[1473] 指輪物語について語ってみた

投稿:  著者:


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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1473    2004/02/25.Wed発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 19717部
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      <キミは汚れた機械だけ愛でていなさい(^^;>

■MKチャット対談
 指輪物語について語ってみた
 笠居トシヒロ&まつむらまきお

■ライフスライス研究所
 オリジナルデジカメ開発奮闘記(2004年2月25日水曜日)
 第82回「生活を伝えるということ、松本坊主から学ぶ」
 ユビキタスマン

■展覧会案内
 第6回亀倉雄策賞受賞 服部一成展



■MKチャット対談
指輪物語について語ってみた

笠居トシヒロ&まつむらまきお
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かさい: まいど、笠居ですー。先週はお休みしちゃって申し訳ない。m(_ _)m
まきお: ども、まつむらですー。ほんまに、体調悪い時は事前に連絡しなさい
    (^_^;)
かさい: うーん、いけるかと思ってたんだけど、予想以上に薬で頭回ってなか
    ったねー(笑)体調と言えば、今日も腰が痛くて痛くて・・・(/_;)
まきお: ボロボロやなぁ(^_^;)MacromediaMAX見に行った東京行きが腰にキた
    んか?
かさい: うーん、行ってる間はそれほどでもなかったんだけどねー、帰ってき
    てから徐々にね。とどめは、今日「王の帰還」のに回目を見に行った
    ことかしらん(^^;
まきお: どあほっ(^_^;)わしも昨日、見てきたけど、あんな腰に悪い映画は
    ないわっ(^_^;)
かさい: そやねえ(笑) なんせ3時間半やからなあ
まきお: けっこう笠居さんがおなじ映画を二度みるってのはめずらしいと思う
    のだがそんな気に入ったんか?
かさい: そーですねえ。けっこう好きですなあ(笑)もともと「映画館」が好
    きじゃないからねえ(^^; ビデオで繰り返し見ることはあったけど、
    映画館に何度も行くのはめったになかったね
まきお: そりゃ、相当な入れ込みやねぇ。前作2本も二度見たとか?
かさい: いや、前作は一回しか見れなかったの。1本目は二回見たけど
まきお: うーむ(^_^;)ぼくはもともと原作は好きだったんだけど、映画はそ
    こまでは入れ込まなかったなぁ。なにがカサイをそうさせたの?
かさい: もともとスペクタクルものが好きというのはある。原作も好きだった
    し。家が映画館の近くになって、それがシネコンだったってのも大き
    な理由かも(笑)
まきお: 原作好きで、映画もそこまで気に入ったってのは、けっこう珍しいん
    じゃないかなぁ
かさい: ああ、なんか不思議な感じはするね。かなり独自の解釈をした部分も
    あるし、ここは削って欲しくなかった、ってとこもあるんだけどそれ
    を差し引いても、なかなか感動的に仕上がってると思います
まきお: おいらは、原作、高校の時と、20代でもっかい読んでいるはずなんだ
    けど、さすがに20年ちかくたってて、かなり忘れててね、内容。今回
    の王の帰還なら、ホビット庄に戻ってからのひともんちゃくがない、
    くらいはわかるんだけど
かさい: あー、たしかに忘れてること多くてね。僕も1作目を見たあと、文庫
    のセットで買い直したよ。
まきお: なので、なにが独自の解釈なのかもよーわかってないんですが(^_^;)
    ぼく的には、まぁ楽しんだけど、少なくても2回劇場に行くほどでは
    なかった(笑)DVDのエクステンドエディションは買うけどね。どこ
    がそんなによかったのかなぁ
かさい: まず、キャスティングがハマったね。旅の仲間のイメージがドンぴし
    ゃだった
まきお: おいら、半分はダメ(^_^;)アラゴルンのアゴとか(^_^;)
かさい: そこが一番大きいと思わん?原作が好きでも、映画化されたものはキ
    ライ、という場合、イメージングが一致してないって事だよね。役者
    より、むしろエピソードとかのほうが気になったな。とはいえ、これ
    は、映画化したって事に意義があると思うんすよ
まきお: あー
かさい: 原作に忠実には、まず無理じゃないすか。じゃあ、どこで「映画とし
    ての指輪物語を成立させ得るか」だと思うんだよね
まきお: あ、それはわかるし、よくできてるとは思うんだけど、意義があるか
    どうかってーと、そこはよくわからんのだよ
