[1650] 鷲掴みにする

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1650    2004/12/02.Thu.14:00発行
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           <男の意識改革が必要だ>

■笑わない魚(136)
 鷲掴みにする
 永吉克之

■子育てSOHOオヤジ量産プロジェクト(47)
 女性の仕事について
 茂田カツノリ

■デジクリトーク
 所幸則インタビュー(7)
 羽をもった天使や妖精は僕の憧れの象徴



■笑わない魚(136)
鷲掴みにする

永吉克之
───────────────────────────────────
もう五年以上交際している女性と、やっと結婚することになった。48歳にして
初婚。なぜ五年間結婚に踏み切れなかったかというと、彼女が千葉で私が大阪、
つまり遠距離恋愛で、しかも互いに地元で仕事をもっていたからだ。

しかしそれでは、いつまでたっても埒が明かないので、それは結婚してから考
えればいい、今は一緒に住めなくったっていいじゃないか、そのうちなんとか
なるさ、むしろ離れているからこそ月に一度の逢瀬が楽しみになる、家庭内別
居している夫婦よりは遥かにましだ、ということで合意して、先週入籍した。

などと、もっともらしいことを書いたが、これは作り話である。私が結婚する
なんて、そんな自然の摂理に反するようなことはありえない。

これは読者の関心を引くための「つかみ」を意識して書いたものである。永吉
が結婚をする? あの不細工な貧乏中年男と結婚する女がいるなんて、一体世
の中どうなってるんだ、蓼喰う虫も好き好きというが、これではあんまりだ、
相手の女には何か魂胆があるに違いない、と好奇心にかられて、先を読もうと
いう気になるだろう。

●一行目で掴む

読者からすれば、たまたま目にしただけの、どこのウマの骨が書いたとも知れ
ない記事やコラムを読む気にさせようとするなら、読者が驚いたり憤慨したり
欲情したり混乱したりするような文言を一行目で炸裂させなければならない。

「殺ってしまった…今朝。これを書き終えたら自首するつもりである」
「ヒマだから書いてやるか。つってもアンタらにゃ理解できないだろうけどね」
「昨日、図書館の机で調べものをしていたら、隣で本を読んでいた女子大生に
いきなり海綿体を握られた」
「丘を越えて、自民党に依頼されないところを見ていないので膨張した」

といったあたりだが、一行目で読者に関心を持たせる手法は、他にもいくつか
バリエーションが考えられる。

1)格言や諺を使う

「笑いとは地球上で一番苦しんでいる動物が発明したものである(ニーチェ)」
なーんて冒頭に書いてあると、おお、なんだかよくわからないけどディープだ、
と思った勢いで、くだらない文章でも10行くらいは読んでもらえるだろう。

この場合の格言は、仰々しい響きをもったもので、なおかつ文学好きの人以外
にはあまり知られていないものにしなければならない。「少年よ大志を抱け」
など、いちじるしく鮮度の落ちた格言は使わないことだ。

ましていわんや「猿も木から落ちる(日本の諺)」などど、赤ん坊でも知って
いそうな諺を、わざわざ括弧つきで冒頭に掲げるのは、筆者の浅慮を暴露する
のも同然である。

2)音楽を使う

「ダダダダーン」と書けば誰でもベートーベンの『交響曲第五番・運命』だと
判るだろう。したがってこれを冒頭に入れると、非常にインパクトが強くなる。
セメントのように味気ない文章でもイキイキとしてくる。

「ダダダダーン! 今日は一日中、寝巻のまま何もしないでゴロゴロしていた」

ただ問題は、選択の幅が非常に狭いということである。「チャラララララ~」
と書いて、すぐ『オリーブの首飾り』と判る人は結構いるような気がするが、
「ジャーンジャジャージャジャジャ、ジャーンジャジャージャジャジャ、ジャ
ーンジャーンジャーンジャジャジャジャーン」が『蒲田行進曲』と判るまでに
はかなりの時間を要すると思われるので、この曲は使わない方が無難である。

3)視覚的要素を使う

(●)
( )
オイ、鬼太郎!
〈〉

●文体で掴む

雑誌や新聞の記事なら、書出しが興味を引かなくても、惰性でダラダラと読み
続けることもできる。またハードカバーの高額な本だったりしたら、ぜんぜん
面白くなくても、元を取らなければというモーティベーションがあるから、本
を八つ裂きにしたいほどの苛立ちを抑えながらも最後まで読むことができる。

