[2626] アトムのこども

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<手塚発、宮崎経由かな…>

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 アトムのこども
 笠居トシヒロ&まつむらまきお

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 Cintiq 12インチとメガネと
 吉井 宏

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■MKチャット対談
アトムのこども

笠居トシヒロ&まつむらまきお
< https://bn.dgcr.com/archives/20090415140300.html
>
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かさい: まいどー、笠居です。いやー急に暑くなりましたねぇ。先週末は花見に行ったんだけど、昼間はもう夏でしたよ

まきお: どもども、まつむらですー。はっぴばーすでぃ〜、わ〜し〜♪ 今日誕生日でーす\(^O^)/

かさい: おお、まつむらまきお生誕48周年かぁ。地獄の旅の一里塚だなあw

まきお: キミに言われたくナイワイ(笑)キミも先日48周年やったやろ〜

かさい: もう2ヶ月前のことは忘れたなぁ(笑)って、もう50歳が目の前やねんなあ。。。ぜんぜんオトナになった気がせんが

まきお: 正月にも書いたような気がするけど、年男ってのは衝撃が大きいよなー。12年に一度しかまわってこんもんがまわってきた上に、次の年男んときは還暦やでぇ〜

かさい: 還暦… 全く想像できんなあ。オレが結婚する前の年に、オヤジが還暦だったんだよな。。。すげえな、そう考えると

まきお: すげえっすよ、いろいろ(笑)人生のいろんな場面の親やら師匠やらの年齢をたいてい、越してる(笑)

かさい: そういえば、マッドシーデザインも、来年で法人化10周年ですわ

まきお: そんな来年の話(笑)今年はいろいろ周年があるね。ガンダム30周年、Mac25周年、手塚治虫生誕80周年、国産プラモデルが50周年、そしてわし生誕48周年( ̄^ ̄)

かさい: またどれもマニアックな周年だなぁ(^_^; もうちょっとオトナな感じの周年はないのか(^_^;

まきお: (;゜〇゜)

かさい: 48歳の反応じゃないな(笑)

まきお: (°°;))。。・・((;°°)

かさい: もおええから(^_^; しかし手塚治虫は80周年なの? もっといってそうな気がしたが

まきお: 平成元年に還暦で亡くなられたんだよね

かさい: 1928年生まれか。。昭和3年だな。オレのオヤジより1こ上。なるほど80周年だな

まきお: 没後20年? いやー、もうそんなになるのか

かさい: 物心ついたときには、もう手塚作品があったからなあ。といっても、ウチの家はなぜかマンガ買ってくれない家でね

まきお: 当時としては珍しくなかったでしょう。うちも祖母がきびしい人で、マンガは買ってもらえなかったよ

かさい: 夏休みに親戚の家で見るマンガが宝石のようだった。叔母が無類のマンガ好きだったので、その家には沢山あったんだよ>マンガ

まきお: それはうらやましい。ぼくはマンガをちゃんと読めるようになったのは中学以降だなぁ。なのでどっちかってーと、小学生のころはマンガではなく、アニメで親しんだ方

かさい: 小学校の高学年のころには、自分の小遣いで買うぶんにはOKになってたなぁ。アニメもよく見たね。今ほどたくさんはなかったけど、オレらのころは、夜6時とか7時とかは、子供番組をよくやってたもんな。今のアニメってなんで深夜にばっかりやってんのかね?

まきお: あー、あれは、TV局が制作しているのではなく、アニメスタジオ等が制作したものを、放映してもらってるケースが多いみたい。DVD販売のための、放映かな

かさい: はー、持ち込みっすか。昔はゴールデンの主役だったのになあ

まきお: まぁ、サザエさんはまだ主役っすよ(笑)

かさい: アレも長いよなあ。ところで、手塚作品で最初に見たのって何?

まきお: あまり明確にはおぼえてないんだけど、なんだろ…TVだと「リボンの騎士」「W3」「悟空の大冒険」「マグマ大使」あたりをよく見てたなー。「アトム」はぼくらよりもう一世代上だよね

かさい: 「アトム」は、たしかにもうちょっと上の世代だな。リアルタイムだと「ジャングル大帝」かな、オレは

まきお: 手塚さんが「負けた相手」の方のファンだったからなー(^_^;

かさい: というと?

