[1771]完璧を望んだ奇跡の労働者
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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1771 2005/06/17.Fri.14:00発行
http://www.dgcr.com/ 1998/04/13創刊 前号の発行部数 18126部
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<やがて、あの有名な井戸のシーンがやってくる。>
■映画と夜と音楽と…(259)
完璧を望んだ奇跡の労働者
十河 進
■Otaku ワールドへようこそ!(6)
咲き誇る薔薇の園で人形を撮る
GrowHair
【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1771 2005/06/17.Fri.14:00発行
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■映画と夜と音楽と…(259)
完璧を望んだ奇跡の労働者
十河 進
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■映画と夜と音楽と…(259)
完璧を望んだ奇跡の労働者
十河 進
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●脚ばかりが有名になったシーン
6月8日付け朝日新聞のアン・バンクロフトの死亡記事には本人の顔写真と共に
映画「卒業」の有名なシーンが掲載されていた。主人公の青年(デスティン・
ホフマン)が恋人(キャサリン・ロス)の母親であるミセス・ロビンソン(ア
ン・バンクロフト)との情事を終えた場面である。
しかし、その場面にはアン・バンクロフトの脚しか写っていない。手前に情事
を終えてストッキングを履くミセス・ロビンソンの脚があり、その向こうにダ
スティン・ホフマンが立っている。「なんだい、こりゃあ」と僕はカミサンに
嘆いた。いくら有名なシーンだからといって、これはないだろう、と思う。
アン・バンクロフトの代表作としては「奇跡の人」の方がずっと有名だと僕は
思っていたけれど、その後、テレビのニュースでも「卒業」の黒い下着姿で娘
の恋人を誘惑するシーンばかりが流されていた。
僕は「卒業」をきちんと見たことがない。教会に乗り込み、花嫁姿の恋人を連
れて逃げるラストシーンは何度も見たけれど、「自分の母親と寝た男と逃げて
どうするの」とか「結婚式で花嫁に逃げられた男は一生、心の傷が癒えないだ
ろうなあ」という現実的な思いが湧き起こり、まったくロマンチックな気分に
なれないのだ。
もっとも、ウェディングドレスのまま逃げたキャサリン・ロスとダスティン・
ホフマンは通りかかったバスに乗り最後尾のシートに並んで座るが、ふたりは
次第に何かを考え込むような表情になる。もしかしたら、ふたりとも後悔し始
めていたのではないだろうか。
「卒業」は1968年に公開になった。その数年前にヒットしたサイモンとガーフ
ァンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」が使われ、映画のために作られた
「ミセス・ロビンソン」も公開時にはヒットした。
封切りで見てきた同級生の元新聞部部長は「卒業」に影響を受けたのか、元来、
そうした都合のよい思想の持ち主だったのか「これからはセックスも挨拶みた
いなものになるんだ」と宣言し、16歳の僕はひどく反発した覚えがある。
当時、アメリカは性革命が始まった頃でハリウッド映画もそうした風潮に染ま
っていた。セックスをテーマにした映画が増え、ダスティン・ホフマンが「卒
業」の次に出演した「真夜中のカウボーイ」はハリウッド映画ではタブーとさ
れていた同性愛を正面から描いた。
しかし、日本浪漫派の流れを引く時代小説ばかり読んでいたオクテの少年は、
元新聞部部長の「セックス挨拶論」に反発し「卒業」を見にいかなかった。昔
から僕は恋人を奪われる男や妻を寝取られる男の側に立つクセがあり、未だに
見ることに抵抗がある。
ちなみに、元新聞部部長は自らの言葉を実践し、友人の恋人を誘惑したり、社
会人になってからも他人の妻を寝取ってばかりいたが、今は一体どうしている
のだろう。
●奇跡の労働者が実現した仕事
