[2304] カラーマネージメントのワークフロー

投稿:  著者:


<生涯現役ですドスコイドスコイ>

■笑わない魚[234]
 悲劇の横綱川之山
 永吉克之

■デジアナ逆十字固め…[64]
 カラーマネージメントのワークフロー
 上原ゼンジ

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 JPC定例セミナー「カラーマネージメントの実践と応用」

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 「DesignTide in Tokyo 2007」テーマ:PLAY
 「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH」


■笑わない魚[234]
悲劇の横綱川之山

永吉克之
< https://bn.dgcr.com/archives/20071101140500.html
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「ただいまの決まり手は殴り倒し〜殴り倒しで毒乃海の勝ち〜」

平幕同士の取り組みが終わり、間もなく三役クラスの取り組みが始まる。千秋楽、結びの一番は、とうの昔に盛りを過ぎて、平幕力士にコロッコロ負けて、金星狙いの格好の餌食になっている横綱、川之山が出場することになっていた。

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川之山のあまりの弱さにファンは去り、後援会までもが引退を迫るようになっていた。相撲のイメージダウンを心配する横綱審議委員会にも、何年も前から引退勧告を受けていた。

委員長も始めのうちは、「川之山関、退き際の潔さというものがあると思うんだが」なんて諭すように言っていたのが、後には、「おい、川、俺がおとなしく話をしてるうちに言うこと聞いといた方が身のためだぞ、あ?」と、脅しをかけてくるようになった。

それでも、生涯現役ですドスコイドスコイと言って引退しようとしないので、業を煮やした委員会は、少女買春、賭博などの疑惑をでっち上げたり、暴力団がらみの八百長に川之山が関わっているといった根も葉もない噂をリークして、あわよくば相撲界から追放しようと画策した。

しかし、それにもまったく動じず、スキャンダルに飢えたマスコミが群がってきても、相撲一筋ですドスコイドスコイと言うばかりで、頑として身を引かない川之山は、相撲界の汚点として、日本国民すべての嘲笑と憎悪の的になっていたのであった。

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川之山は、もとは「噴火山」というシコ名で、小兵ながらその名の通り大地をも揺るがすほどの爆発力をもった突き押し相撲で、数々の記録を塗り替えた歴史的力士だったのである。その突き押しの破壊力の凄まじさに、あるスポーツ紙は「噴火山が闘った後の土俵には草木も生えない」と表現したものだが、あまり気の利いた喩えではないというのがもっぱらの評価だった。

大関以下と違い、横綱はどんなに負けても降格というものがない。そのかわり黒星が目立ちはじめると、引退あるいは休場という形で、最高位力士としての体面を、ひいては角界の体面を守らなければならない羽目になる。

しかし全盛期を過ぎ、黒星が白星を上回るような成績をとるようになっても、「横綱は自分ひとりだけっすドスコイドスコイ」と、引退はもちろん休場すら絶対にしようとしない噴火山を見て、腹に据えかねた親方は「川之山」という、何のコンセプトもなさそうなシコ名を押しつけて世間の笑い物にしようとしたのだが、本人は「いいシコ名、ごっつあんですドスコイドスコイ」と言って、むしろ喜んでいるかのようだったという。しかし、それが親方の神経を逆なですることになってしまったのである。

そしてこのあたりから、先にも述べたような、角界ぐるみでの川之山いじめが始まったのである。部屋でも、もう五十路に入った川之山を、稽古と称して、親方がビール瓶で殴る、弟子たちがよってたかって金属バットで殴るなどの、もはやシゴキ超えたリンチによって死に至らしめ、横綱川之山は半世紀の生涯を稽古場の土俵の上で閉じた。「死ぬときは土俵の上ですドスコイドスコイ」と言っていた彼の願いは、そんな皮肉な形で叶えられたのであった。

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たしかに相撲人気というものを短期的に考えると、川之山は適当なタイミングで引退すべきだったかもしれない。スポーツに限らず、圧倒的な実力があって、しかもスター性があり、時たまゴーマンかますくらいのキャラクターをもった人物が人気を呼ぶ時代に、川之山はあまりにも素朴で実直すぎた。