しかし、よく言われることだが、ディスプレイで長時間テキストを読み続ける
のは本を読むよりも根気が要る。だから書出しが

「今日、会社の同僚の谷口君と、いつもの中華料理屋に昼食を食べに入ったら、
ちょうど大学の先輩がいた。学部は違うのだけどテニス部で一緒だったのだ。
先輩は学生時代から気前がよく、今日もチャーハンと味噌ラーメンを谷口君の
分までおごってくれて嬉しかった。僕は彼と顔を見合わせて“ラッキー”と言
って笑った。君の先輩とてもいい人だねと谷口君がぼくの耳もとで言った」
といったような文だと、私なら三行読むのが忍耐の限界である。

ひょっとしたら、この先輩の登場は伏線で、後に中国のスパイだということが
発覚し、筆者はスパイ協力のカドで国家反逆罪を適用され、田地田畑家屋敷か
ら郵便貯金まで没収されて、生きるために親子で木枯らし吹く街頭に立ち、息
子には角兵衛獅子を、妻には女浄瑠璃をさせて、投げ銭でその日暮らしをする
という結末があるのかもしれないが、退屈な書き出しのおかげで、読者はそこ
に到達する前に読むのを放棄してしまうのである。

内容はありきたりでも、文体で「つかみ」を実現することができる。上に例と
して挙げた退屈きわまりない文でも、

「そう、それは昨日でも一昨日でもない、まさに今日のことだった。会社の同
僚の谷口と、いつもの中華料理屋に昼食を食べに入ると、運命のいたずらか、
大学の先輩が店内に存在していたのだ! 学部は違うものの、同じテニス部だ
った先輩は学生時代から金遣いが荒く、今日もフカヒレスープと北京ダックと
ツバメの巣を谷口の分までおごってくれた。俺たちは顔を見合わせて「こいつ
はまた、どういう風の吹き回しだい」と言って笑った。谷口が、お前の先輩、
えらく羽振りがいいが、カタギじゃねえな、と耳もとでささやいた」

と書き直すと、以降の展開に読者の関心を向けることができるのだ。

【ながよしかつゆき/アーティスト】katz@mvc.biglobe.ne.jp
私の知り合いにはデザイナーやイラストレイターが多く、彼らと話していると、
クライアントを呪う言葉をよく口にするのだが、それがまた羨ましいのである。
私のような、クライアントなどという代物に縁のない、河原の石ころのような
芸術家にとっては夢のような言葉だ。私も一度でいいから「もうあのクライア
ントから仕事はもらわない」とか「振り込みを確認したら、あのクライアント
をぶん殴る」とか言ってみたいものだ。

《個展『放蕩息子の乾燥』大阪展のご案内》
会期:12月7日(火)~12月21日(火)
会場:Asian Cafe 伽奈泥庵(大阪市中央区)
時間:11:00~23:00(木曜のみ~19:00)
※12/11(土)の18時以降は有料ライブがあるのでチャージが必要になります。
※作者が会場にいる日時は我がサイトにて告知しています。
★初日は19時よりオープニングライブ。といっても私はギターを30~40分程、
細々と弾くだけで、メインは伽奈泥庵のレギュラーミュージシャンですっ!
チャージなし。

・伽奈泥庵  http://www.kanadian.org/
・我がサイト http://www2u.biglobe.ne.jp/%7Ework

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■子育てSOHOオヤジ量産プロジェクト(47) 
女性の仕事について

茂田カツノリ
───────────────────────────────────
先日友達から聞いた話なのだが、結婚した友達が「ダンナが家に居てくれと言
うから仕事をやめた」のだそうだ。この話をきっかけにいろいろ考えたので、
その話をまとめてみた。僕の頭の中をうごめいた考えを表現しただけなので、
ほぼ観念論になってるのだが、今回はお許し願いたい。僕は男だから、男の立
場としてどう考えるべきかという視点が中心になる。

●子育てに縛り付けるのはよくないと思った

僕は別にフェミニズムがどうのということはあんまり考えてなくて、ごく単純
に、カミさん希望を聞いてそれをなるべくかなえたいと思っているだけだ。カ
ミさんの希望は青山の住宅街に広い庭付きの家を買ってくれということなので、
一応それに向けて前進しているつもりだが、最近は後退しているような気もす
る。家は3億円くらいだから、あと2億9999万円で目標が達成できそうだ。