まきお: ウルトラマン(笑)手塚真がウルトラマンばっかり見ていて、こっそり怒ってたらしい。裏で手塚アニメやってるのに(笑)

かさい: わははは。そういうエピソード聞くと、手塚さんって、嫉妬深いというか肝が小さいというか(^_^;

まきお: ものすごくライバル心を燃やす人だったみたいね

かさい: ライバル心はいいんだけど、石森作品をこき下ろしたり、外に向かって発露しちゃう人だったみたいだねえ。マンガのほうは? なにが最初だったか覚えてる?

まきお: 新聞連載の「アトム今昔物語」かなぁ。毎日1ページづつ、サンケイ新聞に連載されていた

かさい: 新聞連載かぁ、、またニッチなところをついてくるなあ(^_^;

まきお: あ、「青いトリトン」の方が先かな

かさい: 「海のトリトン」の原作?

まきお: そそ、トリトン。あ、調べたら、「アトム今昔物語」の方が先やね。「アトム今昔物語:1967年〜69年」「青いトリトン:69年〜71年」

かさい: オレはそれだいぶあとになって読んだな。卵から生まれるんだよね

まきお: 亀が好きだったー(笑)亀(笑)

かさい: デカい亀ね。

まきお: なんかねぇ、手塚SFは怖くてねぇ

かさい: こわいかぁ? 物語の背景は破滅的なものが多かったかもしれないけど、あまり怖いとは思わなかったなぁ

まきお: こわいよぉ。なんか、溶ろけるこわさ。「今昔物語」読んだ?

かさい: 読んでないー

まきお: ある女性が主人公の話なんだけど、この女性が肺で呼吸してないの。身体の側面で呼吸してるの

かさい: えー、きもーい

まきお: でしょー(笑)異星人なんだけど、イナゴかな? 昆虫なのね。で、マユに入って変態したりする。これを小学校1〜2年で読むと、こわいよ(笑)

かさい: たしかにこわいな(^_^; オレ虫嫌いだからその頃読んでたらトラウマになったかも

まきお: おいらトラウマってまんがな。手塚さんの異星人って昆虫っぽかったり、クラゲとか海洋生物っぽかったり、怖かった

かさい: うーん、そうかあ。オレはどっちかっつーと、手塚マンガは哺乳類的なエイリアンの印象が強いんだよね。最初に読んだのが「ゼロマン」で、これは人間型なんだけど、リスみたいなふさふさの尻尾が生えてるの

まきお: リスだよね。あれはかわいい

かさい: かわいそうな話なんだけどね。そのあとが「バンパイヤ」「W3」と続く感じで、ほら、哺乳類っぽい

まきお: ぼく的にはコミックは「W3」が大好きで、当時流行っていたスパイものがベースでね。主人公の兄がたしかスパイ。腕時計からチェーンがビューン♪

かさい: そうそう、星光一ってんだよね、で弟の主人公が星真一。もちろん、星新一さんから拝借したそうだ>なまえ。馬場のぼるさんも先生役で出てくる

まきお: 馬場さんって、まんま、ノッコじゃなかったっけ、あ、思い出した。ネタバレやね、これは(笑)

かさい: ネタバレなんだよ(笑)

まきお: ビッグホイールもよかったし、核爆弾を搭載した円盤に変形するロボもよかった

かさい: ビッグホイール欲しかったね(笑)

まきお: wikiみましたところ、まさに「W3」アニメの裏でウルトラQがはじまって、視聴率が急落したって

かさい: あーそらしゃーないなあ(^_^; オレもウルトラシリーズみてたもん。でもウチのほうでは裏は「W3」じゃなかったはず

まきお: 年表みてると、わたしらが小学生ごろって、手塚さんが一番危機だった時代なんだねぇ。黄金期はもうちょい前で「ブラックジャック」で復活するのが中学時代

かさい: やっぱりアトムの頃かな

まきお: 今昔物語もアトムとしては番外編、完結した後に書かれたもの。なので、ぼく的には手塚体験は「ブラックジャック」の時代がメインやね

かさい: そうなんや。「ブラックジャック」「三ツ目がとおる」とか?