かさい: わからんとは?
まきお: 原作を映画にした、という意義がね、いままで原作を読んでいなかっ
    た人たちが、指輪物語という世界に触れることができた、という意義
    があるとは思うのだが、それは読者には別にいらんことであって。監
    督にとって、どういう意義があったのかなぁと。商売以外でね
かさい: たぶんね、指輪物語って、ただ読んだだけでイメージングできなかっ
    たっていう人が多いんじゃないかなあ、って思うんですよ。じっさい
    文章が難解だったり、旅に出るまでの期間が長すぎてタルかったりす
    るんで、細かいとこは飛ばし読みとかする人も多いらしいし、僕やま
    つむらさんも含め、こういうビジュアルな仕事に携わるような人間は
    まだしも、普通は絵として頭に描きにくいんじゃないかしらん
まきお: んー、そうなんかなぁ。いやね、最近、小説を一冊読んだんだけど、
    それの挿絵がまんが絵でキャラが出てくるんよね
かさい: ふむ、
まきお: 昔というか、ぼくの考えでは、小説の挿絵ってのは、わざとキャラの
    顔は詳細には描かないって思ってたんだけど、最近、まんが絵のとか
    多くて、これが、正直いって、うっとーしいんだ(^_^;)
かさい: うん、それはわかる。昔SFとか読んでても、自分のイメージができた
    ところで、いきなり異星人の挿絵とかが出てきて「ちゃうがな!」っ
    て読む気うせるとかあったな(笑)
まきお: そういう意味で、まぁ、ゆーてしまえば「原作そのまま映像化」した
    映画って、おもしろかったためしがなくて、今回の指輪は、それを力
    でねじ伏せているだけのパワーは認めるものの、映画にした意義とい
    うか、映画として原作と違う魅力があるかってーと、どうかなぁと思
    っちゃうのよ。極論、これなら原作でいいんじゃない? と
かさい: そうかなぁ。現代人に分かりやすくアレンジした、ってだけではない
    と思うけどな。まあ、自分のイメージングができてて、それが映画と
    食い違った人ってのは、たいてい「原作の方がよかった」っていうけ
    ど、映画だけ見たばあいの評価もしていいんじゃないかな。もちろん
    僕としては、原作を読んだ上で、これが面白いと思ってるわけなんだ
    けどね
まきお: うん、だからそこが聞きたかったわけですよ(^_^;)原作とイメージ
    の食い違いってのは、実はこの映画ではそんなに気にはならないのよ
かさい: イメージの食い違いって、エピソードが違うとか、キャラが思ってた
    のと違うとかいうことね?
まきお: そうそう。違和感はもちろんあるけど、非常にうまくまとまってる。
    たしかにこれは指輪だ。逆にもっと違ってもよかったんじゃないかと
かさい: 逆に聞くけどさ、映画「ロード・オブ・ザ・リング」は、まつむらま
    きおが原作から得たイメージを超えるシーンはなかったの?
まきお: 人数が多かったくらいかな(笑)
かさい: ふうん、じゃあ俺の感想を言ってもわかってもらえないかも
まきお: いってみてー
かさい: 原作を知っててもね、ピーター・ジャクソンや、アラン・リーやジョ
    ン・ハウが、このエピソードをどんな絵にして見せてくれるんだろう
    ってのが楽しみだったんだよねまきお: あー、わからんかも(^_^;)
かさい: だろーなー。ほかの人たちも、そういう見方ってけっこうあったと思
    うけどねー
まきお: アランリーの絵とか、当然、映画化以前から見てるわけだけど、「な
    るほど」と思うけど、それ以上はないからなぁ
かさい: そー言われると、もう接点がないぞ(笑)
まきお: おいらがヘンなのかな?(^_^;) たとえば、ブレードランナーなんか
    は原作付きだけど、めちゃおもろいわけですよ
かさい: 原作というより、下敷きだからでしょ?
まきお: そうそう別物だから
かさい: だけどさ、ハッキリ言って「アンドロイドは~」は小説として、そん
    なすげーって作品でもないじゃない
まきお: 原作もあれはあれで好きよ。あ、わかった、監督がこの映画つくった
    目的が「原作が好き」以外に、わかんないから不満なんだー
かさい: それじゃあアカンのか?
まきお: あかんねん、わたしの場合は(^_^;) それなら原作でいいもん
かさい: そこがわからん(笑)
まきお: 監督がなに考えてるのかわからんってのがね、不満。もうちょっとベ
    タな言い方をすると、監督が原作をどう解釈したのかってのが、よく
    わかんなかった
かさい: うーん、なんかわかったようなわからんような(^^;大好きな文章作品
    があるとして、それを自分のイメージでラスタライズしてみたい、と
    いう動機ではアカンのかなあ。オレはそれでいいと思うし、それが自
    分の好きな作品で、自分のイメージにハマり、且つ自分のイメージを