昭和38年(1963年)に公開された「奇跡の人」を見たのは中学生の時のことだ
った。今でも僕は思い出す。クライマックスシーン、井戸の水を手のひらに受
けて「ウォーター」という言葉を理解するヘレン・ケラーの雷にうたれたよう
な天啓を、その歓喜を、さらに言うなら奇跡を…
当時の英語の教科書に「ミラクル・ワーカー」という英文が載っていた。無知
な僕は「奇跡の労働者」と訳したが、それが「奇跡の人」の原作の一部だと知
って、奇跡の人とは「見えず・聞こえず・喋れない」三重苦を背負いながら立
派な人になったヘレン・ケラー女史のことではなく、彼女に言葉を教え知性を
与えたサリバン先生のことなのだと理解した。
映画も赤ん坊の目が見えていないこと、何も聞こえていないことに気付いた母
親が叫び声をあげるプロローグに続いて「ミラクル・ワーカー」というタイト
ルが出る。「奇跡のような仕事をした人」というニュアンスなのだろう。赤ん
坊の時から闇と沈黙の世界で生きてきた獣のような少女に言葉の存在を教えた
奇跡の教師である。
光と音を奪われた世界に育つとは、一体、どういうことだろう。想像もできな
い。触る、舐める、嗅ぐ…、触覚と嗅覚のみで生きられるのだろうか。人は人
であることの多くを、見ることと聞くことに依存している。それは、知ること
につながり、学び、他者とのコミュニケーションを成立させる。
美内すずえの「ガラスの仮面」を読んだ人は「奇跡の人」のヘレン・ケラー役
に取り組むヒロイン北島マヤの異常なほどの役作りを覚えているだろう。誰も
いない別荘で目隠しをして暮らし、ヘレン・ケラーが生きている世界をつかも
うとする北島マヤ…
舞台劇としてヒットした「奇跡の人」は日本でも何度か上演されている。昔、
天才少女と呼ばれた大竹しのぶがヘレン・ケラーを演じた記憶があるが、その
後、少女の頃の荻野目慶子のヘレン・ケラーも評判になった。最近では鈴木杏
のヘレン・ケラーも劇評で絶賛されていた。
闇と沈黙の世界で生きるヘレン・ケラーをどう演じるか、「奇跡の人」に対す
る興味はそこに集中しがちだ。映画「奇跡の人」でもパティ・デュークが天才
少女ともてはやされ人気が高まった。その結果、彼女が二役を演じる「パティ・
デューク・ショー」は日本でも毎週テレビ放映された。
しかし、「奇跡の人」を見ると観客の心に深く刻み込まれるのはアニー・サリ
バンの人生であり、彼女の強い生き方である。彼女の妥協をしない信念がヘレ
ン・ケラーを発掘(劇中で何度も使われる言葉だ)したのだとわかる。まさに
「ミラクル・ワーカー」なのである。
ちなみに鈴木杏のヘレン・ケラーの時には、サリバン先生を大竹しのぶが演じ
た。昔、大竹しのぶがヘレン・ケラーをやった時には、奈良岡朋子がサリバン
先生を演じたのではなかったか。丸いレンズの黒メガネをかけた奈良岡朋子を
想像すると、何とアン・バンクロフトのサリバン先生に似ていることだろう。
アメリカでも1979年に「奇跡の人」がリメイクされ、その時にはパティ・デュ
ークがアニー・サリバンを演じたという。
●アニー・サリバンの人間的な側面
物語は盲学校の生徒だった若きアニー・サリバンがヘレン・ケラーの家庭教師
として雇われるところから動き出す。長い長い列車の旅をして、アニーは南部
の田舎町に降り立つ。そこで出迎えたのはヘレンの腹違いの兄のジミーだが、
その名前を聞いたアニーは「弟と同じ名前だわ」と口にする。
彼女の頭から去らないのは弟のことだ。弟の想い出が彼女を支配している。脚
の悪い弟ジミーと目の見えなかったアニーは施設で育ったが、盲学校で学びた
いと向上心に燃えるアニーは見学にきた理事に直訴する。「いっちゃいやだ、
アニー」と泣くジミーをおいて彼女は自分の意志を貫くが、しばらくして弟は
死んでしまう。
不幸に死んだ弟への想いが彼女を強くしているのだ。いや、意固地なまでの生
き方になっている。手術を繰り返し、今は少し目が見えるようになっているア
ニーは、弟への負い目やみじめに育ったことの記憶をバネにして世間と闘う。
自分の信念を曲げず、妥協しない生き方をする。
ヘレンに対してもそうだ。不憫な子だ、可哀想な子だ、と甘やかし続けてきた
両親を相手に自分の教え方を貫こうとする。本能のままに生きてきたようなヘ
レンをテーブルに向かい椅子に腰を降ろしスプーンで食事させるために、アニ
ーは奮闘する。諦めない。体力の限りを尽くす。
生まれ育った家にいては限界があると考えたアニーは両親と談判し、森の狩猟
小屋にヘレンと籠もる。二週間だけという約束だ。両親には強く請け負ったア