まきお: そうそう。中学時代に朝日ソノラマから、マンガ少年って雑誌が創刊されて、そこで連載がはじまったのが、「火の鳥(望郷編)」。「望郷編」は当時全然面白くなかったんだけど(^_^;) 連載を機に「火の鳥」の大型単行本が発刊されて。それにははまった

かさい: オレも「火の鳥」は、たしかその大型本で見たんだと思う。何を最初に読んだのか覚えてないんだけどね

まきお: 最初は「黎明編」かなー。おもしろかったというか、衝撃だったのは「未来編」「鳳凰編」「復活編」の3本です♪

かさい: サザエさんかよw 「未来編」は、どれだっけ?

まきお: 最終戦争でひとり生き残って、何億年も時代が流れるやつ

かさい: あームーピーの

まきお: そそ、ムーピー♪

かさい: ムーピー欲しいわw

まきお: 欲しいねぇ(笑)「復活編」はロビタ誕生物語。あの肉体改造感というか、人間じゃなくなっていく感は今でもすごいと思う

かさい: ロボットと恋をするってのは他でも見るけど、あれはちょっとすごいね。猿田彦の子孫もしつこく現れるけど、ロビタすげえよ

まきお: 読んでいてイタイよなぁ。あれで主人公が蘇生された直後、まわりの人間が枯れ木のように見えるじゃない?

かさい: 枯れ木だの岩の塊だのだよね

まきお: あれの造形ってすごくない? なんか元ネタがあるのかなぁ

かさい: うん、ジャコメッティの彫刻っぽいんだけど、ネタにしてるかどうかはちょっと判別できんなあ
< http://en.wikipedia.org/wiki/Alberto_Giacometti
>

まきお: ぽいんだけど、なんかもう、人じゃないからねぇ。手塚さんの絵は子供っぽいとか言われることが多いけど、造形的になんかとんでもないものが多いので、今見ると驚かされることが多い

かさい: 自分では、生命体としての整合性を意識して描いてたっぽい。そういうのをほのめかすような作品があったのを覚えてるんだけど、題名を忘れたんだよなぁ

まきお: 「未来編」がそうだけど、なんか、ツブツブがキレイなんだよね〜(笑)サイボウツブツブ(笑)ペイズリー模様っぽいやつ

かさい: んー? どこのシーンの何をさして言ってるのか思い出せないなー

まきお: 宇宙と細胞〜原子までの超スケールを火の鳥に導かれて達観するクライマックスシーン

かさい: ああ、主人公が永遠の命を与えられるときのシーンね。ペイズリー模様は、割とよく出てくるんだよな>手塚作品

まきお: いいですねー。で「鳳凰編」。いやもう、「鳳凰編」読んだらもう、あとなにもいらない。一生マンガは読まなくてもいいと思った(笑)

かさい: そんなに入れ込んだのかぁ?(^_^; ま、いいたいことはアレにほとんど描いてあるんだろうけどなあ

まきお: いやなんていうか、完璧でしょう? あれほど完璧な作品って、そうないと思うよ

かさい: いま読んでも十分面白いからな、ストーリー全部知ってるけど。我王がいいね。猿田彦系列では一番いい

まきお: 語らず、行動するのみ。で、手塚マンガってあれだけ面白いのに、これが映像化すると全然面白くなくなる(^_^;

かさい: だなあ。なんでかね? TVでやってた「アトム」や「ジャングル大帝」「リボンの騎士」あたりはいいんだけど、映画になった「火の鳥」なんて、どれもこれも全然面白くなかった

まきお: 「アトム」や「ジャングル大帝」のような「マンガっぽい」作品はいいんだけど、シリアスなものは、難しいんだろうね〜。今度「MW」が映画化されるそうですが

かさい: 実写で?

まきお: 実写 < http://mw.gyao.jp/
>

かさい: まだよかった、実写で。。

まきお: 手塚原作ではないけど「フィフス・エレメント」って映画、見た?リック・ベッソンの

かさい: みたよー。ブルース・ウィリスとミラ・ジョヴォビッチ♪

まきお: あれって、すごく手塚漫画っぽくなかった?

かさい: ぽいぽい。やっぱそう思う?

