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■曜日感覚のないノラネコ[9]どういうわけかWebを見下す人たち/須貝 弦

●たぶん自分に自信がないから見下すんだと思う

紙メディアで飯を喰っている人の中には、どういうわけかWebを見下す人が少なからずいる。紙メディアで仕事をしてきた以上は、紙メディアの優位性を信じたい気持ちはわかるが、どうしてWebを見下さなくてはいけないのか、自分にはよくわからない。

例えば「カタログはやっぱり紙がいい。Webでは商品の魅力が伝わらない」だとか「何でもディスプレイで読むのは感性の劣化」だとか、ちょっと信じ難いがそういうことを真顔で言っている人がいる。好き/嫌いならわかるが、職業人としてはどうなのかと思う。

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例えば商品のカタログについて考えてみると、街で見かけたり、たまたま読んでいた雑誌に掲載されていた何かしらの商品がすごく気になったとき、もしくは何か明確に欲しいモノがあるとき、今や多くの人がYahoo!やGoogleでその商品について検索をし、情報を収集する。まずメーカーなどのWebサイトで商品のスペックなどを確かめ、さらに検索によってすでに買った人の評価などを読む。

目的としている商品が例えばデジタルカメラなら、すでに買った人がブログなどにアップした写真データを見ることだってできるだろう。そして次にヨドバシカメラなりビックカメラなりに行ったとき、実機を触るなどしてほしい商品を確認し、決心がつかなければ紙のカタログを複数もらって、帰りがけにドトールでアイスコーヒーをすすりにながらそれを眺めたり、電車の中でカタログスペックを読み比べたりする。

自分に必要な情報を収集し知識を深めるために、複数のメディアを回遊することが、すでに「当たり前」になっている人がたくさんいるわけだ。そういった状況の中で、例えば「カタログはやっぱり紙じゃなくちゃいけない」などと言うことの意味が、どれほどあるのだろうか。現に、あなたがたのクライアントは複数のメディアを使い分けることを「当たり前に」やっているのに。紙のカタログなり販促物なりを作るとか、紙メディアに広告を出すというのは、メディアの使い分けの中でわざわざ「紙」を選んで下さっているのだということだ。

紙の仕事を発注するということは、紙メディアの特性に期待する部分があるからだ。作る側は、紙にしかできない、紙ならではのクリエイティブを提案し、作ることが求められている。しかしその過程で、Webを見下す必要は一切ないはずだ。必要なのはWebを見下すことではなく、複数のメディアや複数のクリエイティブの中で確固たるポジションを築き、その上で他のメディアとも連携できる体制を作ることだ。

【すがい・げん】< http://macforest.typepad.jp/mac/ >
以前、この欄に「小田急線に忘れ物をして小田原まで取りにいった」という経験談を書いた。それからしばらくして、再び小田急線に忘れ物をして、小田原まで行くはめに。二度あることは三度あるというが……。

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