[2595] トヨタiQとYouTubeの「Visual Mix Contest」がすごい理由

投稿:  著者:


<アッセンブラーという職業カテゴリーがあってもいいのかも>

■KNNエンパワーメントコラム
 トヨタiQとYouTubeの「Visual Mix Contest」がすごい理由
 神田敏晶

■クリエイター手抜きプロジェクト[196]iPhone編
 Web技術を使ってiPhoneアプリを作成(1)
 古籏一浩

■電子浮世絵版画家の東西見聞録[66]
 田渕俊夫展/牡蠣と葱の炒め物
 HAL_

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■KNNエンパワーメントコラム
トヨタiQとYouTubeの「Visual Mix Contest」がすごい理由

神田敏晶
< https://bn.dgcr.com/archives/20090302140300.html
>
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KNN神田です。

TOYOTA iQのスペシャルサイト「Visual Mix Contest」がおもしろい。コンテストのエントリー受付期間は、2月10日から3月15日まで。
< http://toyota.jp/iq/
>

トヨタのiQが当たる! ということよりも、Flashを使った映像リミックスで、ここまで楽しめるのだ。

完成した動画をローカルで保存とかではなく、ダイレクトにYouTubeにアップロードすることができる。つまり、最初からクラウドで遊び、クラウドで公開するというクラウド型のインタラクティブ広告となっている。

こちらがYouTubeのサイト
< http://www.youtube.com/iQVisualMix
>

まずは、試してみると…、理解に苦しむインタフェースである。すべてFlashで作成されたインタフェースでは、便利そうに見えて便利ではない。クローズボタンをさがしてもどこにもなく、よくよく見ると、いつもマウスポインタにクローズドボタンがくっついてきていた。こういうメタファーは、初めてだとまったく気がつかなかった。しかし、しばらく触ってみると、その面白さに気がついてくる。

●このキャンペーンのすごい理由

1▼CPCやCPMなどのネット広告の指標ではなくCPI(Click Per influence)というバイラル力を活用していること。

ネットの世界だけではなく、知人に思わず紹介したくなるというコンテクスト力。始めると、最低15分くらいはIQの音楽と映像の世界に接しているので、このクリック換算での広告コストは異常に低くなるだろう。ユーザーの滞在時間なども、ログで分析できるだろう。

それなりにできた作品を自分が、広告Atentionの流通網の一つとして、宣伝していることを、かなり後になってから気づく。

2▼映像や音楽をYouTubeにダイレクトにアップロードすることによって、合法的なYouTubeの使い方を提案。YouTubeをコントローラブルなメディアへと変えている点。

自分のYouTubeサイトにありながら、コンテンツは自分の手元にない。そのことによって、著作権関係はクリアだ。しかし、YouTubeからダウンロードするツールはたくさんあるので、活用しようと思えばなんとでもなってしまうのだが…。基本的には、YouTube経由でありながら、権利関係が守られているという点がスゴイ!

3▼プロの作る音楽や映像をリミックスして楽しむ。1.5次的創作の楽しみを与えてくれる。

プロ素材が後押ししてくれるクオリティアップは、CGMの力をさらに高めてくれそうだ。クリックしていくだけで、オリジナルなビデオクリップを、創作ではなく、アッセンブルすることができる。クリエイティブでなくても、アッセンブルだけでそれなりにまとまったものを披露することができる。これは、アプリケーションソフトの力でクオリティを高める、ということに似ているのかもしれない。

それは、クリエイターでなく、皮肉を込めてアッセンブラーという職業カテゴリーがあってもいいのかもしれないと思わせる。

自分の声や映像、写真も足していきたくなってきたけど、そんな人は、filmoにおまかせかな?
< http://filmo.tv/
>

この「Toyota iQ Visual Mix」や、コマーシャライザーの利点は、気合いの入ったクリエイター層でなくても、ちょっとインタフェースに慣れると、それなりに作品ができてしまうというところがやはり一番すごい! 一発撮りなので偶然力という神が降臨してきたテクニック(?)も必要となってくる。

