■音喰らう脳髄[74]野党の心意気/モモヨ
この7月から8月……、
私は、子供たちが夏休みを謳歌する間、彼らと付き合いつつも、新作アルバムの制作に励んでいた。昨夜も豪雨の中、スタジオで、民主党の圧勝を伝えるテレビの選挙速報を見ていた。
どの番組を民主党の歴史的圧勝と驚きをもって伝えていたが、実は、そうした局の中には、選挙前に、さらに大胆な予想を、例えば民主320議席などという予想をしていた局もあった。どういう意図、調査からあげられた数字なのかは知らないが、そうした大胆予測からすれば、308議席というのは、おとなしい数字だろう。おおかたの予想通り。奇跡でも何でもない。むしろ、小選挙区の多くでは接戦が展開され、民主党側にゆるみがあれば、結果はそうとう変わっていたろうと思われる。
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民主党に風が吹きすぎたという論もあり、それは確かなのだけれど、小選挙区における僅差での勝敗決定などを見ると、この現象はむしろ選挙のシステム固有のものと考えるべきだろう。このシステムが健全に働いた場合、国民の意思が与野党の反転に直接働きかける、ということになる。
いずれにしろ、私たち国民からすれば今回の結果によって初めて明確な政権交代を体験したわけで、まだ民主政権が走り出していない今、新政権がどうこうとは言いようがない。
一方の自民党も、初めて完全なる野党を経験することになる。政党であれば野党になることもあるはずだが、こと自民党の場合は、よもや野党になることを考えもしなかった議員が多そうだ。
そのあたりの意識変革にいましばらく時間がかかりそうだが、これからの自民党は、政権奪取ということにのみ汲々とせず、まず健全なる野党として機能することが求められる。声高に「政権奪取」だけを叫ぶような政党になれば、自民党に未来はないだろう。国民の目には、権力欲にかられた欲ボケとしか見えないからだ。
これから民主党が与党としての振る舞いを学習せねばならないのと同様に、自民党もまた野党としての振る舞いを一から学習せねばならない。野党には野党の在りようがあり、意義がある。野党でいつづけるには、それなりの気概と根性が必要なのだ。野党には野党の心意気というものがある。自民党議員は、まずそこのところを学ぶべきだ。
人生、万年野党の私としては、そんなことを思ったりする。
Momoyo The LIZARD 管原保雄
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