[1445] 超常現象は風流か

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1445    2004/01/15.Thu発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 20031部
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<「自分でにぎる板前すしセット」は結構笑える>

■笑わない魚 97
 超常現象は風流か
 永吉克之

■子育てSOHOオヤジ量産プロジェクト
 子連れでのお出かけ先
 茂田カツノリ

■ライフスライス研究所
 オリジナルデジカメ開発奮闘記(2004年1月15日木曜日)
 第64回「確認株式の作り方その3、確認申請書の提出」
 ユビキタスマン

■Powerbook Publishing Project 71
 魅惑の秋葉原訪問
 8月サンタ



■笑わない魚 97
超常現象は風流か

永吉克之
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以前『TVタックル』(テレ朝系)で、「嵐の大ゲンカ」と銘打って、超常現象
をテーマに肯定派と否定派に分かれての罵りあいを、よく放映していたのだが、
それも含めて最近はこの手の番組が少なくなったような気がする。多分これは、
1999年になっても、空から恐怖の大王が降ってきて、人類を滅ぼしてくれなか
ったため、肯定派が信頼を失ない衰退したことが一因だろう。

しかし「超常現象を信じるか?」という質問ほど乱暴な質問はない。なぜなら
「超常現象」とは、幽体離脱のような霊的現象も、テレパシーのような超能力
も、そしてこの呼称は使いたくないのだが「UFO」のような宇宙生命体も、「U
MA」(馬ではない。ツチノコなどの未確認動物)もぜーんぶ、いっしょくたに
した概念だからである。

超常現象を研究しているサイトを見ても、上記のようなカテゴリーを並列的に
扱っているものが多いが、それぞれ全く別の世界ではないか。これでは頭文字
が、みな同じ「あ」であるという理由で「アフリカ」「青汁」「暴れん坊将軍」
を総合的に研究するのとほとんど同じである。だから、ノストラダムスの予言
が外れたからといって、宇宙生命体まで連帯責任をとって衰退しなければなら
ない理由はない。

超常現象肯定派の人も、全ての現象を肯定しているわけではなかろう。「むむ、
この写真に写っておる苦悶する男の顔は、戦国時代、ここで無念の自刃をした
武者の霊じゃ。浄霊をせねば家の者に憑依する」と言う霊媒師が、UFOの話に
なると「UFOの撮影に成功? そんなのインチキに決まってんじゃん、バカだ
ね」と頭ごなしに否定することがあってもヨイのだ。

                 ■

超常現象に関する私の公式見解としては、「どっちつかず」を採用している。

信じてマスと言うと、ポルターガイストもネッシーも河童もこっくりさんも、
とにかく超常現象と呼ばれるものは、何でもかんでも信じきっている無知蒙昧
な迷信家だ、もうこんな奴の記事なんか読んでやるか、と言われるし、信じて
マセンというと、眼に見えるものしか信じることのできない、感受性や想像力
の欠乏したセメントのように味気のない人間だ、もうこんな奴の記事なんか読
んでやるか、と言われるので、打算的に中立を保っているのだ。ふっ。

しかし最も無難なのは、否定派に徹することだろう。存在が証明されないもの
は絶対に信じないというスタンスを堅持していればいい。いわゆる超常現象は、
当分の間、科学的に証明されることはないだろうから、決定的証拠をつきつけ
られて「どうだ否定してみろ」と言い込められる心配はない。肯定派が何を言
おうが「だったら、その宇宙人をここに連れてこいっちゅーの」と、せせら笑
いをしていればいいのだから楽なものである。

超常現象に限らず、血液型性格判断でも風水でも、科学的根拠のないものは、
とりあえずぜーんぶ「ない」ことにしておくのが、賢者の道というものだろう。
仮に、スプーンどころか、ショベルカーを指先でクネクネ曲げるのを目撃した
としても、それは「ものすごく指先の力の強い人」なのであって、決して超能
力者と認めてはならない。

