[1818] 水中都市幻視

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1818    2005/09/06.Tue.14:00発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 18401部
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        <デザインとはバランスゲームなのです>        

■デジタルサウンズ研究室 
 水中都市幻視
 モモヨ(リザード)

■買い物の王子さま 
 待ちこがれた出会い
 石原 強

■カラーマネージメント三角絞め…(20)
 モニタ表示の仕組み
 上原ゼンジ

■展覧会案内
 第51回N.Y.TDC展、2005日本タイポグラフィ年鑑受賞作品展
 ジャン・プルーヴェ展  機械仕掛けのモダン・デザイン

■Webサイト案内
 「デジタル最前線」-大学・企業現場リポート
 タイポグラフィの世界



■デジタルサウンズ研究室 
水中都市幻視

モモヨ(リザード)
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ミシシッピ川だとか、ニューオーリンズだとかいうと、私のような泰西の今日
的音楽に関係して人生を紡いで来た者にとって、ある意味、聖地に等しい。メ
ッカである。

例えば、私は能楽を好んでみる者だし、世阿弥の能楽論には日々御世話になっ
ているが、正直言えば、観世が本拠地にした多武峰(とうのみね)よりもアメ
リカの南部に親近感を抱いてしまうのだ。ロックは、南部の黒人達の苦吟から
生まれた、からである。

その聖地がハリケーンのために壊滅的な被害を蒙った。

テレビで毎日のように流れているから説明することもないだろうが、台風の傷
跡は酷く、その後の救助もどういうわけか異常に遅れて、結果、たいへんな惨
状を呈するに至った。正視に耐えぬ状況というしかないが、その光景が日を追
ってもなんら改善されることない。そればかりか、一時は、日増しに酷くなっ
た。その現実は、まさに非現実的というしかないほどだった。

アメリカの大統領が、「われわれは、いま、救援にむかっていく」とテレビで
アッピールしていたが、その声明も虚しく、現地には救助隊の影もなく、また
物資のない人々に対して救援でなく銃口が向けられる始末だ。酷い話だが、こ
れが真実なのだろう。メディアは、意図せず、真実を報道してしまったものら
しい。

大統領の台詞と仕草であるが、どこかで見たことがあると思ってしばし悩ん
だ。つい最近エヴァンゲリオンを通して見直したばかりだったので、ゼーレか
なんかがサードインパクトだとか、セカンドインパクトの悪巧みを語っていた
場面かしら、などと疑っていたが、思い出した。インドネシアの津波の時であ
る。同じ人物、つまり大統領が同じ文句を同じような表情で言っていたのであ
る。そのうえに、お父さんと前大統領と並んでテレビ会見をしている。これも
同じだ。現地には4日何も食べていないという人がいたりするのに、なぜ、大
統領は、これほど非現実的に見えるのか、そんなことが気になった。

4日とか5日間、放置されていた被災者がいる。一方、日本におけるサバイバル
キット、災害時の生き残りキットなどでは食料や水は、3日分を用意しておく、
というのが、常識になっている。ちょうど9月1日の災害の日に子供達とサバイ
バルを話し合う際にそんな話をしたばかりだ。多くの人が知っているとおりで
言うまでもないことだが、この常識では、アメリカで生き残ることは難しそう
だ。なにしろ4日も放置されている人々がいる。

そんな状況を目の前にして、私はひどく暗澹たる気分になってしまった。

夏の間、実は、手首と指が動かなくなり、膝も痛みが増し、腰もやられてしま
った。年のせいであることは確かだ。そういう状況もあって、限られた時間
というものを意識しだした私にとって、この光景、状況は見逃すことはできな
い。ついさっきまで、東京はたいへんな雨に見舞われていた。落雷もあった。
私の家は、田端尾久操車場のJR変電所と東京電力変電所の間に位置しているの
で、雷が頻繁に落ちる。その合間をぬって、水はけをよくするために屋上とベ
ランダの排水口の落ち葉やカラスの羽を取り除いたり、外の下水の口につまっ
たビニールを取り除いたりしながら、なんとか鍵盤を叩いている。

