■音喰らう脳髄[51]溶けだす山/モモヨ
それにしても、ここ数年のうちに私たちが目撃してきたさまざまな天変地異、その惨状の凄まじさは、いかばかりか。言い尽くせるものでない。その原因の一端は温暖化にあろうが、そればかりとも言い切れない。
たとえば、インド洋の大地震とその後の大地震、中国四川での地震、新潟、今回の東北、こうした地震災害は地球規模で何か大きな変動が起きているその結果でもあるからだ。
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相手が地殻変動となると、私たち人間にできることといえば、それが起きてしまった後の対処しかない。事前にできることは、平静からそれが起きてしまうことを想定して対策を考えておくことくらいだろう。私たちにはどうすることもできない。しかし、温暖化についてなら、今、小学校の生徒ですら知っているように、まだ間に合うかもしれない。少しでも流れを変えられるかもしれないのだ。
できることからやってみる、というのは、どんな世界、どんな勝負においても常道だろう。スポーツのみならず囲碁、将棋などあらゆるゲームの基本である。最初から可能性ある手当てを放棄して自暴自棄になる、というような愚者は、どの世界でも門前払いをくらう。
行動するといっても、注意しておくべきことがある。この大自然のゲームにおいて、私たちはプレーヤーではない。このことを自覚すべきだと思うのだ。
この壮大な大自然ゲームを将棋に例えれば、まさに「歩」(ふ)というのがふさわしかろう。エコロジーの問題にしても、そこを間違うととんでもないことになる。
ダムをつくれば、そこに水がたまる。何年もの時を経て、その水は、実際には周辺の軟らかい地盤に自然に浸透してゆくはずだ。緑の木々が互いに根を絡ませて維持しているが、地盤がゆるくなるのは当然のことだ。
このあたりのことは、池のひとつも掘ってみればわかる。池をつくる場合、そうした手当てが面倒なので底に防水シートをはったり、地底をコンクリートなどで固めてやらないと、水がたまらないこともあるし、縁の土を次々と溶かし込んで、結果、ただの泥地になりさがってしまう。
わが国のダムは地形を利用し、山容形状を生かして村をそのまま水の底に沈めるような形で建設されてきた。湖底には村の建物が当時のまま沈んでいたりする。つまり、なんら手当てをしていないものが多いのだ。その建築手法、根拠となる建設技術は欧米から輸入したものであろうが、そこに瑕疵がないか、問題点はないか、そろそろ考え直す時期に来ているのではないだろうか。
山全体が陥没し、泥沼状態と化した被災地の映像にそんなことを思う次第。
最後になったが、被災地の皆様方、ここに、あらためてお見舞い申し上げます。
Momoyo The LIZARD 管原保雄
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