ニーだが、ひとりになって弱音を吐く。揺り椅子で眠ったアニーは、施設で死
んだ弟が安置室にいる夢を見る。弟はヘレンと同じ歳で死んだのだ。
二週間後、両親がヘレンを取り戻しにやってくる。ヘレンは躾られ、両親は満
足する。だが「理解のない服従は盲目と同じです」とアニーは言い、ヘレンが
何も理解せず服従しているだけだと言い切る。その時、父親の言葉に答えたア
ニーの強さが印象的だ。──神も完璧は望まれない。──私は望みます。
アニーは獣のように生きてきたヘレンに、ものにはすべて名前があること、そ
れが言葉で表されていることを理解させたいのである。アニーは言う。「言葉
の存在が死さえ越える。五千年前のこともわかる。すべてのことがわかる」と。
彼女は向上心に燃えて己の知性を磨き知識を蓄積し、弟の死という悲しみを乗
り越えてきたのだ。自分の生きる意味を考え理解し、信念を持ち、みじめな生
い立ちであり障害を持つが故により強く、真剣に生きている。彼女はヘレンに
もそうであってほしいと願う。強く願う。心の底から願う。
やがて、あの有名な井戸のシーンがやってくる。指文字を遊びとしかわかって
していなかったヘレンが「ウォーター」という言葉を理解し、様々なものを手
で叩いてアニーに指文字を催促する。ヘレンを抱きしめる母親を指文字で「マ
ザー」と教える。
ヘレンがアニーに近づき、やさしい仕草でアニーをひとさし指でつつく。「あ
なたは誰?」とヘレンは聞いているのだ。「ティーチャー」とアニーはゆっく
り指文字でヘレンに語りかける…
その夜、寝ようとするヘレンを抱きしめたアニーは「あなたを愛している」と
つぶやく。ふたりは教え教えられる関係だが、ヘレンの存在がアニーを救った
のだ。アニーは弟への負の想いから、その呪縛から解き放たれたのである。そ
んな複雑な想いを印象的に演じたアン・バンクロフトがアカデミー賞を始め、
主演女優賞を総なめにしたのは当然だろう。
【そごう・すすむ】sogo@mbf.nifty.com
この号が出る頃は実家にいるはずだ。新幹線を使わなくなってもう何年になる
だろうか。飛行機は嫌いだが、乗っているのは一時間足らずなので何とか耐え
ている。二ヶ月前に超割で買ったチケットなので、往復でも安いしね。
デジクリ掲載の旧作が毎週金曜日に更新されています
http://www.118mitakai.com/2iiwa/2sam007.html
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■Otaku ワールドへようこそ!(6)
咲き誇る薔薇の園で人形を撮る
GrowHair
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紅(しんく)を脳内妻に迎えて一ヶ月半になる。真紅とは、2回前に書いた
ように、アニメ「ローゼンメイデン」に出てくる薔薇乙女人形である。真紅自
体は仮想の存在だが、誓いの証としてキャラクターグッズの指輪を左手の薬指
にずっとつけている。出張で京都にも行ったし、米国サンノゼにも行ったし。
真紅との仮想の生活がすっかり板についた感じ。
指輪のパワーによるところかどうか知らないが、このところ人形との距離がぐ
っと縮まった。5月22日と27日には、東京近郊の薔薇園で人形の写真を撮影す
る機会が得られた。その話に入る前に、まずはちょっと昔の話から。
●初恋の悲劇
中学の頃から何年にもわたって、夢にしばしば同じ女性が現れた。知っている
人ではない。色白で丸顔、前髪をちょうど眉毛のあたりで横一直線に切りそろ
え、その両端から直角に落ちるストレートの髪は頬を半分覆い、長く伸びてい
る。その人とは特に会うべき状況があるわけでなく、何か話をするわけでなく、
通りすがりにそこにいたという感じ。ただそこにいるだけ。何となくさびしそ
う。だが見ていると親近感がわいてくる。次第に、この人はまだ見ぬ理想の人
で、自分は現実の世界にこの人を探し求めるのが宿命なんだと信じるようにな
っていった。
大学生の頃、似た姿の女性に出会った。同じサークルに入って来た美大生であ
る。おっとりとして、おとなしい子だった。現役のころは遠くから眺めている
だけで満足だったが、その子が短大を卒業してサークルを抜けてから急に矢も
盾もたまらない気持ちになって、かなり勇気を振り絞って個人的に連絡をとり、
会うことができた。会話はなんだかぎくしゃくして、ぎこちないことこの上な