まきお: メカも宇宙人も、非人間のヒロインも。見たとき、めっちゃうれしくてねぇ。あれ、主人公が少年になったら、まんま、手塚漫画だよね。ギャグも手塚っぽいし、エロティックな要素も手塚っぽい

かさい: 歌手の造形とかもねw

まきお: あれは意識したのかなぁ。リック・ベッソンファンからは総スカンな映画だったけど、ぼく的には大ヒットでした

かさい: 良かったよ。あ、「MW」って美しい「銭ゲバ」だなぁ、と今思った

まきお: なるほど(^_^; 昔読んだキリで、いまいち憶えていないのだけど

かさい: オレは割と最近(ってももう何年か前だが)読み直したので結構覚えてる

まきお: ところで、手塚さんの女性趣味ってかなり……だよね(^_^;

かさい: え、なに? ロリコンってこと?

まきお: それもだけど、非人間ばっかだし、変態するし、とろけるし。あの絵だからいいようなものの(^_^;

かさい: (笑)そういえば、「鳳凰編」の速魚はテントウムシだったな

まきお: いやもう、はっきり言って、普通の女の人、出てこないしっ(笑)

かさい: わははははは。あー、そうそう女装する悪役が結構出てくるんだよな

まきお: ロックとか

かさい: そうそう、この「MW」の主人公もそうでしょう?「太陽編」の主人公も姉に化けてたよね

まきお: なるほどね〜、逆にどろろやサファイヤのパターンもあるな

かさい: ああ、女の子が男の格好してるパターンね。これもあるね。倒錯した性が好きなのかなあ

まきお: 好きなんだろうなぁ(^_^; もちろん、ドラマ作りの手法ではあるけどでも、好きなんだろうねぇ(^_^;

かさい: だろうねえ(^_^;

まきお: 昨今のオタクアニメも、非人間少女が多いのだけど、全部手塚さんの手のひらの上って気もするね〜。手塚発、宮崎経由かな…

かさい: ま、なんだかんだいっても、今日のアニメ・マンガの礎を築いたお方ですから

まきお: そのおかげで、アニメ業界はいまだに薄給でえらいめにあってますが

かさい: (^_^; それでもやりたいって人がやってんだからしゃーないっちゃしゃーない

まきお: それも最近はなかなか人手不足みたいよ。すぐれた人材が来ないって

かさい: だろうなあ。それはどこもおなじなんだけどねえ。薄給だと特になあ(^_^;

まきお: そういえば、「プルートゥ」が佳境ですね。浦沢さんの

かさい: あ、そうですね。さすがに原作があるから、いかに浦沢さんでも、これはもうすぐ最終話に行きますね

まきお: 案外はやかったね。当初のペースだと10巻以上いくかとおもったけど次で最終巻かな

かさい: 多分次で終わりだろうねー。もしかしたらアトム復活あたりでもうちょっと引っぱるかもしれないけど

まきお: そういえば、今年ハリウッドCGアトムも公開だって〜

かさい: あー、あれねー(^_^; あれじゃあ、アトムじゃなくてコバルトだよな顔長いしー

まきお: (笑)今後見てみたい手塚作品ってある?

かさい: 今後、リメイクされたり映像化されたりってことね。んー(考え中)

まきお: じゃあお先に、キューブリック監督の「火の鳥(復活編)」

かさい: うううううーん(^_^; どんなんを期待してるんやろー

まきお: 絶対見れないですけどね(^_^; 「2001年宇宙の旅」の美術デザイン、手塚さんにオファーしたという話もあるし>キューブリック

かさい: へぇー

まきお: 「AI」はアトムっぽかったしね

かさい: アレはもろでしたね

まきお: あと、大友克洋による「未来編」のリメイクとか

かさい: 大友さんねえ

まきお: じゃあ寺田克也で「悟空の大冒険」とか(笑)

かさい: 寺田さんはもう「大猿王」で西遊記描いてるからなあ(^_^; あ、じゃぁ、まつむらまきお画で「MW」とかw

まきお: えー(^_^; そんなおそれおおい。精進します(^_^;

かさい: やるんかい(^_^;


【笠居 トシヒロ/WEBクリエイター・デザイナー、デジハリ大学院客員教授】
< http://www.mad-c.com/
> < mailto:kasai@mad-c.com >

とある伝手から、ScanSnapの最新型(S1500)をいただきました。わーい(笑)スピードも精度もかなり上がっているということなので、お試ししたら、また報告させて頂きますねー(今はまだ封も開けてない)
< http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/0903/11/news036.html
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【まつむら まきお/まんが家、イラストレーター・成安造形大学准教授・
TSUTAYA会員】
< http://www.makion.net/
> < mailto:makio@makion.net >

