■映画と夜と音楽と…[402]愚かな弟・やくざな妹/十河 進
●三度映画化され何度もドラマになった「陽のあたる坂道」前回、「賢兄愚弟」の話を書いた後、こんなタイトルの映画があったなと思ってネットで検索してみたがヒットしない。「愚弟賢兄」で検索したらヒットした。かなり昔の映画だ。最初の映画化が1931年だから、昭和6年である。77年前になる。
松竹キネマ蒲田撮影所の制作で、五所平之助が監督している。サイレント時代から監督をしている人だ。小津安二郎監督より一歳上になる。その映画の原作小説は、佐々木邦が書いていた。最後の佐々木邦全集が出たのは僕が学生の頃だったが、その時すでに過去の作家だった。
佐々木邦はユーモア小説、児童小説の世界で人気作家になった人だ。戦前から人気があり、東京オリンピック開会式の半月ほど前に亡くなった。今は著作を入手するのも困難だ。「愚弟賢兄」は彼の代表作で読者も多かったのか、1953年に再映画化されている。
再映画化の監督は、後に「張り込み」(1958年)「砂の器」(1974年)など松本清張の小説を映画化して名作を作る野村芳太郎である。「愚弟賢兄」は22年も経って再映画化されるのだから人気のある小説だったのだろう。僕は小説も読んでいないし、映画を見ていないので内容はまったくわからない。

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