細かい作り込みでなくても、気分をのせてくれるようなサービスナノで、とても心地よい。そんなところから、インタラクティブなメディアが進化していくのかもしれない。

小学校や中学校の授業で、このようなサービスを扱いUGC(ユーザー・ジェネレーテッド・コンテンツ)を教えるというのもありだろう。それが、20年後の日本のクリエイティブに与える影響は決して少なくないだろう。


KandaNewsNetwork,Inc.< http://www.knn.com/
>
〒251-0037 神奈川県藤沢市鵠沼海岸7-10-12 グランドソレーユ105
KandaNewsNetwork,Inc. 代表取締役 神田敏晶
Mobile 81-90-7889-3604 Phone81-3-5458-6226

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■クリエイター手抜きプロジェクト[196]iPhone編
Web技術を使ってiPhoneアプリを作成(1)

古籏一浩
< https://bn.dgcr.com/archives/20090302140200.html
>
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iPhone 3Gが発売されてから半年近くが経ちました。このiPhone 3Gで動くアプリケーションを作ってみたいと思った人もいるでしょう。ところが、開発に関する情報がなかなか公開されず、最近になってやっといろいろな開発関連の書籍が出てきたような状態です。

でも、iPhone 3G上で動くアプリケーションを作るには、かなりハードルが高そうです。プログラマからしても、JavaやC/C++言語ではなくObjective-Cというメジャーではない(あまり聞き慣れない)言語を使って開発をしなければなりません。

頑張って勉強すればよいのでしょうけど、勉強してもつぶしがきかない可能性が高い、つまり携帯デバイスでiPhone以外のものに技術転用するのが難しい雰囲気が漂います。例えば将来、Android携帯が多くのシェアを占めるようになったらJava言語で作成することになるので、ここでObjective-Cを勉強してもよいのかなと思う人もいるでしょう。

そこで、出てきたのがPhoneGapです。
< http://phonegap.com/
>

これは、HTML+CSS+JavaScriptを使って、iPhone 3G上で動作するアプリケーションが作成できるものです。実際には、iPhone 3GだけでなくAndroidやBlack Berryでも同じスクリプトで動作する便利なシロモノです(このようなものは、PhoneGap以外にもBigFive、QuickConnectなどがあります)。

HTML+CSS+JavaScriptであれば、開発の敷居はかなり低くなります。多くの人が使える上に、これまで培ったノウハウの多くを持ち込めるからです。つまり、ブラウザ(Safari)で動作すれば、iPhoneでも動作することになります。

また、iPhone 3GのGPSやバイブレーション機能、傾き検知などもJavaScriptを使って扱うことができます。さらに、AppStoreでもアプリケーションを販売することが可能です。実際に、いくつか販売されています。

Binary Clock
< http://www.binaryclockapp.com/
>

単純に言えば、MacOS Xのダッシュボードのウィジェットや、Windows VISTAのガジェットなどを作るような感覚で、iPhone 3Gのアプリケーションを作成できるわけです。ただ、Flashは現時点では動作しないので、Flash使いの方には恩恵はありません。Flashが動いてしまうと、FlashでiPhoneアプリを作ってしまえばいいわけです。そうなると、喜ぶのはAdobeということになります(iPhoneも売れるかもしれませんので、Appleにも恩恵はありそうですが)。

これは便利だ、と思っていざやってみると、そこに行き着くまでが非常に面倒だというのが分かりました。「MacFan」の1月号に、実機で動作させるまでの詳細な手順が掲載されているので、それを見ながらやりました(「MacFan」4月号にも実践編2が掲載されています)。

が、途中で挫折気味。開発者登録で、アップルにアカウントの調整を行ってもらわないと駄目だ、というところでつまずきました。英文で申請しないと駄目なのかと思ってましたが、とりあえず日本語でメール。ちゃんと日本語でメールが戻り、無事にアカウントの調整が行われました。

この段階で、やっと開発者向けのページにログインできるという状態です。アカウントの調整などにかかった日数は2日ほど。詳しい人がいないとつまずきそうな気もします。Web上にも情報はありますが、詳しく載っているのはmixi。ただ、mixiはグーグルなどの検索結果には出てきません。有益な情報が外部から見ることができないという点では、もったいないかもしれません。