なにしろ「科学」という看板には、人を無条件に平伏させる威光がある。

例えば、ブラックホールの深淵の中に吸込まれていく友人の手をがっちり掴ん
で「ファイト一発!」と叫びながら渾身の力で救い出し、リポビタンDを飲ん
だ人はいないだろう。それに、ブラックホールは光まで吸込んでしまうほどの
強力な重力場なので、それ自体の形は見ることすらできないのである。

にもかかわらず我々はその存在を信じている。しかも、ブラックホールの存在
を結論づける基礎になったアインシュタインの理論がどんなものかも知らない
のに、科学者が「ある」というので、よく分らないがとにかく信じているのだ。
目撃者がいっぱいいるUFOよりも、数千光年も彼方にある、だーれも見たこと
がないブラックホールの方が多くの人に信じられているのである。

                 ■

しかし仮に、超常現象なるものが実際にこの世界で起きているとしても、それ
は「超常」現象ではない。単なる「珍しい」自然現象である。なぜなら大自然
あるいは大宇宙の法則、また、あえて言えば神の法則に適わないことは起こら
ないからだ。それが地縛霊であろうが地底人であろうがサンタクロースであろ
うが、大自然の法則に適っていれば、存在しているだろう。

『デジタルクリエイターズ』らしい喩えをしてみよう。HTMLソースを書く場合、
タグの中の数字は半角でないと使えない。だから例えば、ケイ線の長さを312
ピクセルに指定する場合、<HR WIDTH="312" >という具合に書くのだが、これを
<HR WIDTH="参百壱拾弐でござる" >と書いても長さは無視される。結果はミエ
ミエなのに馬鹿正直にテストしてみたが、やはり長さは無視された。

"参百壱拾弐でござる"と書いて、ケイ線の長さが実際に312ピクセルになった
りするような現象をこそ、超常現象と呼んでもらいたいものだ。あるいはフロ
ッピードライブでDVDが読めたり、実物のカラシ明太子がメールに添付されて
送られてきたり、つまり絶対、2以外にはならない1+1の和が、3や8になる現象
が起きた時に初めて、超常現象という言葉を使ってもらいたいのである。

                 ■
UMAも超能力も心霊現象も「1+1=2」の範囲内である。超常でも何でもない。
雪男というと、身長2~3メートルの直立二足歩行をするゴリラのような生き物
らしいのだが、そんな面白くもなーんともないフツーの体型をした生物なら、
どこかその辺にいてもいい。ツチノコにしても、ビール瓶のような体型をした
ヘビのような生物で、丸くなってコロコロと転がりながら移動するという話を
聞いたことがあるが、ダンゴムシだって転がるのである。ヘビが転がってはな
らないなどという無体な法はない。

ダチョウのように地上を時速70キロで疾走する鳥や、トビウオのように、時に
は数百メートルも滑空する魚が実在することを考えれば、上に挙げた程度の動
物など、まだまだ素人である。

超能力もまた然りで、特にテレパシーができる人が、最近増えているようだ。
電波が頭の中に入ってきて「向うからやってくる女子中学生は、地球を征服し
ようとしているから殺せ」とか「角の家に住んでいる家族はみな悪魔の化身で、
人類を誘惑して地獄に落とそうとしているから家に火をつけろ」と命令された、
というような話をよくニュースなどで見聞きする。今後さらに増えていくだろ
う。もはやテレパシーは超能力ではない。

まあ、このくれえのことなら風流ってもんでさ。女の立ちションじゃねえんだ、
ありえるとか、ありえねえとか、野暮はよしましょうや、旦那。

【ながよしかつゆき/アーティスト】
やっとというか今さらというか、初の個展をすることが決まった。場所はエス
ニックなレストランだが、作品展やライブ演奏などがあり、アーティストの発
表の場としても知られている。通常の画廊の無機的な空間で個展をやることに、
常々疑問を抱いていたのだが、ある日「にしんクラブ」(クラゲ候補と豆類の
二氏による女性ユニット。サイトは未完成)の作品展を観にいって、ここなら
リラックスして観てもらえるわい、と思ったのであった。

場所:伽奈泥庵(大阪市中央区)<http://www.kanadian.org/ >
会期:3/27(土)~4/10(土)

