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■電子浮世絵版画家の東西見聞録[12]市場大好き-1/HAL_

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さて、韓国好きの大きな理由のひとつに「舌に合う食事」があります。韓国の人は顔が合えば「ご飯食べた?」という会話から始まるくらい、食事する事をたいへん大切にしています。ソウルでは街の何処に行っても路上に屋台があふれ、食べ物は非常に安く美味しいのです。

韓国というとキムチの印象からか、辛い物ばかりのように感じる人が多くいます。たしかに唐辛子を使った真っ赤な料理は多いのですが、全く唐辛子を使わない料理も多く存在しますし、辛さの苦手な韓国人も多く、辛い物好きな日本人の私の方が一般の韓国の若者より辛さに強いかもしれません。

食の街ソウルには日本では考えられない「肉スープだけの店」というのもあり、神仙ソルロンタンのチェーン店が有名です。ソルロンタンとは牛の背骨や内臓をじっくり煮込んだ真っ白いスープで、それ自体には塩味も何もありませんが、テーブルにおいてある塩や薬味を自分で入れ、自分好みの味に調整してご飯と共に食べることになります。とはいっても、味がないわけではありません。スープを口に含むと、しっかりした出汁が優しい味となり口中に広がります。

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神仙ソルロンタンではテーブルの上に白菜キムチが壺に入り置かれ、それをハサミで食べやすい大きさに切って食べることになります。ソルロンタンの店のキムチはとても美味しく、通常は白菜と大根の二種類が置いてあります。ソルロンタンはポピュラーな庶民の味で、観光地化された仁寺洞などでも600円程度の安い値段で食べることが出来ます。

スープ料理の店は壺に入ったキムチなのですが、そのほかの料理の店は注文したメイン料理以外に白菜キムチはもちろん、青菜のごま油和え、するめのキムチ、マヨネーズで和えたサラダ等々、おかずとして小皿が6〜8皿出され、これらの全てがおかわりが自由です。9月に行った梨泰院(イテウォン)の、韓国の昔ながらの味を出しているという家庭料理屋の田舎御膳は20皿のおかずが出され、その小皿一つ一つがとても優しさに満ちた味で、それだけで、お腹がいっぱいになるほどのご飯が食べられます。

昔から韓国では環境問題を考慮し、箸とスプーンはステンレス製のものを使い、割り箸は使いません。そして爪楊枝も、自然に帰るようデンプンを固めた緑色のものが使われています。しかし、食べ物を残すことに躊躇はなく、むしろ残すくらいの方が出してくれた店に対する礼儀のような考え方があります。最近の若者は食べ残すことをしなくなったそうです。

そういった食文化を支える大きな市場、がソウル市内のあちこちに存在します。東大門市場(トンデムンシジャン)や南大門市場(ナンデムンシジャン)は日本でも有名ですがその他にも広藏市場(カンジャンシジャン)、京東市場(キョンドンシジャン)などの市場があり、それぞれに特徴を持っています。

多くの市場の中でも、まずはじめに紹介するのが広藏市場です。

この広藏市場は地下鉄1号線鍾路5街駅(チョンノオーガ、Jongro 5-ga)8番出口のすぐ側にある韓国市場のパイオニアとして存在しています。日本でも有名で、テレビでもよく紹介される東大門市場の西側に位置し、少し距離はありますが歩いて両方を回ることもできます。取扱商品は反物が多く、特に繊維の町として知られているようですが、繊維だけではなく青果・精肉・鮮魚と様々なものがあり、外国人があまりいない穴場的な場所です。とにかく広く大きくて、見て、食べて、買って、半日がかりで歩いても楽しみきれない市場です。

8番出口を出て左側にある入り口から市場にはいると、様々な食料品が山のように積まれその先に食事処がずらりと並んでいます。私たちがはじめて出向いた時は、まだ寒さがかなり残った三月はじめ、目の前でアジュマの焼いている熱々のピンデトッの試食に誘われて、思わず立ち止まってしまいました。ピンデトッは水でふやかした緑豆を石臼で挽き、ネギなどの野菜を入れ鉄板で焼いたものです。

焼き上がった熱々のピンデトッは、その緑豆の焼ける香ばしい香りと、醤油ベースの唐辛子やタマネギなどを入れたつけだれが、見事にマッチしています。元々はお膳にのせる串焼きの台に使われたもので、残った台を貧しい人たちに与えて「貧子餅(ピンジャトッ)」というと呼ばれるようになり、それがピンデトッとなったようです。

【HAL_】横浜在住アーティスト hal_i@mac.com
Web < http://homepage.mac.com/HAL_i/ >
Web < http://lohasfood.exblog.jp/ >
Web < http://Web.mac.com/hal_i/ >

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