[2059] Flash10周年! 極私的Flash史 〜黎明篇〜

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<わしにしゃべらせたのが間違い(笑)>
<来年はマツカサ10周年か(笑)>
<すげー! ひょっとすると世界最古のユーザーグループ?(笑)>

■MKチャット対談
 Flash10周年! 極私的Flash史 〜黎明篇〜
 笠居トシヒロ&まつむらまきお

■グラフィック薄氷大魔王[70]
 iCalのつかいかた
 吉井 宏


■MKチャット対談
Flash10周年! 極私的Flash史 〜黎明篇〜

笠居トシヒロ&まつむらまきお
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かさい: まいどー、笠居です。移転した仕事場の前が幼稚園で、毎日運動会の練習で、かしましいですー(笑) かわいいけどね
まきお: まいど、まつむらですー。うちの前も小学校で冬ソナのテーマ(笑)かかってました〜。自治会の運動会だったんかな?
かさい: 最近の運動会は、昔みたいに定番のマーチとか使わないもんなぁしかしねぇ、ウチの子も10年前は、あんなにちっちゃくてかわいかったのになー、とか感慨に浸ってしまいましたよ
まきお: そういえば、なんか、Flashがこの秋、10周年だそうですよ
かさい: あーもう、10周年ですか。チョット前まで、こーんなにちっちゃかったのにねぇ
まきお: ちっこかったちっこかった(笑)最初は2.9MBしかなかったのよ〜
かさい: 10周年って、FutureSplashから数えんの?
まきお: うん、なんか Adobeのサイトでえらく凝った記念サイトが立ち上っているのですが、これが英語でさっぱりわからんのと、インターフェイスがイライラするので(笑)自分で調べてみました
かさい: ここやね
< http://www.adobe.com/products/flash/special/flashanniversary/microsite/
>
まきお: えーと、資料資料....Flashになったのが97年1月だけど、おいらが最初にFutureSplash(Flashの前身)のレビューをMACLIFE(BNN社から出ていたMac専門誌)に書いたのが96年9月号
かさい: 資料って、なんの資料みてんの?
まきお: 自分のファイルアーカイブ。原稿は、7/22に入稿してる。製品の発売日は特定できないんだけど、レビューはパブリックベータで書いたので、おそらく9月〜10月に製品が出たはず
かさい: へぇ(笑)ってことは、やっぱFSAから数えて10年ってことね
まきお: スマスケは?
かさい: スマスケ入れると11〜2年くらいになっちゃうんじゃないか?
まきお: スマスケのレビューを書いたのが95年12月。誠和システムズから発売直前のパッケージをもらったので、おそらく出たのが1月。USでは半年前くらいに出てたかも
かさい: 誠和、なつかしー。あのころは日本語版までに半年以上タイムラグがあったからねえ。だから、英語版へのアップグレードパスってのが用意されてる場合もあったね
まきお: うん。スマスケの1.0ってWinは3.2だったんだよね。だもんで、Mac版とくらべて、めちゃくちゃできないことが多かった。スマスケも1.1かな? でWinは95に対応したわけですな
かさい: そうだったのか。そのころはWinなんて全然使ってなかったから知らんわ
まきお: おいらも使ってなかったけど、マニュアルみてたら「※この機能は、Winでは使えません」って記述がめちゃくちゃ出てくるのをよく覚えている(笑)
かさい: わははははははは
まきお: で、そのスマスケ、日本の方がアメリカより売れてたんだよ
かさい: 日本人好みだったわけだ(w
まきお: 笠居さんは来てなかったっけ? Futurewave社の人が誠和に呼ばれて日本に来たことがあるの。ジョナサン(開発者)ではなくて、営業担当の小太りのおばさま
かさい: しらんなあ、オレがFuturewaveにコンタクトとったのはFSAのベータが出たときだもん
まきお: スマスケから使ってたんだよね? そもそもスマスケはどこで知ったの? パッケージ出てから?
かさい: そうそう、Mac雑誌の記事で知ったんだよ。まつむらさんが書いたやつかも(w