かったが、会えたことに満足して有頂天だった。何回か会ったが、話をすると
何となく住んでる世界が違う感じでかみ合わず、つきあいらしいつきあいも始
まらないうちに、次第に疎遠になってしまった。
就職して三年ぐらい経ったある日、出張で福岡に行く用事ができた。福岡空港
で飛行機を降りて、土産物屋の立ち並ぶコンコースを歩いていると、その人は
いた。大学時代のその人ではなく、夢に出てきたその人。それはその「人」で
はなく...。博多人形だった。
その瞬間、古い記憶が蘇ってきて、ぴったりと重なった。中学一年の夏休み、
両親と一緒に沖縄海洋博に行ったときのことである。博多駅で新幹線を降り、
鹿児島へ向かう在来線の特急列車に乗り継ぐために土産物屋の立ち並ぶコンコ
ースを急ぎ足で歩いていて、博多人形が目に入った。ちょっと立ち止まって眺
めてみかったが、乗り継ぎ時間が短かったため、せかされて立ち去らざるを得
なかった。
フロイトの「夢判断」によると、繰り返し現れる夢は、現実の世界で中断され
て完結しなかった出来事が、記憶のなかで納まるべき落ち着き所を得られずに
いつまでも仮置き場に放置されていることの現れなんだそうだ。
フロイトよ、ありがとう。おかげですべてが解き明かされたよ。長年にわたっ
て追い求めてきた理想の女性は、博多人形の「童(わらわ)」だった! 運命
の旅は終わった。古い記憶はよくやく納まる場所を得たとみえ、そのときを境
にその子は夢に現れなくなった。だが、人形とのおつきあいの遍歴は、それで
終わらない。
●人形の話と言えば「観用少女」
人形を描いた少女漫画で深く感銘を受けたものに、川原由美子さんの「観用少
女」がある。幻の生き人形のお店で人形を購入していったお客と、その人形と
の心の通い合いを描いた読切り短編21話からなる。人形の絵がとてつもなく可
愛くて、ストーリーはせつなくて、随所に織り交ぜられるユーモアも間合いが
絶妙で、私はこの作品が好きで好きでたまらない。
知ったのはコスプレイベントでのカメコ活動を通じてである。頭に大輪の花の
ティアラをいただいた、清純そうな少女のコスプレイヤーを見かけたので、ぜ
ひにと撮らせてもらい、後から作品名とキャラ名を聞いた。それがこの作品の
「月華(げっか)」という人形だった。写真の出来栄えはまずまずで、本人か
らも「作品のイメージ通り」と喜んでもらえた。それでどんなだろうと思い、
初めて作品を読んで、ずずずと引き込まれたのである。
「ローゼンメイデン」との出会いも同じパターンで、去年の冬のコミケで真紅
のコスプレイヤーを撮らせてもらって知った。
●ドールショウでディーラーさんとお知り合いに
4月29日(金)に初めて人形の展示会に行った。浜松町で開かれた「ドールシ
ョウ14」である。3フロアーを使って、約300のディーラーが自作の人形を展示
した。ローゼンメイデンの作者であるPEACH-PITさんがパンフレットの表紙の
イラストを描いており、真紅にちょっと似てる。
午前中、別の用事があり、最後の一時間半だけ見ることができた。来場者もデ
ィーラーさんも約8割が女性。来場者の女性のほとんどは、フリフリ、ヒラヒ
ラな格好だが、ディーラーさんの多くはくたびれたTシャツなど、地味な格好。
きっとエネルギーのすべてを人形作りに注いでしまうのだろう。しかし、ゴス
ロリ系の人形のディーラーさんは、自身もそれ系でキメている。おそらく生活
のすべてをその様式に統一しているのだろう。
様々な人形が展示されている中で、ひときわ異彩を放っていたのは等身大のリ
アルな幼女人形。横たわっている姿は、どう見たって子供の死体である。美し
い! 思い切ってディーラーさんに話しかけてみた、「リアルですね」。即座
に「嬉しいです」と返してくれた。「ロリータ工房」の美登利さん。
閉場時間が近く、人の波がすでに引けていたので、ゆっくりとお話ができた。
何しろ人形のショウは初めてなもんで、来場者なら誰でも知っていそうな基本
的なことや、好奇心丸出しのぶしつけなことを聞いたが、気さくに何でも教え
てくれた。
この人形はサーニット(cernit)という樹脂粘土でできているという。柔らか
い粘土をこねて形を作り、オーブンで焼くとカチカチに固まるのだそう。誰に
でも作れるような代物であるはずはないが、本人いわく、特に長い期間講習を
受けたわけでもなく、出産で二年のブランクがあったりもしたそうで。才能の
なせる業なのだろう。
いつかきれいな背景で写真を撮らせていただけたらと思ったが、美登利さんご
