グラフィック薄氷大魔王[177]「La Machine」を見に行った
── 吉井 宏 ──

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木彫の巨大少女、巨大ゾウ、巨大キリンなどが練り歩くショウで知られる、スペクタクルアート劇団「La Machine」。以前、巨大少女の写真を見て、いつか本物を見たいと思ってたんだけど、横浜開港150周年イベント「開港博Y150」のプレイベントとしてフランスから来日! 見てきました。

巨大スペクタクルアート劇団「ラ・マシン」
< http://event.yokohama150.org/event/bayside/detail1.html
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GIGAZINEの記事
< http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20090331_y150/
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13時すぎには会場付近にたどりついた。14時開演とのことで、案内地図を見ながらスタート地点の埠頭に急ぐ。向かい側の埠頭に巨大クモが二匹見えました。13時半頃から音楽とともに動きはじめ、ときたまプシューッと水煙を吹き出したりする。クレーンにつり下げられたスピーカーから、大音量で音楽が聞こえるんだけど、ふと気がつくと、単にBGMとして音楽を流してるんじゃなくて、クモの脇の何台ものクレーンの先のゴンドラに楽団が乗っていて、生演奏してました。豪華〜。

写真ギャラリー
< http://www.yoshii.com/dgcr/Lamachine-gallery/index.html
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デジカメで動画も撮ったのでYoutubeにアップしました。
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地図に載っていたルートと当日のルートがちがったようで、クモが反対側に曲がって行ってしまい一瞬あせりましたが、道路脇に先回りして近くから見れましたよ。でかいでかい。超でっかいです。人がたくさん乗り組んでます。たぶん足の一本一本に担当者がいて、動かしてます。てっぺんにも数人いました。街路樹より高い位置。すぐ脇で見てたら、足が頭上を越えてました。部品が落っこちてこないかヒヤヒヤしてましたよ。

クモは茶色っぽいのと白っぽいのが二匹。強力そうな自走式の重機のアームに取り付けられていて、8本の足はほぼ空中だけで動き、地面には降りてこない。足だけでホントに歩いてればもっとすごいんだろうけど。黒く塗られた機械の金属やパイプがものすごい複雑なのですが、それを覆っている木の部分がノミの痕が残る感じのあたたかい質感で、いいコントラストです。自分でも木彫りのオブジェを作ってみたくなっちゃうくらいいい感じ。

ときどき水を噴霧するんだけど、石けん水らしく、口の周囲が泡だらけでカニっぽい。前日は水ではなく白い粉で、そこら中が真っ白になったらしい。メカの感じがスターウォーズとかエイリアンを連想しちゃって困るんだけど、とても晴れてていい天気だったので、イメージが横滑りしなくてよかった。夜見るとまた印象はちがうんだろうな。

赤レンガ倉庫の横を通ると、巨大さがよくわかる。三階のバルコニーからも見たかったな。下から見た方が迫力あるだろうけど。倉庫の向こう側とこちら側に一匹ずつ分かれて進み、倉庫の反対側の端で鉢合わせし、そこで戦いみたいな演出。ケンカじゃなくてただの挨拶かもしれないけど、ものすごい叫び声みたいな音がし、火薬とかガソリンで火柱がボンボン上がったり。

15時までくらい見てましたが、夜の20時までやるそうで、きりがないので切り上げて帰りました。しかし、「スペクタクル=見せ物」ってのはこうでなくっちゃ! と思いましたよ。終始「すっげ〜! すっげ〜!」ばっかし言ってましたから。いや〜、いいもの見れました。前日の土曜日もすごい人だったそうです。見たかった反面、ホント言うと人混みに行きたくなかったんだけど、うちの奥さんに連れ出されて出かけました。行ってよかったです。

実は勘違いしてて、「プレイベント」だから今回はちょっと見せるだけで、「開港博Y150」が始まったら、本格的にいろんなオブジェが練り歩くイベントをやるもんだと思い込んでました。帰ってきて説明を読んだら、プレイベントの演し物として、La Machineが呼ばれたのでした。街を練り歩くイベントはもうないようですが、会場内での展示と、ちょっと動く姿も見れるという説もあるようです。

【吉井 宏/イラストレーター】 hiroshi@yoshii.com
HP < http://www.yoshii.com
>
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/
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最近、街の人々のマナーの悪さに腹の立つことが多い。出かけると頭に来るので、部屋にいるほうがマシみたいな。でも、今回の横浜のイベントは、あれだけの混雑にもかかわらず、押し合いも割り込みもなく、みんな行儀よく見物していてちょっと感心した。知らない人同士でしゃべったりも。構えられたデジカメやビデオカメラ、ケータイカメラの数がすごかった。いったい何万台のカメラに記録されたんだろう。