ウチの場合、カミさんはWebやイラストの仕事をずっとやっていたが、一人目
の子供を妊娠中のとき、流産の危険とか入院とかいろいろあったので、数年は
仕事しないで主婦業に専念してもらえばいいと思っていた。

僕もそのときはあるプロジェクトの関係でSOHOではなかったので、ごく普通の
勤め人のように通勤し、帰宅してから子供をかわいがって、という感じだった。
子育てに集中するカミさんの姿は実に美しいと思ったのだけれど、そのとき、
ある考えが浮かんできた。

このままでは社会におけるカミさんの役割は『子育て』だけになってしまう気
がしたのだ。それはそれで、もちろん素晴らしいことだ。しかし子供がどんど
ん大きくなり、中学・高校・大学と成長し、やがて独立した後のことを想像し
てみた。そのとき、カミさんは20年以上社会における生産の現場から離れてい
ることになる。それは果たして良いのだろうかということを考えたのだ。

カミさんは仕事にかなりのプライドを持って取り組んでおり、お客さんとのつ
ながりも大事。と、いろいろ考えてるうちにカミさんの仕事が増えてきて、僕
も週に何回かは家で仕事するようになった。

僕自身も執筆とかの仕事をしながら、赤ん坊の世話をする生活というのがかな
り楽しくなり、その結果として某プロジェクトに顔を出すのが最小限になって
しまって、そっちは若干うまくいかなくなってしまったのだが、そのぶん子育
てができたので正しい選択であったと思っている。

そうこうしてるうちに第2子ができ、僕らも夫婦での仕事をちゃんと進めよう
と会社を作って、カミさんに社長になってもらったという流れだ。

子供を2人育てながら夫婦とも仕事をするというのは、人からは「大変でしょ」
と言われる。まあ楽ではなかったし時間を自分の好きに使えないという点はあ
るけれど、別にわざわざひとに「もう大変で大変で」と言うほどではなかった
(とカミさんも思ってるとおもう)。

それよか子供を持って楽しかったという面のほうがず~っと大きい。

●子供が小さいうちだってやりようはあるが

子育てをしながら夫婦とも仕事をするというのは、SOHO自営業ならぜんぜん可
能。しかし会社勤め、それもサービス残業たっぷりという日本の平均的会社に
勤めてると、かなり難しいかもしれない。

平均的な家庭では、妻は子育てに没頭し、夫は仕事に没頭という形になるのだ
ろうけれど、それはよくないと思う。その理由は、男の立場からすると、せっ
かく子育てという貴重な体験ができるチャンスを逃してしまうからだ。特に生
まれてから10カ月位までの間は、これ逃すと人生の歯車が狂ってしまうかもと
思えるほど、大事な経験だと僕は思っている。

女性の立場からすると、子育てはある意味単調な繰り返しだし、気を抜けるこ
とが少ないという点ではストレスがある。余裕を持って子供に接するためにも、
責任の半分は男性に負わせてしまおう。

デンマークなどの子育て支援先進国の話を聞くと、子供が産まれてから約1年
は、しっかり休める仕組みができているようだ。これは子供の実体をちゃんと
わかった人がルール作ってるんだなあと感じる。

だから労働時間が長い人も、子供が生まれてから10カ月ぐらいの間は、さっさ
と7時くらいに帰るようにしよう。

子供も1歳くらいになると保育園に預けて、同年代の子の中で荒波に揉まれる
のもよいと思う。赤ん坊期間だけは、親子べったりになりたいし、その期間こ
そ父親が活躍すべきだ。

僕が繰り返し言ってることだが「子育てに男性も協力を」という意識はとても
おかしい。“協力”なんて意識は女性に責任を押しつけていることのあらわれ
だ。だって自分の子なんだから、育てるのはあたりまえでしょ。

●男の意識改革が必要だ

冒頭の「ダンナが家にいてくれというから仕事をやめた」という話は、子供が
いない家庭なのだ。細かい状況は知らない上で勝手な言い方をさせてもらうと、
これは男のほうが甘えすぎなんじゃと思うのだが。

自分の母親が専業主婦でいろいろやってくれちゃうと、自分の妻にもそうした
ことを求めてしまうのかもしれない。でもねえ、日本社会はそうやって女性を
生産の現場から引き離してきてしまったことを、よく考えなければ。

