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■気になるデザイン[18]熨斗袋の熨斗(のし)って何? 魚はなぜ緑色の紙で包むの?/津田淳子

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新年になったなぁ、と思っていたら1月ももう半ば。ぼやぼやしていると、すぐに2月になってしまいそうで怖いです。昨年はこのコラムを途中リタイアしてしまって、すみませんでした。今年は健康に留意して、休まず書かせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

今回は今年になって「なるほど!」と思ったことを二つ書いてみます。
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まずはひとつ目。今年初めて行った展覧会は、東京は銀座松屋で開催中の「折形・無形のデザイン」でした。グラフィックデザイナーの山口信博氏が主宰する折形デザイン研究所が長年取り組んでいる、日本の伝統的な「折形」。この企画展のパンフレットから引用すると、
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折形とは贈答の際に和紙を折り進物を包む包みの礼法です。およそ六百年前の室町時代に武家の礼法のひとつとして確立されたといわれています。現代でも広く使われている熨斗紙や熨斗袋は折形がルーツです。
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ということだそうで、一枚の紙を切ることなく、山折り/谷折りをさまざまに組み合わせて折ることで、進物を包み、そしてそれらの折り方には、ちゃんとした意味を持っているそうだ。

のし紙 祝 ノイ-N1A4折形自体も興味深いのだが、その展示説明の中で、熨斗紙や熨斗袋の「熨斗(のし)」とは一体なんなのか、ということを初めて知った(周知の事実だったらすみません……。私は何となく使っていた言葉だったので、ちゃんとした意味を知りませんでした)。

熨斗袋や熨斗紙の右上についている菱形状のもの、これが「熨斗」とよばれるもので、もともとはのした鮑を折形で包み、進物に添えられたことが始まりだそう。こののした鮑を包んだものを「熨斗鮑」と呼び、それをいつ頃からか鮑実物ではなく黄色い紙を包んで貼付けるようになり(鮑を薄く削いで干すと琥珀色になるため、それと似た黄色い紙が使われたんでしょうね)、現在ではそれを図案化して印刷されるようになったそう。なるほど、「のした鮑」から来た「のし」だったんですね。

でも、何で鮑をのしたものを包んだんだろうと疑問に思って調べてみたら、
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元来、アワビの肉を薄く削ぎ、干して琥珀色の生乾きになったところで、竹筒で押して伸ばし調製。「のし」は延寿に通じるため、古来より縁起物とされてきた。また、仏事における精進料理では魚などの生臭物が禁じられているが、仏事でない贈答品においては、精進でないことを示すため、生臭物の代表として熨斗を添えるようになったともされる。
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マルアイ 仏万円袋・御香奠 ノ-219とのこと。なるほど、だからお香典袋にはついていないのか。こういうものって、意味がちゃんとあるんですね、やはり。

そして二つ目。

魚屋さんや市場などで魚を買うと、なぜか緑色の薄紙に包まれることがありますよね。あれってどうしてか知ってますか?

あの紙、元々は「パーチメント紙」と呼ばれる紙が使われていました。パーチメント紙は紙に硫酸を含浸させて、耐水性や耐油性を持たせたもののことで、身近なところでは、新しいマーガリンのパックを空けると、マーガリンの上に薄い半透明の白紙がのってますよね。あれです、あれ。

耐水性があるので、水や血が滴る魚を包むのにちょうどいい紙だったということで、長く使われて来たんですが、今ではこのパーチメント紙に変わって疑似パーチメント紙と呼ばれる、硫酸に浸すのではなく別の方法で耐水性を持たせた紙が使われているそうです。パーチメント紙より安いそうなので……。

まあ、こんな紙のマニアックな話はあまり興味がない方が多いと思うのですが、あの魚を包む紙、パーチメント紙でも疑似パーチメント紙でも「緑色」であることは変わりないんですが、これ、どうしてかご存知でしょうか?

魚は丸ごとはもちろん、冊(さく)になっていても、血が滴ってくることがままありますよね。そんなとき白い紙に包まれていると、包みを開いたとき赤い血が見えてグロテスクな感じになってしまうけれど、緑の紙だと、血の赤とは反対色なので、血が付いた紙の部分が黒く見え気持ち悪さがない、というのが理由だそう。なるほど、言われてみればその通りなんだけど、今まで、あの紙がどうして緑なんだろう、なんて考えたこともなかったなぁ。

普段何気なく使っている言葉やものにも、それぞれ意味があるんだなと、しみじみ考えながらの新年スタートとなりました。今年は見るもの聞くものに、もっと興味を持って調べてみようと思った次第です。またご報告します(って、あまりにものを知らないのが露呈しそうで怖いですが・苦笑)。

【つだ・じゅんこ】tsuda@graphicsha.co.jp
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