[2529] 違和感を覚えるメニューの魅力と注文する勇気の巻

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<おでん屋のクリームブリュレ>

■わが逃走[32]
 違和感を覚えるメニューの魅力と注文する勇気の巻
 齋藤 浩

■伊豆高原へいらっしゃい[25]
 リフォーム補助で外壁塗り替え
 松林あつし

■展覧会案内
 タイムトンネリシリーズVol.27 福田繁雄展「ハードルは潜(kugu)れ」
 M/M (Paris): The Theatre Posters


■わが逃走[32]
違和感を覚えるメニューの魅力と注文する勇気の巻

齋藤 浩
< https://bn.dgcr.com/archives/20081106140400.html
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齋藤浩が書きたい事をだらだら書くだけの『わが逃走』ですが、今回は特にだらだらです。

昨日、東京に向かう飛行機の中で、必死にこの連載のためのネタ出しをしたのですが、そこで出た案は全てボツにしました。特に理由はないのですが、なんつーかこう、ダラダラしたものを書きたくなってしまったもので。という訳で、だらだらと脈絡のない話を簡潔にまとめました。ダラダラ。

1■ギャップによる“つかみ”

「広告とはキャッチ力とメッセージ力である」とは、コピーライターのT氏より学んだ言葉だ。

不特定多数の人々を振り向かせる力。そして、振り向いてくれた人に対し、情報を伝える力。人々をいかに効果的に振り向かせ、伝えるか。その工夫をする人がデザイナーだったりコピーライターな訳だ。

で、デザイナーの私は普段から、なにかってーと人を振り向かせたり伝えたりする方法を、ぼーっと考えていることが多い。ポスターや看板、本の表紙や商品パッケージはもちろん、道の形や川の流れ方、食べ物の味、ひとの仕草に至るまで町中で気になったものは一通り「何故これは私を引きつけるのか」を考えてみるのだ。

色彩が美しい、形状が奇抜など、それらにはさまざまな理由があった。しかし中でも最も私を引きつけたものたちには共通な理由があった。『ギャップ』である。

例えば、エロ本。私はエロ本が好きだ。インターネットで画像も動画も簡単に手に入る昨今だが、印刷物として供給されるエロ本の持つワクワク感、ページをめくるときのドキドキ感はエロ本ならではの価値と言えましょう。

さて、いかがわしい書店に平積みされているエロ本の中で、「これは!」と私が思わず手をのばしてしまうものには共通項があった。それは、表紙の女の子がカワイイという点である。なーんだ、などと思ってはいけない。その構造を検証してみよう。

エロ本とはその名のとおりエロい本である。「こんなカワイイ女の子がなぜこんなエロい本なんかに??」と思ってしまい、「何かの間違いじゃないか? よし、確かめてみよう。」と手にしてしまう。今風に言えば“ギャップ萌え”の構造が私を引きつけている。

つまり、自分の固定概念に対する心地よい裏切りが、そのものを当たり前の存在から気になる存在へと昇華しているのである。その他にも「レンジファインダーなのにデジカメ」のEPSON RD-1や、「2ドアみたいな4ドアスポーツ」マツダRX-8など、同じ魅力の構造をもつものは多い。

2■ギャップと食の関係

さて、こんな話を書いていると,他にもギャップによって振り向かされた例はないかなー、などと考える。で、思い至ったのがシーチキンおにぎりだ。

私が物心ついた頃はまだ、おにぎりといえばお母さんの手作りが主流の時代だ。梅干、おかか、こんぶといったオーソドックスなネタを内包した各家庭独自の形状のものが、それぞれの家庭にのみ流通していたにすぎなかった。

ところが1970年代、セブンイレブンの国内展開により、おにぎりは手作りからコンビニで買うものへと急激に変化してゆく。そして、衝撃的に現れたのがこのシーチキンおにぎりなのである。

米にマヨネーズだァ? なんか気持悪ーい。最初は半信半疑だったが一度食べたら癖になる味だった。今ではすっかり定番メニューだが、最初にそれを知ったときの違和感たるや相当なものだったのだ。

このインパクト! 仮にシーチキンショックとしよう。これはデザインにおけるキャッチ力を考える上で、重要なヒントとなるのではないだろうか。などと考えていたら……。

3■違和感を覚えるメニューの魅力と注文する勇気

ここから本題。

先日沖縄で老舗沖縄そばの店に行ったところ、隣の客がソーキそばとライスを食べていたのだ。ソーキそばとジューシー(沖縄流炊き込みご飯)の組合せならわかる。しかし、ラーメンとライスの組合せさえいまだ違和感があるオレとしては、ソーキそばと白いごはんは軽い衝撃だった。

