広告業界の変化もすさまじいことになり
そうだ。パケット課金もされなく情報を得られるとなると、人気のニュース番
組などは増えることだろう。夕刊新聞やスポーツ新聞の売上げにも影響大であ
ろう。

たとえ、1日5分や10分といった短いケータイTVの視聴時間でも、1日あたりの
テレビ視聴時間は52.4分増えるとレポートされている。
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20011220/gdigital.htm

固定テレビの平均視聴時間3.5時間を、なんと24%も引き上げることになるので、
これはメディア業界の大御所である広告ビジネスにも大きく影響を与えること
であろう。

しかもケータイ人口7,000万人市場だけではなく、PDA端末、ユビキタス端末、
キオスク端末、移動体端末、交通端末などにも提供されるとすると、このケー
タイTVのポテンシャルの大きさが伺える。しかも、日本はケータイ先進大国で
もある。ここでのビジネスモデルが成功すれば、世界へのデファクドスタンダ
ードになるのかもしれない。

デジクリでは、Flashのケータイセミナーを展開しているが、問題はコンテン
ツのリズム感と情報の質の良さだ。これは単なるテレビ放送ではなく、モバイ
ルコンテンツに必要な動画情報の経験が求められることだろう。これらのニッ
チ時間でのテレビ視聴に関するコンテンツのありかたがどのようなものかを検
証するにも、505での動画コンテンツはウォッチしておいて損はないだろう。

NHK技研の展示でも、ハードウェアはMPEG4のライセンス問題以外は、ほとんど
クリアになっていることもあり、あまりハードウェア的には、問題はなさそう
だ。筐体に関しても、需要とのバランスでカメラ付き携帯と同じく、テレビ付
き携帯電話というのが当たり前になる時代がやってきそうである。
http://www.eizoshimbun.com/digital/1594/1594digi2.htm

仮に今年、東京・名古屋・大阪で地上波デジタルが開始されたとしても、各家
庭の固定テレビでは、変化は起き難い。大型プラズマディスプレイでハイビジ
ョンを見て見ると、その画質インパクトは強烈ではあるが、すべての番組がHD
TV化されるとはとても考えられない。コストの問題だ。

さらに、SDTVで3番組を同時制作できる体力のある放送局はNHK以外には考えら
れない。もちろんデータ放送に関しても、現在の放送制作にさらに費用をかけ
て展開することはほとんど不可能である。

現在のテレビが広告によるビジネスモデルで展開されている限り、地上波デジ
タル放送の固定テレビ向けのサービスは、HDTV化へのゆったりとした道以外に
考えられにくい。むしろ、ケータイTVという、神童か悪魔の降臨により、テレ
ビとケータイが融合したことによる課金モデル体系という新たなビジネスモデ
ルの創造に期待したいところだ。

そこでクリエイター諸氏が活躍する場は、マイクロディスプレイの「QVGA
(320×240ドット)」の中でのコンテンツのデザインにかかってきている。視
聴時間は、電車の待ち時間、銀行の待ち時間などのニッチな時間である。ぜひ
ともこの分野の大きな流れの波を先取りして欲しいと願う。

KandaNewsNetwork,Inc. http://www.knn.com/
CEO Toshi Kanda mailto:kanda@knn.com
#810-2-15-12,Sangenjaya,Setagaya,Tokyo,Japan154-0024
Mobile 81-90-7889-3604 Phone81-3-5430-8887

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■泰国パパイヤ削り
儂の娘をどないするつもりや。

白石 昇
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●儂の娘をどないするつもりや。

前回まであらすじ。
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平成十三年四月から、泰国国民的藝人ノート=ウドム・テーパニット著『エロ
本』の翻訳を誰に頼まれることなくひとりでやっていた白石昇、一年四ヶ月経
って昨年九月ようやく完成し、日本に持ち込んだまではいいものの、書店への
出荷、泰国パートナーへの不信感など、問題点がいくつもでてきてもう大変。
そんな流れをふまえた上で、今回は昨年十月後半からのお話。
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白石昇です。ヤル気はあんのかないやろコラオドレ。一体全体ナニしとってん
刷りあがってからこの一ヶ月。

こないなパパにイヤ気がさしてきた儂は、逆切れテイストなパパに力の限り順
ギレしたとかと思うとった。いやむしろそのその気持ちで全身が充たされにっ
ちもさっちもいかんのじゃあどないさらすつもりやねボケオドレと。

