[2766] カタツムリよりはウサギがいい

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《嗚呼こういう笑顔を支援するのが我々の仕事なんだ》

■わが逃走[57]
 展覧会開催中の巻
 齋藤 浩

■電網悠語:日々の想い[143]
 Web担当者のガッツポーズ
 三井英樹

■つはモノどもがユメのあと[11]
 mono10:カタツムリよりはウサギがいい─「Impulse Technology Animals」
 Rey.Hori


■わが逃走[57]
展覧会開催中の巻

齋藤 浩
< https://bn.dgcr.com/archives/20091217140300.html
>
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みなさん、コンニチハ。
12月19日(土)まで、六本木ヒルズのご近所のギャラリーJAGDA TOKYOにて、デザイナーの門嶋隆裕氏と展覧会をやってます。
< http://www.jagda.org/contents/jagdatokyo/
>

展覧会のタイトルは「12」。
1から12の数字をモチーフにポスターを作る! というルールのもと、奇数対偶数のグラフィックなバトルをご覧にいれます。ちなみに齋藤が奇数、門島が偶数。数字を題材としたポスターという条件以外はルールなし、義理なし、しがらみなしで、情け無用のスキカッテグラフィックの共演。もちろん、入場無料!

てな訳で12月15日(火)から絶賛公開中な訳だが、我ながらすばらしい展示です。実は月曜日にギャラリーで初めて門嶋作品を見たのですが、まさに対極。そう来たかコノヤロー!って感じです。繊細かつ知的なグラフィックは、私のダメなところを見透かされているようでとてもクヤシイ。モノトーンで冷静に提示される、緊張感あふれる謎解きグラフィック。これらが齋藤の『リッタイポ』と交互に12まで続いてるさまは壮観。こりゃあ、見に来るしかないだろ。

で、今日は見に来てくださる方のためにオレの作品の解説を行う。ノーギャラで書いてんだから、それくらいなことをしても罰は当たらないだろう。なお、作品の画像はあえて載せません。飢餓状態をあおって見に来てもらおうという魂胆。

【1】
これがいちばん「わからない...」との意見が多数。この作品の世界に入り込んで、そのまま視点を下げていくとほら、見えてくるでしょ? という訳で、漢字の「壱」という字を巨大建造物に見立てている。

以前『わが逃走』でも書いたが、6月に造船所を見学して、その巨大な世界に圧倒されたのでした。そのときのテンションが幸いまだ続いていたのをいいことに、じりじりと描いていきました。

【3】
3の形をした蒸気機関車。以前も文字と機関車を無理矢理融合したものを発表しているが、今回のものがいちばん良いような気がする。ドイツの流線型蒸気機関車05型をイメージして制作。

正面のなだらかなアールと、トンガリ部のエッジとの対比が絶妙と自画自賛。高校時代からの友人・現在は版画家のばばちゃん(仮名)は、奥に見える空の紫が良いと言ってくれた。天井の梁の表現も気に入っている。

【5】
今回の最高傑作。ひょっとしたらリッタイポ史上3本の指に数えられるほどの名作になるかもしれない。初めて明朝体のリッタイポ化に挑戦し、かなりイイ感じに仕上がった。

建機に見立てた漢字の「五」。これから建設現場を見かけたら、あらゆるものが文字に見えてくるかもしれない。

【7】
鉄骨に見立てたローマ数字の「VII」。これはかなり"そのまんま"な作品だが、1920年代のグラフィック作品に対するオマージュとでもいうべきか。

手前のトラス構造体にかかる影のために、フレーム外にもうひとつのトラスがある。他の作品についてもそうだが、リッタイポは基本的に二次元の印刷物として発表することを前提としている。なので、映画のために組んだセットと同じで、フレームからはずれる場所は作らない。ハリボテと同じなのだ。

【9】
金持ちの豪邸の庭にあるプールに見立てた「9」。昨年末、ウィリアム・ギブスンの『スプーク・カントリー』の表紙を描いた。安藤建築風の豪邸をイメージし、清潔すぎる空間から狂気みたいなものを感じさせたい、とか考えていた。