    超えてる部分があれば評価したいなあ
まきお: 評価はするんですよ、ちゃんとエクステンドエディション DVDまで買
    ってるし(笑)
かさい: 原作で十分という意見とは、はなはだ食い違った行動だと思うんです
    が?(笑)
まきお: いや、これはですね、原作の付属資料、ガイドブックとしての位置づ
    けなんです。それ以上の魅力がなかったというか。あとビジュアル的
    にも王の帰還は、2本目の合戦みちゃってるから、王の帰還は特に満
    足度が低かった
かさい: 合戦なあ、ちょっと3作目のはCGの手抜きというか時間不足と言うか
    そういうのが見てて目に付いたのが残念だったけどなあ。そこがちゃ
    んと仕上がってれば、2本目とは違うものになったはずだけど
まきお: うーん、同じように見えちゃったなぁ、ぼくは。もっとすごくなるの
    かと思ったら、人数多いだけで、みたいな。あと、サウロンやオーク
    たち、かわいそうと思っちゃった(^_^;)
かさい: 何で?(^^;
まきお: そりゃあ侵略しかけたのは彼らだけど、最終兵器で殲滅させられちゃ
    ってさぁ、彼らには彼らの生活もあっただろうに....(/_;
かさい: わけわからん(笑) ただ、サウロンの凶悪さとか邪悪さみたいなの
    が全作を通してチョット弱かったかな、というのは思うな
まきお: 原作よりはあったかな(笑)
かさい: 原作は怖かった・・・と書こうと思ったが、ナズグルのほうが怖かっ
    たな、原作も(^^;
まきお: 原作、ほとんど描写ないやん、サウロン(^_^;)「なんかいてるー」
    「言葉ではいいあらわせない」みたいな
かさい: あとでシルマリル読んだから、ちょっとごっちゃになってる(笑)
まきお: なんかね、やっぱ今見ると、どうしても、実世界の戦争と照らし合わ
    せちゃって、殲滅して勝てばええんかっ、ってツッコンでしまうんで
    すわ。原作通りなんだけどね
かさい: 原作では、オークやトロルはその場では死んだりしなかったんじゃな
    いかな
まきお: トロル、かわいかったよねぇ、映画
かさい: カワイいか?(^^  オリファントはきれいだなーと思ったけど
まきお: トロルは働き者でけなげだった(笑)オリファントは、自分の頭の中
    でスターウォーズ・帝国の逆襲のAT-ATに翻訳しながら見てた(笑)
かさい: 機械に置き換えるな(^^; おれわ2作目でオリファントが出てきたと
    き、あまりにもアラン・リーの描いた「じゅう」登場のシーンそっく
    りだったので、びっくりというか、そこまでやるかというか、きれい
    なあ、とおもったのに
まきお: 思いませんでした(^_^;)
かさい: キミは汚れた機械だけ愛でていなさい(^^;
まきお: し、しどいしと(/_; 話はもどるけど、映画さぁ、あまりにもみんな
    が褒めるんで、どうも自分の感覚がおかしいのかなと不安になる。マ
    トリックスの時もそうだったんだけど
かさい: うーん、どなんかな? さっきも言ったけど、今回の「映像化」で初
    めて「指輪物語」の世界をイメージングできた、という人も少なくな
    いんじゃないかと思うんだよね
まきお: はじめて物語に触れた、という人がほとんどだよね
かさい: それもあるけど、あの話は「読みながらイメージする」のが難しいと
    思うんよ
まきお: えー、だって、かなり描写が詳細じゃない? 全然されてないところ
    もあるけど
かさい: あのね、描写が詳細だったらイメージしやすいってわけじゃあないで
    しょ? 文章のリズムが大事じゃないですか。特に最初のほうは、ト
    ールキンの文章のリズムに乗りきれなくて、さらに描写が細かすぎて
    余計にイメージを膨らませにくいところがあるんだよ
まきお: うーん、そうなんかなぁ、そこがおもろいと思うんだけど
かさい: たぶん、そのまま字面だけ追っちゃう人とか結構居るんじゃないかな
    描写が詳細だと、絵師は挿絵を描きやすいかもしれないが、どんどん
    物語を消化していきたい読者のほうは、つっかかりつっかかり読むこ
    とになるからねー
まきお: それは単に読み飛ばしているだけでは(^_^;)?
かさい: 読み飛ばさずに読もうと思うと、詳細すぎて話が前に進まなくてイラ
    イラしてしまうんじゃないか知らん。最初は情景描写ばっかりといっ
    てもイイくらい、話が前に進まないからねえ(笑)
まきお: だからこそ、原作でいいやん、と思ったのだが(^_^;)
かさい: だからー、その詳細な描写でイメージできるのは、絵描きのノーミソ
    持ってるひと限定なんじゃないの?
まきお: キミかて、絵描きのノーミソやん(^_^;)
かさい: 普通の人は、その時机の上においてあるコップの柄よりも、その先主