しかし先日のプロボクシング世界戦、内藤対亀田の試合が、なりふり構わないひた向きさというものを、われわれに思い出させてくれたのではなかったのか。スポーツがテレビ向けにショーアップされるようになってから、われわれが忘れかけていたものを、内藤の、不器用なボクシングながら必死で闘う姿が思い出させてくれたのではなかったのか。

実はそれよりもはるか以前に川之山が、そのなりふり構わない愚直なまでのひた向きさを示してくれていたのだ。しかし、誰もその功績に気がつかなかったのである。もしそれに国民が気がついていれば、朝青龍のサッカーも沢尻エリカのガン飛ばしもなかったのだ。

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さて千秋楽、結びの一番となり、土俵の上では、横綱川之山と、大関地獄岳がゆっくりと四股を踏んでいた。「死んでも休場はしないっすドスコイドスコイ」と生前から語っていた通り、川之山は死後も連日土俵に上っていた。彼は密かに決心していたのだ。この場所の千秋楽で勝ってから本格的に死のう、と。

今場所はまだ無敗の14勝。すでに前日に優勝を決めて、横綱昇進も確実にしていた弱冠二十歳の大関地獄岳に対して、相手が1勝13敗(うち不戦勝1)ですでに死んでいるとなれば、場内の空気はいやがうえにも盛り下がっていた。

観客の興味は、どちらが勝つかではなく、地獄岳の攻撃に川之山が何秒間持ちこたえられるかにあった。特に地獄岳の張り手の威力は壊滅的で、あるスポーツ紙は「地獄岳の張り手をくらった力士の顔には草木も生えない」と表現したものだが、あまり気の利いた喩えではないというのがもっぱらの評価だった。

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制限時間いっぱいになり、川之山はいち早く仕切り線のまえで両手を土俵につけて構えている。憔悴は隠せないものの、殺さんばかりの眼つきで相手をにらむ川之山だが、一方の地獄岳は、どれ、ここはひとつ横綱に胸を貸してやるかとでもいいたげに、その巨体をゆっくりと沈ませて、片手づつ土俵につけた。

そして立ち会い! 川之山は馬鹿正直なまでの正攻法で、地獄岳の鋼鉄のような胸板に両手突きをくり返したが何の効果もなく、逆に地獄岳の張り手一発で背中から土俵に叩きつけられた。

これまでの川之山なら、これで動けなくなっていたところだが、これが相撲との今生の別れになるかもしれないという思いが彼を奮い立たせ、ふたたび地獄岳に挑みかからせた。しかし相変わらず非力な両手突きをくり返すばかりで、同じように張られては、土俵にころがり、倒れ、崩れ落ちた。

張り手をまともに喰って、客席にまでふっ飛ばされたときは、もうこれまでと誰もが思ったが、割れた額や切れた口の中から溢れ出る血で顔を真紅に染めながら土俵に這い上がってくる川之山の形相を見て、地獄岳の眼に恐怖が浮かんでいるのを、テレビカメラはしっかり捉えていた。

並の力士なら一発で失神するはずの張り手をこれだけ喰らって、まだ向かってくるこの男はいったい何者なんだ。彼の眼はそう語っていた。奴は川之山じゃない。噴火山だ。噴火山が甦ったのだ。そんな妄想にとり憑かれていた地獄岳がふと我に返ると、いつの間にか目の前で川之山が、ふらふらしながら両手突きをしているのに気がついた。

「う、うわ!」地獄岳が亡霊でも見たかのように、本能的に後退りをした瞬間、土俵を囲んでいた五人の審判委員のひとりが手を挙げた。地獄岳の足が土俵を割ったのだ。つまり足が土俵の外に出て地獄岳が負けたのである。

川之山にしてみれば、俵の外に体の一部が出るか、足の裏以外の部分が土俵につくと勝負が決まってしまうという相撲のシンプルなルールによって拾った幸運な勝利だったともいえる。とはいえ、千秋楽を勝利で終えることができて、もう思い残すことがなくなった川之山の心を達成感が満たし、魂が少し離脱しそうになった。

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しかし現実とは残酷なものだ。すぐさま物言いがつき、勝敗の判定は二転三転して、結局、地獄岳の不戦勝ということに落ち着いたのであった。というのは川之山は、取り組みの前にすでに死んでいたからである。人に非ざるもの、つまり力士に非ざるものに負けたとて、それは相撲で負けたことにはならない、という論理なのである。

ここで哲学的な疑問が湧いてくる。死んだ人間は人間ではないのか?