もちろんその上で、男の子なんだからガツンと稼いで、カミさんや子供にいい
ところを見せましょう。

【しげた・かつのり】shigeta@amonita.com
Webプロデューサー/テクニカルライター、あるいはFileMaker 7の執筆が一段
落して、新たな展開をどうもってゆくか悩むただの凡人。
年末に向かっていろいろ楽しい動きもあるのだが、どうも精神的パワーが追い
つかなくて困っている。禅寺に籠もって根性をたたき直してきたほうが、いい
だろうかと思ってるが、たぶん根性なしなので実行はしないだろう。

[有限会社アモニータ]
http://www.amonita.com/

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■デジクリトーク
所幸則インタビュー(7)
羽をもった天使や妖精は僕の憧れの象徴

───────────────────────────────────
──かねてから憧れていたファンタジーの世界を、自ら表現することに目覚め
た所さん、というところですが、羽をもった天使や妖精の登場は、所さんの初
ヌード作品と関係があるそうですね。

●実はヌードを撮りはじめたのは、ファンタジーに目覚めてからなんです。

──意外ですね。確かに初期の作品は奇抜なファッションはあるけれど、比較
的肌の露出は少ない。

●そうですね、それまで僕はヌードに興味がなかったんです。当時、日本では
カメラマンが純粋に美しいと思ったようにヌードをとれない場所だったんです。
特に、発表するには許された範囲内でしか人前にだせない時代でした。だから、
みんな限られたポーズの中でしか表現ができなかった。それがとても不自然に
みえて、自分では撮ろうとは思わなかったんです。それから、なまなましいエ
ロティックな写真っていうものに、当時の僕は嫌悪感を抱いていたんです、な
ぜか。

──それでは、所さんのはじめてのヌード作品はどういう形で発表されること
になったのですか。

●そのころちょうど「ブルータス」の絶対裸体とか(?)裸の絶対温度ってい
うシリーズがあったんのですが、そこで作品を依頼されたのが、始まりでした。
宮沢りえさんのヌード写真集の広告が新聞に出されていた時代の前後で、あの
あたりからヌード表現もわりと自由になってきて、世間一般でも受け入れられ
るようになったと思います。僕にとっても依頼の時がちょうどファンタジーを
やりはじめた頃で、僕自身いままでの作品のつくり方からさらに自由になって
て、被写体の美しさの表現をもっと追求したいなって思ってて、それがちょう
ど作品づくりのきっかけとなったんです。そういう時代とか仕事の依頼のタイ
ミングとか、いろんなものが合致してファンタジーっていうくくりのなかでも、
だんだん天使や妖精をつくるようになっていったのかなって思います。

──なるほど。被写体に羽を与える所さんの天使シリーズ以前、所さんが羽と
いうものに特別な思いがあるというお話をきいたことがあるのですが。

●大抵の人は、できるなら飛んでみたいなって思ったりすると思うんです。特
に子供のころなんかは。だから、羽をもった天使や妖精は僕の憧れの象徴なん
です。でも実際は、写真の中で羽をっていうと、なんだか映画関係のレンタル
屋とかでみんな借りてたりして、誰がやっても同じ羽になっちゃうっていうイ
メージがあって、だからそれまでは魅力は感じなかった。だけど、裸体を表現
しはじめたとき少しずつ現実にない衣装とか羽とかを自分で描くようになって
きて、これが僕が欲しかった羽だっていうのをみつけちゃったんです。

──美しい天使がつぎつぎと生まれるのはなぜでしょう。

●ちょっと話がとびますが、アレクセイ・ブロドビッチというデザイナーとい
うか、写真家というか、凄い人がいるんです。彼についてアーヴィングペンに
いたっては「写真家はみな気付こうが気付くまいがブロドビッチに師事したこ
とがある」と言ってるんですけど。要するに僕らよりずっと前の時代から、数
々の写真家たちに影響を与え続けてる人なんですけど。で、そのブロドビッチ
さんがこういう言葉を残してるんです。

「写真とは視覚的な記録にとどまるものではなく、レンズのむこうで写真を撮
る個人の脳とこころをさらけだす心理的記録でもある」

ぼくが生まれる以前なんですよ、この考え方。写真が現実の記録としかほとん
ど考えられていなかった当時からすると、これは凄いことだなと思ってびっく
りしました。最近知ったのですが、ブロドビッチのこの言葉。これは、僕にピ
ッタリの言葉だと思ったのです。

