[1475] ふたつのアイ・ラブ・ユー

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1475    2004/02/27.Fri発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 19726部
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          <見えている人は動きが早い>

■映画と夜と音楽と… 203
 ふたつのアイ・ラブ・ユー
 十河 進

■金曜ノラネコ便 
 鉄萌え!
 須貝 弦

■ライフスライス研究所
 オリジナルデジカメ開発奮闘記(2004年2月27日金曜日)
 第84回「環境を伝えるということ、ガラパゴスの生活から学ぶ」
 ユビキタスマン



■映画と夜と音楽と… 203
ふたつのアイ・ラブ・ユー

十河 進
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●自分の命を賭ける

ロアルド・ダールの有名なショート・ストーリーに「南から来た男」という作
品がある。ある青年が避暑地のホテルで出会った金持ちらしい男と賭けをする。
ライターを続けて発火させ、十回続くかどうかという賭けだ。賭けは他愛のな
いものである。しかし、賭けに負ければ、指を一本切りおとして相手に渡さな
ければならない。

青年は賭けに負けた瞬間に指を切り落とされることを条件に左手を椅子の肘掛
けに縛られて、右手だけでライターを点ける。一回、二回、三回…、ライター
は発火する。四回、五回、六回、七回…、火は点く。そして、八回目にライタ
ーに点火した時、ひとりの女が現れて金持ちの男から肉切り包丁を奪い取る…
…。

この話は、最後のオチが肝になるストーリーだからこの後は書かないけれど、
江戸川乱歩が「奇妙な味の小説」と名付けたように、読後、恐怖だけではなく
いわく言い難い後味を遺す。ハヤカワ・ポケットミステリの「あなたに似た人」
の中に入っている一編だ。訳者は田村隆一である。

僕はギャンブル狂ではないから、賭け事をやる人の心理にはあまり詳しくない
かもしれないが、伊集院静や藤原伊織といったギャンブル好きの作家たちのエ
ッセイなどを読むと、賭け事が好きな人というのは勝つか負けるかという瀬戸
際の血が沸き立つような気分が堪えられないようである。

そうであるなら競馬や競輪などのように他人がやることに賭けるよりは、自分
自身で行動できることに賭けた方がより熱くなれるのではないかと僕は思う。
僕も宝くじを買うよりは、ナンバーズを買う方が面白い。ナンバーズは自分で
好きなナンバーを選ぶのだから、運だけを頼りにするのではない気がするから
である。

そんな究極の賭けはロシアン・ルーレットかもしれない。自分の運を試すのに、
こんなにギリギリの賭けはない。生きるか死ぬか、である。自分の命を賭ける
のだ。賭けが好きな人間の心境はわからないが、究極の賭けとしてロシアン・
ルーレットは存在するのかもしれない。

ロシアン・ルーレットは、回転式弾倉を持つリボルバーでなければ成立しない。
拳銃を受け取った射手は、一発だけ実弾を装填したリボルバーの弾倉を回転さ
せて止める。撃鉄を起こし銃口を自分のこめかみに当てる。引き金をひく。自
分が止めた弾倉に実弾が入っていれば、そこで終わり。ジ・エンド、である。

●命を賭けることの魅惑

ロシアン・ルーレットが重要なモチーフとして描かれ忘れられない映画は、19
78年に公開された「ディア・ハンター」だった。アメリカの小さな町に住む青
年たちの話である。彼らは製鉄工場で働くブルーカラーだ。休日には仲間たち
と山へ鹿狩りに出かける。

マイケル(ロバート・デ・ニーロ)は仲間内のリーダー格である。クリストフ
ァー・ウォーケンが演じたニックは傷つきやすく繊細な青年で、まるで鹿のよ
うに優しく悲しそうな瞳をしている。彼らは出征し、ベトナムで捕虜になる。

ベトコンたちは捕虜にしたアメリカ兵たちにロシアン・ルーレットを強制し、
それを賭けの対象にして楽しんでいる。マイケルもニックもロシアン・ルーレ
ットをやるか、そのまま殺されるかを選ばされ、気が狂う寸前に追い込まれな
がら自らのこめかみに銃口を当てて引き金を絞る。