E-MAIL / katz@mvc.biglobe.ne.jp
W.SITE / http://www2u.biglobe.ne.jp/~work

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■子育てSOHOオヤジ量産プロジェクト 6
子連れでのお出かけ先

茂田カツノリ
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謹賀新年。
子持ちSOHOはとても幸せだし、いまのところ食うには困ってないが、悩みは営
業活動的なことが弱くなってしまうこと。もっとあちこちに顔出さねば、であ
る。今年はしっかり仕事確保するぞ~(→皆さんお気軽にお声をおかけくださ
いませ)。

●公園に行こう! なのだけれど…

子供っていうのはおそろしく進化が早く、何か新しい経験をして刺激を受ける
と、行動や言葉が目に見えて変化する。だから僕は、子供はなるべく外出させ、
いろんな風景を見せるようにしているつもりだ。

生後5カ月頃から抱っこベルトで前向きに取り付けて連れ歩いたが、景色がよ
く見えて子供は楽しそうだった。特に冬は、僕のコートから顔だけ出す姿がか
わいくて声をかけられるので、子供も調子に乗って愛嬌を振りまいていた。

で、問題になるのがお出かけ先だ。天気の良い日は公園が一番。でも代々木公
園のように、大型犬を平気で放し飼いにする輩がいると気が気ではない。明文
化したルールを守らないような人間が飼ってる犬なのだから、しつけ度合いも
推して知るべし、であるから。

ニューヨークの公園は子供連れしか入れない領域を作っていたり、ドッグラン
が用意されていたりで、さすが市民のための国家を標榜しているだけはある。
日本じゃなかなかこういう「市民のための意見」は通らない。この国では、木
っ端役人がみんなを少しずつ不幸にしてるんだなあ(それを変えてゆくのが僕
らの世代の仕事だと思うけど)。

●新宿・渋谷は無理ってもの

子供が1歳半位まではベビーカーで出かけるわけだが、そうなると新宿や渋谷
はちょっと無理である。段差は多いし通路は狭いし、人は無遠慮にぶつかって
くるし、エレベータに乗ろうにもガンガン割り込まれる。子連れという弱者に
なってみてわかるのだが、皆さんマナー悪すぎ。

だから結局、郊外型のショッピングモールに出かけることが多い。一番好きな
のは船橋のららぽーと。子供向けの店も多く、オムツ替え部屋も充実してるし、
コソ~リ抜け出して船橋オートレース場にも行ける…。隣接するザウス跡地に
はあのIKEAが出店予定だ。

お台場地区もイイ。クルマを1,500円/日の駐車場に入れ、海岸を散歩したり
大道芸を見たり、観覧車に乗ったりできる。一日の締めはもちろんトイザらス
だ。

いまは東京の多摩地区に住んでるのだけれど、不思議なことに周辺にはこうし
た大規模なショッピングモールが一切ない。ショボいのはいくつかあるけど、
休日の気分転換にはちょっと物足りないのだ。

景気が悪くてモノが売れないというけれど、もっと買い物が楽しくなる環境が
整えば、変わってゆくんじゃないかな。

●外食はやっぱファミレスになる

外食するにも子供は騒ぐから、大人っぽい店は遠慮してファミレスに行くこと
が多い。ところがファミレスという言葉とは裏腹に、ほとんどの店がベビーカ
ーで入るには段差や階段だらけだし、オムツ替えシートも子供用トイレもない
のはどういうことなんだろうか?

どのファミレスも子供メニューを用意してるけれど、中でも良いのは「Coco's」
と「さと」かな。特に「さと」の子供イスは良く工夫されてて安心だから、子
連れの方は一度試してほしい。

ファミレス以外では子供に配慮してるレストランは、残念ながら少ない。傾向
としては、店員が中国人や韓国人の場合や、関西系のお店は親切にしてもらえ
るという印象を持っている。子供は人の表情をよく見てるから、ニコニコと接
してくれると機嫌も良くなるのだ。

