[1902] ストーリーの禁じ手

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1902    2006/01/25.Wed.14:00発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 18147部
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       <初心者が陥りやすい、やってはいけないこと>      

■ネタを訪ねて三万歩[12]
 唐突に、ナンチャッテ系パティシエ・デビュー
 海津ヨシノリ

■グラフィック薄氷大魔王[38]  
 ストーリーの禁じ手
 吉井 宏

■セミナー&プレゼント案内……締切は本日24時
 PAGE2006 カンファレンス デジタルメディアトラック
 UI(ユーザインタフェース)の復権
 


■ネタを訪ねて三万歩[12] 
唐突に、ナンチャッテ系パティシエ・デビュー

海津ヨシノリ
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年が明けてもまだ続いているのが不思議でよくわからない連載ですが、今年も
よろしくお願いいたします。実は年末から年始にかけて原稿執筆の仕事が重な
ってしまい、頭の中が誤変換の嵐となって夢にまで出てくる始末。でも、ジ~
ッとしていると逆にストレスが溜まってしまう体質なので、いいリズムだった
のかもしれません。

●世間的に見るとイレギュラーな年末年始

さて、年が明けても冬休みは終わりません。80名ほどのレポートチェックも終
わったので、私にとって次の授業は4月からということになるからです。なん
だかリズムが狂ってしまう感じですが、とにかくこのリズムも数年続ければ全
体の中での微動になっていくのでしょうね。

ところで、暑いよりは寒い方が好きな私も今度の年末年始はちょっと寒すぎで
した。仕事部屋には暖房器具がないので、Gパンの上からフリースの膝掛けを
スカートのように巻いて仕事をしています。『このままモンゴルの草原に立っ
ても違和感はないかもね』と、一部の方から太鼓判を押されました。

いや、暖房器具が本当にないわけではないのですが、頭の上から温風がきても
意味がないのです。机の上はコンピュータの放熱で適度な温度がキープされて
いるからです。つまり、寒いのは腰から下というわけです。と、ここでひらめ
く私。『そうか、机の下にマシンを置けば放熱は足下から届く』……と。どち
らにしても、帰省もせずにダラダラと家でボーッとしていたのがいけなかった
のかもしれません。

もっとも私は帰省出来ないのではなくて、帰省する先が都内というオマヌケな
宿命なのです。ですから、この時期の季節感は普通の方の半分以下なのかもし
れません。憧れてしまうんですよね~。『実家から米を送ってくる』とか『漬
け物には困らない』とか『伯父さんが蜜柑山もっている』といった台詞を一度
でもいいから吐いてみたいものです。

そんな夢を見ていたら忘年会その4で、おみやげに野沢菜を頂き大感激。なに
せ漬け物は野沢菜、福神漬け、柴漬け、浅漬けの沢庵、白菜の一夜漬けぐらい
しか自発的には食べないのでニタニタ状態。続けて年明け早々に行われ新年会
その1でも芋羊羹とあんこ玉のおみやげが出て、ニタニタ状態を通り越してデ
レデレ状態。なんだか私は、きび団子1個で尻尾を振ってしまう犬状態の年末
年始だったのかもしれません。ちなみに私は年男ではありません。

ところで実家からの米で思い出したのですが、数年前に山梨へ葡萄狩りにいっ
た時の事。ある葡萄園で葡萄狩りを始めたら、いきなり園のおじさんが私に向
かって『タカヨシじゃないか~』と近寄ってきたかと思うと突然『あっ、甥の
タカヨシかと思った。失礼しました。しかしよく似ている』と嘯くわけです。

要するに、少しでも葡萄を買ってもらいたいための営業的な掴みなのです。も
うバレバレなのだけど、相手のペースにはまったふりをしてあげましたが、そ
の後は葡萄の話で炸裂してくれてえらい迷惑でしたので、当然いい気分にはな
れませんでした。

つまり、すべてがぶち壊された感じ。でも、地方に親戚が居る方にとっては心
地よいネタだったのかもしれませんね。そして、そんな小細工をしなければリ
ラックスできた私は、もっと葡萄を買っていたかもしれませんでした。要する
に、早くそのおじさんのいる場を立ち去りたかったわけです。