    人公が何したいかのほうが大切なのよ。僕はフツーの人のほうがいい
    (笑)
まきお: おいらは普通なんてのは信じないのだが(^_^;) 結局、最初は「おお、
    原作通りだ!」というのがよかったけど、最後は「なんだ、原作通り
    か」になっちゃった、ってのが正直なところだなぁ。予想通りで期待
    以上ではなかったというか。もちろん、指輪物語を原作にして、自分
    の方にひっぱってこれる映画監督が存在しうるとは思えないから、映
    画化としてはベストだとは思うけどね。わかるとすれば、あれだね、
    監督のやったのは、プラモデル作りに近いかなぁと
かさい: そりゃ、チョット無理矢理だし、監督かわいそうだな(^^;)
まきお: あ、揶揄してるわけじゃないよ。オリジナルの彫刻を作るのではなく
    て、なんらかの現物があって、それの模型を作る楽しみ、リベットひ
    とつまで、忠実に再現したい、っていう感覚では、理解できるなと
かさい: 僕は、今回の映画が原作を超えている点って言うのがあるとすれば、
    ストーリー展開のリズムだと思うよ。トールキンは、ライターとして
    のテクニックは、正直なとこチョットお粗末だと思うんだわ。でも創
    造した世界は素晴らしい、これを自分の言葉で話してみたい、と思っ
    たんじゃないかね。その手法が映画だったわけでそ
まきお: 同じことかな。たとえばガンダムを見て、ザクのプラモを作るときに
    自分なりの解釈を盛り込む、という意味ね。別にプラモ作りが彫刻と
    比べてどっちがレベルが高いとかいうことではなくて。おれの作った
    ザクが一番かっこいいんだぜ! っていうキモチはわかる
かさい: うーん、そういうマニアックな気持ちは分かるけど、それだけで片付
    けるのはどーもなあ。確かに、監督は指輪物語のファンで、いつかこ
    の物語の映画ができたら是非見たかった。で、ダレも作らないから自
    分で作ろうと思った、とは言ってるが。あ、かなりデザイナー的な視
    点なんだな、これは。伝えることに重きを置いてると言うか、おれが
    そう思って見てるからか?
まきお: そうかもなぁ。先にゆーた、監督がなにが言いたかったのかが、わか
    らんのが不満ってのは、作家的な視点というか、作家的な作品にしか
    興味を持てないんだわ、わしー
かさい: んー、オレは元々スペクタクルとか好きって言ったでしょ。元のお話
    があるじゃない。アルゴ探検隊とか、十戒とか。同じなんだよね。元
    の情報があって、どう伝えるか、っていう。逆にさ、原作無いとか、
    あってもぜんぜん違う風にアレンジしちゃってる、だと、なんか好き
    勝手やってるみたいでルール違反みたく思っちゃう
まきお: 好き勝手の方がおもしろいけどなぁ。原作をどう解釈したか?っての
    が、デザイナーにせよ、映画監督にせよ、一番のキモだと思うんだよ
    ね。そこに含まれている情報を正確に伝えているかではなく、解釈
かさい: ダレのために解釈するか、ってのもあるでしょう。誰に伝わればいい
    か、って。
まきお: あー、ない(笑)
かさい: そこが作家的な思考とデザイナー的な思考の違いだろー
まきお: ないとはいったけど、もちろん、どういう観客を想定するかってのは
    あるよ。それは、原作をチョイスする時点で、マーケティングするわ
    けで。解釈とは関係ないと思うなぁ
かさい: あるって。観客の想定ってのは、基本的な考え方ってどういうの?
まきお: 原作をチョイスする時点で、マーケティングするってことよ。この原
    作であれば、こういう層にうけるだろう、というような。こども映画
    の企画で、原作がポルノってのはありえないでしょう(^_^;)
かさい: んー、まあそれはありえないけど(^^;、じゃあまつむらまきおだった
    ら、指輪物語を原作として、どんな層をターゲットに想定するの?
まきお: 指輪物語はぜったい、映画化しようとは思わない(^_^;)
かさい: じゃあ、今回指輪物語にハマった層の人をターゲットに、別の原作を
    選ぶのかね
まきお: そそ、オリジナルのストーリーとかね。たとえばスターウォーズやウ
    ィローや、ダーククリスタルなんてのはどれも指輪物語の影響が非常
    に大きいと思うんだけど、そういう方法の方がいい。観客としての立
    場でも、まったく違う二つの物語を楽しむことができる方がうれしい
かさい: まあ、あんまり納得できる答えじゃないんだけどね(笑)より重要と
    思ってることが違うみたいなんで、これ以上やっても平行線みたいだ
    なー
まきお: もちろん、同じ意見であるのはつまらないので、いいのだー(笑)
かさい: ま、いずれにしても一見の価値はあると思うし、僕はこの原作でこの
    映画を作って、さらにヒットさせたジャクソン監督はスゴイと思うよ