ううう、突然歯茎が腫れて激痛が〜 どもならん〜

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■グラフィック薄氷大魔王[176]
Cintiq 12インチとメガネと

吉井 宏
< https://bn.dgcr.com/archives/20090415140200.html
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タブレット話が続きますが、もう一回だけ。

7年以上使ってきた15インチのCintiq。表面アクリルの薄さと適度な摩擦はより大きなCintiqを使った後でも捨てがたく、主にスケッチや下絵用に重宝してきた。でも数年前から画面の左上から左下にかけて、液晶の隅が黒く変色してきた。パネルの寿命です。左上などファイルメニューの右あたりまで真っ黒。「アップルメニューはこのあたりかな?」と見当をつけてクリックとか、かなりしんどい。ならばと、変色した部分がジャマにならないよう、ディスプレイのコントロールパネルで画面を180度逆さにしたり縦長にしたり(スタンドを90度回して付け替える)、だましだまし使ってきたけど、もう限界。

それで、ずっと買おうかどうしようか迷ってきた12インチのCintiqを購入しました。この連載でも何度か書きましたが、実は最近は液晶タブレットを避けてたのです。買わないで済ませたかったんだけど、やはり液晶タブレットが一台もない状態はちょっと不安。

避けてた理由はいくつかあって、「液晶タブレットに慣れてしまうと、普通のタブレットで描きにくく感じてしまうこと」、「描く姿勢が固定されるので疲れる」、「ビニールを貼るなどして工夫しても描画面の摩擦を調整しきれない」などなど。12インチはともかく、21インチCintiqは机の半分を常時占領されることになるし。

それでも惹かれるのは、やはり「締め切り直前のスーパー本気モードで作業するときの驚異的スピード」、「スケッチや下絵など、新しく形を描くときのやりやすさ」など。特に、フィニッシュ用にPhotoshopやPainterで線画を描くときの、線のきれいさや作業の速さは何物にも代え難い。

そんなふうに、僕の中で液晶タブレットのいい点と悪い点が錯綜してて、「やっぱCintiqで描こう!」と思った10分後には「やっぱintuosのカッティングマットの書き味が最高」ってなったりの繰り返し。でも、ないと困るときも確実にあるんです。

で、12インチCintiq。何度も借りて使ってたし、レビューみたいなこともいっぱい書いたので今さら詳しく書くつもりはないですが、どう使ってるかというと、基本的には「下絵・スケッチ専用」です。こいつで全部の作業をするつもりはないです。パソコンに2台目のモニタとして常時つないでおいて、画面切替機能でいざというときだけ液晶タブレットとして使う、ってこともできるのですが、単純に使いたいときにDVIケーブルを接続してます。

やってみたかったことが実現。「使わないときは本棚に突っ込んでおく」っての。コントロールボックスが床のスパゲティケーブルあたりに放り出してあるものの、使いたいときに気軽に引っぱり出して使えるのは快適。また、ときたま例の専用バッグにも収納したりしてます。

ペン先は気分によって使い分けます。ラフな気分でラクガキするときはフェルト芯、しっかり線画を描く場合はビニールを貼って標準の芯、という具合。ビニールを使うときはスプリング芯は向かないようです。芯が凹む力加減とビニールの摩擦が強まる力加減がリンクせず、思うようなラインが描けなかったりします。

スケッチにはPhotoshop CS4を使いますが、回転ビューツールと、先日書いた「5本指キーボードショートカット」のおかげで、別次元の使いやすさです。液晶タブレットでは、体を傾けて描けば画面を回す必要がないのが便利と思ってたのですが、体を傾けるよりもキーボードショートカットで画面をグルグル回すほうがぜんぜんラクです(Cintiqには画面を回す機構がありますが、回すとキーボードを近くに置けなくなるんです)。

ところで、3年くらい前までは液晶タブレットをあんなにバリバリ使っていたのに、なぜ使わなくなってきたのか。もうひとつ重大な理由があるのです。……情けないことに、近くが見にくくなってきてます。30センチ以内を見るのがツライ……。

なので、Cintiqで描くときにはメガネをはずさなきゃならない。もともとが近眼なので、メガネをはずせば近くは非常によく見えるけど、遠くはボケボケ。見える範囲が決まってるということは、以前にも増して姿勢が限定されるし、メガネをつけはずしが面倒。まあ、12インチの画面は近くで見れば大きいし、一度に見渡せる適当なサイズ。集中して大量にスケッチするには具合いいんですけどね。