さらに隣のテーブルを見ると、ソーキそばとトーストのセットを食べてる若い女性2人組が! え? それってアリなんですか? まあタコスとライスでタコライス! の沖縄なので、多少違和感のある組合せでもすぐに馴染むといえば馴染むのかもしれない。

しかし、この組合せはモノがシンプルなだけに驚いた。ふと壁に掲げられたメニューを見ると、「ソーキそば」「三枚肉そば」の下に「ライス」「トースト」とある。うーむ、おそるべし沖縄。と思っていたら、さらに「スパゲッティ(トースト付)」の文字を発見。

素晴らしい出汁の味、やや太めの麺。さすが老舗と感動していたところにこれだ! この麺をケチャップでいためたものが出てくるのだろうか。それともごく普通の喫茶店のナポリタンなのか。

出汁の香りで満たされている南国の木造家屋で、喫茶店のナポリタンを出す意味も理解できず、沖縄そばの麺を使うことにこだわった自慢料理とも思えず。なぜそこにそのメニューが存在するのか意味がわからず、不安に陥ったオレ。周囲を見渡したところ、注文している人もいない

でも気になる。とはいえやはり注文する勇気はないなあ。沖縄まで来て、那覇から60キロも車で走ってたどり着いた沖縄そばの店で、しかも旅程における食事の回数には限りがあるのだ。そのうちの一つを「スパゲッティ(トースト付)」に充てる勇気はまだ私にはなかった。このまま一生、この店の「スパゲッティ(トースト付)」を食べずに私の人生は終わるのだろうか。ああ気になる「スパゲッティ(トースト付)」。

まあ落ち着いて考えてみれば、そういったメニューはけっこうあるのだ。ポピュラーな例でいえば、回転寿司のプリンがそう。以前プリンの旨い回転寿司屋があるということで、千葉の漁港付近まで行ったことがあるのだが、確かに旨かったが(当然寿司も旨かった)、やはり注文するのにそれなりの勇気が必要だった。

板さんに「あのう…プ、プリンを」と小声で言うと、でかい声で「はァい、プリン一丁!!!」と叫ばれ、奥にいる従業員も「はい、プリン一丁!!!」「プリン一丁!!!」と大声で復唱するのだ。寿司屋中の客の目が一斉にこちらに向いたような気がした。実際プリンは旨かったのだが、落ち着いて食べられたかといえば、そうでもなかった。

また、実家近くのラーメン屋のチキンライスも気になる存在だ。30年以上気になっているのだが、まだ食べたことがない。ラーメン屋の米モノといえばチャーハンと相場が決まっているのだが、その店には昔から壁に貼られた短冊の一つに「チキンライス」と書かれているのだ。

いわゆるお子様が好きなケチャップ味なんだと思うが、やはりラーメン屋で注文する気にならないのだ。昭和っぽい金属のプレートに、楕円形の型でぽっこしと盛られたケチャップごはん。たまに思い出して想像するのだが、これも多分一生食べずに終わるのでしょう。

2週間ほど前に、元グラビアアイドルのデザイナー(20代・女性)と日本家屋を改造した素敵なおでん屋で一杯飲んだのだが、その店のメニューにも衝撃が。「たまご」「ちくわぶ」「がんも」などのメニューの最後に「クリームブリュレ」とあるのだ。

けっこう定番となっているらしく、女性同士の客が美味しそうに食べていた。デザートは別腹なオレだが、初めての店ゆえ躊躇してしまい注文できませんでした。おでん屋のクリームブリュレ。果たして今後味わうことができるのでしょうか、おでん屋のクリームブリュレ。語呂もいいですね。

てな具合でいろいろ振り返ってみると、ギャップ故に人を引きつけるメニューというものはけっこうあるもんです。なんだけど、そのほとんどはまだ食べていないので、結果報告ができないのです。

思わず振り向いてしまったけど、その結果何が伝わったかまでは不明のまま。という訳で、ここで唐突に終わります。

ダラダラと書きたいことを書きました。読み返してみると、ぜんぜん起承転結がないですね。デザインの話で立ち上げておいて、イロモノの話で終わってます。まあ許してください、ノーギャラで書いてるんだから。気が向いたら続きを書くかもしれません。ではまたお会いいたしましょう!