誰も経験することだとは思うのですが、どんなに言葉尻が丁寧で優しくても不
快に感じる方。あるいは言葉尻がきついことに気が付かない方。文章なら腐る
ほど実例はありますが、面と向かって話しているときにこれで嫌われたら確実
にアウトですね。反面教師で注意しないと。

話を戻すと、なんとか狩りの類はほとんど体験しましたが、やはり梨やイチゴ
狩りが一番楽しいですね。その場でたっぷり食べることが出来るからです。や
はり果物は生が一番ですからね。私は夕食後にデザートの果物がないと生きて
いけない体質なので。もっとも最近は、唐突にお菓子作りを始めているので、
若干ニュアンスが違ってきてしまいました。夕食後のデザートはケーキもあり
ということにすり替わりました。

●パティシエ・デビュー

事の起こりはちょっとした悪戯心でした。もともとお汁粉や白玉は小学生の頃
から勝手に作っていましたので、その延長みたいなモノです。そして昨年の10
月の頭からブログに20点ほど粘土いじりのようなお菓子の作品をアップしてい
たことが実を結び(真相は不明)、マカロニアンモナイト(注1)にてお菓子
作りの原稿を執筆することになりました。

つまり昨年の12月末にパティシエ・デビュー(もちろんナンチャッテ系の)し
てしまったわけです。連載は2回だけですが、全く違うジャンルの原稿なので
新鮮さは格別のため、妙にのめり込んでしまいました。もちろん、ブログでの
お菓子作りは今後も続けるつもりです。何かの間違いでコレが仕事になってし
まったら「キャアキャア」言ってしまうんですけどね。

今では、書店の次に立ち寄るのがお菓子類材料の専門店となっています。その
うち不審者として通報されてしまうかもしれません。とにかくこうなると友人
の中で、お菓子の話が通じる方を探すのが大変。それは少し困ったことかもし
れませんが、徐々に隠れファンを意外な場所で発見しつつあります。もしかす
ると、少ないのではなくて目立っていないだけで、実はやたらと多いのかもし
れないと考え方を改めつつあります。

そんなわけで、デジタルグラフィックという括りでのセミナーや執筆活動が私
の表の顔だとすると、さしずめお菓子作りは裏の顔みたいなものかもしれませ
ん。いや、本気でそのように活動するつもりです。本当はデジタルグラフィッ
クという話よりも、アナログ時代のデザインに関わる話の方が好きだし、もっ
と広くとらえればデザインだけにとどまらず、色々な刺激や表現について話し
たり執筆してみたいと思っていたからです。そして、それこそがデザインその
ものというわけです。

ここで少しだけネタを披露すると、私のお菓子づくりは『素早く、楽しく、美
味しく』をお金を掛けずに作り上げる事を基本としています。難しいことに時
間を掛けて仕上げることは、私にとってはあまり興味の湧かないことです。と
にかく、面白くて仕方がありません。泡立てのやり方やオーブンの使い方で味
は変わってしまいます。本当に生き物のようにデリケートな世界というわけで
す。もちろん、適当にしても分量と手順さえ間違えなければ失敗はありません
が、さじ加減が生きるというのは魅力的です。

とにかく、少しずつ色々なアレンジが楽しめ、出来上がった作品を食べること
が出来るので、楽しみは2倍というわけです。でも、調子に乗って太らないよ
うに注意しないとね。

(注1)マカロニアンモナイト
<http://ammo.jp/monthly/0601/index.html>
<http://ammo.jp/monthly/0602/index.html>
※2月分は1月31日または2月1日にアップされる予定

●食べ物への妙なこだわり

実は、お菓子を作るという事は料理の延長でもありました。私は料理すること
がわりと好きなのです。ただし、込み入った料理ではなく、簡単な料理にこだ
わってきました。でも、海津家一子相伝(大袈裟)のすいとんなどはちょっと
したこだわりがあります。うちでは薄力粉だけではなく、ご飯を軽く練った中
途半端な餅状態に薄力粉を混ぜたものをすいとんとし、けんちん汁もどきの中
に入れて完成させています。食感はうどんですね。そういった、ちょっとした
こだわりと遊びが好きなのです。