東京都内の何箇所かで床下床上浸水した土地があるという。そして、大きな台
風が迫っているという。とくれば、どうしてもミシシッピの惨状が脳裡に浮か
ぶ。エヴァンゲリオンの有名なオープニングの水没した熱海、小田原……が見
えるのである。

ところで、水没といえば、思い出すのは、地球温暖化の話である。

地球環境の問題を云々することを俗にエコロジーを論ずるというが、水没した
町を目の前にした今、エコロジーなどというソフトな言葉ではもはや語れない
緊急時ではないか、そんな思いが頭を占める。ひどく地味な京都議定書だが、
なぜ海外のアーティストは、これをアッピールしないのだろう? 名前が悪い
のだろうか? 日本国内では、小学校の一年生ですら、このまま状況が進むと
水没する国がある、ということを知っている。そうした国を(まだ見ぬ、まだ
知り合わぬ友達の国を)守りたい、と子供達は考えている。

なぜ、大国の指導者は、こうしたことをわかってくれないのだろう。

テレビのむこう、マリオネットのようにシナリオを読み上げるだけの大統領に
京都議定書を理解させるのは至難の技だろう。そんな諦めに近いものさえ覚え
もするが、私には、素朴な子供達の疑問、彼等の夢、彼等の未来を信じようと
思っている。

セカンドインパクト(エヴァンゲリオン参照)なんていうものは、現実世界に
は不要である。

モモヨ(リザード)管原保雄
<http://www.babylonic.com>

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■買い物の王子さま(98) 
待ちこがれた出会い

石原 強
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アレルギー体質の家人は毎夏ダニに悩まされています。1、2カ所さされただけ
で、足首が腫れ上がり何日も直らない。私も息子もなんともないけれど、どう
やら原因は座布団にあるようです。

今まで様々なダニ対策を試してみました。毎日の掃除機かけはもちろん、天気
の良い日は黒いビニール袋に入れて日干。殺虫剤や防ダニシートも試してみた
けど、しぶとく生き残るらしく、蒸し暑い日が続くと元の木阿弥。

そもそもダニが出ない素材の座布団が欲しいとずっと探していました。洗濯機
で洗えるクッションも買ってみましたが、乾燥に時間がかかるから、頻繁に洗
うわけにもいきません。

最近、ネットで偶然見つけたのが、木製の丸い座布団。四国の職人さんの作る
製品を集めて紹介するお店です。

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インパクトのある不思議なカタチ。その名も「モナッカ」、木のあぐら座布団
です。中空で軽く、通常の座布団のように沈み込むことがない為、あぐらをか
く時、とっても楽に座れます。
---

ちょうど、和菓子の「もなか」のように、お皿を2枚張り合わせたような形を
しています。アンコの入る部分にはコルクが入っていて支える構造になってい
ます。この座布団は、スギ間伐材を使用して作られたのだそうです。

作っているのは、高知県の馬路村の人たち。人口約1,200人の小さな村ですが、
村の面積の96%が森林で昔から林業が盛んなのだそうです。大事な森を永遠に
守り育てる取り組みとして、間伐した木を少しでも無駄がないように加工して
製品として販売しているのです。

ダニの住処になる綿が入っていないし、杉には防虫効果があると聞いたことが
あります。これならまずダニも寄り付かないでしょう。1つ3,990円の価格も手
頃です。家人に相談したら「すぐ欲しい」という返事。自分の分をあわせてふ
たつ買うことにしました。

買い物カゴに入れると合計が7,980円です。よく見ると「8,400円以上のお買い
上げで送料無料」とあります。ちょうどよく525円の「くすのき防虫ハンギン
グブロック」を見つけて一緒に注文しました。

確認メールのURLをクリックしてクレジットカードの決済をすると、二日後に
大きなダンボール箱が到着。待ちきれないといった面持ちの家人とともに箱を
開けてエアパッキンにくるまれた商品を取り出します。

直径40cmのちょっと小さめのクッションのサイズ。それでもお尻は十分に乗る
大きさがあります。板張りではおしりが痛いのではと不安だったのですが、座
ってみると木の肌触りが優しく、意外なほど座り心地がいい。座布団と違って
さらりとして涼しいし、体が沈みこまないのは、イスに座っている感覚に近い
のです。

