デジアナ逆十字固め…[28]同好の士との出会い
── 上原ゼンジ ──

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チープなレンズを工作して遊ぶ人のための情報交換の場が作りたくて、ミクシィの中に「キッチュレンズ工房」というコミュニティを作ったわけだが、作って良かったと思えることがあった。それは金沢在住の瓜実顔の美人A子との出会いだった。いや、実際に会ったわけではないし、顔写真を見たわけでもなく、チープレンズが好きな人に悪人なしというかな、まあただ妄想しているだけなんだけど……。

で、そのA子さん、というかmaimoさんがどうしたかというと、私よりも先にドアスコープ魚眼を作って遊んでいたのだ。そしてその工作したレンズというのがあまりにも素敵なのだ。なんかデジカメのレンズの所にピンク色のプラスチックの物体が付いているんですよ。まあ、何とも形容しがたい不思議なレンズを作ってしまったのだ。


◇つくることがすきなひと。
< http://blog.livedoor.jp/maimo/
>
< http://blog.livedoor.jp/maimo/archives/50636970.html
>

PENTAX Optio 750Z デジタルカメラ実際に工作したのはお父さんだそうだ。いいお父さんですね。ピンク色の物体は化粧品のフタだそうだ。ピンク色のレンズを付けられてしまったデジカメはPENTAX Optio 750Z。ちょっとレトロな雰囲気を意識したデザインでなかなかカッコイイ。そこにピンク色のポップ(?)なレンズが付いているわけだが、これが異文化の融合というか反発というか、なかなかなのだ。

私のフニャフニャシフトレンズもなかなかだと思っていたが、このピンクのレンズも侮りがたいものがある。そしてなかなかなレンズを作り上げた者同士、いつしか強く惹かれ合うようになる予感がするのだが、たぶんならないだろうな。

●ドアスコ魚眼の撮影法

maimoさんは先輩なだけあって色々と撮影の工夫もしていた。たとえば、いまいちピントが合わないことがあるので、広角系で撮影をしてケラレた部分はあとでPhotoshopでトリミングしてしまうとか。

確かにこうすればピントは合いやすいかもしれない。ただデジカメの使い方としてはせっかくの画素を切り捨ててしまうことになりもったいないので、トリミングは撮影時のズーミングで行ない、ピントはフォーカスロックをすれば良いのではと提案してみた。

私もただ両面テープでドアスコを取り付けて、撮ってみましたというレベルだったので、ピントだの露出だのということにあまり頓着していなかった。でも、もう少しまともに撮ってみようとすれば、コンパクトデジカメでもいろいろと設定は可能だ。

たとえばフォーカスの方法。最近のコンパクトデジカメは自動的に顔にピントを合わせてくれるとか、自動的にピントを合わせる位置を考えてくれるなんていう機能がついていて初期設定になっている。しかし、こういう自動機能は切ってしまって、常に画面の中央でピントが合うように設定し、ピントの合わせたい部分でフォーカスロックをして構図を変える、という方式にしたほうが、ピントは合わせやすいだろう。

それとこのドアスコ魚眼を使っていると忘れがちなのが接写モードだ。被写体に近づくほど歪みが強調されて面白いので、ついつい接写の撮影が増えるが、その場合はカメラのほうの設定も接写モードにしておくことは有効だ。

通常のモードでもかなり近くまでピントが合うのだが、あるレベルを越えたあたりから接写モードにしたほうが良くなる。接写モードにすると被写体にくっつくぐらいの状態でもピントは合うようになる。

それと円形に写った周囲の部分はケラレて暗くなっているわけだが、これが影響して、画像自体は露出オーバー気味になりがちだ。暗いから明るくしようという自動補正が働くというわけだ。そこで、露出補正で始めからマイナス1/3とか2/3ぐらい暗めにしておけば、内面反射も目立たないようになってくる。

まあ、コンパクトカメラの魅力というのは、あまり余計なことを考えずにパコパコ撮影するところにあるので、ヒストグラムを表示させていちいち露出を確認するなんていうことまではする必要がないと思うのだが……

●ドアスコープの種類

ドアスコープの平均的な値段も分かってきた。一般的なドアスコープは1500円から2000円程度。運が良ければ380円とか580円の物と遭遇することもある。視界160度の物と180度の物では180度のほうが値段は高いが、歪みが大きくなるので、180度のほうが面白い。

ちょっと高いが有限会社フィットのドアスコープというのはかなりいいレンズで、「魚露目8号」(税込み6,279円)というデジタルカメラ用のドアスコープとアダプタも製品化されている。〈本体のみ(税込み6,279円)、本体+アダプタ(税込み9,240円)〉

サンプル画像がホームページから見られるようになっているが、私が工作したものとは全然クオリティーが違う。これはやはり380円と6,279円の値段の差が出ているということなのだろう。ただ、この連載の趣旨としては、安物のレンズを買ってきてチープな描写を味わおうということなので、380円のレンズで正解なのだ。

< http://www.fit-movingeye.co.jp/2003/03/gyorome8.html
>

とりあえず円形に切った段ボールをアダプタ代わりに利用し、両面テープで貼り付けるという方法で試作したが、もうちょっと耐久性のあるものも作ることにした。最初はアクリル板を使おうと思ったのだが、工作のしやすさから3mm厚のゴム製の板にした。これならカッターを使って簡単に工作できる。

カッターは普通のもので構わないが、綺麗に円形に切るのであれば「円切りカッター」(NTカッター)がお奨め。直径1〜14cmの円を切ることができる。

ゴム製にしたおかげで、着脱を繰り返しても痛んでしまうことはなくなった。両面テープで再度貼り付けるのはそんなに手間ではない。このアダプタの素材に関しては色んなものが利用できそうだ。たとえば水道用のパッキン。色んなサイズのものがあるので、自分のデジカメに合うものを探してくればいい。

それから、コルクの板というのも使えそうだ。これも最初から丸く切ってあるものを、DIYコーナーで見つけた。ワインのコルクの再利用というのもいいかもしれない。これがうまく出来れば、地球に優しいドアスコ魚眼の完成だ。

すごく簡単にできる遊びなので、ぜひお試しを!

【うえはらぜんじ】zenstudio@maminka.com
◇上原光子・金子千枝二人展
カミさんが大宮で作品展をやっています。ご近所の方はぜひ覗いてやってください。
< http://www.maminka.com/
>
◇キッチュレンズ工房
< http://kitschlens.cocolog-nifty.com/blog/
>

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上原 ゼンジ
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PENTAX Optio 750Z デジタルカメラ
ペンタックス 2004-09-10
おすすめ平均 star
star素人意見ですが
star銀塩派が持ったらいいよ、ホント便利。

by G-Tools , 2006/12/14