■音喰らう脳髄[57]何を世襲するのか/モモヨ
一市井人である私の場合は、ただひたすら怒っているだけ。呆れているだけだ。政治の全てが尋常じゃない。戦後の日本、このシステムをつくり恣意的に運営してきた人々、政治家と官僚に相当程度に呆れている。いや、曖昧ながらも憎悪すら覚えてしまう。
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今の政治状況については言うまでもないが、もっとも私の神経を逆撫でしたのは、かつての総理大臣だった人物の行動である。郵政民営化で国民に是非を問う、そう訴えかけて衆議院の三分の二の議席をとった、あの人物だ。
衆議院選挙の時、これは郵政民営化について是非を問う、その選挙である、彼はそう明言したはずだ。しかし、いつしか、これが自民党が一党独裁体制で好き勝手やるための下工作のようになってしまっている。今更書くまでもないくらいに明白なカラクリだ。
この事態について、まるで自分の手柄のようにして喧伝していた、かの人物。自民党に黄金時代をもたらした貢献者としてふるまってすらいる。これは国民を愚弄しているとしか思えなかった。このことで相当程度むかついていたが、今度は衆議院議員引退に際し息子に選挙区をゆずると言い出した。世襲である。彼が織田信長を気取るのは勝手だが、政治家、議員というものは本来、世襲できる職業ではない。
同僚議員の中には、その去就を「いさぎよい」と評する者もあったが、何だかな、な意見である。自民党に貢献したかもしれないが、それは、一方、国民を騙したことを意味する。裏切りである。そんな男が裏切りを手柄として世襲とは、あつかましいことこのうえない。いいかげんにしてほしい。
冒頭に書いたように、私の場合は、今のシステムをつくってきた世代に相当憤っている。そんなシステムを形成してきた人物の地位を世襲するというのであれば、世襲した若き世代は、親の失態のつけを支払う責務がある。責任がある。無償に近い給与であっても国のために働く気概のようなものがあれば、負債の世襲はあってもいいが、彼等にそれを求めても無駄だろう。あれこれと嘘で言い固めて平気な顔をしているに違いないのである。
世襲したのは、政治家の利権だけではない。おそるべき鈍感さをも受継いだに相違ないのである。
Momoyo The LIZARD 管原保雄
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