[1508] 親の責任

投稿:  著者:


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1508    2004/04/14.Wed発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 18950部
情報提供・投稿・広告の御相談はこちらまで mailto:info@dgcr.com
登録・解除・変更・FAQはこちら http://www.dgcr.com/regist/index.html
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

         <親父は嫌われ、恐れられてナンボ>

■MKチャット対談 
 親の責任
 笠居トシヒロ

■展覧会案内
 写真新世紀 大阪展2004
 
■セミナー・イベント案内
 「大阪府デザイン・オープン・カレッジ(全11コース)」
 「BB Movie Award 2004~spring」



■MKチャット対談 
親の責任

笠居トシヒロ
───────────────────────────────────
今回は、まつむらさんが「おしえて!! FLASH MX2004」の最後の追い込みに入
っているため、チャットをしてるひまもないらしい(笑)というわけで、笠居
がピンでお届けします。

4月1日発行のデジクリに掲載された、茂田カツノリさんの「子育てSOHOオヤジ
量産プロジェクト 17(子供の安全)」を読ませていただいた。

六本木ヒルズの回転ドアで起こった悲劇に関しては、僕も子供を持つ身として
心を痛めている。しかし、茂田さんの今回の原稿の主旨には、同意しかねる部
分が少々あり、筆を取らせてもらうことにした。

この件に関して、茂田さんと同様の感情を持っておられる方は多くいらっしゃ
るであろう。この文章は、それら全ての方に向けてのメッセージであることを
最初にお断りしておく。

要するに、茂田さん個人に対する反論が主な意図ではないのだが、氏の文章に
リプライする形がわかりやすいということで、これを利用させてもらうことに
したわけだ。茂田さんには申し訳ないが、どうかご了承いただきたい。

さて、まず親の責任について語らねばならないだろう。

> 報道によると、お母さんは直前まで手をつないでいたとのことだ。「あのと
> き手を離さなければ」と考え自分を責めてしまうだろうが、でも、これはお
> 母さんには責任はない。

事件の当事者の方がどのように思っておられるか、僕には知りようもないので
これは一般論である。というか「自分だったら」という括りでお話しするが、
僕なら「手を離したあとの子供の行動を予測できなかった」ことに関して責任
を感じると思う。

「あの時、僕が手を離しさえしなければ」ではなく、「手を離しても、ちゃん
と親のあとをついてくる子供に育てていれば」と悔やむだろう。

いうまでもなく、親には子供の命を守る責任がある。これは他のどんな責任よ
りも重い。子供の命を守ること、即ち「自分の命を守れる人間に育てること」
だと僕は思っている。

> 男の子というのは、想像以上に活発なものだ。まだ 2歳のうちの男の子です
> ら、ダダをこね始めるとほぼ制御不能だ。 6歳の子ともなれば、近所の公園
> とかに一人で行っても不思議ではないくらいだから、いつも手をつないで歩
> くわけにはいかない。

これは、僕の持論であり、全ての方に強制するつもりはない。が、「親父は嫌
われ、恐れられてナンボ」と思っているので、子ども自身(やその友達)に危
険(命の危険を含め)があることに関しては、殴ってでも言う事をきかせるこ
とにしている。危ないことを「危ない」としっかり教えるのは親の務めだと思
うからだ。

それによって子供から「お父さんなんか嫌い」と言われるかもしれないし、も
う少し子供が大きくなったら、反撃されてこっちがボコボコにされるかもしれ
ないが、それもまあしゃーないな、と思う。

> 安全にと心がける余りに行動を制御しすぎると、子供の自立を阻害してしま
> う。この点は子育てしていて常に迷うことだが、「危ないから」とばかりは
> 言ってられないのだ。

子供の自立を阻害するのは、親の傲慢とも思える押さえ付けではなく、ある種
物分りの良さそうな笑顔ではなかろうか? 溺れる危険があるからとプール遊
びを禁ずるのは愚の骨頂だが、水の危険を教えないまま海水浴に送り出すのは、
もっと愚かである。