まきお: かな? ぼくはねぇ、MacPowerの記事だったんだよ。 スマスケとスーパーペイントの比較記事で、スマスケはまだ出てない時で、それで興味をもって、当時仕事していたMACLIFEの編集さんに取り寄せてもらったの
かさい: どんな内容だったかは覚えてないけど、面白そうだと思って会社で買ったの。ちょうどタブレットも買ったばかりだったのでね。そのころは、そこそこな額の決裁権を持ってたんで、面白そうな物どんどん買ってたな(笑)
まきお: あ、記録が出てきました。スマスケのフロッピーのクリエイト日は96年1月6日、三枚組フロッピ。そこそこっていっても、1万円でオツリ来たよね(笑)
かさい: スマスケはね(笑)タブレットは高かったような記憶がある
まきお: 高かったよー。最初買ったのは10万近かった気がするなぁ
かさい: 外付けのデカいコントローラが繋がっててね、今みたいに板一枚じゃなかった(笑)
まきお: 電源はいるわ、シリアル接続でモデムと切り替えないといけないわ…
かさい: そうそう、モデムと同じソケットに差すんだったな(笑)
まきお: そう考えると、当時タブレットでの描画をメダマにしたスマスケって先進ちゅーか、無謀ちゅーか....
かさい: 9,800円のくせに(笑)
まきお: ねぇ(笑)
かさい: でもそれ使って仕事もしたよ。 仕上がり3メートルくらいになる屋外広告のイラスト描いた
まきお: ぼくもスマスケを手にしたその日から、すべてスマスケになったなぁ
かさい: そのころからイラレデータの書き出しできたからね。印刷物にも使えたんだよな
まきお: そそ。当時イラレはアンチエリアスでプレビューできなかったので、印刷してみないと曲線の感じがわかんなかったのよ。スマスケはリアルタイムだから、印刷に近いイメージで絵が書けた
かさい: PDFの表示でさえ、ラインにアンチエイリアスがかかったのは、かなり後だったもんね
まきお: で、10年以上、その機能で絵を書き続けているけど、全然機能変わってないよな....
かさい: 描画の部分はね(笑)まあ、細かい機能追加はあるけど
まきお: グラデや透明はできたけど、ブラシの形状もモードもぜーんぶ当時のまんま(笑)
かさい: 変えて欲しいの?
まきお: もうちょっとカスタマイズできるように進化してほしいんじゃ(^_^;)
かさい: なめらかさとか、表示拡大率で微調整するしかないもんな
まきお: あれはあれで便利なんだよ。さてここでカルトQ。スマスケにあってFlashで無くなった描画関連機能とはなんでしょう?
かさい: えー、カルトすぎるわ。そもそも、読者の99%はこの話についてきてないと思うぞ(笑)
まきお: うははは(笑)正解は「オブジェクトを隠す」です
かさい: ああ、隠すあったねえ。その代わりレイヤー無かったけど
まきお: そそ、スマスケはレイヤーなかったので、オブジェクトを隠す必要があったのだ。ではカルトQ第二問。スマスケがFutureSplashになったのは有名ですが、実はその間に2回名前を変えています。さてなんでしょう?
かさい: えーと、ひとつは「スマートスケッチアニメーター」だっけ?
まきお: ピンポーン。最初ニュースリリースとして予告されたときの名前がスマートスケッチアニメーター
かさい: もうひとつはなんだっけ?
まきお: Futurewave CelAnimater
かさい: セルアニメーターか! 思い出した
まきお: おしかったねぇ〜。で、96年6月19日付けで、CelAnimaterという名称でパブリックベータが配布されました。これがFlashが世に出た最初ですな。なので正確にはこの日が誕生日かも
かさい: 同年7月には、Flash-MLの前進であるFSA研究会BBSが発足してるねんまぁ、おれが勝手に作っただけなんですが(笑)
まきお: おお、ってことは、製品が出る前からあったの ?Flash-JP
かさい: 大元から数えると、そういうことになりますなぁ
まきお: すげー! ひょっとすると世界最古のユーザーグループ?(笑)
かさい: かもしれん(笑)
まきお: 北京原人みたいな人だったんだねぇ(笑)
かさい: なんでやねん(^^;) わしゃ化石か