まきお: わたしは正直、このエネルギーを、別の作品でやって欲しかったです
    (^_^;)
かさい: 読者の皆さんは、オッサン二人に惑わされることなく、自分の目で見
    て判断してくださいませ(笑)
まきお: まぁ、まつむらの映画の趣味はかなりおかしい、とサブリンにも言わ
    れてますけどね(^_^;)
かさい: みんながみんな同じものを面白いと言ってるのも気持ち悪いので、変
    な趣味のやつがいてもいいよ(笑)
まきお: ううう、旦那、おいら、いいスメアゴルになるよ(/_;
かさい: じゃあ、愛しいしとに誓いなさい(笑)
まきお: 笠居トシヒロ、にくむ、にくむ、にくむぅ~~~(笑)
かさい: 指食いちぎられたら困るんで、今週はこのへんで~~~(^^;/~~
まきお: にくむぅ~(笑)

【笠居 トシヒロ/WEB&グラフィックデザイナー】
あーでも、デネソールがものを食べるときペチャペチャ音を立てるのはやめて
欲しかった(^^;)
<http://www.mad-c.com/ > <mailto:kasai@mad-c.com >

【まつむら まきお/まんが、イラスト、アニメーション作家】
コナミのエイリアンvol2、パワーローダーなどのメカ目当てで4箱買ったら4つ
とも、
エイリアン......にくむぅ~(;_;)
<http://www.makion.net/ > <mailto:makio@makion.net >

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■ライフスライス研究所
オリジナルデジカメ開発奮闘記(2004年2月25日水曜日)
第82回「生活を伝えるということ、松本坊主から学ぶ」

ユビキタスマン
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それは突然の打診だった。知り合いのキュレーターから2月29日に文化庁メデ
ィア芸術祭のイベントの一環として行われる「ARTDEMO」※というイベントに
出演しないか? という話が来た。30分の時間で「ライフスライス」をプレゼ
ンして欲しいという。