ここまで来れば、後は単純にコンパイル(ビルド)して実機に転送すればOK、とは全然ならず……。実機で動作させるアプリケーションに関する情報などを登録したり、手順が結構面倒です。ここに至るまでも手間がかかるのに、さらに実機で動かすには一苦労です。ということで続きは次回。


【古籏一浩】openspc@po.shiojiri.ne.jp
< http://www.openspc2.org/
>

PhoneGapのページは用意しました。ここに行き着くまでが大変なんです。
・PhoneGap使い方辞典
< http://www.openspc2.org/iPhone/PhoneGap/index.html
>

また、PhoneGapに関しては以下の@ITでも紹介されています。
< http://www.atmarkit.co.jp/fwcr/column/ore05/01.html
>
< http://www.atmarkit.co.jp/fwcr/column/ore06/01.html
>

あとは、いつものようにページを追加しました。
・電子国土API使い方辞典
< http://www.openspc2.org/reibun/kokudo/index.html
>
・Adobe Premiere CS4使い方辞典
< http://www.openspc2.org/reibun/PremiereCS4/
>
・Microsoft Word 2008 for Mac 使い方辞典
< http://www.openspc2.org/reibun/Microsoft_word2008_for_mac/
>
・Adobe InDesign CS3使い方辞典
< http://www.openspc2.org/reibun/InDesignCS3/index.html
>

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■電子浮世絵版画家の東西見聞録[66]
田渕俊夫展/牡蠣と葱の炒め物

HAL_
< https://bn.dgcr.com/archives/20090302140100.html
>
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●脳天を打ち砕かれた「田渕俊夫展」

京都智積院の襖絵を見てきました。とは言っても、京都に行ったのではなく、前回同様に横浜高島屋での展示を見てきました。チケットを手にしてから、その後にネットで検索して、画業40年の日本画家の手による墨による襖絵とはどのようなものかと、行く前から興味津々でした。

そして、会場で紹介案内板を読んでから作品展示の部屋に入ると、五間の真っ白い襖の上に、ケヤキの梢がパノラマ写真のように大きく広がっていました。中央部にはたくましい幹があり、幹から左右に広がった太い枝が途中で断ちきられています。断ちきられた枝はそのまま死を迎えるのではなく、その先から新しい芽を吹き出させ、たおやかな枝を伸ばし葉を広げていきます。まさに、夏を迎えるケヤキの梢が、こぞって天に向かい歌いあげるような命の謳歌を感じます。

今回展示されている田渕俊夫の作品は、すべて唐墨とたった二本の和筆で描かれています。自然の植物の形を極限にまで単純化させ、光と影で演出させた氏の観察力と表現力には脳天を打ち砕かれます。襖の近くにまで寄って、葉の一枚一枚を観察しようと思っても、それぞれの形はないのです。絵筆によって作られた、シミのような濃淡がすべての命を形作っているのです。日本画、墨絵の奥深さを感じます。

次の作品は、笹竹の群生による「夏」を描いたものでした。この笹はケヤキとは大きく違い、葉の一枚一枚を鋭いタッチで描ききっているのです。そして中央部、折り重なった笹の中に奥深い藪に潜む生物の息づかいを感じます。その闇を中心として、外に広がる笹の葉。襖絵の外周の笹の葉は風に吹かれ、しなやかに揺れ動いています。

これらが、私にとっては最高の二点でした。次の作品は「春」。大きな八重桜作品と、若い葉を芽吹かせた柳の二作品です。「冬」は雪山、「秋」はススキと続きます。さらに日の出と日没の景色、そして小作品の柿。小作品とはいっても、襖絵なので両開き二枚の襖に大きく描かれたサイズのものです。大きな作品はやはりいいものです。私も大きな作品を描く方なのですが、それ以上のものを描いてみたいとあらためて思いました。

大きさに感動はしたものの、「夏」以外の作品は私の中での感動は薄くなっていきました。はじめに見たからなのかと思い、すべての作品を見終わった後、順路を逆行してはじめからまた見て行ったのですが、同じ思いでした。その違いがどこにあるのかと、しばらく陽光の作品を見ながら考えていたのですが、結論付けたのは「描きすぎている」ということでした。