まきお: で、そのCelAnimatorのレビューを書いたのが96年7月22日、MACLIFE 8月売り、9月号。雑誌が出る直前で「FutureSplash」と名前が変わって、あわてて校正いれた。でもアイコンはCelanimatorのまま、雑誌にのってるので、ぜひ御手元のMACLIFE96年9月号でご確認ください
かさい: ないない、無いって(笑)
まきお: ないか(笑)お近くの国会図書館にあるはずですよ(笑)
かさい: お近くにないです>国会図書館(^^;)自分の書いた記事が載ってる号はとってあるけど、普通捨ててますよ(笑)
まきお: おいら70冊くらい毎号かいてたから、全部あるけど、さすがにすぐに出てくるところにはないです(^_^;)
かさい: そらそうだ(笑)
まきお: で、誠和からFutureSplash日本語版が出るはずだったのが、結局出なかったんだよね。英語版はパッケージ販売したんだっけ?
かさい: オレはFuturewaveから直接パッケージ購入したんだ。もちろん英語版その後、日本でも市販されてたと思うよ、英語版は
まきお: 誠和が出してたんだろうな。当時はけっこう、英語版先行販売って多かったよね。イラレやフォトショもそうだった
かさい: そうね。日本語版へのアップグレードも普通にあったからね
まきお: ところが96年年末に誠和がふっとんだー。倒産〜
かさい: これからって時にねぇ。オレ、ちょうど「みんなのFLASH」の企画書書いてたときだったから、かなりショックだったよぉ
まきお: これは闇歴史というか推測だけど、先のスマスケが日本の方が売れてたって証言から推理すると、誠和がふっとんで、Futurewave社は不良債権つかまされて首まわんなくなったんだ、きっと
かさい: ジョナサンつらかったろうなぁ(^^;)
まきお: 当時の数少ないユーザーたちがどうなることかとヤキモキしていたのだが、年が明けて正月空けすぐに、MacromediaがFuturewaveを買収したというニュースが入ってきた
かさい: うんうん、そうだったなあ。オレはこのニュース、そうとう喜んだ記憶があるよ。FLASHがShockWaveの仲間入りだ! ってね。
まきお: おいらも相当よろこんだよ。大手だもんねぇ(笑)当時、MacromediaはDirectorでShockwaveを展開していて、その対抗馬としてFSAが世に出たって経緯もある
かさい: そもそも、.swfって拡張子は「ShockWaveFlash」の頭文字だかんね
まきお: そのまえのFSAの拡張子はなんだっけね
かさい: 確か「.spl」
まきお: おおー、すぷらっしゅ。これ、実行ファイルの方?
かさい: だったと思うー
まきお: おっ、歴史的文書が今発掘されたよ。MacromediaのFutureSplash買収ニュースリリース。1月6日発表です
かさい: どこから出てきたんだ(^^;) えらい新年早々やってんなあ
まきお: ふふふ(笑)そりゃあんた、担当者名が、K坂・Aシゲでっせ
かさい: うわー(w 年越しして働いてたんやなあ(笑)
まきお: この時点ですでに、Flash1.0販売 19,800円限定3000本とアナウンスされてますなぁ
かさい: FSA英語版にシール貼っただけやもん(^^;) すぐ売れるわなあ
まきお: ちなみに、日本も米国も同じ、1月6日付けでニュースリリースされてる。よく残ってたなぁ、こんなテキスト(笑)
かさい: だからぁ、どこから掘り出してきたんだってば
まきお: ワシのファイルアーカイブに。どうやらWebサイトを保存したらしいテキストが残ってたんだよ
かさい: 当時はそんなこともしてましたな。WEBをローカルに保存するツールとかもいっぱい出てたし
まきお: で、ここの担当者名にあったK坂ってのにですな、おいらMACLIFEでDirectorのレビュー書いた時にコンタクトしてたので、メールしたんですよ、どないやねん? って
かさい: ほほー(w
まきお: したらですな。97年2月のMacEXPO'97で近くのホテルでユーザー向けイベントやるから、ちょっと来てなんかやれ、って言われまして
かさい: ホテルで… やらしーなあ
まきお: おーい(笑)ホテルの宴会場ですがな(笑)
かさい: 安木節ですか
まきお: 旅館とちゃうって(笑)もちろん、メールでのやりとりのみで、まさかK坂さんがあんな人だとは夢にも思いませんでしたが(笑)
かさい: あんなひと、ってどんなひと?w
まきお: えらいひとー(笑)(現在、楽天のえらいひと)