ですから、インスタントラーメンでも、説明書き通りには作りません。まずス
ープをどんぶりに入れて、少しのお湯で溶かしてから3割ほど捨てます。全て
を使うと味が濃すぎるからです。次に、野菜をスープに使う程度の少ない水で
煮込んでから全てをどんぶりに入れます。こうすることで、煮汁に流れてしま
った野菜のエキスもしっかり頂けるというわけです。最後に、ノンフライ麺を
たっぷりのお湯で茹でてから麺だけをすくいあげ、どんぶりに入れて完成です。
ちなみに、私は醤油か塩以外のラーメンは食べません。また、煮込む野菜は特
に限定しませんが、椎茸があるとベストですね。あとは乾燥ワカメと卵かな。

この作り方は中学の頃からこだわっています。昔から凝り性なのです。物心つ
いたときから凝り出したモノを順番に思い出すと、メンコ、折り紙、潜水艦
(スケールはまちまち)のプラモデル、クラシックレコード、SF小説、鉄道模
型(HOとOゲージ)、マンガ作成、軍用飛行機(1/72専門)のプラモデル、ラ
ジオ作成、化学実験、軍事車両系(1/35専門)のプラモデルとフィギュア、ペ
ーパークラフト、木工細工、レタリング、推理小説、ロック系レコード、歴史
小説、写真撮影、写真現像、ミニコミ誌といった具合に凝り固まっていました
が、そのいくつかは一定の周期で復活しています。そして、今は大昔に半分は
仕事でもあった写真撮影がちょっとウズウズし始めました。

●一眼レフ方式のデジタルカメラ

発端は、お菓子の撮影で、嫌と言うほど一眼レフタイプのカメラの必要性を感
じたことです。単なるスナップ撮影用という目的のためだけで、5台ほどデジ
タルカメラを買い続けてきたのですが、ここにきて一気に爆発してしまいまし
た。いや、今は液晶モニターがあるので、何が何でも一眼レフというわけでも
ないですが、手持ちのカメラでは外部ストロボにシンクロが出来ない事への不
満が鬱積していたからだす。一応オプションとして専用の外部ストロボが用意
されていますが、そのカメラでしか使えないという特殊機構なのはナンセンス
ですし、買い揃える金額で他社の外部ストロボが使える一眼レフが買えてしま
うのは、なんの冗談なのだろうとキレる始末。

とにかく、フイルムカメラ用に色々と買い揃えていたストロボが使えないのは
悔しいという貧乏根性の暴発というわけです。それに、どうせマニュアル撮影
なのだからそれで十分。外部ストロボにシンクロさえ出来れば、どんな状況下
でも一定した写真を撮影できる事を知っているのでストレスは溜まるばかりで
す。一応これでも一時期(無限の彼方の遠い昔)は、写真撮影を請け負ってい
たこともありました。だけど、未対応の外部ストロボのホワイトバランスとか
どうするのだろう(勉強不足)と考えると、完全対応している外部ストロボで
はない場合は宝の持ち腐れになるかもしれないという不安……。

そうなってくると、N社のレンズならゴロゴロしていたのでおのずと本体は同
社と考えていたのだけれど、それもなんだか微妙な互換性の問題で怪しいかも
しれない。まっ、実際に調べて見たらオートフォーカスレンズが現れた時より
も互換性が低いことが判明したので、宝の持ち腐れかもしれないと目覚める。
ということで、手持ちのレンズを使うことはあまり考えずにスペック重視で、
少しずつカタログを眺めながら機能を比較し始めたわけです。そうすると今度
は、『多少高くてもこっちかな?』てな具合で、色々と目移りしてしまうんで
すよ。そして気が付くとかなりの高級機に絞られてしまったりして、ちょっと
本末転倒ぎみ。

高級デジタルカメラを購入しても、フィルムカメラ時代ならカメラは一生モノ
であったのに対して、デジタルカメラは高性能であっても数年の命。もっとも
私の所有するフィルムカメラ10余台はメーカーがフィルムカメラからの撤退を
宣言するなど、時代の波で既に一生モノではなくなってしまいましたので、こ
の部分の問題はクリアということですね。とにかくシンクロ出来るデジタルカ
メラの購入で暫く悩みそうです。