今回の「9」は、そこから狂気だけを取り除いたとでも言うべきか。実際こんな感じの建築があったらイイと思う。どなたか作りませんか? 建築家は紹介しますから。

【11】
レーニンの演説台と昔の団地にあった給水塔をミックスして、ローマ数字の「XI」。苦労して作ったのだが、「五」ほどの"突き抜け感"がなかったなあ。よくリッタイポの世界に人物は入れないのかと聞かれるが、はい、入れたこともあります。でも、そうすると大抵つまらなくなる。多くを語りすぎてしまうのだ。その空間に誰もいない不思議感から、もし自分がこの世界に迷い込んだら...などと想像していただく方がこのシリーズの楽しみ方としてアリだと思う。

以上、出品作品の解説でした。

なお、会場では今回の展示にあわせて制作した冊子「リッタイポの10年」をプレゼントしています。フルカラー28ページ。うっかり500部も刷ってしまったため、展覧会終了後に事務所がダンボールの山になるかもしれないという危機感を覚える今日この頃です。

エコロジーの観点からも、みなさまにご来場いただき冊子をお持ち帰りいただきたい。たのむ。なお、最終日12月19日(土)は終日ギャラリーにいる予定なので、サインが欲しい方は遠慮なく言ってくれたまえ。今から練習しておこう。

あ、それとウチのWebサイトがようやくまとまりつつあります。先日暫定オープンしました。"暫定"がいつ取れるのかは未定。今回の作品もこちらで順次UPしていく予定です。ではまたー。
< http://tongpoographics.jp
>

【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp

1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。

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■電網悠語:日々の想い[143]
Web担当者のガッツポーズ

三井英樹
< https://bn.dgcr.com/archives/20091217140200.html
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企業ウェブ・グランプリというイベントがある。今年で3回目。企業のWeb担当者が集まり、自分達で自分達を吟味する。コンセプト&アーキテクト部門、デザイン&クリエイティブ部門、ガバナンス部門などなど幾つもの視点があり、それに応じて賞が設けられる。そして年間最優秀賞(グランプリ)は、参加企業に投票権が与えられ会場での投票を経て決定される。

  ▼Japan Web Grandprix|企業ウェブ・グランプリ
  < http://www.web-grandprix.jp/
>
  (まだ2009年度情報はアップされていないようです)

  ▼3サイトが同時受賞、「第3回企業ウェブ・グランプリ」ベストグランプ
  リが決定|Web担当者Forum
  < http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2009/12/08/7017
>

各賞は年間最優秀賞も含めて、渡されるのは賞状とトロフィーのみ。しいて付け足すなら、年間最優秀賞受賞サイト担当者は翌年の懇親会(イベントの最後に軽く乾杯する程度のもの)の司会役が回ってくるという副賞があるくらい。

業務もテーマも異なる50サイト以上が集まって、賞毎にノミネートとグランプリを選んでいく。作り手側である私が絡めたのは、RIAC特別賞を昨年から許されたから。他にそんな形で参加したのはオールアバウトさん。特別賞はノミネートの幅が広く、今回は50サイトのリストが渡される。昨年は約20サイトだったので、目を真っ赤にしながら吟味しつつ、その拡大ぶりも実感できた。

少し前ならトップページを見るだけで、なんとなくそのサイトの個性というか特性が感じとれた。でも最近はそうでなくなりつつある。様々なコミュニケーションの方法を幾つも織り交ぜているサイトも多い。トップページと、他のページ群(スペシャルコンテンツやスペシャルサイトとなることも多いが)の管轄者が異なっている企業も多いように感じる。

企業の正面玄関で伝えるべき方向性と、その有する製品について伝えたい方法とでは微妙に変えた方が効率が良かったりするからだ。もちろん、金太郎飴のように、どこを切ってもぶれのないブランディング手法も健在だし、正攻法としての揺るぎはない。でもスピードを求めるコミュニケーションでは、異なる方法も有効だ。

情報発信をする企業として、統一感を求めつつ、個別対応が許される余地というか「のりしろ」も想定する、そんな流れが大きくなっているようにも見える。一人の人間が様々な表情を持つように、一つの企業が様々な表情を持つ。デザインガイドライン的な規約を持ちながら、多少の自由度を現場に与えることもそんな流れかもしれない。そして、そんな流れがあるということは、そのような人材がいるということだ。

●Web屋の原点というかゴールというか

日頃、各社のWeb担当者とどう対峙しているか。もちろん発注者としての立場が最大ではあるけれど、大きな声では言えないが(?)、仕様を揺らす敵であったり、予算をかき集めてくれる味方であったり、一喜一憂を共有する友であったり、世界で唯一、公開までの苦労を分かち合える兄弟であったりする。

