[2079] 飯は自分で作れ

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<風邪の回覧板>

■笑わない魚[208]
 飯は自分で作れ
 永吉克之

■デジアナ逆十字固め…[26]
 秋の新企画
 上原ゼンジ

■子育てSOHOオヤジ量産プロジェクト[125]
 FileMaker資格認定+ファイルメーカー選手権
 茂田カツノリ


■笑わない魚[208]
飯は自分で作れ

永吉克之
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私はしがない男やもめだが、決して外食はしない。食事はもっぱら自炊である。食べ物屋なんかに行ったら何を喰わされるか分らないからだ。いかに店の造りが立派で清潔感があり、接客態度にこまやかな心配りが見られても、客からは見えない厨房のなかでは何をしているか分ったものではない。

これは少し考えてみればわかることである。もしあなたが店の料理人だとして、料理のなかに自分の髪の毛が一本落ちたらどうするか? ええい、なんちゅうこっちゃ! お客様にお出しする大切な料理に髪の毛を落とすとは。あかん、包丁一本さらしに巻いて板場の修業のやり直しや、と反省しながら料理を作り直すだろうか。私ならそんなことはしない。たかが髪の毛やんかと、それを取り除いただけで後は知らーん顔して、客に出すことだろう。

髪の毛でなくても、たとえばフケでも同じだ。客が「こら、もう一時間待っとんのにまだできんのか!」と煮えたぎっているときに、フケが2〜3片、あるいは45〜6片、ラーメンの中に落ちたからといって、作り直していられるだろうか。私なら、そんなことはしない。たかがフケだ。頭皮の細胞が老化してはがれた物じゃないか。フケを喰って死んだなんて話は聞いたことがない。客にはそのまま食べてもらう。

もしも、厨房の天井をねぐらにしているカラスが落としたフンが、味噌煮込みウドンのなかに落ちたとしても同じだ。農家の人びとが額に汗して作った小麦から作られたウドンや、大豆から作られた味噌を、カラスのフンが入ったくらいのことで捨ててしまうなんて、いくら飽食の時代とはいっても許されない。だいたいカラスの糞も味噌も成分は同じようなものなのだ、かき混ぜて客に出すことになんのためらいがあろう。

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しかし客の立場からしてみれば、もし料理の中に髪の毛が入っているのを見つけたらこんな不愉快なことはない。まあその毛の持ち主が、年の頃なら32〜3、和服の襟から伸びた細いうなじの色っぽい、ちょいと坂本冬美似の若女将だと思えば、毛ごと食べてもなんら抵抗はない。なぜなら坂本冬美の髪の毛は無菌で、何本食べても安全だからである。

ところが客はそんな都合のいい想像はしてくれない。私のような、穢らわしいエロ中年の料理人の、脂ぎった髪の毛なんじゃないかと疑うのが自然な反応というものではなかろうか。しかもその料理が汁物だったりしたら、髪の毛に含まれている不潔なエキスが汁のなかに溶け込んで、もう豚のエサにしか見えなくなってしまうはずだ。

「食」は清潔が第一なのである。とにかく清潔でさえあれば、味も栄養も値段も衛生も問題ではない。私は、米はいつも10kg買うことにしているが、米屋から届いたらまず洗濯機に入れ、合成洗剤「アタック」を使って充分に洗い、ベランダで1か月間日光に当ててから使うことにしている。

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食べる本人が食事を作るから「自炊」という。だからたとえ妻であっても他人が作ったものならばそれは「他炊」である。まして「シャケ弁当」のように、すでに出来上がって弁当殻のなかに詰められているものを買って自宅で食べるのは他炊ですらない。それは「準外食」という。しかもその弁当を自宅の敷地外で食べたら、もうそれは「外食」となんら変わりはない。

ここでひとつ厄介な問題が発生する。ある人がパートで働いている仕出し弁当屋で自分が作ったシャケ弁当を、お金をだして買って昼休みに公園で食べたとすると、それは外食になるのだろうか。それとも自炊という要素を取り込んだ外食と判断すべきなのだろうか。

そんなことはどうでもいい。手前味噌ではあるが、参考までに昨夜の私の夕食のレシピを紹介しよう。

【韓国風若鶏のムニエル】(3人分)
・穀物 1kg
・無農薬野菜 0.5kg
・麺類 3合
・海産物 5本
・冷凍食品 大さじ2杯
・輸入食品 3枚
・ビタミンE 2束
・インド料理 カップ1杯
・山海の珍味 1.5リットル

