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■音喰らう脳髄[39]暴かれた昭和/モモヨ

日曜日の夕方、ニュースをぼんやりと眺めていたら政治家が、「憂国の情が理解されないのでがっかりしたにちがいない」(要旨)なんて口にしているのを小耳にはさみ、三島由紀夫の自決を勝手に連想して、「ああ、もう11月なんだなぁ」と勝手に季節感を覚えていたのだが、どうやら私の早とちりだったようで、小沢民主党代表を指して発せられた言葉だった。

小沢代表といえば、先日、自民党の党首会談で連立政権を持ちかけられ、それを党に持ち帰ったところ、それを役員会で否認されたくらいのことしか知らなかった。民主主義であれば意見の違いはいろいろあろうから、少しもめても大した事にはなるまいと高をくくっていた。が、どういう筋道からか、日曜の夕方、突如、代表を辞任することを表明した。

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たしかに土曜日くらいに、民主党をやめるかも、という噂が流れてはいた。私もそんな予感がしないでもなかった。なにしろ、アノ小沢である。しかし昔の小沢氏ならともかく、いまや日本に二大政党制を実現することを前提とするマニフェストを掲げる民主党の代表である。その基本方針に多くのシンパシーは心を寄せたのだろうし、党員、党友の多くもそのマニフェストの上に集っているはずなのだ。

目の前に、ニンジンならぬ権力の座をちらつかされて動じるようでは人間として失格だろう。市町村長すら覚束ない。誰しもがそう思っていたところへ……これである。

マニフェストに掲げた全ての前提を危うくするような行動をし、それが仲間に受けれらないと仲間や支持者を低く見るような発言で斬って捨てる。どう考えても、憂国という言葉が似つかわしいはずがない体たらくではないか。

何日か前、防衛省の事務方トップだった輪郭の緩い男の国会証人喚問があった。あれを見ているときに私の胸をかすめたのも、同じ三島由紀夫の自決だった。

作家の自決については様様な角度から語られ、情報も出尽くした観がある。けれども私には割り切れないところ、納得できないところがどうしても残ってしまうのだった。やるせなさ、とでも言えばいいのか。考えるほどに心が落ち着かず、不安を覚えるのだ。何十年もの間、私はそれを言語化できず、消化できずに生きてきたのだ。

が、先日の証人喚問を見てすべてが明らかになった、そんな気がした。

三島があれほどに惚れ込み、恋情と信頼をしたため続けてきた自衛隊、そのトップの座に君臨してきたという男の無様な正体を私たちは見てしまった。そして、三島由紀夫の舐めた失意、その絶望の深さを思い知ったのだった。皆があれを見てしまった今、多くをかたるまでもなかろう。

ここにきて、私が生きてきた昭和という時代の仮面にヒビが入り、素顔がしだいに見え始めているような気がしている。そして、悲しい話だが、その真の姿は『三丁目の××』とか『二〇世紀少年』のノスタルジアなどとは程遠い、老獪で冷酷な面貌をしている。資源にしろ社会システムにしろ、あまりに無責任、あまりに強欲、あまりにも恥を知らない。

憂国という言葉はそんなに安っぽいものではなかろう。

Momoyo The LIZARD 管原保雄
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ロックンロール・ウォーリアーズ Live’80
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