打ち上げを除いて、基本的には会議室という閉ざされた場でのコミュニケーションしか重ねていないのだが、今回は晴れの舞台での素顔を見せて頂いた気がした。直接私が関わったWebサイトはないのだが、「のり」が似ているというか、さすがにWeb系の匂いが漂うホームグラウンド的な心地がする。何か同じ苦労を理解しあえる共有感みたいなものを感じる。
奇しくも、司会者が幾つかの場面でインタビューをしていた言葉がささった。
  司会「あのサイトは何年おやりになっているんでしたっけ?」
  担当「3年ですね」
  司会「そんなになりますか。わが子のようなものですね」
  担当「まさにそうですね...」

アクセスの量に一喜一憂し、1ピクセルにこだわって作りこんできたサイトに思い入れが生まれない訳がない。それが年単位で継続しているのであれば、尚のことだ。自分達が担当している仕事にどう向き合っているかが伝わってくる。

そして、受賞の瞬間も見ていて気持ちが良かった。参加者は自分のチームを代表しているし、それはその企業の人たちだけではない。制作に関わった方々も一緒に壇上に上って祝福しあっている。素直に「いいなぁ」とつぶやいてしまう。渡されたトロフィーを高々と上げて、会場にいるチームメンバにガッツポーズをする人もいた。輝かしい笑顔が本当にまぶしい。

あぁ、こういう笑顔を支援するのが我々の仕事なんだと再認識した。Web屋の原点というか、ゴールというか。日頃エンドユーザのためとは言ってはいるが、エンドユーザのためになるような方法を一緒に見つけ出し、様々な課題をクリアしながら、よりよいコミュニケーションを実装しているのだが、とは言ってもお客さんに喜んでもらうのを忘れては本末転倒だ。

失礼な言い方かもしれないが、この賞は正直言って仲間内で決めているものだ。でも、それこそが大きな意味のあることかもしれないと思わされた。上記の記事にもあるが、日本IBM最高顧問の北城恪太郎氏は次の言葉でこのイベントをしめた。

  「企業自身や製品サービスを紹介する、ウェブサイトを作る影で苦労して
  いる人達がお互いを表彰しあおうという趣旨でやっていたのですが、こう
  して盛大に開催できたのは嬉しいことです。お互いのサイトを見ながら、
  地道な苦労や活動を認め合う、そういう意味で企業ウェブ・グランプリは
  意味がある」

Flasherが、Flasherにしか分からない苦労を分かち合う空間となんら変わりない。泣き出したいことや、辛かったこと、板ばさみにあってもなお公開にこぎつけた喜び、諸々の大人の事情や政治力に翻弄させられ本筋を見誤った苦労話などなど、Wen担当者にしか分からず、Web担当者なら分かるだろう事柄が沢山ある。

Webが世の中に浸透するとは、こういった人たちが増えていくということも指すのだ。そして共通の苦労はなんらかの方法で軽減し、共通の喜びはもっと大きくできるかもしれない。そのためにリアルな交流が役に立つはずだし、実際に受賞者の笑顔はそれを証明しているのだろう。

もはや誰も無視できない情報経路となったWebを支える人たち。それがWeb屋だけではないとも、戒められもした。たかがWeb、されどWeb。そんな言葉も浮かんでくる。よりよい歩みを目指したい。

【みつい・ひでき】感想などはmit_dgcr(a)yahoo.co.jpまで
・mitmix< * http://www.mitmix.net/
>
・2009年もあと数週。今週の神田さんの文書を読んで、うなずきっぱなし。
 KNNエンパワーメントコラム 喪中につき....../神田敏晶
 < https://bn.dgcr.com/archives/20091214140300.html
>

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■つはモノどもがユメのあと[11]
mono10:カタツムリよりはウサギがいい──「Impulse Technology Animals」

Rey.Hori
< https://bn.dgcr.com/archives/20091217140100.html
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本連載で何度も触れた通り、筆者は長らくMac派で通している。筆者がMacを使い始めて以降のMacの歴史上、発表されただけで「欲しい!(けど高い! と続くこと多し)」とワクワクしたマシンは幾つもあるが、筆者のMac歴の中でかなり昔に位置するワクワクマシンとしては、Quadra(クアドラ)シリーズがある。