私の想像する世界より、氏の作品は襖の白地に対する墨の量が多いのです。画家は描きたくて絵を描きます。その中で、本当に描きたいものを探し当てて行く作業の積み重ねだと思っています。これは、油彩の世界ではキャンバスの上に、文字通り塗り重ねる作業が出来ます。しかし、墨絵の世界にはあてはまらないのだと気がつきました。墨絵は、まず完成を思い浮かべ、それに沿った作業をしていかなければ完結しないのです。薄墨の世界は、目の前に広がるよりも、頭の中に広がる世界観の方が広いのです。

田渕俊夫を紹介する新日曜美術館のページ
< http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2009/0111/index.html
>

◇本日のお薦めYouTube Music──レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)

1968年結成のブリティッシュ・ハードロックバンド。デビューアルバムはロックファンを震撼させ、1970年代には日本のロックファンにとってもなくてはならない存在になり、メンバーは変遷しているが現在まで続いています。

そして今回の発見。1970年代、日本発売のレコードは日本でデザインされていました。今そのデビューアルバムをあらためて見ると、メンバーの名前が間違っているのです。ヤードバーズで活躍していたジミー・ページは顔と名前が一致していますが、その他のメンバーはバラバラなのです! その間違いは「ボヘミアン」で御覧下さい。

芸術・文化・サブカルチャーをこよなく愛す人達のWEBマガジン「ボヘミアン」
< http://bohemian.jp/works/alice/ml003.html
>

Led Zeppelin - Stairway to Heaven
<
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LED ZEPPELIN - Stairway to Heaven - LONDON - 2007
<
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ついでにギターレッスンです。
<
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●冬の牡蠣料理と定番料理

◎牡蠣とネギの炒め物

昔から滋養強壮、神経沈静、成人病予防にと、良い栄養素の塊のような表現をされ、海のミルクともいわれる牡蠣。大好きな方も多いのではないかと思いますが、一度でも牡蠣にあたったことのある人は、あまりにもひどい中毒症状のため二度と口にしなくなるそうですね。私は牡蠣にあたったことがあるわけではないのですが、牡蠣はあまり好きではありません。でも、美味しい牡蠣は分かるので、出てくればひとつはいただくという程度です。

私が生涯でいちばん美味しいと思った牡蠣が、創業1913年の古い歴史を持つニューヨーク・グランドセントラル駅地下にある、大きな大きなオイスターバーでいただいた牡蠣。こちらは小ぶりのものから大ぶりのもの、色も様々で豊富な種類の牡蠣が用意されています。私はメニューを見ても何が何だか分からないので、すべて友人にお任せ。友人が選んだ小ぶりのものを数種類頼んだのですが、どれもこれも美味しかった。いまだに私にとって、国内でこれを超えるものは出てきません。

しかしなんと、Grand Central Oyster Bar & Restaurantは、2004年に世界2号店として品川駅構内に、そして第3号店が東京駅に近い明治生命館に出来ているそうです。まあ、行くことはないでしょうが、飽食の国日本の貪欲さを感じます。

さて、牡蠣はもちろん生食でも食べられるものがいちばん、もちろん加熱しますので、生食不可のものでも加熱をしっかりすれば大丈夫です。

《材料》牡蠣150グラム、青菜今回はターッアイを使用、長ネギ1本、エリンギ1パック、ショウガのみじん切り、ニンニクのみじん切り、豆板醤小さじ2、醤油大さじ小さじ2、オイスターソース大さじ1、砂糖小さじ1、サラダオイル、ごま油適宜

《料理法》生牡蠣は、汚れを取るため塩または片栗粉をまぶし、流水で優しく洗います。きれいになった牡蠣は水気を拭き取り、フライパンで軽く乾煎りし、余分な水分を飛ばします。中華鍋にサラダオイルを入れ、熱くしてからショウガとニンニクを入れ、香りが出てきたら豆板醤を加え炒めます。そこに長ネギ、エリンギ、青菜を入れて炒め、牡蠣を戻し入れ、残りの調味料を合わせて最後にゴマ油を少々まわしかけて出来上がりです。牡蠣には火を通しすぎないように注意しましょう。
< http://www.dgcr.com/kiji/20090302/01 >