しかし、私は「ライフスライス」のプレゼン自体に飽きてきていた。2年もバ
カのひとつ覚えみたいに「いやー、このカメラはですね。体験を記録する新し
いツールでして」なんてやっていたら誰だって飽きてくるはずだ。しかし、そ
れは「ライフスライス」をツールとして紹介するという手法に飽きているだけ
で「ライフスライス」自体はまだまだはじまったばかりのもの。そこでグルッ
と電話口で考えた。

「他のアーティストのデモは自分の作品にまつわるエピソードを披露するに違
いない。ライフスライスはそれを作った人がアーティストというより、それを
使った人、つまりユーザーこそが主役になるべきだ。私が話すことなど実はな
にもないのだ。だから今回やるとすれば自分たちはファシリテーターとなり、
実際に伝えたい体験があり、そのためにライフスライスを使ってくれている、
ユーザーを紹介していく新しいタイプのデモンストレーションにしよう」と。

「いいですよ。やってみます。ただし座談会形式にさせてください」と言った。

そして私は3人のライフスライスユーザーに電話をしていった。その一人が以
前にもコラムで少し紹介した神谷町にある光明寺のお坊さんである松本さんで
ある。彼は昼はお坊さん、夜はウェブデザイナーというふたつの顔を持つ人で
友達から「坊主ってどんな毎日なの?」とよく聞かれるので「ボウズスライス」
をやりたいんだけど、と打診してきてくれた人なのである。彼と話した時にふ
とインターネットそのものの話になった。

「インターネットは東洋的ですね。中心がない。一神教の概念とは違いますね」

私はガツンと来た。言っていることはよくネット評論家やメディア評論家がし
たり顔で話している内容だ。しかしお坊さんが言うことに意味がある。そう、
インターネットとはいうまでもなく米国が核攻撃を受けた場合にネットワーク
が一カ所分断されても別の経路を使ってネットワーク全体が落ちないようにと
センターをなくしたものとして、軍事技術として開発されたアーパネットを前
身とするものだ。

と、皮肉にもその形状はサーバーというひとつの神様を崇拝する一神教の概念
ではなく八百万の神を祭るという多神教のような構造体になったわけだ。コン
テンツは曼陀羅のように重なり合いリンクしていく。そのことを松本坊主は、
さらりと指摘したのだった。

「この人、見えている」と思った。

私は、自分の体験をベースに物事を考え、その価値観を元に他のことに想像力
を働かせて的確な表現をする人が大好きである。松本坊主の言葉には、仏教と
いうベースがあり、そこにインターネットや伝達手段としてのテクノロジーが
かぶさっている。本質的には「伝えたいことがない」私のような器だけ人間に
とって、自分が考えた手法(ライフスライス)が、「伝えたいことがある人」
のお役に立つのはなによりもうれしいことなのだ。

※ボウズスライス
 http://www.higan.net
 文化庁メディア芸術祭「ARTDEMO 04」2月29日(日)11:00~13:00
 http://coolstates.com/archives/2004_02.html#000054

ライフスライスブランドカメラ発売まであと10日!(発売9日目)

ユビキタスマン(川井拓也)jp_kawai@lifeslice.net

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■展覧会案内
第6回亀倉雄策賞受賞 服部一成展
http://www.recruit.co.jp/GG/exhibition/2004/g8_0403.html
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会期:3月1日(月)~3月26日(金)11:00~19:00 土日祝休 水20:30
会場:クリエイションギャラリーG8(東京都中央区銀座8-4-17 リクルートGIN
ZA8ビル 1F TEL.03-3575-6918)

内容:受賞作品「流行通信」のクリエイションを再構成して振り返るほか、こ
の展覧会にあわせて制作される「流行通信 special issue "GRAPHIC"」を展示
・販売。また、キユーピーハーフをはじめ、これまでの仕事のなかから近年の
作品を紹介する。

・展覧会同時発売「流行通信 special issue "GRAPHIC"」
A3変形の大判サイズ、全ページ服部氏ディレクションによるファッションとグ
ラフィックの保存版ヴィジュアルブック 発行:有限会社インファス・パブリ
ケーションズ 発売:2004年3月8日(3月1日よりギャラリーにて先行発売)
定価1,000円(税込み)、A3変形(392mm×297mm)中綴じ、60頁