QuadraシリーズはIIfxを頂点とするそれまでのMacintosh IIシリーズの後継たるフラッグシップシリーズで、最大の特徴は搭載されている新しいモトローラ社製のCPU「68040」にあった。

68040は、IIシリーズの上位機種群に搭載されていた68030の後継チップとされている。同一クロックでも68030の数倍高速化されているとのことだが、これはFPU(浮動小数点計算ユニット)を内蔵し、且つキャッシュメモリ(データキャッシュ&命令キャッシュ、各4KB、だそう)を持ったことによる。と、例によって理解している風を装う筆者であるが、まあ平たく言えば「メチャメチャ速いCPUが載った」ということだ。

ところが、完全互換が期待できる直系の後継CPUなのにもかかわらず、このキャッシュメモリのせいでソフトウェアの非互換が発生してしまった。68040の性能を引き出すためには、キャッシュ(のCopyBackモード)の存在を前提にしたコードでなくてはならないわけで、68040登場以前に作られたアプリの一部は速くなるどころか、最悪クラッシュして動かせない、という事態が発生したのである。

そこでAppleとしてはコントロールパネル内(MacOS Xで言うシステム環境設定内)にスイッチ(たしか「キャッシュスイッチ」という名前だったか)を設けて、キャッシュをオンオフできるようにした。キャッシュ非対応のせいでクラッシュしてしまうようなアプリを使う時は、キャッシュをオフにした状態でマシンを起動することができるようにしたわけだ。

だが、キャッシュを切りっぱなしでは、キャッシュに対応したアプリを本来の性能で使えない。といって、対応済みアプリを起動する度にキャッシュをオンにしてマシンを再起動するのはあまりに面倒臭い......というわけで登場したのが今回のモノ、Impulse Technology社の「Animals」なのだ。時は1992年頃、3.5インチフロッピー1枚に入ってオツリが来る小さなソフトウェアである。値段は......さすがに覚えていない(数千円だったと思う)。

< http://www.dgcr.com/kiji/RH/mono10.html
>
< http://www.dgcr.com/kiji/RH/mono10.html#p2
>

Animalsもキャッシュのオンオフを制御するコントロールパネル書類(cdev、って久々に書くなあ)だが、純正品に比べてウレシイ点が二つある。一つはキャッシュの制御が「None(オフ)」「WriteThrough」「CopyBack」の三段階(キャッシュモード)から選べること、そしてもう一つは予めアプリ毎にこの三段階のどれで動かすかを個別設定できることだ。マシンの再起動なしで、使うアプリに応じてキャッシュモードを自動的に切り替えてくれる小さなスグレモノなのだ。

設定パネルではラジオボタンで上記のキャッシュモードを選ぶのだが、前出の順にカタツムリ、カメ、ウサギのアイコンが付いている。Animalsというネーミングはここから来ているのだろう。

< http://www.dgcr.com/kiji/RH/mono10.html#p3
>
< http://www.dgcr.com/kiji/RH/mono10.html#p4
>

Quadraユーザには必携のユーティリティとして、当時のMac系雑誌に必ず紹介されていたAnimalsであるが、やがて68040に正式対応したアプリが増え、更にはPowerPCの登場によって歴史の彼方に消えて行った。そのPowerPCももはや過去になりつつあり、MacはIntel入ってるの時代に入ってるわけで、筆者の周囲にはMacユーザが比較的多いものの、Animalsを覚えている人はなかなかいない気がする。

考えてみると、当時このAnimalsのように「比較的小さなサードパーティ製だけど、それがあるとないとで使い勝手が純正品オンリーの環境とまるで違う」ような必須とも言うべきユーティリティが数々あり、且つそれを紹介する殆ど唯一の一般的な手段として、それぞれに特色のあるMac系雑誌が幾つもあった。筆者も多い時は数誌を毎号購読していたものだ。ずいぶん勉強させてもらった。

その頃に比べると、今のOSは完成度が高くて快適&世話要らずなぶん、どこか閉じた印象で、後から何か付け足してイジる楽しみは小さくなった(少なくとも一般的ではなくなった)気がする。その一方、ユーティリティやちょっとしたソフト群の情報はネットから迅速に手に入り、そのままダウンロードで入手できたりする。そして、これら全てのアオリを食ったせいだと思うが、Mac系雑誌はずいぶん淘汰が進んでしまった。