そんな観点も含めて、僕の気に入ってる店をいくつかご紹介する。

・名代とんかつ かつくら
http://www.fukunaga-tf.com/katsukura/
京都が本拠地のとんかつ屋さん。2歳位までの子供向けにテーブルに固定する
イスが用意されてるなど、子連れには気を遣ってくれる。とんかつも漬け物も
おいしいので僕は大好き。

・サイゼリヤ
http://www.saizeriya.co.jp/
ここはとにかく安い。キッズプレートは180円、3歳まではドリンクバー無料だ。
味のほうも、僕としては十分だ。

・さと
http://www.sato-restaurant-systems.co.jp/
「自分でにぎる板前すしセット」は結構笑える。

・Coco's
http://www.cocos-jpn.co.jp/cocos/
子供にぬり絵をくれるので助かるし、メニューも安直に揚げ物を使ってない点
がいい。

【しげた・かつのり】shigeta@amonita.com
Webプロデューサー/テクニカルライター、あるいはデジタル何でも屋。子育
てSOHO生活を思いっきり楽しんでる。
先日、一家で「Finding Nemo」を見た。子供達にとってははじめての映画館だ
ったが、3歳になる上の子だけは無事最後まで見られた。実はこの映画、父親
にとってかなり都合の良い内容だったりする…。
それにしてもVirgin Cinemas(現TOHO CINEMAS)のインターネット予約は知名
度が低いのか、日曜とかでもラクショーで予約取れるから助かる。新宿・渋谷
あたりの旧態依然たる映画館など行く気がしないというものだ。

有限会社アモニータ
http://www.amonita.com/

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■ライフスライス研究所
オリジナルデジカメ開発奮闘記(2004年1月15日木曜日)
第64回「確認株式の作り方その3、確認申請書の提出」

ユビキタスマン
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大阪に住むデジクリの読者の方からメールがありました。「カナダに旅行に行
くのでライフスライスしてみたい」と。早速宅急便で送りました。デザイナー
をやっているという彼女のサイトはとてもセンスがよく、スライスもすんなり
とけこんでいます。103号室を覗いてみてください。※

さて、確認株式の作り方ですが、今日はセカンドステップ「最低資本金特例の
手続き」です。これは1000万用意せずに株式会社を作るという「確認株式」と
呼ばれる方法を使うためにクリアしなければいけない肝の部分です。公証人の
認証が終わった定款のコピーと共に同封する書類に、「事業を営んでいない個
人であることを証する書類」が必要になります。会社員の人は源泉徴収票の写
しもしくは事業主が発行する雇用証明書がそれに当たります。

デジクリを読んでいるような人は、私と同じ個人事業主の形態の人が多いと思
います。こういう人は、なにを出せばいいかと言うと「事業を廃止した者」と
して「廃業届出書」の本人控えの写しというものになります。開業届けを出し
ていなくても確定申告をしているならば「廃業届け」を出せば大丈夫です。こ
れは自分の管轄の税務署に行き3分で終わります。

会社の本店所在地に応じた管轄の経済産業局の新規事業課に、書類を郵送しま
す。定款の写し、廃業届の写し、それに確認申請書の3点に返信用封筒です。
1週間くらいであっさりとした1枚の書類が届きます。それが「確認書」です。
そこには経済産業大臣の名前で、こう書いてあります。

「新事業創出促進法第10条第1項の規定に基づき確認する。」

この作業は郵送費だけで終わりです。次は、いよいよ登記所に行くための書類
の準備です。登記には10種類程度の書類が必要になります。

※/ r / sasaki / slicing / life / with / LIFESLICE /
 http://www.paperbag.jp/

ライフスライスブランドカメラ発売まであと51日!

ユビキタスマン(川井拓也)jp_kawai@lifeslice.net
http://www.lifeslice.net

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■Powerbook Publishing Project 71
魅惑の秋葉原訪問

8月サンタ
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実は年が明けていなかったり…。全く、私の2003年が明けるのは、デジクリサ
イト、写真を楽しむ生活サイトがメルマガ発行と連動して更新されるようにな
ってからなのだ。今や完全にプロジェクトのボトルネックは私である。胃が痛
い日々だけど、もうすぐ!

