グラフィック薄氷大魔王[173]Photoshopの五本指ショートカットキー
── 吉井 宏 ──

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最近は、紙に描く以外はほとんどPhotoshop CS4でドローイングしてます。一時は大量に増えてしまって、選ぶのも一苦労だったカスタムブラシ(Painterの鉛筆やチョークっぽいものがほとんど)もずいぶん整理した。なにしろCS3までは、サイズを数段階変えたブラシを含めて用意してあったので、たいへんだった。

CS4はPainter風にブラシサイズをショートカット「option + control」でインタラクティブに変更できるので、たくさん用意しなくてよくなった(っていうか、つい先日まで「[ と ]」キーでもブラシサイズが変えられるのを知らなかったんだけどね。こちらは後述の五本指ショートカットキーを使う場合、右手の一本指で済むのでラクです)。

「回転ビューツール」機能。これがあるのとないのとでは、Photoshopの意味がずいぶんちがう。紙に描いてるときは、実にこまめに紙を回す。描きやすい方向になるように合わせてる。鉛筆を持つ右手だけでなく、左手も同等に使ってると思う。ツルツルの机の上で紙に描くときは自在に紙を回して描けるけど、カッティングマットでは摩擦が大きくてうまく紙を回せないので描きにくかったりする。



Painterの画面回転のショートカットキー「option + space」は指が完全に覚えちゃってるのだが、新顔のPhotoshopの回転ビュー「R」(他のツールを使ってるときでも一時的に切り替えられる)は、なかなか馴染めない。ブラシ「B」、消しゴム「E」と回転ビュー「R」のキーボード上の位置が離れているのもやりにくい原因だと思う。特に「R」は遠い。

また、Painterではショートカットキーを押したままクリックして画面の回転をクリアできるけど、Photoshopではそれがない。「ビューの初期化」ボタンかツールバーの「回転ビューツール」をダブルクリックで戻るけど、作業の流れが断ち切れるのでちょっと面倒。

ああそうか、ツールのショートカットを変えちゃえばいいんだ。ということで、

ブラシを「S」

消しゴムを「D」

画面ビューを「A」

にしてみた。すると、キーボードの左端の手の位置をほとんど変えずに描画操作ができる。「A」の隣の「Shift」を、小指で同時押しで角度制限しながら回転もできる。回転をクリアするのも同じ流れの中でできるのでスムーズ。

左手の五本指の小指・薬指・中指・人差し指・親指が、そのままドローイングに必要なショートカットキー「回転の角度制限」「画面回転」「ブラシ」「消しゴム」「画面スクロール」と並ぶ。「command++(ー)」で画面の拡大・縮小などcommandキーが必要な場合は、親指を内側に曲げるだけ。とても快適(CS4のWindows版は使ってないので、Macと同等に快適かは不明)。

ところで、僕はPhotoshopのアクションにも多くのショートカットを割り当ててます。各種ファイル形式別の保存コマンド、左右反転、画像のサイズを揃えたりアルファチャンネルを削除したりなど。よく使うものはホントに作業効率が上がって便利だけど、やはり多すぎると混乱する。今回の話のように、キーボードショートカットを標準から変えてしまうと、普段の作業のときに混乱することもある。たとえば、ドローイングするときだけキーボードショートカット設定を切り替えて使うほうがいいんじゃないかな。

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WACOMがセンサー技術を活かして、プロ用DJ機器に参入するそうだ。一昨年、WACOMの20周年パーティかなんかで、開発中の試作品を女性DJが演奏するのを見たような気がするけど、これだったのか〜。WACOMの超繊細なセンサーを使えば、いろんな方面に参入できると思ってたけど、ついにホントにヤルんだ。特設Webサイトがオープンしたので見てみたら、うわうわわ!! 予想の50倍くらいカッコイイわ。びっくりした。こりゃ、ほとんど楽器だ。PACEMAKERの親玉みたいなもんかな。右側のコントローラー部分、取り外せるんだ〜。この部分だけ持って演奏だ。サンプラーまで入ってるんで、相当いろんなことできるんだろうな。さすがに大勢の前でDJパフォーマンスやりたいとか僕的にはぜんぜんないけど、おもしろそうだなあ。なんかワクワクする。
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