子供を力ずくで制御できるうちは、親の思うように制御するがいい。親は、そ
れができなくなったとき後悔せずにすむし、子供は「親の目を盗む」ことを覚
えて自立していくのだと思う。

もうひとつ忘れてはならないのが「他人に迷惑をかけるな」という躾だろう。
思いやる心は、迷惑という範疇だけでなく「命を守る」という今回の主題にと
ってもなくてはならないものだからだ。

> 外に出れば、どこでもクルマの危険に気を遣うのだから、せめてショッピン
> グモールの中くらい、束縛されず好きに走り回ってほしいと思う。だからこ
> そ、このような事故が起こらないようなつくりを、絶対に心がけてもらいた
> かった。

うちの子供がショッピングモールの中で好き勝手に走り回ったとしたら、彼ら
は次の日学校に行けないくらい尻が腫れあがることになるだろう。実際、以前
にはそのくらい厳しい罰を与えたこともある。厳しすぎる、虐待寸前だと批難
する向きもあるだろうが、それでも結構。人様に迷惑をかけたり、子ども自身
が命を失う結果になるよりよっぽどましだ。

幸い、物心付く頃から「他の人に迷惑をかけてはイカン」と、耳にタコができ
るくらいしつこく言い聞かせている甲斐もあってか、今では子供の尻も、僕の
手のひらも腫れあがらずにすむようになった。

そもそもショッピングモールに限らず、公共スペースというのは子供を遊ばせ
る場所ではない。ウチのすぐ近所にも大型ショッピングセンターがあるので、
よく買い物その他の用事で出かけるが、公の場所で好きに勝手に走り回る自分
の子供を目の前にして、平気な顔をしている親の気持ちは、僕ら夫婦には理解
できない。

たしかに我々が子供だった頃に比べると、子供の遊び場所は格段に少なくなっ
ている。自宅マンションの敷地内ですら、ボール遊びや自転車を禁じられた子
供たちをみると不憫で仕方がない。しかし、だからといって公共スペースで他
人の迷惑も顧みず走り回らせることや、それを前提とした安全基準を声高に叫
ぶことが正義だとは僕には思えない。

今回の事件に関して、とかく管理側、施工業者側の不備・怠慢などがクローズ
アップされている。もちろん僕もこれらの不備を是とするわけではない。子供
が、という視点を離れても、管理・施工・設計において問題があったのは明ら
かであるし、ビル側やメーカー側を擁護する気持ちはさらさらない。むしろ、
ものづくりを生業とするプロの立場から言えば、躾の行き届いていない子供の
行動まで視野に入れた安全基準を考えることは当然であるとも思う。

これに関しては、後日のMKチャットで、設計に携わったクリエイター(建築家・
環境デザイナーなど)の視点から、あらためて問題の本質を考えてみたい。

が、それとは別に、もしあなたが子供の親ならば、わが子を守るということが
どういうことなのか、もう一度考えてみて欲しいと思うのである。

子供に自分の身を守ることや、それを踏まえた社会の中でのルールを教えるの
は、他でもない親自身の役割なのだ。

【笠居 トシヒロ/WEB&グラフィックデザイナー】
ううー、決算終わりー、赤字だー、くくく、し、仕事をくれぃ~~(;o;)/
<http://www.mad-c.com/>