自身が公園に連れていって撮ったという写真も、花が咲き誇る中で西日を受け
た顔が映えて、ものすごくきれい。人形を撮ったこともない私の出る幕ではな
いか。
会場を後にして、駅へ向かうついでに旧芝離宮恩賜庭園に立ち寄った。この日
は入場無料で、中は人がいっぱいいた。芝生では...。うぎゃっ! 目を疑う
ような光景が。20代と思しき大きな男の子が4人、10体ほどの人形を芝生には
べらせて写真を撮ったりして遊んでいる。き、君たち。私はドールショウ帰り
だと知っているからまだしも、一般の人からどう見えているものか...。みな
さん、ここにいるのは決して猟奇的な人たちではないので、通報などせず、
生暖かい目で見守ってやって下さいませ。
帰ったらさっそく美登利さんのホームページにアクセスした。日記でmixi(ソ
ーシャルネットワークのひとつ)に入っていることを知り、さっそくマイミク
(個人的な友人)になっていただいた。
●ローゼンメイデン決起集会でロリィタちゃんとお知り合いに
その翌日、30日(土)にはローゼンメイデンの決起集会に行った。閉演後にた
またま居合わせた4人で、近くのマクドナルドへ行ってお茶して帰った。その
中のひとり、Kotoiさんはフリフリ、ヒラヒラのロリィタちゃん。映画「下妻
物語」の竜ヶ崎桃子(深田恭子)のようである。いや実際、服のブランドは
"Baby the Stars Shine Bright"で、下妻の桃子と同じだったのだが。バッグ
の柄に合わせたというネイルアートも細かくてきれい。
けっこうな美貌だが、本人によれば、写真うつりが悪いのだそうで。「それな
ら」とすかさず、「カメコの私がいつか腕を振るってあげよう」と申し出た。
帰ってから、mixiに入ってもらった。トップ絵に載せたのは本人の写真ではな
く、スーパードルフィーのRoseちゃん。彼女の分身だという。
スーパードルフィーとは(株)ボークスが製作・販売している球体関節人形で
ある。京都にある工房を「天使の里」といい、全国12店舗の販売店を「天使の
すみか」という。スーパードルフィーは「買ってくる」などという世俗的な表
現は使わず「お迎えする」という。天使のすみかでは、「お迎えセレモニー」
を催してくれる。
美登利さんとKotoiさんは、mixi上であっという間に仲良くなった。そして、
撮影の機会は案外早く来た。
●バラ園で撮影
5月22日(日)はKotoiさん、アシスタント、私の3名と人形のRoseちゃん。
5月27日(金)は美登利さんと二歳の息子さんとつむり目の等身大幼女人形が
加わった。姉妹の人形の妹の方である。美登利さんとKotoiさんがリアルに対
面するのはこのときが初めて。
美登利さんは子供のよだれが垂れても気にならない、地味ないでたち。一方、
Kotoiさんは決起集会のときより一層磨きのかかった、頭のてっぺんから足の
先まで隙のないロリィタ。ローゼンメイデンで人形が入っていたのをそっくり
に再現して作られたトランクにRoseちゃんが入っている。
最初にKotoiさんを撮っていたのだが、Roseちゃんがトランクから出てきてか
らは、もう駄目だった。レンズを通じてファインダに映った姿は妖しかった。
色白で無垢な感じなのだが、そういう可愛らしさも極まると妖しい。あ、やば
い、吸い込まれる! 後でKotoiさんから「私が忘れられてた」とか「話し掛
けても無反応だった」とかさんざん言われてしまったが、正直言って、本当に
そうだった。Kotoiさんの存在は一時的に頭から消えていた。声は聞こえてい
たが、自分が話しかけられていると認識できておらず、「え? 俺に言ってた
の? 何か言った?」みたいな。
美登利さんちのつむり目の人形は、どうしたって死のイメージを免れない。棺
に納められ、花に埋もれて、まるで眠るように死んでいるイメージ。それは悲
劇的な情景。だが、どこかエロチックでもあり。相容れなさそうな死とエロス
が共存しているのか。それとも観念上の死はもともとエロスと重なり合うもの
なのか。
写真を撮られると魂が抜かれるというのは迷信だ。撮った方が抜かれる。
●付記:関連サイト
ロリータ工房: 美登利さんのページ
<http://www2s.biglobe.ne.jp/%7Emidoti/>
ドールショウ
<http://dollshow.hp.infoseek.co.jp/>
ボークス、スーパードルフィー、天使の里、天使のすみか
<http://www.volks.co.jp/><http://www.superdollfie.net/>