死を懸けた極限状況は、人を変えてしまうのかもしれない。マイケルの機転で
ベトコンを殺して逃げ出し救出された後、ニックは生きるか死ぬかギリギリの
ところで賭けをするロシアン・ルーレットの魔力に魅入られ、ベトナムの闇の
社会へ迷い込む。やがて、ニックは絶対に負けないロシアン・ルーレットの射
手として精神を病みながら生きることになる。

そんなニックを探して陥落寸前のサイゴンに、除隊して故郷に帰っていたマイ
ケルが再びやってくる。マイケルはロシアン・ルーレットの賭博場でニックを
見付け、彼の正気を取り戻すために自らもロシアン・ルーレットに参加する。

こめかみに当てた銃口、絞られていく引き金、回転し始める弾倉、カチリと音
がする。ホーッと観客は止めていた息を一斉に吐く。ニックが銃を受け取り、
素早い動作でこめかみに銃口を押し当てて一気に引き金を引く。カチリ…

マイケルはニックのために命を懸けている。それほど彼を愛しているのだ。父
が子を、兄が弟を愛するように、マイケルはニックに命を懸けている。再び銃
口を押し当て引き金を引く。カチリ…。その時、ニックの瞳に正気が戻り始め
る。ニックの緑の瞳に光が戻る。

ニックの瞳がマイケルを認める。「ニック、俺だ。マイケルだ」と叫んだ瞬間、
銃声と共にニックのこめかみから血が噴き出す。その傷を押さえ、ニックを抱
きかかえながらマイケルは死にゆくニックに言う。

──アイ・ラブ・ユー・ニック

●ウォーケンのグリーンアイズ

青年は自動車事故に遭い植物人間状態になる。長い年月が経ち、ある日、彼は
目覚める。奇跡だ。しかし、奇跡はそれだけではなかった。青年は人の未来を
予知できる能力を身に付けていたのだ。青年は人に触れただけで、その人の未
来を読み取ってしまう。

そんな能力を持った人間が孤独にならないわけがない。いや、本来、人間は孤
独に耐えて生きていかなければならないのだろうが、そんな能力を持った人間
はさらに阻害され偏見に晒され、他者との関係を拒否される。誰だって自分の
過去や未来を人には知られたくない。握手をしただけで相手に読み取られるな
んてまっぴらだ。

だから、植物状態から蘇生した青年は生き返ったがゆえに、深い絶望と共に生
きてゆかなければならない。事故に遭う前に青年を愛していた恋人は、彼が寝
ている間に結婚し子供さえ生んでいる。青年は、そんな状況を受け入れるしか
ないのだ。数年間、彼は死んでいたのと同じだったのだから。

そんな深い絶望と悲しみ、孤独な影を表現できる俳優はクリストファー・ウォ
ーケンしかいなかった。緑色の瞳が悲しみにあふれて恋人を見つめる時、クリ
ストファー・ウォーケンの存在なくしてこの映画は成立しなかったと僕は確信
した。

1983年に制作された「デッド・ゾーン」という映画である。映画の日本公開に
合わせて新潮文庫から上下二巻でスティーブン・キングの原作が出た。監督は
デビッド・クローネンバーグだった。グロテスクな映画を撮るクローネンバー
グ作品が僕は苦手だったのだが、「デッド・ゾーン」だけは見に出かけた。

クリストファー・ウォーケンは、「ディア・ハンター」のロシアン・ルーレッ
トのシーンで多くのファンをつかんだ。あの時の狂気から正気に戻る表情…、
死んだような瞳が輝き始め、死にゆく瞬間にマイケルに抱かれていることの歓
びがあふれた。そんなものすべてを沈黙のうちに演じたクリストファー・ウォ
ーケンは熱狂的なファンを生み出したものだった。

●死にゆく者への言葉

「デッド・ゾーン」は、クリストファー・ウォーケンの久しぶりの主演作だっ
た。新潮文庫の原作のカバーにはコントラストを高くした主人公を演じるクリ
ストファー・ウォーケンの写真が使われていたが、その荒れた写真の瞳にさえ、
僕は主人公の孤独を見た。

主人公ジョニーが長い眠りから目覚めて、恋人と会った後にさめざめと泣くシ
ーンが忘れられない。恋人が去った後、ドアを閉めて壁にすがりつくように彼
は泣く。激情をほとばしらせるのではなく、静かに静かに彼は涙を流す。よく
見なければ彼が泣いているのだと気付かないほど、彼は秘かに泣いていた。