と、昨年末までボーッと考えていたのですが、シンクロさせるだけでは当然ダ
メだし、光源をディフューズさせなくてはならない。そしてそのセッティング
はえらく大変。それだったら、特殊なライティングセットを購入してしまった
方がいいかもしれないと気が付く。でも、予想外に高いので振り出しに戻る。

蛍光灯でいいんだから自分で作ってしまおうかと思い、とりあえず適当なモノ
を作ってみると意外にいい感じなので、本格的に作ってみようかと真面目に考
え込んでいます。さてさて、どうしたものか。そのうち、カメラ関係のセミナ
ーにも手を染めてしまうぐらいの気迫がないとダメなのかもしれませんね。

●セミナーはアイデアの宝庫

セミナーといえば、IT関連メーカー主催のもの、一般企業のPR系、イラストレ
ーターやデザイナーなどの作家系と無節操に昨年は様々なセミナーへ聴講者と
して参加しました。もっとも、他の予定とバッティングすることが多かったの
で、実際に希望していたセミナーのうち半分ぐらいでした。それでもそれは、
プロあるいはメーカーの担当者のオペレーションさばきを垣間見ることが出来
る貴重な瞬間でした。プロ、あるいはメーカーの方が新機能をどう説明し、ど
う使い込むのかという部分はなかなか見ることが出来ないので大変勉強になり
ます。

些細なことでもいいんです。他の方のオペレーションを見ることが大切なので
す。次が、考え方やアイデア出しを披露してくれるケースです。これは実に有
意義な瞬間です。同じテーマでも、人によりアイデアの出し方は異なってくる
からです。いや、それよりもOSの基本的な操作方法が勉強になるなんて事が意
外に多いのです。もうそれだけでラッキーと叫びたくなってしまいます。逆に
最悪なのは、態度が大きくて自慢話しかしない人ですね。とにかく、色々なセ
ミナーに参加することで新しい発見や刺激を得るのが大好きです。つまりは、
イベント好きというわけです。

で、実は私は量販店などで行われているデモンストレーションを後ろの方でこ
っそり眺めるのが好きだったりします。かつてはEXPO会場で、面の割れていな
いメーカーのブースで行われているセッションの、はしごをしたこともありま
した。まず絶対に使うことはないかもしれないようなソフトであっても、それ
は大きな問題ではありません。確実に何か面白い仕込みが頭の中に入り込むか
らです。もちろんボーッと見ていてはダメです。

でもその前に発声練習をした方がよいと、ある方に言われたことがあります。
声が細いので聞き取りにくいのを改善することが私も最重要課題かもしれませ
ん。友人に音楽家がいるから頼んでみようかと、半分真面目に考える今日この
頃。あっ、叔母(母の従姉妹)は声楽家だったことを忘れていました。叔母さ
んは東京じゃないし、異常に厳しい人だから躊躇かな?

【海津ヨシノリ】グラフィックデザイナー/イラストレーター
駐車料金がバカにならないので、ここ数年はもっぱら公共交通機関を利用する
ことが多いのですが、乗り換えなどが色々と複雑な場所もあるので全てをカー
ドで済ましています。ですから、切符を最後に購入したのがどのくらい前なの
か記憶がありません。都内ならパスネットにスイカとバス共通カードで完全武
装できますからね。ところが、私鉄とJRを乗り継ぐときに一旦改札を出てから
入り直すのが当たり前だと思っていたら、場所によっては両方のカードを一度
に入れる(スイカはかざすだけ)だけで、いちいち改札を出たり入ったりする
必要がないということを知ってビックリ。

しかし、どうもあまりこの件を宣伝している節がないのは、まだまだ特別な駅
の改札だけだからのようです。そして、近い将来すべてがスイカに統一?され
るらしいので、今それを中途半端に発表しても混乱するだけなので当然かもし
れません。ということで、パスネットはいつも1,000円カードを数枚持ち歩く
ようにしています。それ以上高額のカードだと、紛失した時のショックが大き
いからです。でも、それを言うとスイカは持ち歩く金券でかなり危険度は高く
なります。もっとも、近頃は普通に財布の中に入れてあるクレジットカードを
スキミングされるような時代だから、ある意味で何を心配してもどうしようも
ないのかもしれませんね。