そないゆうても実際にぶちきれるワケにはいかへんのが金借りた身の辛いとこ。
しかも借金のカタとして二千七百冊以上のエロ本預けとります。

まさに、

圀圀圀圀圀圀圀
圀八方塞がり圀
圀圀圀圀圀圀圀

といった感じですねん。

もういややわこんな橋田壽賀子脚本みたいにベタな展開にベタな状況。儂を取
り巻くすべてのものがベタ過ぎていやなんです儂としては既に。

儂が長崎でベタな心理的状態にまみれていると、そのうちにマスコミまわりの
成果が確実に出て来て、儂のエロ本が長崎のマスコミにも取り上げられはじめ
るようになりよったんです。

10月13日 西日本新聞(取材記事)
       長崎新聞(書評)
10月25日 ざ・ながさき(書評)

マスコミの扱いは予想以上にええんです。
でも、一番の問題は儂のエロ本二七〇〇冊を握ってロクに仕事もせずに、儂を
こんな心理的状況に追い込んだパパですねん。

日本に戻ったらとりあえず儂の銀行口座には九万円の現金があったんですわ。
儂はそのほぼ半分をエロ本二百冊買い戻しに当てたんです。そして残り半分で
東京行商の為のチケットを買ったんです。

行商ゆうても、長崎で月曜日から金曜日まで毎日八時間以上バイトしてる身の
儂ですから、そんなに時間はとれません。効率よう行商せなイカンのです。ほ
んで儂はイベントに参加することにしたんですわ。
http://www.bungaku.net/furima/

開催主旨を読んだらどう考えても儂のエロ本のために開催してくれたとしか思
えない催事ですねんコレ。いや、誰がナニゆうたかてそうですねん儂の脳内で
は。

銀行口座にお金振り込んだら、すぐパパから二百冊届いたんでひとまず安心し
たんですが、まだまだバンコクで儂のエロ本二五〇〇冊をえらい不安な人物に
預けとるゆう状況は変わってません。

儂としては大事な娘を借金のカタとして極道な女衒に預けてる気分ですねん。

マスコミに出たワリには長崎での売り上げはそう大したものでもなくぶっちゃ
け二週間で実売八冊で、デジクリの読者様からポツリポツリと注文が入るとい
う流れが続きまして、儂ははっきり言って苦戦しておりました。

一方、ようやく発売されたバンコクの方は紀伊国屋書店発売開始一週間ちょっ
とで初回納本一〇冊売り切れ、五〇冊追加納本という予想だにしなかった流れ
ですねん。長崎はなにしとんねん、とパパが心の中で思って、極道テイストが
更に増長しとんのが報告メールからひしひしと伝わって来るんですわ。

いやそれは間違いなく儂の電波帯びた被害妄想から来るんやろうけど、とにか
く不安なんですわこの先パパにエロ本預けて一緒に商売していくのが。

そうしてバイトを続けて東京行商まで一週間ちょっととなったある日、儂のメ
ーラーに一通のメールが。
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白石昇さま

日刊デジクリの濱村です。
お世話になっております。

プレゼント企画で、50冊を読者にプレゼントしたいのですが、
よろしいでしょうか。
実際の送付は11月末の予定なので、その時点での在庫予定でかまわないのです
が、売り切れてしまったら困るので、予約させてください。
よろしくお願いいたします。
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ね、ねねね姐さんは女神様や観音様やあ。

濱村姐さんはさくりと五〇冊分の代金を振り込んでくれはったので、儂はすぐ
さま極道テイストなパパの口座にそのお金を振り込み、五〇冊姐さんのところ
に粗相のないようバンコクから直接空輸したってください、とメールを打った
んですわ。

そうして平成一四年十一月二日、エロ本帝都上陸の日になりました。

待っとれ東京、売ったるでえ。

つづく。

【しらいしのぼる】hinkaw@chan.ne.jp
言語藝人。昭和44年5月1日長崎県西彼杵郡多良見町生まれ。『抜塞』で第12回
日大文芸賞を受賞。訳書にノート=ウドム・テーパニット『エロ本』。現在エ
ロ本屋仮店舗店長休業中。

エロ本販売サイト(休業中ですが、各コンテンツはそのままお楽しみいただけ
ます)
http://hp.vector.co.jp/authors/VA028485/erohonyakaritenpo.html

次の本を製作するためにエロ本屋仮店舗を休業して泰国に戻って参りました。
近況などはここ↓でおいおいお伝えしたいと思います。
http://www.mag2.com/m/0000012912.htm