ふたつとも木目が異なっていて、フシが目立つけれど自然のものらしくていい
感じ。ナチュラルな色はインテリアにもマッチします。普通の座布団以上に軽
くて、掃除の時に持ち上げるのも楽々です。

でも一番喜んでいるのは息子です。この座布団に手をのせてはいはいをすると
フローリングの上でよく滑るので、喜んで部屋中を動きまわってます。きっと
新しいオモチャだと思っているに違いありません。

木の座布団を買ったお店「とさこや」
<http://works128.jp/tosacoya/>

【いしはら・つよし】info@webanalyst.jp
ウェブプロデューサー、ウェブアナリスト
このユニークな商品を企画・販売しているのは「エコアス馬路村」という第3
セクターの会社です。他にA4サイズのノートパソコンも入るサイズのバッグも
商品化されていますが、持ち歩いたらインパクト十分ですね。
エコアス馬路村
<http://www.ecoasu.co.jp/>

今週の金曜日(9/9)に神奈川県・相模原でWeb制作者向けのセミナーをやりま
す。まだわずかに席があるようですので、お近くの方は是非いらしてください。
<http://soho.ssz.or.jp/event2005/topics.html>

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■カラーマネージメント三角絞め…(20) 
モニタ表示の仕組み

上原ゼンジ
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「色が合わない」トラブルの一つに、モニタに表示された色は正しいのか、正
しくないのか? という問題がある。今回はそのモニタ表示の仕組みと、どう
すればドキュメントの色を正しく観察できるのかというお話。

たとえば、入稿した画像データの色に対して、編集者から色に対して指摘を受
けたとする。すると何を基準に赤いとか、青いとか言っているのかという疑念
が湧いてくる。実際、買ってきて何も調整していないモニタであれば色温度が
高くて青っぽく見え、MacとWindowsではガンマ値の違いから明るさも違って見
えてしまうからだ。

そこで、同じ目的で仕事を行なっている人は同じようにモニタを調整しましょ
うというルールがある。たとえば印刷目的であれば、色温度5000Kのガンマ1.8
WEB目的であれば色温度6500Kのガンマ2.2といったルールだ。こういった基準
に添うようモニタを調整することをモニタキャリブレーションと呼ぶ。

モニタキャリブレーションはモニタ自身に付いている補正機能、OSやアプリケ
ーションに付属のガンマユーティリティー、あるいは測定器付きのキャリブレ
ーションツールなどにより行なう。クリエイターには安くなってきた専用のキ
ャリブレーションツールをぜひ使って欲しいし、編集者や制作にも最低限ガン
マユーティリティーでの調整は行なって欲しいところだ。

ガンマユーティリティーやキャリブレーションツールを使って調整を行なうと
最後にモニタプロファイルが出来、OSに設定される。Macの場合であれば、シ
ステム環境設定のディスプレイプロファイルを変更すると画面の色が変わるこ
とから、ここでの設定が効いていることが確認できる。

実際にはモニタプロファイルの中の、「vcgt」(Video Card gamma tag)の部
分をビデオカードにロードして調整をする。これはアプリケーションで展開し
た画像に限らず、画面全体の見え方に影響し、PCからモニタに信号が送られる
前段階でビデオカードで調整を行なうということだ。またこれとは別に高機能
のモニタではビデオカードでの調整と同じ演算処理をモニタ側で行なえる機種
もある。

●モニタプロファイルへのカラーマネージメント

ここまでの話はある基準に対して、どのようにモニタの見え方を揃えていくの
かという話だが、実際にはそれだけでは展開した画像の見え方は一致しない。
なぜなら、画像ファイルのRGB値というのはセットにするプロファイルにより、
見え方=CIEカラーも変わるものだからだ。

この埋め込みプロファイルによって、きちんと表示の色も変化するのがカラー
マネージメント対応アプリケーション。プロファイルが埋め込んであっても認
識できずにAdobeRGBの画像もsRGBの画像も同じように表示してしまうのが、カ
ラーマネージメント非対応アプリケーションというわけだ。

