■ところのほんとのところ[1]新連載 迷走の終わり?/所 幸則
僕はとりあえずここ数年、自分から動いてファンタジー作品は撮らなくなりました。なぜなんだろうって考えてみても、しばらくは自分でもよくわからなかったんですよ。2004年の秋に制作した「鳳凰」が最後です。うーん、作れてない時期が意外と長いですね。
2007年の「世界フィギュアスケート選手権」のポスターなどは、結構街なかで見かけた人も多かったと思いますが、わりと例外的なものだったと思うなー。楽しかったですけど♪
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多分1989年から2001年ぐらいまでは、ほとんど夢の中で生きてるような感覚だったと思います。みょうに現実感がなかった。だから、次々そういう作品が生まれ続けていたのだと思いますね。
2002年のワールドカップの最中、1989年からずっと一緒に歩んで来たマネージャーが帰らぬ人となったあとしばらくは、僕らしい光ではあったけれど肖像画的なポートレートだったり、ファンタジーなのかファッションなのかわからない作品だったり、迷走を続けていました。
そんなとき、僕にファンタジーを撮らせようとした人が現れて、「天使に至る系譜」の裏表紙の「闇と闘うミカエル」や、ぼくの作品では珍しい「鳳凰」などが生まれていった。それは凄く象徴的な作品で、自分的には2001年以前の作品とは全く違うものでした。
だけどそのころの世間からの依頼は、光と色はぼくらしいけどストレートっぽいファッションだったり、モノクロだったり、わかりやすいとこでいうとオシム監督の「ナンバー」の表紙とか、「ロッキンオン」の東京スカパラダイスオーケストラとか、だったりします。
ファンタジーが撮れないことなど忘れて、ちょっと自分がいままで仕事では撮ってこなかったものに目を向けてみよう、という気になったのが2006年の秋。そのころから、mixiの所幸則〜幻想記憶館〜というコミュを通して知り合ったWeb制作会社の人と新しいHPを作ろうという話が持ち上がったけれど、僕のイメージは当初かなり難しかったらしく、とりあえずブログを始めるってことで止まってしまった。
しばらくプライベートスナップヌードを撮ったりしていて、カメラといいお友達になってきた。スナップと作品とは、自分の中でははっきりと違うものだったのだけど、その「LOVE&SEX」シリーズは完全に一致していた。ぼくと大村克美と大阪芸大4年生が1/3ずつスペースをもらって、なんばパークスでの展覧会(大阪芸大主催)で、そのシリーズの展示をするが、大学側からの指摘で展示不可のものが出て来たりして、ちょっと迷いが出た。いやらしいのか? ぼくは可愛いとかカッコいいとか思って撮ったシリーズだったのだが……。
その後、2008年の元旦から渋谷のスナップを撮り始めた。いつもEOS 1ds MK-2を握りしめて、日の出前後1時間ぐらい、渋谷を何回か撮っていた。握力は結構あるなと自分でも感心する。右手で握ったまま2時間以上歩くんだから。
渋谷在住ならではの優位性もあって、楽しく作品が生まれていった。20枚位プリントした時に、ある老舗写真雑誌の副編集長に会って見せてみた。ぼくのコンセプトも話して、意見を聞いた。こういうところがぼくの物怖じしないところだ。誉められた。もう少し溜めたらなにか相談しましょうって話になった。僕はそれから2か月ぐらいチョット迷っていた。それは、ほんとのところ、ところはこれでいいのか、と。
【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則
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所幸則公式サイト
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