作り方はいたって簡単である。必要な材料の皮をむいたり切ったりしたら、次にそれを煮たり焼いたり炒めたりして、塩とかコショウとかカラシとか、なんかそんなものをバーっとかければ、ムニエルにでも煮っころがしにでも餃子にでも、とにかく何かそんなもんになるのではないのか。私は料理のことはさっぱりわからないので何とも言えない。

【ながよしかつゆき/無責任者】katz@mvc.biglobe.ne.jp
鮭を「シャケ」と発音するのがイヤでイヤでしかたがないのだが、今では関西でも「シャケ弁」というのが当たり前になってしまった。だから気の小さい私は弁当屋で「サケ弁ください」と言えないので、「シャ」とも「サ」ともとれるようなあいまいな発音で注文している。しかし不思議だ。関西人ならずとも「シャケ」より「サケ」の方が発音しやすいと思うのだが。どうですか関東の方々。「サンマ」より「シャンマ」の方が言いやすいですか? 「三球三振」は「シャンキュウシャンシン」ですか? ぶったまげた民族だ。

・無名芸人 < http://blog.goo.ne.jp/nagayoshi_katz
>
・EPIGONE < http://www2u.biglobe.ne.jp/%7Ework
>

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■デジアナ逆十字固め…[26]
秋の新企画

上原ゼンジ
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唐突ですが、オモチャレンズの話はネタが尽きてしまった。まあ、完全にフィニッシュというわけじゃないんだけど、別のネタに切り替えていかないと、週刊での連載はちょっと厳しいという感じだ。

では、次は何をやるか? おおまかには二つのネタを考えています。一つはデジタルカメラを使って、今まで撮ったことがなかったような写真を撮ってみようということ。オモチャレンズという縛りはなくして、もう少し幅広くいろんな写真を撮ってみたい。

たとえば、望遠鏡を使って土星の輪を撮るとか、木星の縞々を撮るとか。あるいは顕微鏡を使って、ミジンコを撮ったり、粘菌類を撮るとか。まあ、専門にやっている人はいくらでもいるけど、ド素人が金をかけずにいきなり挑戦するというのがコンセプト。

たとえば今、楽天で「天体望遠鏡」というのを検索したら、一番安いのは税込み1,580円だった。「月のクレーターもくっきり」と書いてある。月のクレーターは見えたとしても、土星の輪は見えなそうだよな。じゃあ、いくらぐらいの天体望遠鏡を買えばいいんだろう。

柴田編集長に相談すれば、「領収書だけ取っておいてくれれば、経費はいくらでも出しますよ」と言ってくれるかもしれないし、たぶん言ってくれないと思うので、まあ最低限の経費で、最大の効果が上げられるように頑張ってみたいと思う。

他にやりたいのは赤外線写真。本来デジタルカメラというのは赤外線写真は得意なはずだ。しかし簡単に赤外線写真が撮れてしまうと、法律に触れるようなことに使う人が必ず出てきてしまう。そこで簡単には撮れないような仕組みになっているはずなのだが、そこをなんとか突破してしまいたい。

そして撮りたいのは赤外線ヌード。美しく血管が浮かび上がった様が撮ってみたい。これはフィルムの頃から暖めてきたアイディアだ。

あとは何があるかな……。高速撮影というのもやってみたい。はたしてミルククラウンは簡単に撮れるのか? ウォータークラウン、オイルクラウン、ジェルクラウン、カルピスクラウンといったクラウン徹底比較というのもいいかもしれない。

リンゴをピストルで撃ち抜く瞬間というのもあるな。まあ、本物は無理だから、オモチャということになるだろうけど、リンゴが破裂する瞬間ではなく、タマが弾き返される瞬間ということになってしまう可能性もあるが……。

「上から撮るシリーズ」というのもいいだろう。ビルの上から撮影するとか、カメラを凧にくっつけるというのもある。ヘリウム気球を使った空撮というのもやってみたいところだ。ヘリウムというのは危険はないのか? デジカメも一緒に連れて、どこか遠くへ旅立ってしまったら、ちょっと困るな。

まあ、アイディア倒れで、実際には出来ないようなことも色々ありそうだが、とりあえずネタを考えるのは楽しそうだ。もし、「こんな事やってみたら?」というネタがあれば、ぜひメール下さい。それから、「土星を撮るならこんな望遠鏡」とか「私の血管撮ってください」とか「資金提供したいので口座番号を教えて下さい」といったメールも大歓迎です。