ローゼンメイデン
<http://www.tbs.co.jp/rozen-maiden/>
【GrowHair】GrowHair@yahoo.co.jp
シアワセなおっさん。「お迎え」するのは時間の問題ともささやかれている。
新宿アルタ8階の「天使のすみか」でスーパードルフィーの展示を見たときは
萌え死ぬかと思った。特にリズちゃんが可愛くてなぁ。真紅のスーパードルフ
ィーも秋に向けて制作中だそうで。もう戻る道は存在しないかもしれない。バ
ラ園で撮った写真はこちらからどうぞ。
<http://i.am/GrowHair/>
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■編集後記(6/17)
・待ち合わせに失敗。場所はJR新宿駅南口、というのにいやな予感がした。わ
たしは目が良くないのだから(そのくせメガネをかけない)、こっちから捜す
ことはせず、目立つところにいれば相手が見つけてくれる、といういつもの作
戦。今日の打ち合わせは三人で。そのうち一人は赤い服装が目立つはずだから
(神田さんではない)、こっちからも見つけられると思っていた。しかし、遭
遇できず30分経過。携帯電話を持たないわたしは、電話を探しに5分ぐらいそ
の場から離れた。相手に電話したが出ない。もしかしたら番号のメモがまちが
いかもという疑惑が。まあ、今日はわたしはオマケみたいなもんで、出られた
ら出て欲しいという要請だったので、じつは必死ではない。しかし、そのうち
時間を一時間間違えていたのではないかという疑惑が。JR新宿南口というあい
まいな場所指定にOKしたのが悪かった。残念だが引き上げることにした。だが、
せっかく新宿まで出てきたんだから何もしないで帰るのは惜しい。コニカミノ
ルタプラザでDAYS JAPANフォトジャーナリズム写真展を見る。あと5日しか会
期がなかった。あぶないところだった。今日はこれを見に来たということで自
分を納得させた。帰ってから、今日のメンバーにメールしたら、JR新宿駅南口
改札正面という空間に20分間、同時にいたようだ。なぜ会えなかったのだろう。
なお、赤い人はエンジの人だったそうだ。 (柴田)
・キャパがなかったり、つい甘えちゃったりして担当者さんに迷惑をかけた。
リニューアルに関しては延び延びにしているうちに、姉妹サイト構築があって
先延ばし。コーナーが変わったりして当初コンセプトが崩れているので気には
していたのだが。そのうち大元クライアントの事情で、サイト制作会社が一本
化したので終了。リニューアルしたというので見に行ってがーん。人の作った
画像全部流用すんなよ~、見せ方まで同じにすんなよ~と怒りが。私の場合は
私がリニューアルする前の制作者(担当者)さんと一緒に作り上げたので、ア
イデアをもらったりするのは問題ないと思うんだけど、違う会社がアイデアと
画像そのまま流用するってのはどうなのよ、と。冷静になってリニューアル時
に新たに作られた箇所を数えてみる。そっか~、リニューアル時にいろいろ入
れたいと思ってしまうのがまずいんだな。このぐらいの修正で良かったのか。
私の担当者さんは長く携わってこられて、何を伝えるべきか、伝えなくていい
のか、要件は何かというところまで細かく気にされている。製品に愛を持って
らして、プライベートで遊んでいてもその製品の売り場を覗きに行ったりする
人だ。見る側に誤解のないように伝えたり、権利関係をきっちり押さえるとい
うところまで考えてらっしゃるのだが、リニューアル後ページにはそれがない。
見た目綺麗だし楽しいから好きなんだけど、いいのかこれでと思ってしまうの
は頭が固いのか、自分の不甲斐なさへの反動か。/と長文を書きながら、まぁ
予算がなかったんだろうなぁとか、流用したってことは私のやり方で良かった
っていうことだよなぁとか、私もそうだったけど頻繁に更新があるから崩れて
きて大変だぞ~と思いつつ、最終的にはやはり担当者さんにごめんなさいなの
だ。自分の立ち位置を変えないとな。 (hammer.mule)
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編集長 柴田忠男
デスク 濱村和恵
アソシエーツ 神田敏晶
リニューアル 8月サンタ
アシスト 鴨田麻衣子
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