ともかく、死んでいた川之山はこの闘いで精魂使い果たし、もっと死んだとさ。

【ながよしかつゆき/コンクリート】katz@mvc.biglobe.ne.jp
日本シリーズ。心情的には日ハムに優勝させたいが、巨人のリーグ優勝を霞ませるためには、同じセリーグの中日に優勝してもらうのがいちばんだ。なんというケチは根性だとお思いであろう。そうだ私はそういう人間なのだ。

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■デジアナ逆十字固め…[64]
カラーマネージメントのワークフロー

上原ゼンジ
< https://bn.dgcr.com/archives/20071101140400.html
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少し前に著作「カメラプラス トイカメラ風味の写真が簡単に」で行われたカラーマネージメントについて書いた。来たる11月13日に、そのネタでセミナーをやることになったので、今回はそのお知らせをさせていただきます。

今までも、MD研究会がらみの本ではカラーマネージメント技術を利用した運用がされてきた。その方法はというと、ジャパンカラーを基準にワークフローを組み立てるということだ。ジャパンカラーというのは、印刷の標準のことで、用紙や印刷法の違いなどにより種類がある。

その中でも、枚葉機を使いコート紙に刷る場合の標準をベースにするというのが、私が関わった中で行われてきた方法だ。ジャパンカラーでは印刷する用紙やインク、ベタ濃度などの取り決めがあり、基準とするカラーチャートに近似した印刷をすることが、ジャパンカラーに準拠するということになる。

つまり標準を元にした運用がしたい場合は、「コート紙用のジャパンカラーに準拠して刷って貰う」という取り決めをしておくことが前提となる。ただし、どこの印刷会社でもジャパンカラーに対応できるというわけではなく、カラーマネージメントや標準印刷にきちんと取り組み、安定した印刷が可能であるということが条件になる。

こうやってジャパンカラーという目標ができることにより、初めてきちんとした印刷シミュレーションが可能になる。印刷といっても、印刷機や用紙、インク等の違いにより、色再現は変わってくるのだから、そういった条件をきちんと決めておかなければシミュレーションのしようがないということだ。そして、その条件を規格化したものがジャパンカラーというわけだ。

このジャパンカラーでの運用を容易にさせるのが、アドビシステムズ社により開発され、フリーで公開されているプロファイルだ。「Japan Color 2001 Coated」(コート紙)、「Japan Color 2001 Uncoated」(上質紙)、「Japan Color 2002 Newspaper」(標準新聞紙)などのタイプが現在用意されている。

ユーザーはこれらのプロファイルを使い校正設定を行うことにより、モニタやプリンタで印刷のシミュレーションが可能になる。つまり、ジャパンカラーで運用するということは、これらのプロファイルを使ってシミュレーションをしながらデータの作成をし、印刷段階ではなるべくジャパンカラーに準拠した刷りを心がけてもらうということになる。

●専用プロファイルはなぜ作らない?

ジャパンカラーを基準にできるのは、ジャパンカラーで想定されている用紙に近い色再現が得られる場合だ。ジャパンカラーでは用紙の銘柄まで指定されているので、それと紙質がかなり違う用紙であれば、意図するような結果は得られない。

毎日コミュニケーションズから刊行された「デジカメでトイカメ!! キッチュレンズ工房」の場合は、この点でちょっとしたズレが生じた。この本で使用されたのは微塗工紙で、コート紙と比べれば色再現域は狭くちょっと沈んだ感じになってしまう。これはある程度仕方のないことなのだが、専用のプロファイルを作れば、色のマッチング精度はもっと上がるはずだ。

印刷機や用紙ごとにプロファイルを作成し、それを使えば色は合いますよ、というのがカラーマネージメントの理屈だ。しかし、実際には印刷会社の方からプロファイルが支給されるということはほとんどない。というのは、以下のような理由からだろう。

用紙の種類というのはすごくたくさんあるから、いちいちプロファイルなんて作ってられない。プロファイルを作成するためには、事前にカラーチャートを本機を使って印刷しなければならない。また、プロファイルの精度を高くするためには、何度かのテスト印刷が必要だ。

