■Episode of ガテン系デザイナー[13]経営者のお言葉/相子達也
クライアントとしてよく打合せをするのが経営者の皆さんです。ウチの場合、クライアントに大企業なんてありませんから、広報の担当の人なんてめったにいません。ひととおり仕事の話が終わると雑談タイムになります。
私は外部の人間だし、あまり堅い話はしないのでお気楽なんでしょう。時には「そこまで言ったらまずくないですか」という話も出てきます。まぁ、ほとんどが奥さんがどーの、子供がどーの、飼い犬がどーの、車がどーの、ゴルフでどーの、あそこの旨い店でどーの……という聞きたくもない話を延々と聞かされることもしばしば。
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人生の教訓みたいな「人間こうあるべきだ」とか「こう生きるのだ」っていうのが始まる時もあります。「仕事とはなんとかかんとか云々」それ昨日「カンブリア宮殿」でどっかのエライ人が言ってたぞ。「モチベーションをどうしたこうした」それはワールドビジネスサテライトのインタビューね。「目的を持ってこそのどうのこうの」聞くの何回目かなぁ。そういうこと言うのが楽しいみたいね。
そんな話が終わると、本題とばかりに身を乗り出して「あーそうそう、こっちはどうなの? こっちは。」といって小指を立てて意味あり気な薄笑いを浮かべます。来たな、おい。「おー、○○社長もいけるくちですか」なんて言わないですよ、私。「いやいや」とか言うと自慢話(?)や武勇伝(?)がはじまります。聞きたくないんだけどなぁ。
良く聞いてみると、仕事よりもそっちにかける時間のほうが多い。なにやってんだか。話は下ネタでありながらもどんどん脱線していきます。「そーいやきみパソコンに詳しいんだよね。あのほれそのなんだいわゆるエッチなものないの?」あぁもうそういう話かい。
「いやぁうちはそういうのはないです」と言いつつ、検索でちょいちょいと「こんなのどうです、旦那」「おおこれじゃ、これじゃ。お主も悪よのう、わっはっはっは」悪代官との密会か。つまり社長室でアレなサイトを見てるわけです。いいのかなぁ、良くないよな。社員が知ったら大変だぞ。私、片棒かついでるなマズイぞ。下世話な話でごめんなさい。
まじめな社長さんからは、へんなセミナーに誘われることもあります。これはうまく受け流さないと大変。顔を会わせるたびに勧誘されちゃいます。「本当の幸せとはなんやらかんやら」そんなことやる時間もお金もありませんので、丁重にお断りします。
なんだか、社業より他のことにうつつを抜かしているとしか思えない経営者の皆さんに、あきれるやら驚くやら尊敬するやら……。大丈夫か日本。
●建設現場報告 深刻な人材不足
忙しいので手伝ってほしいとの要請があり、久しぶりに現場で働いてきました。いやぁ、現場はいいなぁ。河川工事の現場は、山に囲まれた道路沿いにあります。見渡す限りの杉林。花粉症の人には地獄です。
冬は水量が少なく、見えるところを水は流れていません。今が工事のチャンスというわけです。土砂を掘ってみると水が出てきて、よく見ると下流へと流れています。川底を水が流れているんですね。雨量の多い時期に構造物、例えば護岸ブロックや堰をつくってたりすると、夕立ひとつで全てが流失です。恐ろしきかな水の力。
機械に乗って10トン近くある岩をゴロゴロ転がしたり、巨大な穴をせっせと掘ったりと実に楽しい仕事をしながら気が付いたことがあります。それは施工力の低下です。簡単に言うと仕事がへたくそ。そりゃ、定年後に日雇いできてる人や「とりあえず生活費を」みたいな若者とか、経験の浅い人ばかりなんですからしようがありません。
ここでも深刻な人材不足です。ただでさえ評判の悪い建設業。若者がすすんで来ることはありません。貴重な新人に仕事を教えようにも、2年もしないうちに辞めちゃう。
業界ではもっと魅力ある仕事だということをアピールしようとしてますが、実際の現場はやっぱり「3K」なので現実はしんどいとなり長続きしません。おまけに公共事業は減る一方なので、将来に不安を抱く人も多くいます。
大きな構造物を造れば「地図に残る仕事」ですし、新しく道路を造れば「この道は我々が造った」ということになるけど、それは「理想」なのであまりアピールするのはどうかと思います。現場では冬は寒く、夏は暑いなかで泥だらけになっての仕事がほとんどですから。「現場監督」として実際の作業はしないで指示だけをする大学の土木科卒業の人ばかりで、作業員はアルバイトばかりという状況です。これを変えるのは大変でしょう。
構造物の品質は明らかに下がってきています。おそらくゼネコンの現場でも同じでしょう。みんな下請け、孫請けですから。
何度か言ってますが、建設業は絶対必要なんです。あまりにも少なくなってしまうと、生活の基盤が支えられなくなってしまいます。橋が壊れても、堤防が決壊しても、土砂崩れが起きても、直す人がいないとなったら大変です。
業界の努力も大切ですが、それだけではどうにもならないような気がします。「公共事業イコール悪」ではなく、必要なものと必要でないものをちゃんと選ぶという、あたりまえの事をやってもらいたいと思います。将来に希望が持てなければ、長く続ける人は増えないです。政治家の皆さんに期待できそうにないのも問題です。どうなることやら。
と、河川工事の現場でパワーショベルに乗りながら考えました。
「おーい、3時休みだぞー」
【あいこたつや】aitatz@gmail.com
建設業を離れてフリーランスになった私の苦手な確定申告の時期です。格闘中の人もいるのでは? 私は見積書とか請求書とかが苦手でして、確定申告など嫌がらせとしか思えません。なんとかつくった書類は「これで大丈夫か?」と思いつつ提出してますが、税務署は何も言ってこないから問題ないんだよね?
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