そんな状況では、ぱあっと遊ぶわけにもいかず(今もそう)じりじりしていた
昨年末のある日、ふと思いついてCDを一枚持って、秋葉原へ出かけたのだった。

秋葉原は正直嫌いな場所だ。パソコン関係のこと以外ではまず出かけない街だ
が、その数少ない訪問のときにイヤな思いばかりしている。皆さんもご存じの
通り、客を客とも思わない態度のスゴイ店員がいっぱいいるからである。

だが今回の目的はパソコンではなくて、「オーディオ試聴」なのだ。秋葉原は
今や絶滅どころか、ひそかに盛り上がりまくっているハイエンドオーディオの
街でもあるのだ。

私のオーディオ病は今や悪化中である。ヤフーオークションでの中古品購入で
何度か手痛い失敗をしたので(かつての高級機といえど、やはり年代物のア
ンプ類は当たりはずれが大きい)、そろそろぴしっとした新品のいいものを、
一発揃えてみようと決意したのだ。

●気軽に出来るハイエンド・オーディオ試聴

まずはヤマギワの5階訪問である。奥の方にオーディオ専門の別室がある。店
の人に声を掛けて、持参のCDを渡して再生してもらう。気軽になんでも試させ
てくれるはずだ。もちろん無料。ヤマギワ東京本店。東京三菱銀行向かい。
http://www.ishimaru.co.jp/y-i/tokyoten.htm

持ち込んだのはブルース・ホーンズビーの"Here come the noise maker live"
2枚組CDで、1曲目の"Piano Intro/Great Divide"をかけてもらうのだ。7分半
のこの曲には、ライブ演奏のいろんな要素がびっちり詰まっていて、試聴にと
ても都合がいい。
"Here come the noise maker live" by Bruce Hornsby
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00004ZDTI/qid=1074119157/sr=1-14/ref=sr_1_2_14/250-0004565-2711431

約2分間の指ならしのような静かなソロのピアノから、ダッ、ダッとリズミカ
ルに力強く弾いた次の瞬間、ベース、サックス、ドラムスが殴り込むように入
ってきて、いきなりドカン! とロックになる。その瞬間いつも鳥肌がたつ。

ホーンズビーの歌はカントリーっぽい(ヒューイ・ルイスに似ている)し、変
幻自在、即興やりまくりのピアノはまるっきりジャズだし、(実際バド・パウ
エルを挟んだりもする)後ろではホーン連が、グランドファンクみたいにバラ
ラララッバララララッとやってるし、ロックともジャズとも分類不可能な音楽
だけれど、どんな年代のどんなひとが聴いてもこれは、腕のある連中が、楽し
んでやってる音楽だということはすぐわかる。

日頃この名演を聴きながら、これを思いっきり素晴らしい条件で鳴らせれば、
どんなにいいだろうと思っていた。というわけで、その日はいろんな機器で試
聴を楽しませてもらった。

●これは底知れぬ世界

今回の試聴の目当てはスピーカーであった。Brueroom社のMinipodというモデ
ルに目を付けているのである。
・Brueroom / Minipod
http://www.podspeakers.com/podspeakers.html

世にもへんてこな格好だが、ペアで8万円くらいするので侮れない。ヤマギワ
ではLINNのClassikやアキュフェーズの100万円クラスのアンプ、マランツの普
及機などで鳴らしてもらったが、店員さんがにこにこしながら「変なかたちな
んですが、結構まともな音するんですよね」と語っていたとおり、相当イイ音
である。実物を鳴らしてもらって、ますます気に入ってしまった。

それより困ったのは、アンプとCDとラジオが一体になったいわゆるレシーバー、
LINNのClassikである。イギリスの製品だが、作りは見れば見るほど安っぽい。
なのに、25万円もするのだ。まったく、訳が分からない。
・LINN / Classik
http://www.classik.jp/

と・こ・ろ・が、これが「うっとりするほど柔らかい」音を出すのだ。同行の、
普段機械というものにおよそ関心を示さない女史が「買う」と言い切ったくら
い。スピーカーは同じなのに、LINNだと素晴らしい音が出るのだった。今日の
結論は「LINNは素晴らしい」ということになってしまったのだった。