●企画その2はデジタルプリント術

この工作ネタは考えるのは楽しいが、毎週毎週締め切りに合わせて実験したりするのはちょっと辛そうだ。多少の準備は必要だから、来週いきなり土星の輪の写真を披露するというわけにはいかないだろう。そこで、もう一つの企画も用意した。

それは暗室のテクニックをデジタルにコンバートすることだ。今までカラーマネージメントやレタッチの本に関わってきたが、これらはいずれもお仕事に役立てるということがベースになっている。それを「作品制作」「手持ちのプリンタで最終出力物をプリントする」ということを中心に考えてみたい。

お仕事と作品では何が違うのか? ひとつは時間を気にせず、自分のイメージを追求できるということ。仕事であんまり時間をかけてしまうと、生産性は著しく低下してしまう。120点を狙うのではなく、70点、80点をクリアするということが重要になるからだ。

それから、仕事というのは基本的に印刷物を中心に考えている。プリントやWEBが最終出力という仕事も当然あるが、網点に関する知識など一番スキルを要求されるのが、印刷という分野だからだ。

一方、自分で作品を制作するといった場合には手持ちのプリンタというのが中心になってくる。ラボでプリントしてもらうことも可能だが、自分のイメージを追求するためには手元で試行錯誤するのが一番いい。

カラーマネージメント的に考えると印刷目的の場合の中心には、電子ドキュメントがくることになる。そのドキュメントの色をなるべく忠実にモニタやプリンタや印刷物上で再現しようという考え方だ。

それがプリントアウト作品ということで考えれば、その中心となるのはプリントアウトそのものということになる。カラーマネージメントの技術を利用してモニタでシミュレーションするということも重要だが、モニタとのマッチングにこだわるよりは、とりあえずプリントしたものを基準として調整するのが、手っ取り早い。

ただ、イメージを追求して何枚も何枚もプリントするのは無駄なので、その辺をスマートにやる方法を考えてみたい。たとえば暗室では「試し焼き」というのをして、プリントの明るさを決定していた。一枚の印画紙の中で露光時間(明るさ)を変えた部分を作り、どの明るさがいいのかをチョイスする方式だ。

これが応用できれば、無駄なプリントの枚数は減る。「試し焼きソフト」の類も色々あるのだが、カラーマネージメントの設定等も含め、「自分のハートの中のイメージをプリントアウト上に再現する方法」をまとめてみたいというのが、企画その2の趣旨だ。

別に印刷するような仕事はしていないけど、作品展なんかをやる時にうまくプリントの色がコントロール出来ずに苦労するということはあるはずだ。そんな時に役立つ技術を分かりやすくまとめてみたい。写真と限らず、CGやイラストレーションの出力にも応用が利くはずだ。

まあ、キッチュレンズ工房の方も止めてしまうわけではないので、新たなネタがあれば引き続き書かせていただきたいと思う。

【うえはらぜんじ】zenstudio@maminka.com

◇キッチュレンズ工房
http://kitschlens.cocolog-nifty.com/blog/

◇MD研究会の画像フォーラム
http://community.imaging-park.jp/

◇ZEN STUDIO
http://www.k5.dion.ne.jp/~color/


●超芸術トマソンの煙突男・飯村昭彦氏の写真展「芸術状物質の謎3」が11月4日から14日まで阿佐ヶ谷の香染美術で行われます。11月5日午後5時より会場にて超芸術トマソン観測センターによる物件報告スライド上映会があります。見物はもちろん、物件報告もお待ちしております。無料。
< http://www.dgcr.com/kiji/20061102/
>

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■子育てSOHOオヤジ量産プロジェクト[125]
FileMaker資格認定+ファイルメーカー選手権

茂田カツノリ
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先日ようやく僕もFileMaker 8 資格認定を取得したので、今回はその話題。かなり手前みそな部分もあるのだが、ま、資格取って浮かれてるだけなので、お許しください。

●FileMaker 8 資格認定試験

僕が受験したのは、FileMakerの開発者としての能力を測る「FileMaker 8 資格認定試験」。この試験、英語圏においては以前のバージョンから存在していたのだが、FileMaker 8 になって日本語での受験も可能になった。