その悲しみにあふれたクリストファー・ウォーケンの瞳が見る者の奥深くに刻
み込まれる。彼の涙は、失ってしまったもの、もう二度と取り戻せないもの、
自分が今でも彼女を愛し続けていることのどうしようもないやるせなさ、そん
な様々なものを想って流されたのだ。

彼は孤独だが、人々に理解されず受け入れられないことでさらに深い孤独に追
いやられる。時に「悪魔」「ペテン師」と罵られる。連続殺人事件の犯人をあ
ばいたり、家庭教師として雇われた子供の事故死を予知するが、そのことで人々
は彼を怪物扱いする。

だが、彼は人の未来を予知し、その人の未来を変えられることを知る。ある日、
大統領候補の上院議員スティルソンと握手したジョニーは、大統領になったス
ティルソンが世界を破滅させる核戦争を始めることを予見する。彼は悩む。唯
ひとり信頼する医師に「若き日のヒトラーに出会ったら殺しますか?」と問い
かけ、「殺す」という医師の返答を聞いて彼は暗殺を決意する。

だが、彼は暗殺に失敗し銃弾に倒れる。その彼を抱きかかえて、かつての恋人
であるサラは死にゆくジョニーに囁くのだ。

──アイ・ラブ・ユー・ジョニー

クリストファー・ウォーケンは、二度、死を看取られながら「アイ・ラブ・ユ
ー」と言われた俳優である。このふたつのシーンを見るためだけでも「ディア・
ハンター」と「デッド・ゾーン」を見る価値はあると僕は思う。

【そごう・すすむ】sogo@mbf.nifty.com
HDD&DVDレコーダー導入の話の続き。80GBなのでファインモードで20時間しか
HDDに録画できない。とにかく録画してどんどん見て、残したいものだけDVDに
焼く。画質はきれいだし、場所もとらない。便利だなあ、と思うが、どんどん
見ている時間がない。

旧作が毎週金曜日に更新されています
http://www.118mitakai.com/2iiwa/2sam007.html

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■金曜ノラネコ便 
鉄萌え!

須貝 弦
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小さい頃は乗り物が好きだった。今でも嫌いじゃないが、かつては明らかに好
きだった。クルマもバイクも電車も自転車も、羽田沖の逆噴射事故より以前は
飛行機も嫌いじゃなかった。将来どんな仕事をしたいかと問われれば、バスの
運転手とか電車の運転手とか、そんなことばっかり言っていたように思う。

時は流れて、夜な夜な机に向かって短い文章ばかりを書き溜めたり、「8ミリ
アニメ部」という謎の部に所属してアニメーションを作っていた不幸な中学時
代、バレー部と生徒会を掛け持ちし、卒業時には文芸部員だったこれまた不幸
な高校時代を経て、バイクにハマりMacにハマり自転車にハマり、ああもう来
年は三十路ね~なんていう今日この頃だが、私はある感情を隠せずにいる。

「なんだか最近、鉄道に萌える!」

いつも小田急線に乗っている。車内の中吊りを見上げたら、小田急線の模型の
広告だった。不思議と見入ってしまった。打ち合わせに出かけるために駅で電
車を待っていたら、向かいのホームに今まで見たことのない電車が止まってい
る。思わず注意深く見守ってしまった。

JR横浜線の長津田駅で電車を待っていたら、JRの線路から向かいの東急田園都
市線へ、新車(と思われる)を引っ張り込んでいる最中だった。新車を引っ張
っているのはディーゼル機関車だった。東海道・山陽新幹線の、グレーの車体
で先頭のノーズ部分がやけに長いのは「500系のぞみ」であることを覚えた。
「いったいコレは、どういうことなんだぁ!」

どうやらキッカケは、昨年に自転車雑誌の仕事で「輪行」を取り上げたことに
あるようだ。「輪行」とは自転車を専用の袋に入れて、電車に載せて遠くまで
行き、行った先で自転車ツーリングを楽しむスタイルのことだ。で「輪行ツー
リングのプランを考えよう」と、いろいろコースを調べているうちになんだか
萌え始めたらしい。