かさい: ‖ヘ(′⌒`)ゝ__」ふぅぅん
まきお: でまぁ、出向いてですな、なんかデモしたんです。ちなみにそんときEXPO会場の方では、高木工務店の高木さんがデモやってました
かさい: 高木さんは、まだそのころDirectorの人だったよね?
まきお: バリバリDirectorのスタープレイヤーでしたね。なので本会場のステージ。おいらは宴会場の長机でした(笑)
かさい: (笑)
まきお: で、夜、呑みに行ったら、今度Uconってのをやるから、なんかやれ、とK坂さんにそんとき言われまして。あと、伊丹に変なおっさんがいるって話も聞きまして(笑)
かさい: 誰がおっさんか!
まきお: (笑)ユーザー会があるって話聞きましてね。じゃあアドレス教えてください、って言って、結局、K坂さんはすっかり忘れてて教えてくれなかった(笑)
かさい: じゃあ誰に聞いたんだ?
まきお: んと、実はおいらもかなり長い間忘れていて(^_^;) 多分検索エンジンで探したのかな......4月か5月くらいに、なんとかFlash-MLに行き着いて、はじめての発言が「オフ会やらないんですかー」だったと思う(笑)
かさい: わははははははは(w のんべのおっさんや
まきお: わはは(笑)いや、笠居さんが伊丹だっていうんでね。ちなみに当時は下戸でした
かさい: でも、最初に会ったのはビッグサイトやったけどな
まきお: そそ。日付が特定できないんだけど、どうやら6月末〜7月頭に、UCON 97が東京ビッグサイトで開催されて…来年はマツカサ10周年か(笑)
かさい: そういうことになるなぁ(笑)
まきお: ちなみに二人の運命的な出会いの瞬間にはからずも立ち会ったのが、なぜかハリマオ(笑)
かさい: オレらと入れ替わりに水曜日のコラム書いてる海津さんね>ハリマオ
まきお: で、このときすでにFlashは2.0のパブリックベータは出てたのかな?6月にFLA2のレビュー記事を書いている記録があるんだけど。
かさい: えーとね、まだ2は発売されてなかった。パブリックベータは出てたっけか? どうだったかな?
まきお: あ、音はいってる。2.0だわ
かさい: あー、そうか。じゃあ、パブリックベータは出てたのか
まきお: かな? アニメの作例とか、MACLIFEの連載記事をアニメ化CDに収録してたのとかをデモした模様…おお、当時のプレゼンが出てきた。「Flash2はWebのためだけにあるんぢゃない」ふざけたプレゼンだ…
かさい: よくあんなカオスな状態のディスクから掘り起こせるなあ(笑)
まきお: ほっとけ(笑)デモ画面に「ねすけをたちあげてちょーだい」とか書いてある...最初からFlashのプレゼンはふざけてたんだ(笑)
かさい: WEBツールとして売り出そうとしてるものなのに(笑)
まきお: わしにしゃべらせたのが間違い(笑)
かさい: わはははは
まきお: おいら、もうちょっとマジメにデモした気がしてたんだけど(^_^;)
かさい: いつものことじゃん(笑)
まきお: おいらは笠居さんのペースでこうなったと思っていたのに...orz
かさい: ちゃう。それはちゃう。ペースメーカーは、まつむらさんやろ。オレはいつも押さえるのに苦労してる(笑)
まきお: そんなぁ〜....orz まぁ、歴史観の相違ということで
かさい: 客観的な目を養った方が良いよ(笑)
まきお: (笑)で、UCON終わって大阪でまた呑んだんだ。梅田のビール屋で
かさい: そうだっけ? DD HOUSE?
まきお: いや、キディランドの下のカウンターの店
かさい: ああ、ヤマトケラーか
まきお: で、笠居さん本出すって話をUCONの時にしてたので、カバーラフ見せて「みんなのFlash」ってタイトルもそのラフに書いてあったのが採用になった。で、わりとすぐに出たんだよね>「みなFLA」
かさい: そうだったなあ。なつかしーなあ。「このタイトル良いね、ちょうだい」って言ったんだよな、オレ
まきお: そそ。ホントはおいらが書くはずの本のタイトルだったんだけど、頓挫しちゃったのであげちゃった
かさい: 結構、難航したのよ、あの本もね
まきお: 日本で二番目に出たFlash解説本ですな。で、その頃、日本のFlashの歴史において重要な事態が同時に進行していたのですな
かさい: ん、ん? なんだ
まきお: つづく!(笑)