そして資格認定を取得した会社は、認定デベロッパのページに一覧表示される。

・FileMaker認定デベロッパ
< http://fsa.filemaker.co.jp/member/certified/
>

FileMaker業界では超有名な会社の中に、我がレクレアルもまざれて光栄である。弊社の社長はすでに取得していたのだが、この一覧をみて、僕も慌てて受験したという感じだ。

こういう一覧を表示していただけることは、さまざまな意味でとてもありがたい。まず、技術力を高めるという点で励みになるし、合格したあかつきにはこうした公式な場でリストアップしていただけ、会社の宣伝としても多大な効果がある。

あと、これはちょっと言いにくいことではあるんだけど、率直に言ってFileMaker業界では、残念ながらプロとしての技量とはいえない状態で先生ヅラしちゃっている人がいるのだ。もちろん、ほかの人の商売にケチつけたくはない。でも業界全体のこと考えると、ちゃんとした知識レベルを持っているかどうかが明確になってほしいので、あえて話す。

たとえばある会社で出しているトレーニングDVDでは、そもそもFileMakerの製品紹介で「Mac/Windows/Linuxなどさまざまなプラットフォームで動作します」などという間違い説明をしている。Linux版は旧バージョンでServer版が出たことがあるだけで現存はしないのだが、そうしたカタログ見れば一発で分かる程度の間違いさえ正されずにいるような状況が、現実にあるのだ。

FileMakerは実にとっつきのいいソフトだ。ちゃんとした知識を持たない人でもそれなりに使えることは、実に素晴らしい。しかし、プロとして人に教えたり、お金取ってデータベース開発するには、やっぱり最低限クリアしておかねばならないレベルというものがある。

だからこそ、こうした認定制度がひとつの基準になってくれるのは素晴らしいことだ。そして、全世界のFileMakerパッケージ売上の1/4を占める日本が、現時点でたったこれだけしか認定デベロッパがいないという事実も、考えさせられる点である。

ちなみに前出のリストに載っている合格者の方は、みんな直接知っている人ばかりだったりする。

●実力をしっかりチェックできる試験システム

「FileMaker 8 資格認定試験」がどういうものかについては、受験者に守秘義務が課せられているため詳しくは話せないが、概略は以下のようなものだ。

・FileMaker 8 資格認定試験のページ
< http://www.filemaker.co.jp/developers/certification/
>

この手の試験を一手に引き受ける「アール・プロメトリック」という会社があり、ここが日本中のパソコンスクールなどと提携して試験を実施している。会場は全国にあり、しかも朝から夜まで、平日も土日も開催していて、自分の都合に合わせて受験できる。

全国の県庁所在地レベルの街なら、まず受験可能だと思って間違いないから、受けようと思ったらすぐ申し込もう。費用もたった17,000円だし。これだけ受験しやすい環境が整っているのだから、「忙しくて受験してない」という言い訳は禁止である。「FileMakerやってます」という看板掲げるなら、これにパスすることは必須だ。

試験にパスするだけでFileMaker社のお墨付きを戴けるんだから、絶対受験しよう。

アール・プロメトリックのサイトには、試験の見本がある。

・アール・プロメトリックのWebサイト
< http://www.prometric-jp.com/
>

試験の見本でわかるとおり、問題は選択式なのだが、単なる四者択一とは限らない。そして一度落ちると2週間は再受験できない。だから、偶然性だけではまず合格は無理で、本当の知識がしっかり測定できるものだと思う。

ということで、全国の本物FileMakerデベロッパのみなさん、認定リストがまだ少ないうちに、ぜひ掲載されましょうよ。

●ファイルメーカー選手権

毎日コミュニケーションズ主催で、FileMakerのテンプレートコンテストが開催される。毎月締切があり、その都度審査して月間MVPにはMacBookがもらえるという嬉しい内容。第1回の締切は11月15日だ。こういうのは周知される前のほうが競争率低いというものだから、ぜひ第1回締切を目指して応募しよう。

・ファイルメーカー選手権
< http://fmcontest.jp/
>

こういう楽しそうなイベントは大歓迎である。皆さんもガンガン応募してMac Bookをもらおう! 僕は一応プロなので、一般の方が取ってほしいから応募は自粛するけど、盛り上げのお手伝いは全力でやる所存です。