【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。
< http://www.c-channel.com/c00563/
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■伊豆高原へいらっしゃい[25]
リフォーム補助で外壁塗り替え

松林あつし
< https://bn.dgcr.com/archives/20081106140300.html
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先日、家の外壁を塗り替えました。うちは中古で購入した住宅ですが、もうすぐ築20年を迎えます。今のところ、これと言って深刻な不具合もなく、去年の台風の直撃にも耐えましたので、当分大きなリフォームは必要ないかと思っていたのですが、壁だけは、かなり痛んでいたようです。

建築当時の壁は、二階部分が「ボード貼り」、一階部分が「吹き付け塗装」だったようですが、その後、前のオーナーが全体に塗料を塗ったようです。長年住んでいるご近所さんの話では、7〜8年前に一度塗装をしていたとの事ですが、その割には痛みが激しい……西側は元の色がわからないほど色あせていますし、全体的に粉を吹いたように塗料が剥がれてきています。

家が傷む最大の要因は、水の浸入による柱の腐食やシロアリなどによる柱の破損が主なものですが、どちらにしても、雨水の流入が最も気をつけなければならない事ではないでしょうか。

雨水の流入経路としては、屋根、壁、床下が考えられます。屋根は引っ越して来た時にスレートの塗り替えをやりました。床下は地形的に洪水による浸入は考えにくいし、地下水の染み出しなどもありません。しかし、壁は……塗料が所々剥げ、粉を吹いて痛んでいる状況です。いつ水が染みこんで来るとも限りません。

どこかの建築会社が「家は壁だ」とTVCMしていますね。屋根の雨漏りは比較的気がつきやすいのですが、壁からの染みこみは気がつきにくいのです。気がついた時には柱が腐り、手遅れという事にもなりかねません。

ただ、いずれは壁の塗り替えをやらなければ、とは思っていたのですが、それが今年になるとは思ってもみませんでした。別に急を要する事態が発生した訳ではないのです。実は今年、伊東市では「住宅リフォーム振興助成金」なるものの希望者を募集していたのです。

簡単に言えばリフォーム補助ですね(これも、来年度予算のために、余った国からの補助金は全部使っちまおう! 的なものかな……?)。まあ、くれると言うものは貰わなければ損、というのは世の常で、僕も応募をしてみたところ、当選したのが塗り替えに踏み切った大きな要因だったのです。

当選確率がどのくらいだったかはわかりません。60〜70人ほどの希望者が商工会議所の一室に集められ、ベタなやり方ですが、確実な「ガラポン」での抽選です。全予算は500万円……人それぞれ補助を受ける金額が違うので「何名までで締め切りです」とは決められないようです。

まず、席順をクジで決め、その順番でガラポンを回します。それぞれの申請金額(最大で10万円)を一人一人計算し、予算一杯になった時点で「おしまい」という事らしいです。ですので、席順によっては、自分の番が来ないうちに落選が決定する可能性もあります。

幸い僕の席は真ん中あたりだったので、ガラポンを回す事ができました。そして「当たり!」。結局、一巡してもまだ予算に余裕があったので、ハズレの人が最初から引き直しになりました。僕はその時点で帰ったので、当選確率がどのくらいだったかは、わからないのです。

先だって目星を付けていた塗装業者には、見積もりだけやってもらい、「リフォーム補助に当選したらお願いする」と言ってありました。当選の翌々日……業者から電話があり「松林さん、おめでとうごさいます」って、何で知ってるの? どうやら、他のお宅からも依頼を受けており、クジ引き代行を行っていたようです。業者の担当者が会場にいたんですね。

この業者選びも悩ましいところで、安いから良いというわけでもありません。事実、前のオーナーの塗装はひどいものでした。養生(マスキング)もちゃんとできてないし、あちこち塗料がはみ出しています。何より、数年でこの痛みとは、どんな塗料を使ったのか……。

また、半年ほど前には、飛び込みの業者が「お宅の壁、やばいですよ! 塗り替えた方がいい……」って突然やって来ましたが、名刺も見せなければ、車に会社名も書いてない……そんな業者信じられるか!