<第154回クリエイティブサロン>
日時:3月19日(金)19:00~20:30
会場/クリエイションギャラリーG8
入場無料 要予約(TEL.03-3575-6918)
ゲスト/服部一成 工藤青石

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■編集後記(2/25)
・昨夜は、JPCのPDF委員会特別セミナー「徹底解説!PDF/X制作マニュアル」
を聞きに行った。講師は、日本でもっとも初期からPDFをてがける井上務さん。
日本で最初のオンラインPDFマガジン「IP-NET」に参加したわたしであるが、
そのマガジンがなくなってからは、PDFがやたら難解に思えて遠ざかっていた。
とくに印刷とPDFのワークフローがよくわからなくなっていた。昨年あたりか
らPDF/Xなるフォーマットが注目されていることは知っていたが、正直あまり
関心がなかった。過日、デザイナーの向井裕一さんからの「たこやきとビール
があるよ」という誘いにつられて、最近の仕事の話を聞きに行った。そのとき、
向井さんがPDF/Xを使ってふたつの冊子をつくった話を聞いた。とても簡単な
工程で、仕上げも満足いくものだったという。どうやら、それは「新世代ワー
クフロー」と呼ばれる(誰が呼んだんだ?)ものらしい。久しぶりに面白いテ
ーマが出てきたと思った。そこで、このセミナーに向井さんと一緒に参加した
のだ。PDF/Xとは、印刷を目的としたPDFを作成するルールのことで、新たに考
えられたものではなく、いままで制作や印刷の現場であたりまえに運用されて
きたことを、約束として再定義したものである。だから、機能限定版PDFみた
いなもので、そんなに難しくないようなのだが、やはり印刷を理解した作り方
は必要だ。井上さんは、いくつかの問題点をあげて解説されたが、やはりそう
簡単なものではないようだ。後半はMS OfficeからのPDF作成の具体的な方法が
話された。わたしはよくわからなかったが、果たしてMS OfficeでPDF/Xが必要
なのか、それも「新世代ワークフロー」に含まれるのか。それはこれから、あ
ちこち聞いて回らないとわからない。久しぶりに紙の本がつくれるかも(柴田)

・ヘルシア緑茶を苦いと言って飲めない人がいるらしい。私はヘルシア緑茶よ
りも濃い熱いお茶が好きなんだが、もしかしてヘルシア緑茶を飲んでも痩せな
いんじゃ……。お茶飲んでこの体脂肪率って……。/そういやヴェレダの白樺
エリキシールも飲めない人がいるらしいんだけど、私は平気で飲んでしまうな
ぁ。/フラバン茶のモニタープレゼントに当たったので毎日1本飲んでいる。
不調はすぐわかるものの、快適好調かどうかってあまり実感できないんだよね
ぇ。このモニターって毎日同じリズムで生きている人向きで、私みたいなのに
は良くなかったかもな。期末仕事のヘビーさが上回りそう。(hammer.mule)
http://www.kao.co.jp/healthya/  体脂肪にガツン
http://www.suntory.co.jp/softdrink/flavancha/  血液さらさら
http://www.weleda.jp/products/Elixier/shirakaba.html  白樺
http://www.sangaria.co.jp/cm/cm.html  岡田監督が若い

<応募受付中のプレゼント>
デジタル人物撮影 実践の書 1465号
コマーシャル・フォト データベース年鑑2004 1465号
素材辞典イメージブック8 1465号
「Web Designing」2004年3月号 1467号
「ファイルメーカーPro超実践的ビジネス活用術」 1469-2号
「llustrator 10 自動化作戦 with JavaScript」 1469-2号
「Web制作演習 Webプログラミング演習」 1469-2号
「ウイルス対策&セキュリティの基本」 1469-2号
「LightMellow和モノ669」 1469-2号

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発行   デジタルクリエイターズ <http://www.dgcr.com/ >

編集長     柴田忠男 <mailto:shibata@dgcr.com >
デスク     濱村和恵 <mailto:zacke@days-i.com >
アソシエーツ  神田敏晶 <mailto:kanda@knn.com >
リニューアル  8月サンタ <mailto:santa8@mac.com >
アシスト    吉田ゆうみ <mailto:yoshida@days-i.com >

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