Photoshopは当然カラーマネージメントに対応したアプリケーションなので、
AdobeRGBやsRGBの区別がつき、ドキュメントのプロファイルからきちんとモニ
タプロファイルに対して変換した画像を送り出す。

もう少し説明してみると、プリントアウトする時にドキュメントのカラースペ
ースからプリンタの用紙別のプロファイルに対してカラーマネージメント変換
するのと同じように、モニタ表示の場合もカラーマネージメント変換が必要だ
ということ。ただし、Photoshop等ではこの変換は勝手にやってくれるのでユ
ーザーが意識することはない。

流れとしては、◇ドキュメントのプロファイルからLabにプロファイル変換。
◇Labからモニタプロファイルに向けてプロファイル変換したデータをビデオ
カードへ。
◇ビデオカードではガンマ調整によるキャリブレーションを行ないモニタ側へ
出力
という感じだ。

つまりモニタプロファイルの使われ方としては、モニタを測定することによっ
て分かったモニタの特性に合わせて、表示する画像のカラーマネージメント変
換を行なうこと。そして、キャリブレーションを取るため「vcgt」を参照しな
がら、ガンマ調整を行なうという2段階があるということだ。

これが、非対応アプリケーションであれば、最初のカラーマネージメント変換
の部分はスキップして、ビデオカード上でのガンマ調整だけが行なわれるとい
うわけだ。

【うえはらぜんじ】zenji@maminka.com
写真撮影からデザインまでを生業とする。JPCカラーマネージメント委員会副
委員長。MD研究会所属。
「デジタルフォトグラフィー─エキスパートのPhotoshopテクニック」
(Ken Milburn 著/上原ゼンジ監修/オライリー・ジャパン刊)
<http://www.oreilly.co.jp/books/4873112230/>

※随時質問募集中。「言われた通りに設定してみたけど、うまくいかないぞー」
という方は、お気軽にご質問下さい。

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■展覧会案内
第51回N.Y.TDC展 2005日本タイポグラフィ年鑑受賞作品展
<http://www.typo.or.jp/news/index.html>
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会期:9月5日(月)~9月15日(木)9:00~17:15 最終日15:30 土日祝休
会場:平和紙業ペーパーボイス(阪市中央区南船場2-3-23 TEL.06-6262-0902)
主催:NPO法人日本タイポグラフィ協会(JTA)、ニューヨークタイプディレク
ターズクラブ
内容:日本タイポグラフィ年鑑は日本発信のタイポグラフィの精華であり、そ
の受賞作を展示します。また、ニューヨークTDC(タイプディレクターズクラ
ブ)展は、最新の世界のタイポグラフィの結集を手にとって見ることのできる
貴重な機会といえます。入場無料。

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■展覧会案内
ジャン・プルーヴェ展 機械仕掛けのモダン・デザイン
<http://d-akihabara.jp/exhibition/prouve/index.html>
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会期:9月6日(火)~10月23日(日)10:00~19:00 無休
会場:D-akihabara Temporary(旧千代田区練成中学校)(東京都千代田区外
神田6-11-14)
入場料:一般1000円、学生800円、中高生・65歳以上500円、小学生以下および
障害者の方は無料 
内容:20世紀における最も多才で革新的な創造者のひとり、フランス建築家ジ
ャン・プルーヴェ(1901-1984)の建築・家具・プロダクト展覧会。

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■Webサイト案内
「デジタル最前線」-大学・企業現場リポート
<http://www.cgarts.or.jp/>
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<CG-ARTS協会のサイト>
コンピュータグラフィックスや画像処理、インターネットなど、デジタルの世
界は私たちの仕事と暮らしを大きく変えています。さらに未知なるもの、新し
いものに向けて、これらのデジタルフィールドは何をめざし、いまどこまで進
んでいるのか。CG-ARTS協会の産業界や学術界でのネットワークを活かし、大
学の研究室や企業の開発・制作部門を取材し実際に研究が進む最前線の現場を
リポートします。