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■展覧会案内
写真新世紀 大阪展2004
<http://web.canon.jp/pressrelease/2004/shasin03.html>
───────────────────────────────────
会期:4月14日(水)~5月9日(日)11:00~19:00 4/19、26休
会場:大阪 海岸通ギャラリー・CASO(Contemporary Art Space Osaka)
(大阪市港区海岸通2-7-23 TEL.06-6576-3633)入場無料
主催:キヤノン株式会社
・アーティスト・トーク 4月24日(土)14:30~16:30
内原恭彦、加藤純平、法福兵吾、ヤマダシュウヘイ
・アーティスト・トーク 5月9日(日)14:30~16:00
吉岡佐和子、佐伯慎亮(第23回公募優秀賞)、たけむら千夏(第24回公募優秀
賞)
要電話予約 TEL.03-5482-3904(キヤノン 文化支援推進課)
出展写真家:内原恭彦(2003年度グランプリ受賞者)植本一子、加藤純平、
藤田裕美子、法福兵吾、ヤマダシュウヘイ(第26回公募優秀賞)
/吉岡佐和子(2002年度グランプリ受賞者)【個展】

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■セミナー案内
「大阪府デザイン・オープン・カレッジ(全11コース)」
<http://www.pref.osaka.jp/oidc/college/college_frame.html>
───────────────────────────────────
大阪府産業デザインセンター(OIDC)が主催する「大阪府デザイン・オープン
カレッジ(全11コース)」では、デザインに関わる知識や技術を学べる様々な
コースが用意されている。特徴は、今後の企業成長において、とりわけ重要な
テーマとなる、「ブランド管理」や「デサイン発想法」、積極的な取り組みが
企業価値を高める「エコデザイン」、「ユニバーサルデザイン」等について、
具体的な知識や手法を習得できる実践的ワークショップが充実していることで
ある。

(1)「Webコンテンツ制作から管理・運用までのスキルを探る」(4日間)
(2)「ファッション動向」(6日間)
(3)「ヒット商品開発プロジェクト」(4日間)
(4)「売れる商品開発のためのデザイン発想法?」(2日間)
(5)「売れる商品開発のためのデザイン発想法?」(1日間)
(6)「次世代ブランド管理法」(2日間)
(7)「ブランド開発のためのデザイン活用法と商標権」(2日間)
(8)「エコデザイン・ワークショップ」(3日間)
(9)「ユニバーサルデザイン・ワークショップ」(2日間)
(10)「現代に生きる匠の技」(6日間)
(11)「デジタルデザイン・クリニック」(随時)

先着順に受付け、定員に達し次第、締切り。サイトから申し込み。受講料は、
各コースの初日に、会場受付で現金にて支払い。
申込み・問合せ先:大阪府産業デザインセンター オープンカレッジ係(大阪
市中央区本町橋2-5 マイドームおおさか4階 TEL.06-6949-4791 FAX.06-6949-
4792)oidc@mic.e-osaka.ne.jp

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■イベント案内
「BB Movie Award 2004~spring」作品募集中 締切は22日(木)12時
<http://www.loftwork.com/EVENT/>
───────────────────────────────────
<主催者情報>

●ロフトワーク主催「BB Movie Award 2004~spring」とは?
第三世代携帯、ブロードバンドなど通信環境の進化により、私たちを取り巻く
情報コミュニケーションにおいてリッチコンテンツ化が急速に進行しています。
これからますます需要が増えるであろう「ブロードバンドコンテンツ」、まだ
まだ隠れた表現方法があるはずです。次世代のコンテンツを担うクリエイター
とともに、その可能性を体感できる場を提供し、新たな表現領域を開拓するこ
とが当イベントの目的です。今回はプレイベントとして実施し、年末(12月予
定)に改めてAwardを実施し、定例化する予定です。

●募集作品
ブロードバンドを感じさせるオリジナル・コンテンツ。
使用するソフトは問いません(Flash、GIFアニメ、Final Cut等)。
下記の4部門で作品を公募します。

・Flashコンテンツ部門
・キャラクタームービー部門
・ショートムービー部門
・ケータイコンテンツ部門

優秀作品はすべて、5月中旬から日本最大級のブロバンポータル「Yahoo! BBブ
ロ番ガイド」、及び「ヤフーBBマガジン6月号」(5/18発売)誌面で紹介いた
します。また、協賛企業からの素敵なプレゼントも用意されています。