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■セミナー案内
TNG Project セミナー
http://www.tng-project.jp/
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TNG Projectでは、TNGプロジェクト活動の一環としてセミナーを開催しデザイ
ン、広告、出版、印刷業界のシステム導入を決定する経営者や管理者向けに、
Mac OS X による新しい世代のデジタルパブリッシングのワークフローや新し
い環境への移行のメリットを紹介する。また、デザイナーやオペレーターを対
象とした、技術情報に関するセミナーも実施する。

●キックオフセミナー
~TNGプロジェクトのご紹介「Mac OS X によるデジタルパブリッシングワーク
フローの紹介」~
日時:5月27日(火)、5月28日(水)セミナーの内容は2日間とも同じ。
会場:九段会場 大日本スクリーン製造(東京都千代田区九段南2-3-14 靖国
九段南ビル7F メディアテクノロジージャパン内セミナールーム)
定員:100名(各日)
参加費:無料
講師:アップルコンピュータ 櫻場浩、アドビシステムズ 百合智夫、
モリサワ 中村信昭、大日本スクリーン製造 加藤禎二

●セカンドセミナー
~内容近日発表~
日時:6月19日(木)、6月20日(金)セミナーの内容は2日間とも同じです。
会場:飯田橋会場:株式会社モリサワ(東京都新宿区下宮比町2-27 9F)
定員:定員100名(各日)
参加費:無料

タイムテーブル
13:30開場 14:00開演 15:30Q&A 16:00ショールーム見学 17:00終了

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■編集後記(5/26)
・せっかくデータベースのプロトタイプができたというのに、さわっている時
間がない。2週間続けて大阪行きがあると、その日と翌日の発行のためあらか
じめメルマガを仕上げておかなければならない。それも2誌同時に。これは相
当大変だ。大変なのを解消するためにデータベースを構築しているのだが、デ
ータベースに入力する時間がないのだから、まさに宝の持ち腐れ。GW前に準備
できていれば、休み中はデータベース充実に使えたのに、ト言ってもいまさら
仕方がないのだけど。まあ、5月はこのままで、6月になったらがんばろう。昨
年の関東地方の梅雨入りは6月11日、梅雨明けが7月20日だった。この梅雨シー
ズンが仕事日和になるはずだ(家にこもって仕事するしかないから)。梅雨明
けと同時に、きわめて能率の良い編集制作体制ができる、はずだ。 (柴田)

・鍵職人が素敵。/金曜日は絶対に行きたいセミナーがあったんだけど、出発
直前にもらった電話で落ち込み外出する気力なし。しばらく忙しかったため後
回しにしていた仕事をすることにした。土曜日は「ショートショートフィルム
フェスティバル」の試写会に行く。もっと素人っぽい作品があるかと思ってい
たのに全然違っていた。笑い、苦悩、皮肉、戦争、恋愛……。こんな短い時間
によくまぁあそこまで表現できるもんだ。エンドロールをいくつも見るのは大
変だが、いろんな国の質の高い作品が見られ、文化を知ることができる。1時
間超の間にいくつもの国へトリップ。面白かった~。一緒に行った人も私も寝
不足だし疲れていた。途中で寝たらどうしようと思っていたのに、最後まで楽
しめた。大阪だけのプログラムもあるらしい。お薦めです。 (hammer.mule)
http://www.shortshorts.org/ Short Shorts Film Festival 2003 各地で上映
http://www.imedio.or.jp/ssff/  大阪
http://www.broadstar.jp/  iMedio BroadStarの作品上映日もあるらしい

・Flash Liteイベント
http://www.67.org/ws/0305/030530-d1.html
・デジクリ大阪オフ会でお会いしましょう。
http://www.uketsuke.jp/show_event_detail.php?uno=6

<応募受付中のプレゼント>
 Photoshop Filter Reference 1305号。
 目と脳にマジック絵本 1306号。
 目がよくなるスペシャル3D 1306号。
 Web Designing 2003年6月号 1311号。

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編集長     柴田忠男 <mailto:tdo@green.ocn.ne.jp >
デスク     濱村和恵 <mailto:zacke@days-i.com >
アソシエーツ  神田敏晶 <mailto:kanda@knn.com >
アシスト    島田敬子 <mailto:keiko@days-i.com >
リニューアル  8月サンタ <mailto:santa@londontown.to >

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