●金曜ノラネコ便「宴会列車の旅」
http://www.melma.com/mag/50/m00014850/a00000709.html

鉄道の旅に萌え始めるだけならまだしも、どうやら車両にも萌え始めている。
もともとモノが好きな性格なので、当然といえば当然かもしれない。しかし思
い返せば高校生の頃、選択授業で美術をとっていて「デザインスケッチを描い
て見なさい」っていう課題が出たとき、ワゴン車やバス、トラック、電車など
を描いた覚えがある。そういう実用的なモノに萌えやすい性格なのだろうか。

もっとびっくりしたのは、私の周囲の何人かの女性が「電車の旅って楽しいよ
ね」と同時多発的に言い始めたことだった。いま、日本で何が起こっているの
だろうか。もしかして、雑誌「週刊鉄道の旅」のテレビCMにはサブリミナル効
果でも仕掛けられているんじゃないか?

とくに日頃から「毒吐き仲間」としてお茶を飲んだりしている女友達のK女史
(26)にいたっては、彼氏とドライブの最中に小海線のディーゼルカーを追い
かけて写真を撮るありさま。実は彼氏もそのケがあるらしく、東横線の桜木町
駅が廃止になる直前に横浜へデートに行き、桜木町駅ではしっかり鉄ちゃんに
混じってケータイのデジカメで写真を撮ったというのだ。

このカップルは結婚した。

【すがい・げん】http://www.macforest.com/
本文中にURLを書いたバックナンバーの原稿を読むと、数年前に京都旅行で梅
小路蒸気機関車館に寄ったとか書いてある。全然印象に残ってないんだけど、
確かに寄った。そのときの京都旅行は、四条大宮から嵐山まで路面電車に乗っ
たのも思い出す。もともとそのケがあるらしい。

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■ライフスライス研究所
オリジナルデジカメ開発奮闘記(2004年2月27日金曜日)
第84回「環境を伝えるということ、ガラパゴスの生活から学ぶ」
ユビキタスマン
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それは友人の紹介だった。「ある飲み会でいろんな環境活動をしている人に出
会ったよ。ライフスライスの話も興味持っていたよ」早速お会いした西原さん
はソフトな語り口で自分の体験をスマートに語る人だった。自身の会社である
サステイナブル・デザイン研究所でさまざまな活動をしており、立教大学観光
学部※の環境社会学の講師でもある。さらに環境NGOであるアジア環境連帯※
の常任理事もやっており、世界中でさまざまな活動をしている「体験」の固ま
りのような人である。食事をしながら10分くらい話すと、西原氏はすぐにこう
話してくれた。

「そのカメラ使えそうだ。買いますよ。今度、ガラパゴスの調査に行くのでそ
の時にテストで使ってみます。ガラパゴスというのはご存じのようにダーウィ
ンの進化論で有名な島でして、貴重な生態系が残らされているんです。外から
見ればそういう島なわけですけど、そこに住んでいる人は生まれた時からその
島が自分の日常なわけで、普通なわけです。それで意外にも住んでいる人の意
識が環境に対して敏感でなかったりすることもあり、そのあたりのギャップを
埋めていくのにこのカメラが使えそうだと感じるんです」

こうしてガラパゴスに飛び立った西原氏は戻ってくると株式会社ヒマナイヌが
出展していたベンチャーフェアに京都嵯峨芸術大学の観光デザイン学科の教授
を連れてきてくれた。次の週にはこの教授にも一台カメラを納品。さらにうれ
しいことに西原氏は自分が担当する子供の教育プロジェクトの助成金申請の中
に「ライフスライス」の機材とサーバーフィーを入れ込んでくれていた。

「こんな申請で出してみたいんですけど、いいですかね?」と書類を差し出し
てくれてびっくり。こうして、いろんな人と「ビジネス」だけではない動きを
していると感じることがある。

「見えている人は動きが早い」

ということ。多くのものを見たり多くの人と話したり、たくさんの「体験」を
積んでいった人にしか「見えてこないモノ」があると思う。それは、多くのジ
ャンルで「体験」しないといけないということではない。重要なのは自分の日
常の「体験」からどれくらのものを「吸収」できるかだと思う。

29日の「体験伝達セッション」にお呼びする三人の方の話には、きっとそんな
ヒントが隠されていると思う。29日は11時からのトップバッターになる予定。
多くの人に来ていただきたいと思う。そこで読者プレゼント!(?)
29日の「ARTDEMO」に参加され、公演終了後に「デジクリ読者です」と声をか
けていただいた方には「ライフスライス研究所特製レインボー鉛筆」をプレゼ
ント。