Vol.1 人間の個性や人間らしさをデジタルでサイエンスする。
早稲田大学理工学部応用物理学科 森島研究室

Vol.2 世の中に真に役立つ技術を求めて。
株式会社KDDI研究所 マルチメディア・アプリケーション分野

Vol.3 公平で円滑なデジタルコンテンツの流通をめざして。
三菱電機株式会社 情報技術総合研究所

Vol.4 SIGGRAPH2005特集
・東大西田教授 スティーブン・A・クーンズ賞を受賞
・ジョージ・ルーカスが基調講演
「ディジタルシネマは、若い映画制作者の将来そのもの」
・スペシャルセッション CGの最新の話題が結集した6つのセッション
・エマージングテクノロジー
・SIGGRAPH2005論文発表
・GRAPHICS HARDWARE 2005

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■Webサイト案内
タイポグラフィの世界
<http://www.screen.co.jp/ga_product/sento/pro/index.html>
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<大日本スクリーン製造 千都フォントライブラリーサイト>
好評を博した小宮山博史さんの連載「タイポグラフィの世界・書体編」に続き、
ふたたび豪華執筆陣による新連載が始まる。タイトルは「描き文字考」「組版
外伝」「組版今昔」。なんと三本の連載が同時進行。
海津ヨシノリさんの連載「組版外伝」の第一回「デザインとはバランスゲーム
なのです」を掲載。平野甲賀さんと川畑直道さんが、毎回ゲストを招いておこ
なう座談会「描き文字考」も近日公開予定である。

<応募受付中のプレゼント>
インターネットは「僕ら」を幸せにしたか? 本誌1817号(9/12締切)


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■編集後記(9/6)
・日本のマンガの表現力は優れていると改めて思うのであった。と、昨日書い
たが「マンガ中国入門」(ジョージ秋山)の方はちょっとお粗末だ。マンガは
手抜きなのか、もうこの程度の画力しかないのか、いいかげんな絵である。コ
マ割りもおおざっぱ、写真の扱いもおざなり、タイポグラフィ(?)もきたな
い。筆文字なんか無残である。主役なのか狂言回しなのか、極道の男が出てく
るが、自分はオリ、相手はおみイというように口調が意味なく壊れていて、よ
みにくいったらない。小泉首相はじめ閣僚や、外国の元首も多数登場する。マ
ンガらしくそこそこうまく扱っているけど、描き方はラフもいいとこ。人物の
ポーズの付け方などをはじめ、全体がそうとう古い感覚でついていけません。
それでも内容としては、要領よくまとまっていると評価できる。ここには恐る
べき中国の実態が描かれている。日本ばかりか東アジアを、いや国際秩序全体
を脅かしている危険かつ卑劣な隣人の正体が顕わになった。中国も韓国と同様、
「知れば知るほど嫌いになる国」だが、日本にとっての脅威という点では朝鮮
半島の比ではない。「やっかいな隣人」というのは甘い表現だと思う。そんな
相手とこれからもつきあっていかなくては、日本の経済もたちゆかないという
のだから難儀なことだ。どうしたらいいのか。中国のことを正しく理解しよう
という結論になるのは当然で、それしかないだろう。この本もその目的をよく
果たしている。でも、知れば知るほど中国のもつ暗黒面は恐ろしい。読んでゆ
ううつな気分にさせられたが、ともかく意義ある出版だと思う。  (柴田)

・台風が来るというのでキャンセルが多そうだなぁと思っていたのに、当日飛
び入り参加の方までいらして嬉しい。TVやその周辺がどのように変わってきた
のか、そもそもTVって何なのか、TVを見ている時は人はどういう気持ちでいる
のかということから、今後出てきそうなビジネスのヒントやTVや広告が今後ど
のように変わっていくかを休憩なしに二時間話し続ける神田さん。交流会では、
いろんな分野の方が参加されたので知らない話、立場の違う話題が飛び交う。
現場の話、体験談は面白くて刺激になる。読者もいらして、久々に「後記読ん
でますよ~」「後記の印象と違った」などと言われて照れる。体調を崩してい
て(またか!)今も熱があるのだが、そのせいだけではないだろうけど暴言吐
きまくり。この場をお借りしてお詫びとお礼をば。来月は「検索」がテーマ。
近々告知。また刺激的な交流会になればいいなぁと。    (hammer.mule)

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発行   デジタルクリエイターズ <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
リニューアル  8月サンタ
アシスト    鴨田麻衣子

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