・参考
< https://bn.dgcr.com/archives/20071031140300.html
>
< https://bn.dgcr.com/archives/20080521140100.html
>

【吉井 宏/イラストレーター】hiroshi@yoshii.com
HP < http://www.yoshii.com
>
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/
>

僕はほとんどゲームをしないのですが、たまたまやってみたデイリーポータルZのFlashゲーム「おぎわら遊戯場」がメチャメチャおもしろい。画面もカワイイ。バックナンバーが大量にあります。
CLICK ME IF YOU CAN < http://portal.nifty.com/2009/03/15/b/
>
もぐらたたかれたくない < http://portal.nifty.com/2009/04/12/b/
>
じみゲー< http://portal.nifty.com/2008/05/25/b/
>
バックナンバー< http://portal.nifty.com/backnumber/backnumber_sat.htm
>

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■展覧会案内
生誕80周年記念特別展 手塚治虫展 〜未来へのメッセージ〜
< http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/kikaku/page/2009/0418/200904.html
>
< https://bn.dgcr.com/archives/20090415140100.html
>
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会期:4月18日(土)〜6月21日(日)9:30〜17:30 土19:30 月休(5/4、5/11、5/18開館)、5/7
会場:東京都江戸東京博物館 1階 企画展示室(東京都墨田区横網1-4-1 TEL.03-3626-9974)
入場料:一般1,300円、大学生・専門学校生1,040円、高校生・65歳以上650円、中学生以下無料 企画展・常設展共通券、前売り券などあり

手塚治虫は、日本における「ストーリーマンガ」のパイオニアとして、また「テレビアニメーション」の創始者として昭和の時代に活躍し、その生涯においてマンガ作品約700タイトル(原稿枚数約15万枚)、アニメ作品約70タイトルという膨大な作品を創出しました。そして、それらの作品群は同時代に生きる人々に多大な影響を与え、現代の文化、芸術、科学へと影響を与えました。

本展は、直筆のマンガ原稿やアニメーションの資料、愛用品などで構成され、手塚治虫の生涯そして作品を検証すると共に、現代に与えた影響をご覧頂きます。また、会場の一角には、世界観を感じさせる空間演出を施し、アトムなどおなじみのキャラクターを配すなど、来場者が「資料」を見るだけでなく、作品世界そのものを体感できる場とし、大人から子どもまで世代を問わず幅広い層が楽しめる展覧会になっています。(サイトより)

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■編集後記(4/15)

フィースト アンレイテッド・バージョン [DVD]・「BC級SF映画を週末に見る会」をひとりで開催している。拾い物だったのが「ザ・フィースト」、テキサスの片田舎のバーで孤立した15人の男女と、正体不明の残忍な人食い生物4匹との一夜の死闘を描いた"新世代ハイパーモンスターバトル"である。このありふれた設定から、いつものBC級お笑い映画かと思ったら、意外や意外、ホラー映画の掟破りの展開でけっこうおもしろい。普通だったら、子供は殺されないし、可愛いだけで役たたずな女は殺されるというのがお約束だろう、それが…。なにしろ、怪物と一戦交えて来たヒーロー(という役名)は、いかにも頼りになりそうな男で「あんたらの救世主だ。安心しろ、全員俺が助けてやる」と自信たっぷりに宣言したとたん、あっさり最初に食われてしまうのだ。物語の最初の方で、登場人物ひとりずつ、名前・職業・特記・寿命がふざけた表現でテロップ紹介される。これは生き残りゲームのキャラクター紹介だ。なかなか個性的な連中揃いで、こいつは生き残るかなと予想したとたん殺されるから、見ていて油断できない。殺され方もバラエティ豊か。ホラーマニアの予想を次々に裏切ってくれる。そういう狙いの脚本なのだ。だが、肝心のバトルシーンは動きが早くてよくわからない。最後、生死不明だがどうなってるんだ、このまま終るんかいと思っていた人物は、エンドロールの最中に殺される(ホッとしたりして)。血みどろ残酷シーンや下品なお笑いネタもあるから、よい子には見せられない15R作品。続編には生き残ったハニーパイちゃん(一番の美人)も出るらしい。絶対見なければ。(柴田)
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