※立教大学観光学部
 http://www.rikkyo.ne.jp/~koho/univinfo/gakubu/index_kanko.html
 アジア環境連帯
 http://www.ngo-ace.org
 文化庁メディア芸術祭「ARTDEMO 04」2月29日(日)11:00-13:00 入場無料
 http://coolstates.com/archives/2004_02.html#000054

ライフスライスブランドカメラ発売まであと8日!(発売13日目)

ユビキタスマン(川井拓也)jp_kawai@lifeslice.net

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■編集後記(2/27)
・文化庁メディア芸術祭の内覧会に行った。ここ数年、右肩上がりに人が集ま
るイベントになったそうだが、たしかにおいしそうなメニューで入場無料とい
うんだから、恵比寿に行ってもいいよねってかんじである。でも、わたし正直
言って、メディアアートってよくわかりません。展示された入賞作品の数々は、
説明を聞けばあっそうなのと納得するが、ただ置いてあるだけでは全然意味が
わからないのだ。一般公開の時は説明はあるのだろうか。シルビア・リゴン作
「ビーナス・ビロッサ」という作品はわかりやすい方だ。大きな画面には裸の
女性の腰の部分が回転している映像、手前のテーブルにはやわらかい合成樹脂
製の乳房のような物体が18個、じつはこの物体がインターフェイスで、手で揉
んだりすると、画面では猛獣のような効果音が流れて女性の体に獣のような体
毛が生じる。贈賞理由として、これを「原始性とセクシュアリティの根本的な
関係性を考えたジェンダー色の強いインスタレーションである」と説明してい
るのだが、わたしにはその解釈の意味がよくわからない。人工生命を扱った動
画や、超広角の写真画像を球体に貼り付けた不思議な世界、大賞を受賞したゲ
ームとおもちゃなど興味深い作品もあった。CG静止画は非常によかった。見応
えのある作品が並ぶ。知り合いでは、木村智博、村上佳明、中井勝郎の各氏。
大場康雄さんの立体視用メガネを必要としない3D動画もすごかった。「学生CG
コンテスト」入賞の静止画も動画もなかなかレベルが高い。小学校6年生の須
藤健斗くんの静止画「ZUNNIRA WORLD」が特別賞のU-18賞を受賞していたが、
早くも独特の世界観が確立しているのには驚き。でもこれからどう発展させる
んだろう。大量のアニメの上映、WEBやゲームなどはもうしわけないけどのん
きに見ているひまはなかった。できれば、あらためて見に来たい。会期は今日
から3月7日まで。多彩なイベントもあるのでサイトをチェックして出かけると
いい。長編アニメーションも無料で見られる。         (柴田)
http://plaza.bunka.go.jp/festival/
http://plaza.bunka.go.jp/festival/exhibit/schedule.html
問い合わせ先:CG-ARTS協会内 文化庁メディア芸術祭事務局 TEL.0120-454536
(会期中のみ)

・これからの時代は体力よ、と言われた。「癒し」でも「スローライフ」でも
なくて、「体力」だと。何かトラブルがあった時、走って逃げられるだけの体
力はつけてね、と。今まで運動をしたことなかった人だが、今年のホノルルマ
ラソンに出てみるそうだ。ホノルルマラソンは心臓病の人のために生まれたも
ので、時間制限がなく、自分のペースで完走目標に走りましょうというものら
しい。まずは徒歩10kmコースに挑戦してみるんだって。   (hammer.mule)
http://www.honolulumarathon.jp/runners_square/faq/history.html
↑ホノルルマラソンの歴史

<応募受付中のプレゼント>
デジタル人物撮影 実践の書 1465号
コマーシャル・フォト データベース年鑑2004 1465号
素材辞典イメージブック8 1465号
「Web Designing」2004年3月号 1467号
「ファイルメーカーPro超実践的ビジネス活用術」 1469-2号
「llustrator 10 自動化作戦 with JavaScript」 1469-2号
「Web制作演習 Webプログラミング演習」 1469-2号
「ウイルス対策&セキュリティの基本」 1469-2号
「LightMellow和モノ669」 1469-2号
冬のポストカード 1474号

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