【しげた・かつのり】shigeta@amonita.com
Webコンサルタント/プランナー & FileMakerデータベースデザイナー。
FileMaker開発の同業者と組んで、米国のカリキュラムを輸入したトレーニングを行なっている。これが回を追うごとに参加者が増え、11月20日からの回は満席になってしまった(キャンセル待ちは受付中)。やっぱり、自分たちが信じたことを継続するのは、大きな力になるんだなと感じた。

・イベント「FileMaker Fun Night! AppleStore銀座」
11月4日(土)18:00〜19:30(←こんどの土曜夕方6時スタートねっ)
< http://www.sevensdoor.com/event.html
>
FileMaker ユーザのためのマンスリーイベント「FileMaker Fun Night!」。今回は「リレーションがなくっちゃ始まらない」と題して、FileMaker 7 以降大きく変わったテーブル構造とリレーションを取り上げます。

・書籍ご案内
「FileMaker Pro大全」
< http://www.rutles.net/books/156.html
>
Geoff Coffey & Susan
Prosser=共著/小山香織=訳/茂田カツノリ・蜷川晋・今泉みゆき・竹内康二=共訳・技術監修/定価:3,990円(本体3,800円+税5%)

[有限会社アモニータ(Web制作/プランニング/出版プロデュース)]
< http://www.amonita.com/
>
[有限会社レクレアル(FileMakerソリューション開発)]
< http://www.recrear.jp/
>
[Max_blog —“インターネット拾いモノ”でも執筆中]
< http://www.maxwald.co.jp/
>
[mixi —“永吉克之Fan☆Club”コミュニティ]
< http://mixi.jp/view_community.pl?id=94983
>

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■編集後記(11/2)

・小学生低学年の頃いじめられていた。おとなしく泣き虫で目立たないチビだったわたしに、文房具をよこせとかマンガ本を持ってこいとか命じるヤツらがいた。いまで言ういじめではないかもしれないが、親や先生にも言えず苦痛だった。4年生の2学期に、先生のたった一言で勉強のできる積極少年に変身したわたしは(ほんと、劇的に世界が変わった)もうこわい同級生はいなくなった。かつてのいじめっこたちも寄ってこなくなった。高学年ではいじめの側にいた。わが家も貧乏だったが、もっと貧乏な子をみんなでいじめた。そのことでは先生に叱られた記憶もある。昔の先生は本当に大人で威厳があってこわかった。加害者意識は長じてもずっと消えなかったが、その子が上品な中年女性になって笑顔でクラス会旅行に参加してくれたのはうれしかった。「必修逃れ」ならぬ「必修漏れ」で、人生が変わった。大学の卒業直前になって、教職の単位がひとつ足らないことが発覚した。おかげで、配属先まで決まっていた中学校教員の職を失なった。この件は明らかに大学教務課のミスだったのだが、わたしも相当マヌケだった。当時わたしがどんな対応をしたのか覚えていないが、卒業後に別の大学の通信教育で単位を取得したので、母校はふたつになった。しかし、教職をしくじったことで、本当に好きな雑誌編集の仕事に進めたのだから結果としてよかったのだけど。小学校で産休先生に代わって臨時の先生を半年ほどやった経験がある。そのときの子どもたちは、いま50歳になる。思い浮かぶ顔はみんな子どものままだ。たまに夢に見ることもある。(柴田)

・ゼンジさんの企画、わくわくするなぁ。/なんだか後記を書きたくなーい、と気力不足に陥る。吉凶混合で、でも凶のダメージが大きすぎて、毛布にくるまってぼーっとしていたい〜。私の人生って? 外出続きでほとんどパソコンの前にいない。滋賀や東京にまで行っちゃったよ。ここ一週間で飲みに行くこと4〜5回、うち1回はオール。あまり飲み会に参加しないほうなんだが、急に飲み会強化週間が来たらしい。予定がまだひとつ残っているから元気にならなくっちゃいけないんだけど、どうも風邪をひいたみたいで喉が痛いし咳き込む。ひと月前に過労から別パターンの風邪をひいていたってのに。甥らが媒体になり、妹家族から風邪をもらって、みんなで回覧板。ぐるぐるまわっている中、早めに寝て、私だけは軽いうちにおさえたり、気力でもたせていたのだが、とうとう本格的なのが居座りそうな感じ。まいったなぁと見渡すと、もう妹家族もうちの家族もすっかり風邪を治してしまっていた。この回覧板はどこに渡せばいいの〜?(hammer.mule)