さて、今とその頃のどちらが良いか......効率や仕事絡みの思考回路で考えると自明の答えが出そうだが、あの頃のわけの判らない、しばしば一定量の苦行と引き換えに手に入るノウハウや楽しさが、記憶の中でますます光っている気がするのは筆者だけのノスタルジィだろうか(だろうな、うん)。

【Rey.Hori/イラストレータ】 reyhori@yk.rim.or.jp

手前勝手で極めて私的な内容にも関わらず、お叱りのお声も特にないまま(ホントか?)、今年1月末の連載開始から何とか一年もったようです。お読み戴いている皆様に改めてお礼申し上げます。残弾数が多少気になり始めていますが、次の「モノ」の発掘を進めます。......これまでのモノについて何かご質問がおありの方はお早めにどうぞ。書き終えたモノを、いよいよ処分してしまう可能性もないわけではありませんので。

日付的には少々早いですが、年末のご挨拶をば。読者の皆様&編集部の方々、どうぞ良いお年をお迎え下さい。トンボガエリを打つディスカバリ号でおなじみの2010年が繁栄と復活の年になりますよう。......さぁて、来年どんなタブレットMacが出て来るか、即買い必至のワクワクマシンでありますように(あとシューちゃん&琢磨の現役復帰にも期待。可夢偉もどっかで走っててくれよ〜←執筆時点で未定)。

3DCGイラストとFlashオーサリング/スクリプティングを中心にご打診をお待ちしています。
< http://www.yk.rim.or.jp/%7Ereyhori/
>

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■編集後記(12/17)

日本でいちばん大切にしたい会社・会社の経営などまったく関心がないが、書店で何の気なしに手に取った坂本光司「日本でいちばん大切にしたい会社」(あさ出版、2008)をちょっと読んだだけでグッと来たので、これは買って読むしかないと思った。筆者は法政大学大学院政策創造研究科の教授で、「現場で中小企業研究、がんばる中小企業の支援」をモットーに日本中の企業を訪問調査している。訪問した6000社を超える会社の中から、日本理化学工業、伊那食品工業、中村ブレイス、柳月、杉山フルーツの5社を取り上げ、一社ずつその経営の内容と大切にしたい理由を述べ、加えて同様な会社9社をコラムで紹介している。文章はイマイチだが、読んで納得。感動に涙しながら納得。まさしく、これこそ日本でいちばん大切にしたい会社だ。筆者はヒアリング中に「この社長は、ここまで社員やその家族のこと、顧客や下請企業のこと、地域社会のことを心して経営をしてくれているのか......」という感動で、メモをとるノートを涙でぬらしたこともしばしばあったという。第1部では「会社は誰のために?」と題し、経営者が心すべき「五人に対する使命と責任」について書かれている。五人とは大切な順に、社員とその家族、外注先・下請け企業、顧客、地域社会、株主である。その順番を間違えると正しい経営を実践できないと説く。業績向上、顧客満足度、株主満足度とか理屈言ってるこの時代に、社員のことをいちばんに考えて一心不乱な経営者の姿に激しく感動する。この本のカバーの袖に書かれたひとつのエピソードを読んで、涙しない人はいないだろう。(柴田)
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・引っ越しのばたばたで、不要品を大量に処分した。それでも引っ越し当日に残したものがあって、弟に処分を頼んでおいた。弟が気まぐれでいくつかをヤフオクに出したところ、結構な値がつきはじめているらしい。何年もほったらかしにしていたプリントゴッコは、発売終了になったせいで、インクやシート、ランプなどが思わぬ高値になることがあるのだとか。うーん、こんなことなら自分で処分すれば良かったか......いやいや、その手間が大変だから弟に処分を任せたのよ。妹からの処分品はBOSEの部分的に壊れた古いラジカセ(AW-1)。弟「さすがBOSE。音が違うよ」と、検索したらジャンクでも高値になっているので出してみたら、やはり高値に。落札者は修理屋さんで、修理して中古品として販売している。サイトまであるらしい。弟は「はじめて落札者の顔を見たよ」と言っていた。/フロッピーディスクも売れるらしいよ。ニーズがあるんだね。古いキーボードなんかだと、打ち込み保存はフロッピーだったりするもんね。(hammer.mule)