クリエイターとLLPと……[4]バビル6LLPへの布石(1)
── 深川正英 ──

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バビル6LLPという組織を立ち上げて一年程経ちますが、そもそも、なぜ私がバビル6LLPを立ち上げるに至ったか? という経緯を正確にお伝えするためには、話を5年前までさかのぼる必要があり、折角の機会なので書いてみようと思います。

およそ5年前に、映画や映像が好きな、もしくは自主的に製作をしている人たちの集まりとして「Movin' Picture Project(以後「MPP」)」という任意団体を立ち上げました。

このMPPは非常に自発的な集まりの任意団体なので、特に法律的に定められた団体などというようなものではありません。あくまでも、映画や映像が好きな友達がなんとなく集まって情報交換(実態は飲み会)をする、というような非常にゆる〜い集まりが始まりでした。どちらかというと、そういう人が集まったので、じゃあ団体として名前を付けて何か活動してみようか、という流れだったと記憶しています。


当時は、デジタルビデオの規格が浸透し始めた頃で、インターネットに関してはまだブロードバンドの普及にかなり時間がかかると思われていた頃です。ですので、作品はぼちぼち集まる程度で、ネット配信も視野に入れてはいましたが、まだまだ先の話だとのんびりと構え、映像団体らしい活動といえば年に一回上映会を行なうことくらいでした。「でした」と過去形なのは、今は活動休止状態といってもいいような状態だからです。

では、なぜそのようになってしまったのかというと、例えば上映会をしたとしても、その先に何かメリットのようなものがなかったからだと思っています。確かに同じ志向の人たちが集まったという喜びはあったのですが、参加することで次へのステップを見つけてもらえたかというと、残念ながらなかっただろうと言わざるを得ません。

会員制を設けず、所属するという概念もない非常に緩やかな集まり・・・これが、結果的には徐々に熱を奪う結果になったと考えています。ただ、一部の人の間では仕事に結びついたという動きはありました。

映像はいろんな要素の集まりで、映像を軸にすればいろんなジャンルのクリエイターとのコラボレーションが可能になるということは立ち上げ当初から考えていました。実際、映像制作に携わっている人だけでなく、その周りの音楽や役者や小道具が作れる人、そしてグラフィックデザイナーやWebデザイナー、プログラマーなど、実に様々なジャンルの人と出会うことが出来ました。

そんなMPPの繋がりから、仕事を手伝ってくれないか? ということで、私自身も仕事を依頼したり依頼されたりということがあり、その関係が今でも続いている人は多いです。

MPPはあくまでも楽しさを優先する非営利団体として活動をしようと思っていたので、これは(当時としては)予想外の出来事でしたが、こういうことが自然に起こるのなら、よりビジネスを意識した組織作りが出来るのではないかと考えるようになっていきました。

これが、バビル6LLPの原点であることは間違いないのですが、ここから紆余曲折が始まります。
(続く・・・)

【ふかがわまさひで】
バビル6 LLP(有限責任事業組合)組合員
※バビル6 LLPは日本第一号のLLP(有限責任事業組合)です
< http://www.b6p.jp/
>


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by G-Tools , 2006/10/03