◎シシトウと蒟蒻の煎り煮

シシトウは夏のものですが、この料理は我が家の定番です。最近では、シシトウは季節に関係なく手に入りますので、これを使ってチョッピリ辛みのきいた箸休めを作ってみましょう。

《材料》板こんにゃく1枚、ししとう8本程度、醤油大さじ1、鷹の爪適宜、顆粒だし少々

《調理法》こんにゃくは湯がいて短冊に切り、ししとうは縦半分に切り種を出しておきます。フライパンにごま油を熱して鷹の爪を加えこんにゃく、ししとうを炒め、顆粒だしと醤油で味付けして完成。手軽で簡単、お薦めです。
< http://www.dgcr.com/kiji/20090302/02 >

【HAL_】横浜在住アーティスト hal_i@mac.com
Web < http://homepage.mac.com/HAL_i/
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Web < http://lohasfood.exblog.jp/
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Web < http://Web.mac.com/hal_i/
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■編集後記(3/2)

マンティコアvsU.S.A. [DVD]・図書館から借りた本と、レンタルショップで借りたDVDがたまってしまい、消化するのが大変な週末。自業自得。またもやBC級SF映画に遭遇した。ってのは正しくない、そういうのばかり選ぶのだから。パッケージの「アメリカが迎えた最強の敵」というコピーと、翼のある巨大な怪物がアメリカ軍に牙をむくビジュアルがご機嫌な「マンティコアvs USA」である。ゴジラみたいな巨大怪獣とハイテク装備のアメリカ軍との総力戦、というシンプルな構図がうかがえて好ましい。ところが、この映画は確かに怪獣対軍隊だが、スケールはそうとう小さい。イラク戦争の末期、よみがえった伝説の魔獣「マンティコア」(ゲームの世界では有名な名前らしいけど、知らない)がアメリカ軍と戦うのだが、魔獣のサイズはせいぜいライオンに翼をつけた程度(のCG)、アメリカ軍といってもテレビクルーを加えても10人未満。ロケは山道と荒野、建物内はセット、うまくエコした制作だ。これでは、いくらなんでも「アメリカが迎えた最強の敵」の看板はないだろうと思うが、「生きた大量破壊兵器」とかいわれる魔獣(2頭だから双霊という)はたしかに強い。あらゆる攻撃もへいちゃら。一方的に強い。兵士は次々に惨殺されていく。絶対殺せない魔獣という設定なんだから困ったもんだ。しかし、黒魔術で招喚された魔獣であるから、魔術をとけば殺せるはず(ステルスのミサイルでは1頭が粉砕されたようだが?)。それまでの伏線はここで生きて来る。見終わってみれば、そこそこ楽しい時間が過ぎており、BC級SF映画中毒は深刻化していく。(柴田)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0011MR964/dgcrcom-22/
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・続き。出演者席と観覧席との間は3〜4mほど。近い。その間にカメラとスタッフ。カメラは5台はあったように思う(席から見えない場所があったのでもっとあるかも)。拍手の練習をさせられる。テレビ局に入る前に説明や誘導をするスタッフの人たちは、とてもユーモアのある話し方をされていたが、この拍手練習のスタッフさんも同じで、自然と笑いが起きる。貼り出されていたスケジュールを見ると、10時:制作打ち合わせ、11時:技術打ち合わせ・シュート完成、11時45分:VTRプレビュー。打ち合わせはパーラーと書かれてあったので、外部スタッフなのかしら。当日15時からの収録番組なのにシュート完成は4時間前。トラブルがあったらと考えるだけで恐ろしい。時事ネタを扱う番組を、金曜日の午後に収録して編集してチェックし、日曜日に放送するというのも、胃が痛くなりそう。このメルマガを配送予定時間ぎりぎりまでかかって仕上げる時もあるし、同じようなもの? 13時:出演者入り・打ち合わせ・カメラリハーサル、14時:制作最終確認・手直し、14時45分:客入れ、15時〜17時:本番。出演者は控室なのだが、辛坊さんは自分の机で待機、話題に応じて呼ばれるゲストはパーラー(!)。(hammer.mule)