「4K映像」という言葉を、聞くことはほとんどないでしょう。映像系で、フルハイビジョン以上の解像度を求める人にしか用がないものです。そもそも、ハイビジョンでなくても、携帯の小さい画面に映る映像だけでも十分な方や、YouTubeの映像でも別に構わないという方には、4K映像はほとんど意味がありません。映画ならともかく、家庭用のテレビに映るものものであれば、現行のハイビジョン映像(放送で伝送されてくるものはビットレートの関係で、そんなにきれいにはならない)で十分でしょう。
それでも、せっかく買ったデジタル一眼レフカメラが高い解像度を持っており、連写機能もあるならば、4K映像をどうにか作ってみたくなるというものです。限界まで使わないと……。
作る前に、4K映像のサイズって、どのくらいの解像度なの? という方もいるでしょう。まとめると、以下のようになります(数値の単位はピクセル)。
それでも、せっかく買ったデジタル一眼レフカメラが高い解像度を持っており、連写機能もあるならば、4K映像をどうにか作ってみたくなるというものです。限界まで使わないと……。
作る前に、4K映像のサイズって、どのくらいの解像度なの? という方もいるでしょう。まとめると、以下のようになります(数値の単位はピクセル)。
DV 720× 480
HDV 1440×1080
FullHD 1920×1080 ←これがフルハイビジョンと呼ばれるもの
4K 4096×2304
4Kサイズは、FullHDの面積比で約4倍になります。縦横おおよそ2倍ずつということです。
ということで、早速手持ちのEOS 5D Mark IIで4Kサイズの映像作成に挑戦です。EOS 5D Mark IIだと、最高5616×3747ピクセルまでの静止画を撮影することができます(これだと5K映像ですが)。
EOS 5D Mark II
< http://cweb.canon.jp/camera/eosd/5dmk2/index.html
>
Nikon D3Xだと、もっと解像度が高い映像が作れることになります。
(最高:6048×4032ピクセル。スーパーハイビジョンは7680×4320ピクセル)
Nikon D3X
< http://www.nikon-image.com/jpn/products/camera/slr/digital/d3x/
>
高い解像度の映像を作成するといっても、EOS 5D Mark IIでは秒間30フレームには遠くおよばないので、1秒ごとインターバル撮影するか、連写しまくるかのいずれかになります。
実際にやってみると、インターバル撮影の方はよいのですが、ひたすら連写しまくる方はカードへの転送速度もあって、多くの場合Busy状態になり安定して撮影することができませんでした(青空に白い雲など転送データが少ないパターンであれば可能)。それから、連写しまくるとEOS 5D Mark IIが、かなり熱くなります(どこまで耐えられるかは不明)。
4GBのカードでも、1秒間のインターバル撮影であれば15秒ほどの映像が作成できます。8GBなら30秒近くの映像が作成できます(いずれも秒間30フレームの場合)。撮影された静止画は連番ファイルになっているので、あとはAfterEffectsやFinalCut Pro、Adobe Premiereで読み込ませて処理すればできあがりです。
……ここまでは誰でも思いつくワークフローというか手順です。最初にEOS 5DMark IIを買った時に、この4K映像に挑戦したのですが……。風景を15秒〜30秒撮影して、AfterEffectsに読み込ませて処理すると「メモリが足りません」という警告がレンダリング途中で発生。おまけにAfterEffectsはメモリを大量消費して、マシンの全体的な速度も低下するので他の仕事にも影響が出てしまいます。
FinalCut Proだとメモリは消費しないけど、生成までに時間がかかるので他の映像処理ができない……。Premiereは、もっと時間のかかる処理しているといった状態で、作る気が失せるような状態でした。
ということで、4K映像作成はあきらめていたのですが、今月号の「ビデオサロン」に、ちょうどこのネタ(EOS 5D Mark IIでの映像撮影。P.42)が掲載されているではありませんか。誌面でのスナップ画面を見ると、AfterEffecstsで処理している様子。でも、処理する時間は短いようで、8〜12秒ほどですからうまく作成できているようです。
ただ、AfterEffectsでは、大量に4K overの映像処理を行うのには向いていないので(そういうソフトではありませんし)、何か別の方法を見つけないと時間ばかりかかって仕方ありません。そこで、初心に返って(?)FinalCut Proのマニュアルを見たら、こういうのはFinalCut ProではなくてQuickTime Proで処理しましょう、とのこと。
やり方も至って簡単で、ファイルメニューから「イメージシーケンスを開く...」を選択し、連番ファイルを指定します。あとはフレームレートを設定するだけです。そして、きなコーデックで書き出すなりすれば4K overの映像ができあがります(ただし、H264コーデックで書き出すとエラーで駄目)。
QuickTime Proなので非常に安上がりですみますし、処理も速く、並行してたくさんの4K映像を作成することができます。AfterEffectsやFinalCut Proで、バッチ処理などでひとつずつ処理するより早く映像ができあがります。
ということで、すごく簡単に4K over映像ができるようになったので、ページも用意してみました。
< http://footage2.openspc2.org/HDTV/footage/HD/4k/
>
プレビュー映像でも細かさ(?)が分かるでしょうか。1秒ごとの撮影なので早回しになってしまいますが……。多少解像度が落ちてもいいから30フレーム欲しいというのであれば、カシオのEX-FH20なら3264×2448の解像度で30フレーム撮影できそうです(スペック的には)。カシオならば、最初に4K映像も撮影できるカメラとか言って出してくるかもしれません。高速連写機能あっても意外と撮影対象物が少ないので、4Kの解像度がある方がよさそうです。
EX-FH20
< http://dc.casio.jp/product/exilim/ex_fh20/
>
でっかく撮っておいて、フルハイビジョンサイズに縮小した方がきれいな映像になります。目安としては、10秒でJPEGファイル1.5GBほどになるので、ハードディスクに余裕がある人は、4K over映像の撮影に挑戦してみてはいかがでしょうか。
【古籏一浩】openspc@po.shiojiri.ne.jp
< http://www.openspc2.org/
>
最初にちゃんとマニュアルをチェックしておけばよかった……。
Nikon D1Xは5万5000枚くらいでシャッター部分が壊れたけど、EOS 5D Mark IIは、どのくらいの枚数まで大丈夫なんでしょうか。すでに2万枚は超えていますが、こういう連続撮影すると1日で1万枚超えてしまうので、下手すると数日で壊れるという予想に……。
先週もお知らせしましたExtJS本は、今月の23日あたりに発売予定です。
書 名: Ext JS入門 〜リッチUIなWebサイトをつくるAjaxフレームワーク〜
著者名: 古籏一浩・石丸健太郎
仕 様: B5変形 3,200円 400ページ
新たな連載も始まりました。iPhoneのバッテリーが長持ちすれば浮気調査(?)にぴったりなネタです。
iPhoneのGPSをJavaScriptで操ろう
< http://ascii.jp/elem/000/000/433/433470/
>
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by G-Tools , 2009/07/13