【笠居 トシヒロ/WEBコンテンツクリエイター・デザイナー】
< http://www.mad-c.com/
> < mailto:kasai@mad-c.com >
仕事場のマシンとネット経由で接続しようと、WOL対応ルータの設定だの、ダイナミックDNSの設定だのいろいろやっていたんだけど、結局自宅のネット環境がグローバルプランに切り替わる10月下旬までは、どうあがいても不可能なことがわかり、現在頓挫中であります。ヽ(´ー`)ノ

【まつむら まきお/まんが、イラスト、アニメーション作家】
< http://www.makion.net/
> < mailto:makio@makion.net >
NHK-BSではじまったBBCのSFドラマ「ドクター・フー」がめっちゃおもろいです
< http://www.nhk.or.jp/kaigai/doctorwho/
>

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■グラフィック薄氷大魔王[70]
iCalのつかいかた

吉井 宏
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第37回「時間管理、スケジュール表」の補足&続きです。
< https://bn.dgcr.com/archives/20060118000000.html
>

いわゆる時間割表示のカレンダーは時間に追い立てられるようで苦手。なので今までテキストエディタ(最近はOMNI Outliner)で予定表を作っていた。Mac標準のiCalを使いこなしたいとは思っていたものの、5年間ずっと中途半端にしか使ってなかった。

iCalは.Macのカレンダーと同期でき、ネットに接続さえ出来ればどこのマシンからでも参照できるけど、今まで個別のカテゴリごとにしかWeb表示できないと思っていた。先日、カテゴリを「カレンダーグループ」にまとめるとWebでも全部入りで見れることを知った(常識?)。

ついでにToDoリストの使い方もようやく理解。Command-Kを押してToDoを追加し、予定時間を入力。すると、自動的に時間順で管理され、今やるべきことがはっきりする。つまり、今やっていること以外のことはすっかり忘れちゃってかまわないのだ…ということが、先日ようやく理解できた。なるほど、iCalってめちゃくちゃ便利だ。

iPod内蔵のカレンダーとも自動的に同期される(携帯電話とも同期できるけど見にくいし一部文字化けする)し、外出先のPCからでも見れる。もちろん、GoogleカレンダーのほうがWeb2.0的には徹底してるけど、普段使うのは自分のMacがほとんどなので、とりあえずオーケー。

ところで、第37回で書いた「1時間毎に強制的に仕事を切り替えていくつも同時進行し、集中力の濃い部分だけを使う」方法。今年の最初にしばらくやってみた時点では続かなかった。というのも、効果絶大なのは確かなのだが、やはりチャカチャカ目まぐるしくてしんどいのだ。しばらく忘れていたけど、最近iCalをちゃんと使うようになって、この方法を"柔軟に運用"してみたら、けっこううまくいく。

1時間単位の仕事切り替えを原則に、びっしり詰めず、間に15〜30分のインターバルを置く(実質1時間半切り替え)。すると、チャカチャカ感がずいぶん軽減する。そして、ずれ込んだ分をあせって取り戻そうとせずに、スケジュールの方をどんどん後ろにずらしちゃう。結果的には最初の計画の半分〜三分の二くらいしか進まないけど、普通にダラダラ仕事するよりはるかにマシ。それでいいんじゃないかなと。

この方法でポイントとなるのが、「とにかく取りかかっちゃう」こと。たった1時間でも無理矢理に仕事に取りかかってしまうことで、普通なら後回しになるような面倒な仕事の取っ掛かりができる。「あの仕事、まだ手つかずだな〜」という圧迫感をなくせる。まあ、以前書いたように、多数の同時進行なので「いつまでも終わらない感」はあるのだが。

そうそう、GoogleカレンダーにiCalデータをインポートすると全部文字化けしてしまう問題は、日本語版Google Calenderの正式オープンで修正された。メインのカレンダーの削除もできるようになったので、放置してあった文字化けカレンダーを削除し、新しいカレンダーにiCalデータを読み込んでみた。ぜんぜん大丈夫。これでGoogle Calenderにいつでも乗り替え可能ってわけでiCalを安心して使える。