一番良いのは、ご近所で実績があり、評判も良い所です。幸い、数ヶ月前に近所の屋根を塗装していた業者が良いらしい、という情報をもらいました。試しに、ベランダの手摺りの塗装を3万円でやってもらいましたが、綺麗なもんです。それもそのはず……そこは「超高耐候性高分子塗料」なるものを自社開発し、それに対して20年保証を行っているほど自信を持っている会社でした。

さらに、見積もりから契約に至るまでの流れがしっかりしており、信頼できます。実は、このあたりに限らず、田舎の施工業者、リフォーム業者、造園業者は「ドンブリ勘定」でいい加減な所が多いのです。

事実、最初のリフォーム業者は見積もりは出すものの「これもしましょうか?あれもしましょうか?」と調子の良いことを言い、請求額は見積もりを20万円もオーバーしていましたし、造園業者も終わってみれば5万円のオーバーでした。

今まで、リフォームや造園で契約書を交わした事もなく、田舎ではこんなものか、って思っていたのです。しかし、今回の塗装業者は契約書だけでなく、20年の保証書もあります。細かい内容まできっちりしており、見積書通りの請求額でした。

実際、作業内容を毎日見ていましたが、下塗りは2回、本塗りの20年保証塗料も、堅牢なもので、長持ちしそうです。今回、まったく値引きを要求しなかったためか「おまけ」として、ベランダの樹脂塗装もやってくれました。オマケのふりして、後で請求する他の業者とは違って、本当に無料の塗装で、その割には綺麗な仕上がりに驚きました。ただ、オマケだけあって、下請けには負担をかけられないのか、営業の兄ちゃんが自分で塗っていたのが、ちょっと可哀想になりましたが……。

せっかく買った家です、あと40年はしっかり立っていてもらわなければ困ります。そのためには数年に一度は点検補修を行って行く必要があります。これは持ち家に限らず、マンションもそうです。マンションの場合、平均築10年ほどで大規模修繕の時期がやってきます。そのために積み立てを行っている所もあるでしょうし、臨時徴収の形で一世帯何十万というお金を集めたりする事もあります。逆にそれをやらなければ、資産価値はどんどん低下してしまいます。

持ち家の場合は、それらを自分の判断でやらなければならず、何も考えなければ、ある日突然、補修のために何百万円もの出費を余儀なくされるかも知れません。そうならないためにも、保険や年金と同じように、「修繕積み立て」を行っていく必要があるのでしょうね(うちはまだやっていませんが)。

今回の外壁塗装でちょっと残念だったのは、養生(マスキング)をする場所を綿密に打ち合わせしとけば良かった、という点です。完了してみれば、換気扇の傘や、配線、エアコンのパイプまですべて同じ塗料で上から塗られていたのです。まるで、家のプラモデルを丸ごとスプレーで塗装したかのようなチープさが漂います。パイプ類と換気扇の傘は養生してもらって、塗らないように言うべきでした。

それと、色! まるでDIC色見本のような分厚い見本帳から選んだのですが、薄くちょっと沈んだグリーンを選んだつもりが、出来てみれば「エメラルドグリーン!!」こんな色の家、近所にないぞ! 勤めていたキャラクター製作会社で散々パステルカラーを使ってきたという性(さが)でしょうか……無意識にあま〜い色を選んでしまったようです( >o< )。

どれもこれも後の祭り……まあ、かわいくて良いではないか……

【まつばやし・あつし】イラストレーター・CGクリエーター
< http://www.atsushi-m.com/
>
pine4980@art.email.ne.jp

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■展覧会案内
タイムトンネリシリーズVol.27 福田繁雄展「ハードルは潜(kugu)れ」
< http://rcc.recruit.co.jp/co/exhibition/co_tim_200811/co_tim_200811.html
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< https://bn.dgcr.com/archives/20081106140200.html
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タイムトンネルシリーズは、第一線で活躍しているクリエイターの若き日にスポットをあてる展覧会である。27回目を迎える今回は、日本を代表し、国際的に活躍するグラフィックデザイナー、福田繁雄氏。

会期:10月27日(月)〜11月21日(金)11:00〜19:00 水20:30 土日祝休
第一会場:クリエイションギャラリーG8
東京都中央区銀座8-4-17 リクルートGINZA8ビル1F TEL.03-3575-6918
第二会場:ガーディアン・ガーデン
東京都中央区銀座7-3-5 リクルートGINZA7ビルB1F TEL.03-5568-8818
《展示内容》
第一会場(クリエイションギャラリーG8)
おもちゃや小型彫刻など立体作品を中心に、ポスターのモチーフとなる作品も紹介する。
第二会場(ガーディアン・ガーデン)
これまでに手がけた3,000枚に及ぶポスターの中から、福田氏が選出した「ポスターベスト50」や、そのアイデアスケッチも紹介する。