入稿したデータがどこで印刷されるのか分からない。大きな印刷会社であれば、印刷機もたくさんある。どの印刷機で刷るのかは分からないし、空いてなければ他社に回されるということもあり得る。

プロファイルを作成するためにはスキルを要する。チャート上の色の測定値を読み込めば、プロファイル作成ツール任せでプロファイルは自動的に作成できる。しかし、その状態から実際に使えるプロファイルにカスタマイズすることは簡単ではない。デジタルカメラ、製版、印刷、カラーマネージメントなどの総合的な知識が必要とされるからだ(印刷用プロファイルの場合)。

このような理由もあり、専用プロファイルを使った運用というのはあまり普及していないが、生意気にも「カメラプラス」の印刷では、専用プロファイルを作ってもらい、満足できる仕上がりを得ることができた。スペシャルなワークフローではあるが、たとえば雑誌やシリーズ本など、用紙が決まっているような場合には、専用プロファイルは有効な方法だと思う。

11月13日のセミナーでは、この時プロファイルを作ってくれたプロバンクの庄司正幸氏、印刷をお願いした大丸グラフィックスの中島弘稀氏とともに、「カメラプラス」でのワークフローを軸として、どのような応用が可能か? ということについて話をしたいと思っています。

要するに、クリエイター側のイメージをいかに印刷物として再現させるか?
といった話で、色に関わるさまざまな立場の方の参考になればと思っています。

◇JPC定例セミナー
「カラーマネージメントの実践と応用」
 〜具体的な事例から、ワークフローについて考えてみる〜
 2007年11月13日(木)13:30〜17:00(13:15〜受付開始)
 アップルジャパン株式会社 セミナールーム
< http://www.jpc.gr.jp/jpc/seminar/071113.html
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【うえはらぜんじ】zenstudio@maminka.com
・上原ゼンジのWEBサイト
< http://www.zenji.info/
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・「カメラプラス トイカメラ風味の写真が簡単に」(雷鳥社刊)
< http://www.maminka.com/toycamera/plus.html
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■セミナー案内
JPC定例セミナー「カラーマネージメントの実践と応用」
< http://www.jpc.gr.jp/jpc/seminar/071113.html
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< https://bn.dgcr.com/archives/20071101140300.html
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日時:11月13日(火)13:30〜17:00(13:15受付開始)
会場:アップルジャパン株式会社 セミナールーム(東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー 32F)
参加費:無料(JPC会員限定)
※非会員の方は会員になっていただくことで受講できます。

◎主な対象者
製版や印刷の流れを知り、印刷物とのカラーマッチングを図りたいと思っているカメラマン、デザイナー、DTPオペレーター。
効率的なカラーマッチングの方法を取り入れ、コストの削減や納期の短縮を図りたいと思っている、クライアント、制作、編集者。

◎プログラム
「カラーマネージメントの取り入れ方」13:30〜14:10
株式会社マミンカ代表 上原ゼンジ(カラーマネージメント委員会副委員長)
今まで経験してきたワークフローと今回のワークフローの違い。モニタと印刷物のカラーマッチングはどのように行ったのか?

「プロファイルと全体のディレクション」14:10〜14:50
株式会社プロ・バンク 庄司正幸
印刷のプロファイル作成のポイント。ワークフロー全体で注意すべき点。理想のワークフローと現実的なワークフロー。

「印刷のカラーマネージメント」15:00〜15:40
株式会社大丸グラフィックス 代表取締役 中島弘稀(カラーマネージメント委員会副委員長)
印刷のカラーマネージメントではどのようなことが行われるのか? プルーフに関する知識。入稿する側はどのようなことを心がければいいのか?

「Colorgeniusのワークフロー」15:40〜16:20
株式会社メディアテクノロジージャパン 戦略統括部事業企画部 内田直樹
今回のワークフローとは別に、「Colorgenius」(大日本スクリーン)を使い、簡便にカラーマネージメントの恩恵を受けるためのワークフローの紹介。

「パネルディスカッション」16:30〜17:00
モデレーター:上原ゼンジ
パネリスト:庄司正幸、中島弘稀、内田直樹
実際にカラーマネージメントの技術をうまく生かし、制作から印刷物作成にいたるまでの色のコントロールをどのように行っていけばいいのか?