もちろん、このLINNの話やらMinipodなんていうのは、オーディオ趣味から言
えば入り口の入り口である。同じヤマギワのフロアにはLINNの280万円のCDプ
レーヤ、1ペア500万円のスピーカー、1本50万円のスピーカーケーブルなんて
いうのがゴロゴロしているわけで、目の保養、というか女の子を驚かせて楽し
むデートにはもってこいかも知れない。実際同じ曲をいろんな機器で聞き比べ
て、その違いを楽しむだけで、半日、全く退屈しないし。

結局そのあと秋葉原の名店を数カ所回って、堪能して帰ってきた。クライマッ
クスは「ダイナミックオーディオ5555」、1階から7階まで全部オーディオで、
しかも階を上がるごとに値段が上がっていくという魔窟のようなビル探訪だ。
・魔窟ダイナ5555
http://www.dynamicaudio.com/

ここの3階の通称中村部屋、JBL+McIntoshで聴かせてもらった"Great Divide"
がもう圧巻で、コンサートに行った気分であった。実は私たちが入ったときに、
山下達郎のシーズンズ・グリーティングスがかかっていて、それがなんとCDで
はなくて、WinAMPで再生したMP3だったのだ(ノートパソコンがつながってい
た…)。なんとも酔狂なおじさんだなあとほとほと感心して帰ってきた。

結局一銭も掛からないのだが、間違いなく「タダほど高いものはない」を実感
出来るツアー、いかがでしょうか? さあ今年は稼いで、無駄遣いするぞ!

【8月サンタ】LondonとLyallとLeCarreを愛する35歳  santa8@mac.com
・そんなわけで日々奮闘中。ポークハムとマーマレードのハンバーガー食いた
い。(この味、わかっていただけるでしょうか!?)

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■編集後記(1/15)
・転居して一番のモンダイは本屋さんだ。これまでは自転車で5分の駅前書店
で雑誌や文庫、マンガを、自転車で15分の有名な大型書店で新刊書籍をおもに
買っていた。ほかにも3軒ほどの小型書店が近くにあったから、本読みにとっ
てはいい環境だった。こっちに来たら、近所に老夫妻の経営する超小型書店
(あまり本がない)、TSUTAYA(本屋部分は小さい。店内放送がうるさい)、
駅ビルの小型書店しかない。駅ビルの書店は分類がしっかりしていて使いやす
そうだ。しかも珍しくポイント制がある。さすがにこれだけでは不満な環境だ
が、土手沿いに15分くらいの川口駅に行くと「書泉ドーム」がある。ここはめ
まいするくらい大きい。11時に開店というのがちょっと不便だが。帰りに駅前
で甘太郎焼きを買い、土手に上って食べる至福。引っ越してよかった!(柴田)

・甥がいま一番好きなのはゴードン。「きかんしゃトーマス」のキャラクター
のひとりだ。何故にゴードン? なんてマニアックな。よくわからないが、と
にかくいま彼の身の回りのものは青いトーマス関連グッズで埋まっている。つ
いトーマスの公式を見せてしまった。指差しながら、サイトにあるキャラクタ
ーの名前を言う。これを延々と続けているのが楽しいようだ。こっちまでキャ
ラクターを覚えてしまった。日本語公式は作らないのかなぁ。(hammer.mule)
http://www.hitentertainment.com/thomasthetankengine/  トーマス公式
http://www.hitentertainment.com/bobthebuilder/  ボブとはたらくブーブ
ーズ

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チラシstyle book 1443号
DTPデザイナー1年生 1443号
萌える聖地アキバ-秋葉原マニアックス- 1443号
Shade 7 basic ガイドブック 1443号

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発行   デジタルクリエイターズ <http://www.dgcr.com/ >

編集長     柴田忠男 <mailto:shibata@dgcr.com >
デスク     濱村和恵 <mailto:zacke@days-i.com >
アソシエーツ  神田敏晶 <mailto:kanda@knn.com >
リニューアル  8月サンタ <mailto:santa8@mac.com >
アシスト    吉田ゆうみ <mailto:yoshida@days-i.com >

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