そんなわけで、パスネットは色々とユニークなデザインのものが多いので、使
い切ったカードをいつのまにかコレクションするようになってしまいました。
集めても場所を取らないですからね。ちなみに、コレクターにとって東京でお
勧めの私鉄は、頻繁に新しいカードを発行している京王線と東京メトロですね。

yoshinori@kaizu.com
<http://www.kaizu.com>
<http://graphic.pastel.co.jp/kaizu/>
<http://fmaug.nifty.com/efgra/>

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■グラフィック薄氷大魔王[38]  
ストーリーの禁じ手

吉井 宏
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昔、マンガを描いていたときに少しは勉強したんだけど、ストーリーの作り方
やオチについて「初心者が陥りやすい、やってはいけないこと」とされていた
ことがある。最近、国内外のプロやアマチュアが制作したCGやFLASH系のショ
ートフィルムやデモリールをたくさん見るんだけど、「あれれ? そんなあ~」
とがっかりさせられることが多い。

「オナラ」「ゲップ」「排泄をガマン」がストーリーの中核になってる作品が
意外に多いのだ。それと、「夢でした」の夢オチ。このところ目立つのが「ギ
ャグとして血を吹き出す」ものや「痛い」もの。アニメーションやCGの技術は
相当イケてる作家でさえ、そういうことをやっていて不思議。

なぜ、やってはいけないのかといえば、簡単・安易で笑わせる手段として最も
低級だから。夢オチも同様に最低級のオチ。主人公がどんな大変な目に遭って
も、オチが「夢でした」だったらどんな無責任な話でも形式的にはキッチリま
とまっているように錯覚するから。また、どんな場面でも血が吹き出せばエモ
ーショナルになるし過激っぽく演出できる。

要するに、物語を練ることを放棄した思考停止のようなもの。だから、僕はそ
ういうのは「禁じ手」だと思っていた。下品だから不快だからバカだからでは
なく、そうしたネタに寄っかかって作っている以上発展のしようがないから、
ダメと。

そういうのが大好きで作るのはかまわないし、あらゆる選択肢から考え抜いて
選んだ最良のオチがそういうのだったのならいいと思う。しかし、エンターテ
インメントを志し、大変な労力をかけてショートフィルムを作るんでしょ? 
面白さを世に問うているんでしょ? 自分たちの才能を認めてほしいんでしょ?
なのにストーリーが「オナラ」「ゲップ」でいいはずないと思うんだけどな。
もったいない。

スパイス的にうまく使う方法もあるけどね。気取った作品に見えないようにカ
モフラージュしたり、わざとしつこく禁じ手を繰り返すことでアナーキーを装
ったり。安易な手段は最後の最後まで使わず、まずはそうでないものを作る努
力が必要なんじゃないかな。発展途上のエンターテインメント戦士にとっては。

……日本人みたいな名前のとってもカワイイ魔女っ子が登場する、美しい海外
CGアニメショートフィルムの新作(パイロット版?)を見てそう思いました。
非常にもったいない。それとも何か深い意図でもあるのかな?

【吉井 宏/イラストレーター】hiroshi@yoshii.com

どういうわけか、「犬」のキャラクター制作の仕事が3つ重なってる最中。戌
年とは無関係の内容なのに。猫も好きだけど、犬は大好きなのでうれしい。特
に、鼻の黒いところが好き。あと、柴犬のほっぺたのグラデーションがたまら
ん。ところで、犬に服を着せるのは暑くてかわいそうだ。どうしても着せたい
んだったら、服の下の部分の毛を剃って裸にしておくといいんじゃないかな。

HP <http://www.yoshii.com>
Blog <http://graphic.pastel.co.jp/yoshii/>

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■セミナー&プレゼント案内……締切は本日24時
PAGE2006 カンファレンス デジタルメディアトラック
UI(ユーザインタフェース)の復権
<http://www.jagat.or.jp/PAGE/2006/conf/c.htm#c5>
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主催:社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)
日時:2月3日(金)13:00~15:00
会場:サンシャインシティTOKYO ワールドインポートマート8階
内容:お飾りに思われてきた「UI(ユーザインターフェース)」に、ようやく
注目がされつつあるように思ってきています。ありきたりのものや、使いにく
いものをどんなに並べても、逆効果しか生み出さないことが徐々に体感できて
きたからでしょう。異色の3人で、これから3年後のために今なすべきことを紹
介してみたいと企画しています。是非お越し下さい。
モデレータ:野村総合研究所 三井英樹
スピーカー:RAKU-GAKI 西田幸司/ベースメントファクトリープロダクション
北村健