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■展覧会案内
M/M (Paris): The Theatre Posters
< http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/
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< https://bn.dgcr.com/archives/20081106140100.html
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会期:11月4日(火)〜11月26日(水)11:00〜19:00 土18時 日祝休
会場:銀座グラフィックギャラリー(東京都中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル1F TEL.03-3571-5206)
内容:M/M(Paris)は、ミカエル・アムザラグとマティアス・オグスティニアックにより1992年にパリを拠点に設立されて以来、デザイン、ファッション、現代美術の各界を巻き込み、衝撃を与え続けています。本展では、1995年以来彼らが手がけているCDDBブルターニュ演劇センター・ロリアン劇場のためのポスターを紹介いたします。このシリーズはM/M(Paris)の特性が最も発揮されているもので、時にユーモラスに、時に狂気じみていて、無邪気なことも攻撃的なこともあり、装飾的なことも、グロテスクなことさえあります。極めて即興的な印象を与えるのですが、実のところ、個々の視覚的破調は、綿密に統制された全体の一部を構成しているのです。それぞれの作品は共鳴しあい、迸るような視覚的連続性を感じさせつつ、一度として自己満足や陳腐な表現に陥ることがありません。彼らは非凡かつ魅力的で、雄弁なグラフィックの表現様式を生み出しているのです。(サイトより)

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■編集後記(11/6)

・吟じます、アメリカで〜〜オバマ民主党が圧勝しましたので〜それにあやかって〜〜オザワ民主党もいけるかもしれない〜〜。なんてことナイナイグルナイ。アメリカの民主党のことは知らないが、日本の民主党のことは知っている。政権欲しい政権よこせの一辺倒で、国益そっちのけにして恥じない政治家グループのことである。その民主党の山岡国対委員長が得意顔で、オバマのCHANGEポスターと並んだ写真が新聞にあった。あんたの手柄ではない。オバマを勝手に応援した小浜市程度のインパクトで、苦笑するしかない。オバマ「CHANGE」とオザワ「政権交代」とは別物である。党首討論から逃げているオザワが、オバマ民主党を引用する資格はない。アメリカ大統領選のように堂々と論戦したまえ。それにしてもオバマ、47歳、わずか4年前に連邦議会上院の当選したばかりで行政手腕は未知数、こういう人物に一国を委ねることになるとは、時代のなりゆきはわからないものだ。経済の破綻前はまだマケインが優勢だったではないか。それにしてもオバマ、なんたる演説のうまさだ。人をひきこむ強烈な魅力(魔力)がある。でも意外に抽象論が多いと感じる。ほんとうに大丈夫なのか。日本のことはあまり知らないようだから、今後の日米関係が気になってくる。さて日本の民主党、例えて言うなら「思惑が違う者同士が同乗する員数合わせの舵なし泥船」だ。自民党は「あちこち傷だらけの老朽船」だがとりあえず舵が利いて、推進力はまだある。オバマは、民主党も共和党もない、みんながいっしょに国を変えようと呼びかけて国民の支持を得た。いまの日本もそうあるべきだ。吟じます、政界を再編成して〜大連立したほうが〜〜いけるかもしれない〜〜(うわ〜、ヘタだな)(柴田)

・女性大統領よりも黒人大統領が先に誕生。アメリカは世界は変わるかな? 日本よろしく。/F1も初の黒人チャンピオン誕生。/アイスのミントチョコ味は食わず嫌いしていたなぁ。/以前、たかじんの番組に自民若手と民主若手が出ていた。自民若手が「民主若手とは政策が同じなんですよ」「誰かが意見を言っている時、民主は席の後方(若手)と前方(年配)とでは、拍手する場所が違う」と話していて、そうよねぇ、どっちも同じこと言ってるのに、どうして協力してやれないのかなぁと。若手の方が、世論を敏感に汲み取っている気がするよ。政権交代には賛成というか、一度はやってもらった方がとは思うんだけど、どうも変わる気がしないのよね。というか、今の民主党には譲り渡したくないというか、自民同士の戦いのようで。それより、党を超えて若手が組んでくれた方が、応援したくなっちゃうけどなぁ。勝海舟や坂本龍馬がいたら面白いのになぁ。(hammer.mule)