【吉井 宏/イラストレーター】hiroshi@yoshii.com
Apple信者と呼ばれてもしかたないけど、ハードウェアとしてのMacをかなり信頼している。今まで使ってきたWindowsマシンは8台だけど、4台を修理に出したことがある(うち、2台は2度修理、Dellは出張修理なのでマシだが)。一方、19台を使ってきたMacはどれも故障したことがない(数度のHDD交換とシネマディスプレイの修理を除き)。Windowsマシンと同等の信頼度になるには、将来購入するMacが19台も故障しなければならないのだ。そりゃあ信頼するでしょ普通。

ところで、前回に続いて続編シリーズになってますが、いろんな状況がどんどん変化してる上に僕自身もどんどん考えが変わるので、書きっぱなしだと間違った結論のまましまい込んでるようで気持ち悪い。また続編書きます。

HP < http://www.yoshii.com
>
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/
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■編集後記(10/4)
・不注意二題。先日、昔からの友達であるクリエイターから、まったく新しい作品を構想中なのでちょっと見てくれませんかというメールをもらった。こういうお誘いはとってもうれしい。恵比寿にある彼の会社に行くことになった。駅から電話もらえれば迎えに行きますとのことだったが、署名に住所が書かれていたので、ネットで調べて行くよと答えた。住所を入力して地図を取得し、プリントして用意おさおさ怠りなし、余裕を持って出かけたが、住所は正しいはずだがその名前のビルがない。いくら探してもわからない。あきらめて電話で周囲の環境を説明すると、全然違う、どこにいるのか分からないという。駅まで戻って下さい、迎えに行きます、ということで汗だくで駅まで小走り。それで、彼が連れて行ってくれた場所は地図とは全然違った。会社であらためて名刺をもらったら、恵比寿南とある、わたしは恵比寿の同番地を探し回っていたのだった。ケアレスミスだった。歳のせいかなあ。ミーティングを終えて家に戻ると、「今日はありがとうございました」とメールが来ていた。加えて、「ぼくが署名の住所をずうっと間違えていました」とあった。でも、本当は彼の会社のサイトの「アクセス」を見ればこんなマヌケな間違いはしなかったはずで、やはりわたしが悪い。/昨日、川口市の中央図書館に予約した本をとりに行った。いつものように、駐輪場に自転車を置いて外に出たら「最初の1時間無料は10月1日から廃止します」という注意書きを見つけた。げげ、全面的に有料になってしまったのか。係のおじさんに聞くと、「そうなの、24時間で200円だけになった。24時間預ける人はお得だよね」と言う。自転車を24時間預ける人? そんな人いるか。とにかく、不注意で入場しちゃったから、出るときには200円は支払わなくてはならない。ケアレスミスなわたしが悪いが、こんなときの200円はチョー惜しい。(柴田)

・まつかさコラム。なつかしいなぁ。私はこの手のチャンスを逃すのが得意だ!(……情けない)スマスケの頃、ネットで仲の良かった人から「凄いのが出てる。面白い。やろうよ。」と言われた。が、その頃の私のモデムは288で、プロバイダーはベッコアメと激重。数時間かかって途中でハングアップ。教えてくれた人はとても親切な人で、「混んでるのかな? じゃあ、うちのサーバにあげておくから、ここから落とせば早いと思う。」とまでしてくれたのに、やはり夜から朝までかかってもダウンロードが終わらず、親から「ずっと電話が話し中!」と連日叱られ、モデム熱暴走、パソコンフリーズなので諦めた。その頃、ネットスケープなんかも同じように苦労しながらバージョンアップしていったように覚えている。後に入手できたけれど、他で忙しい時期だったからのめりこめなかった。つまり忙しい時期にも研究する時間がとれる人になんなきゃ、好奇心もてなきゃダメよってことで。あっ、胸が痛いっ。でもあの頃にはまったとしても、まつむらさんや笠居さんとの役者の違いを感じただけだろうなぁ。海津さんのイラストレーター本や、吉井さんのペインター本を読んだ時にも思ったなぁ。基礎と研究力、着眼点が違うって感じ。(hammer.mule)