●主催JAGATより、デジクリ読者10名をご招待(当日券だと17,000円)。
応募は info@dgcr.comへ。件名は「UIの復権聴講希望」住所、氏名、職業を明
記。コメントあれば書いて下さい。個人情報保護に対する取り組みは以下。
<http://www.dgcr.com/present/list.html>
締切は1月25日(水)24時。当選発表は、JAGATより参加証の発送に替えさせて
いただきます。

▼デジクリもおすすめのセミナー! まだ間に合います(10時現在だけど)

<応募受付中のプレゼント>
世界のファッションフォトグラファー Vol.1 本誌1901号(1/31締切)
プロがこっそり教えるウェブ制作術(改訂第2版) 本誌1901号(2/3締切)
以下は姉妹紙「写真を楽しむ生活」にて受付中のプレゼント
「デジタルフォトテクニック #007」#762号 1月31日(火)14時締切


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■編集後記(1/25)
・昨日の読売新聞では、5ページも使って「よみうり写真大賞2005年」を特集
していた。このコンテストはわかりやすい作品が多いのが特徴(だと思う)で、
見ていて楽しい。とくに、ファミリー部門や高校生の部の作品が素直でよろし
い。今回はテーマ部門が「よろこび」だったので、一般の部もあたたかな好ま
しい作品揃いだった。ところで、デジタルアート部門はともかく、撮影データ
がアナログカメラの作品は安心して見ていられるのだが、デジタルカメラとな
るとどうも色眼鏡で見てしまう(物事を素直に見ずに、先入観・偏見をもって
見ることデス)。あまりに都合のいい写真(うますぎる写真?)があると、つ
い加工したものではないかと疑うようになった。本当に手を加えていないのだ
ろうか。プリント段階である程度調整するのはありだとしても、画像処理で足
したり引いたり動かしたりしていないだろうか。コンクールの応募規定で、デ
ジタル加工したものは不可という一文がよく見られるようになったが、どこま
での範囲を加工というのかわからない。主催者だってわからないのではないか。
そのあたりがこれからの写真コンテストで問題になると思う。たまたま見てい
た「日本カメラ」の月例で、選者のプロカメラマンが「デジタル写真なので、
どこまで画面に手を加えているかわかりませんが」とことわっていた。選者も
大変な時代だ。デジタルならなんでもあり、と思ったほうがいい。アナログカ
メラの作品は安心して見ていられる、と言ったがデジタルプリントだったら安
心しない、と言い換える。デジタル化しちゃえばなんとでもなるのでした。本
当の意味の「写真」のコンテストはスライドでしかありえない時代になったの
かもしれない。                        (柴田)

・ある新聞コラム欄に品のなさを感じた。新聞というのは強い権力には、スト
レートに書けないので風刺コメントを入れるもんだけど、弱った途端、皮肉っ
ぽく、汚くののしっていて下品だなぁと。処分中・処分後は淡々と「報道」す
れば良いと思うのだ。皮肉なんて言わずにストレートに怒れば良いと思うのだ。
同じことが起こらないようにと。武道の世界だと、勝負のついた、倒れた相手
を蹴ったり殴ったりする人は師範や先輩から叱られるものだ。たとえその相手
がそれまで反則をしていても。以前は少なからず持ち上げていたように思えた
のに、弱ったのを見計らってから、というのはどうなんだろう。大河ドラマで
は敵の子供を助けてしまい、敵討ちにあったりするから、壊滅するまで叩くん
だっていう話もあるけどさ。私が甘いのか? 世界基準になった現在、武道の
話をしても意味ないのか? 世の中変わってしまったのか? (hammer.mule)

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発行   デジタルクリエイターズ <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
リニューアル  8月サンタ
アシスト    鴨田麻衣子

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