■音喰らう脳髄[43]H5N1型新型インフルエンザ パンデミック/モモヨ
毎年三万人が自殺死するこの国にありながらも、こういうニュースを耳にすると、どうも物騒な、そう感じてしまうのは不思議だ。ちなみに三万人というのは既死者の数であり未遂者の数ではない。余談であるが、いま、私たちは、そういう環境に生かされていることを忘れてはならない。
それは、ともかく、である。
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きな臭さを感じていたら、つい先週のこと、中国で鳥インフルエンザの人から人への感染が確認されたというニュースが流れた。ぎょぎょぎょっである。そんなところへ、NHKは、鳥インフルエンザの特集番組を土曜日曜と二夜連続で放送してくれちゃうのだから、いやがおうにも、きな臭さ率は増加する。
環境問題、地球温暖化について、政府や某国の大統領は、科学者のデマゴークのような扱いをした。まだ数年前のことであるから、まさか忘れるわけにもいかない。人心を不安にするような、憶測を軽々しく口に出す云々というやつだ。
年金問題ですら同じ抗弁でいなそうとした、我が国の前総理の姿は記憶に新しいが、とにかく、ドラマや予測と断りをいれたシュミレーション報道が先行して、ついに、すんません、実は北極も南極も氷が溶け出してましたと、取り返しがつかなくなってから認める。あげくの果てには、北極の氷は、あと何十年で『とけることになっている』とのたまう始末。それだけじゃなく、そんなの常識でしょ、みたいな態度をとり始めるのだから、信用するも何も相手にすらならない。笑うしかないではないか。
そんな年金や温暖化の事例、その際の事態の推移、というより政治家の態度、対応変化を考慮すれば、いわゆる鳥インフルエンザをめぐる状況は、すでに相当危ないところにあるのであろう。なんていうのは私の単なる推測であるが、たぶん当たっていると思う。とにかく不安であるが、
『ふっふっふっ。で、何が問題なのでしょうか?』
今時の日本の総理は、私の不安を鼻で笑うだろう。そんな様子が目に浮かぶ。
それを私がとやかく言うことはないだろう。ただ、首相、あるいは彼にかわる為政者に私が望むのは、もし鳥インフルエンザが新たな凶相をむきだしにして国民に襲いかかってきたときに、先日、肝炎問題の際に我々に見せた様子見による遅々たる対応だけはご免、そういうことだ。
たぶん、鳥インフルエンザも、その正体が暴かれた時点で、ことは収束にむかっていることだろうし、私たち人間は、かほどに脆弱ではない、と私自身は思っている。しかし、ときには、はっと胸がすくような政治的英断というものを見たいではないか。
ながらく権力にだまされつづけてきた国民の一人としては、一度でいい、政治家のよき側面を映画とか小説ではなく、現実の世界で見たいのである。
Momoyo The LIZARD 管原保雄
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