●応募方法
http://www.loftwork.com/EVENT/
※登録クリエイターの方は「オーダ」サービスから。登録クリエイター以外の
方は「応募フォーム」から作品をアップロードしてください。応募点数は何点
でも構いません。

●締め切り
2004年4月22日(木)12:00までにアップロードされたもの

●審査方針
デザインの常識を打ち破り新しい表現を感じさせる作品や、メッセージ性を高
い作品を評価します。審査のポイントについては、オリジナリティ(ストーリ
ー性含む)、デザイン性、技術を中心に、各部門に応じて判断いたします。

●イベント「BB Movie Award 2004~spring」
日時:4月24日(土)17:00 OPEN 17:30 START 20:00 CLOSE
場所:渋谷SIMOON(JR渋谷駅『東口』徒歩7分)
http://www.simoon.net/
入場料:1000円 Free drink
※ロフトワーク登録クリエイターは無料

主催:ロフトワーク
協賛:ソフトバンク パブリッシング、マクロメディア、Jストリーム ほか


<応募受付中のプレゼント>
『新宿御苑 撮影ガイド 花と風景の12ヵ月』 「写真を楽しむ生活」364号
(4/26締切)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■編集後記(4/14)
・「ブロードバンド時代の新DTPワークフローセミナー」というとっても魅力
的なタイトルのセミナーに参加した。主題は「WebDAV manager」という「http
によるファイル共有とSQLデータベースを統合したインターネットオーサリン
グシステム」の紹介である。そういってもよく分らないが、「iDisk」や「Web
フォルダ」の超強力なものみたいの、といっていいのだろうか? 会場と、ヒ
ューリンクス社と「DTP world」編集部とをオンラインで結び、このシステム
を活用した一連の作業の内容を、ライブカメラによって会場と編集部を双方向
に写しだすライブデモを行った。確かに便利で確実で能率がいいかもしれない
が、リアルタイムのやりとりの場合はしんどそう。だって、こうして下さいね、
じゃいまからやります、はいできました、おくりますね、今見ています、よく
できました、なんてのイヤだね、わたしは。これで24時間いつでもネットでデ
ータをやりとりできることになったが、それじゃますます家に帰れなくなる制
作者も出るかも。制作者にやさしいDTPワークフローであってほしい。(柴田)

・イラク日本人人質事件。いま読売新聞と朝日新聞をとっているんだけど、初
日の両紙の反応が違っていて驚いた。一紙を長く読み続けるのは避けたほうが
いいなぁ。同じニュースでもいくつかのソースを見る癖はつけたほうがいいよ
ね。/弊誌ではコラムとコラム、コラムと後記、後記二つでさえも違う意見を
書いているし、そのまま発表している。「社説」はない。統一した意見を出す
より、いろんな意見を出して読者に選択してもらうのがネットらしいんじゃな
いかなと。                       (hammer.mule)

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
発行   デジタルクリエイターズ <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
リニューアル  8月サンタ
アシスト    鴨田麻衣子

情報提供・投稿・プレスリリース・記事・コラムはこちらまで
                        
登録・解除・変更・FAQはこちら <http://www.dgcr.com/regist/index.html>
広告の御相談はこちらまで  

★等幅フォントでご覧ください。
★【日刊デジタルクリエイターズ】は無料です。
お友達にも是非お奨め下さい (^_^)/
★日刊デジクリは、まぐまぐ<http://mag2.com/>、
E-Magazine<http://emaga.com/>、カプライト<http://kapu.biglobe.ne.jp/>、
Macky!<http://macky.nifty.com/>、melma!<http://www.melma.com/>、
めろんぱん<http://www.melonpan.net/>、
MAGBee<http://magbee.ad-j.com/>、posbee<http://www.posbee.com/>、の
システムを利用して配信しています。

★姉妹誌「写真を楽しむ生活」もよろしく! <http://dgcr.com/photo/>

Copyright(C), 1998-2004 デジタルクリエイターズ
許可なく転載することを禁じます。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■