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■伊豆高原へいらっしゃい[2]分譲別荘地に住むということ/松林あつし

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秋も深まり、木々も色づき始めました。ここ伊豆高原も名物の桜並木がすっかり葉を落とし、大量の落ち葉を風が巻き上げます。

今回は田舎暮らしをお考えの方へ、伊豆高原へ移住を考えた時の経験談をお話したいと思います。別荘分譲地へ住む場合のご参考に……

僕の場合、伊豆高原に住みたいと思ってから、実行まで約五年かかりました。理由はお金の問題です。家は人生で最大の買い物といいます。しかし、その最大の買い物をすでに済ませていたとしたら……?

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実は長期ローンを組んで埼玉にマンションを買っていたのです。もちろん、マンションとは言え、「持ち家」ですから、買った当初は一生そこに住むつもりでした(ここから先は、マンションにお住まいの方には、ほんと申し訳ない話です……あくまで僕の主観による感じ方と捉えてください)

ローンを組んで、マンションに住み始めて数年、ある時突然、マンションというコンクリート造りの「集合住宅」が嫌になったのです。何かトラブルなどあった訳ではないのですが無性に嫌になりました。

この僅かな敷地の中に、100世帯以上の家庭がひしめいている……15cmほどの壁の向こう側は、他人の家……自分の頭の上のそのまた上に知らない人が生活している……ほとんどの人が同じ形の狭い部屋に住んでいる……まるで蜂の巣か牢獄だ。ちょっと大げさですが、何か得体の知れない気持ち悪さを感じていたのは事実です。

しかし、嫌だからといって、賃貸マンションのようにすぐ引っ越し、とはいきません。何せローンが残っているし、どこかに一戸建て住宅を買うなんて、とても無理に思えました。しかし、70歳80歳になった自分が、このマンションで細々と生活している姿がどうしても想像できませんでした。

何とか引っ越す手だてはないものか……色々模索していたところ「田舎暮らし」を思いついたのです。最初は夢でしかありませんでしたが、それを現実に変える情報がインターネットからもたらされました。

田舎暮らしのページをネットサーフィンしていた時、別荘地の物件紹介のページに「海の見える中古物件700万」と書いてあったのです! 頭の中が計算の渦で一杯になりました。

「今のマンションのローンさえ返せば、売却益で別荘地に家を買える」(キラキラ!)→「海を見ながらローンの心配もなく、のんびり仕事ができる」(キラキラ!)

……しかし、現実はそう甘くはないですね。実際不動産屋に案内してもらった安い物件はどれも、築30年以上。中には廃墟のような物もありました。まして「海が見える」なんて条件を出すと、まさに絶壁のような斜面に建った家になります。

不動産屋曰く「これでもリフォームすれば快適になります……」って、リフォームにいくらかかるんじゃい! それに、今度こそ家を買ったら、死ぬまでそこで暮らす覚悟が必要……つまり、それまで壊れずに建っていてもらわないと困ります。あと40年生きたとすると、築30年の物件は、死ぬ頃には築70年……しかも国の建築基準法が改定される前の物件とあれば、そんなに建っていてくれないかも……東海地震がきたらやばい!

結局絞り込んだ物件は、平成になってから建てられた比較的新しいものばかりになりました。当然、値段もそこそこで、マンションを売った金額では到底払いきれません。しかし、新たにローンを組んででも、移住する意義はあると感じました。移り住んだ今、新たな住宅ローンを返済しつつつ、仕事と庭のリメイクに勤しむ毎日を送っている訳です。

・大室山から見た僕の住んでいる地域の写真です
< http://www.nexyzbb.ne.jp/%7Epeppy_atsushi/digi_cre/07_11_08.jpg >

その別荘分譲地……ここは、田舎暮らしのようであってそうでない、住宅地のようであってそうでない、別荘地であってそうでもない……つまり、非常にユニークな生活環境であると言えるのです。

まず、本当の田舎暮らしは、地元に密着し、冠婚葬祭や祭りなど積極的に参加しなければ、なかなかとけ込めないと言います。しかし、別荘地はもともと色々な地域から集まった人々なので、そんな煩わしさもありません。せいぜい町内会の役員が数年に一度回ってくるぐらいです。

また、沢山の家が建っていますが、近隣住宅にあまり人がいないので(別荘ですから)、通常住宅地に比べて隣人トラブルも少ないと思われます(実際、最近までうちの両隣も人は住んでいませんでした)。それだけ、周りが静かでもあります。近所のガ・・、いや失礼、お子様方が、日曜の朝早くから大声で走り回ったりすることもないわけです。

ユニークと言えば、とにかく定住者には熟年の方が多い点です。ほとんどの方は会社を定年退職し、老後をここで過ごそうとやって来た人たちです。なので、僕のように40歳半ばはここでは「若者」の部類に入ります。

駐車場に停まっている車に、やたらベンツ、アウディ、BMWなど高級車が多いのも特徴です。そもそも別荘を持てること自体、お金持ちですもんね〜。リタイヤした人たちも、どこどこの社長や重役だった、って人が結構いますす。

ユニークとばかりは言ってられないこともあります。その一つが「空き巣」が多い点です。まあ、当然かもしれません。多くのお家は家具や電化製品を残したまま、何ヶ月も空けている訳ですから……泥棒さんにとっては仕事のしやすい所なんでしょう。でも、我々もパトロールなど、自衛手段をとっています。願わくば、鉢合わせしませんように……。

という感じで、別荘地で暮らすというものが、どんな感じなのかイメージしていただけましたでしょうか。

え? ローンの返済? ただ今なるべく早く返済しようと、奮闘しております。お仕事のご依頼お待ちしております。

ナンクロメイト 2007年 12月号 [雑誌]【まつばやし・あつし】mail@atsushi-m.com
イラストレーター・CGクリエーター
< http://www.atsushi-m.com/ >

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コメント

私も別荘地定住を考えている者です。
まず、気になるのが、食料、生活品の確保がどれぐらいたいへんか?病気した場合は?
年配の方が多いということですが、車がないとどうしようもない、というのはそれこそいざというときにどうしようもない状態になるのではないかと思うのですが。

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