僕は自分を含めて、みんなが見たいなっていう作品をつくりたいという気持ち
が基本にあります。僕が見たもの、見ているもの、それは実際に目に映るもの
をこえているんです。だけど、それはたしかにあって、そういうものを写真と
いう技術を借りて表現したいだけなんです。

──美しい天使、妖精、悪魔、現実にない風景、植物、光、そんな世界を純粋
に表現しようとすることが、一般的に思われる写真家と一線を画すというとこ
ろでしょうか。

●このあいだも講演の後で、僕の作品を見たアメリカ人カメラマンに質問され
たんです。「所はどんなドラッグをつかってるんだ」ってね(笑)

──想像上の目に見えないものが自然に現れている作品を見て、そんな疑問が
生まれたんでしょうね。

●「アリスの作家みたいなことはしてないですよ」って答えましたけど。もう
ひとつ言うと、僕の場合、現実逃避というより、別のところで強い感情がはた
らくことがあって、人が好きなんです。この子かわいいなとか、いい子だなと
か、好きだなあとか思うと、天使や妖精にしてあげたくなっちゃう。それが創
作の原動力。僕が何かしら魅力を感じたら撮るという感じです。

──被写体に選ばれる女性(男性)は圧倒的に所さんのまわりの方だというこ
とですね。被写体への感情も作品に影響してるということですか。

●もちろん場合によっていろいろですけど、ときには、感情が先走ってつくれ
なくなったり、感情をさらけ出す分ものすごいエネルギーを消費してます。こ
んな感情的なつくりかたが、いいか悪いか自分でもわかんないけど、それは純
粋にさっきの言葉につながるとこかなって思います。

──今回の作品集にも、これまでのたくさんの天使たちが登場しますよね。

●そう、いろんな天使が生まれて、時間の経過、僕の変化とともに表情をかえ
ていく様子がつまってます。「天使に至る系譜」というタイトルが、僕と二人
三脚で歩んできた天使や妖精たちの歴史を物語ってる気がしますね。

名称:所幸則 作品集 天使に至る系譜 CHIAROSCURO
判型:A4正寸、オールカラー 280p
<http://www.tokoroyukinori.com/books/chiaroscuro.html>
(作品集の一部とお問い合わせ先が載っています)


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■編集後記(12/2)
・「こんな夢を見た」なんちゃって、よく見るアホな夢がトイレものなのだ。
これから重要な会議が始まるので、その前にオシッコしておこうと、建物の中
を探し回るがどこに行ってもトイレが見つからない。そのうち、会議の始まる
時刻も過ぎてしまう。それでもまだ見つからずさまよっている。あるいは、団
体旅行のバスの時間にたったひとり遅れてしまう。原因はトイレが見つからず、
もうわけのわからない所をさまよっているからだ。いずれも、かなり必死であ
る。その夢のせいで、ふとんにもらしてしまった、なんてことは幸いないのだ
が、夜中に起きてトイレに行くことはある。じつにいやな気分で目が覚めて、
ああ夢でよかったと思うのだが、これはなにか理由があるのか。かつて、はる
か若かりし頃、ある不快な夢をよく見た。心理学的な解釈では「性に対する不
安」であるという。それはまったく正しかった。ある時期からは全然見なくな
ったんだから。トイレと時間の夢、たんなる老人性の生理的現象だと思うけど。
夢なんか見ないで死んだように眠りたい。もっと言えば、そのまま冷たくなっ
ていればなおよろしい。/Safari大好きな人たちから、ブックマークの使い方
を教わりました。ありがとうございます。/流行語大賞チョー不愉快。(柴田)

・流行語大賞って流行した言葉にあげるんだよな? それともその年を象徴す
る言葉にあげるのかしら。/茶だんごをもらった。美味しくて、いくらでも食
べられそう。ひとりで一箱食べてしまいそうな勢い。……徹夜が続くと太るの
よねぇ。サイトを見るとチーズケーキやアイスクリームまである。宇治茶も飲
みたくなってきた。                  (hammer.mule)
http://www.rakuten.co.jp/itohkyuemon/  宇治茶伊藤久右衛門

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発行   デジタルクリエイターズ <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
リニューアル  8月サンタ
アシスト    鴨田麻衣子

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