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■イベント案内
「DesignTide in Tokyo 2007」テーマ:PLAY
< http://www.designtide.jp/07/jp/index.php
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< https://bn.dgcr.com/archives/20071101140200.html
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選りすぐられた有望なデザイナー、メーカーが新しいチャンスの場を創りだすイベント。“ほんとに必要なものだけを。”というイベントテーマのもと、インテリア、ファニチャー、グラフィック、ファッション、アートなどを中心に、参加者それぞれが独自の展示空間を演出します。世界中から集るデザイナー、メーカー、プレス、バイヤーといった人たちが様々なつながりを生み出し、新たなクリエイションをビジネスに繋げデザインの様々な可能性を広げていくこと、そしてそれによってより多くの人たちの心を響かせることをデザインタイドは目的としています。(サイトより)

日時:10月31日(水)〜11月4日(日)
会場:国立霞ヶ丘競技場(東京都新宿区霞ヶ丘町10-2)、青山・原宿・渋谷・六本木エリアのショップ、ギャラリー、カフェなど約40〜50か所

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■イベント案内
「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH」
< http://www.tokyo-midtown.com/jp/designtouch/index.html
>
< https://bn.dgcr.com/archives/20071101140100.html
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デザインの街「東京ミッドタウン」で行う、初のデザインイベント。インテリアやグラフィック、プロダクトはもちろん、ミュージック、フードなど文化を形成するもの全てを「デザイン」として提案。企画展やセミナーからミュージックライブ、各国の食文化まで、幅広く楽しめる。(サイトより)

日時:10月31日(水)〜11月4日(日)
会場:東京ミッドタウン(東京都港区赤坂9-7-1)
費用:無料(一部有料)
詳細・申込:サイト参照

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■編集後記(11/1)

・我が庭には芝生しかないが、両隣が園芸好きで境界のフェンスを越えて我が庭で咲く花が少なくない。こういう領土侵犯は歓迎だ。いま咲いているキク科の花に、シジミチョウ、キチョウ、テントウムシ、ショウリョウバッタなどの昆虫が集まっている。二歳児を抱き上げて、一日に何度も観察する。なにも見つからない時もある。こんなにしげしげと植物や昆虫を観察する時間を持てるとは思わなかった。小さな庭でも季節の移り変わりを感じられる。小さな幸せともいえる。暴走老人!しかし、このごろ時間が経つのが早い(いや、速いというべきか)。一日などあっけないくらい早く終わる。いつの間にか週末が来て、気がつけばもう11月だ。異常に早い。同じ一日のはずなのに、夏の一日は長く、冬の一日は短く感じる。なんだかここ何年かはずっと冬の一日みたいだ。歳をとるほど時間はどんどん過ぎていく、という感覚は正しいらしい。藤原智美著「暴走老人」という本を読んでいるが、そのなかでこの感覚に触れていて、なるほどと納得したのであった。10歳の子供にとって一年は全人生の1/10だが、20歳の青年にとっての一年は全人生の1/20となる。その人の人生の分母である年齢によって、一年の感じ方が変わってくるという。わたしの一年は、10歳のときに比べて6倍のスピードで過ぎているわけだ。実感、実感! 生物学者によると、高齢者のほうが子供より体内時計の進み方が遅いため、現実の時間が早く感じられるそうだ。思いのほか時間が過ぎてゆく焦りから、ヒトは歳をとるほど短気になる。身体が時間に追いつかない焦燥感が、老人の感情爆発を導く一因ではないかと「暴走老人」を分析していておもしろい本だ。つづく。(柴田)

・ダイニングに置いてあるテレビの調子が悪い。15分ぐらい画面は暗いままで、音声だけが流れている。最初は、つくのがいつもより遅いなぁと思う程度。そのうちに時間が長くなってきて、とうとう15分。なのだが、どうしても画面を見たい番組はないので放置。強いて言えば画面を見ないと答えられないクイズや、手順を見せる料理番組ぐらい。芸術劇場類は録画するので問題なし。余っているテレビがあるから、倉庫からそのうち持ってこようと呑気に家族と話していた。が、遭遇しましたよ。映らないと困るもの。警告音と共に文字表示だけされる「ニュース速報」。うわーーっ、めっちゃ気になる、どんな速報なのよ〜!(hammer.mule)