装飾山イバラ道[50]お風呂iPhoneとお風呂テレビ
── 武田瑛夢 ──

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寒い時期にはお風呂にじっくりつかってあったまるに限る。元々サウナや岩盤浴が好きな私は、自宅のお風呂タイムをより充実させたいと思っていた。かなり身体の一部になってきたiPhoneを、お風呂で使えれば便利に違いない。

シースルー防水ケース iPhone&iPod対応iPhoneをお風呂で使うためには、ジップロックに入れるのもけっこういけるらしいという話をTwitterで読んだ。ただ私にはそんな勇気がないし、人にお勧めもしない。私は心配性だからジップロックを何重にもして使うだろうから、指のタッチでは反応しなくなりそう。ということで、市販の防水ケースを検索したら、サンワサプライの「シースルー防水ケース」というものに行き着いた。

・シースルー防水ケース
< https://direct.sanwa.co.jp/ItemPage/200-PDA016
>



見た目はビニールの文房具という感じ。少々高級感がないのはしょうがないとして、防水性能は確かそうだったので注文してみた。届いてみると思った程大きくもないし、ロック部がかっちり閉まるので安心して使えそう。イヤホンをしてお風呂に入るのは違和感があったけれど、慣れてしまえばなかなか快適だった。以前にもコラムで勧めた「Lock 'n' Roll(ロックンロール)」というゲームをした。

・Lock 'n' Roll(オンラインゲーム版)
< http://armorgames.com/play/4283/lock-n-roll
>

iPhone画面がシースルーのビニール面からクリアに透けて見える。指で静かにダイスの配置を決めるだけのゲームなので、操作も問題なくできた。お風呂で音楽を聞いたことも電話をしたこともなかったので、ゲームができるなんてちょっと新しい世界が開けた感じがした。ただし、俊敏な操作が要求されるような場合だとビニール越しの操作はミスが出るかもしれないので、アクション系のゲームなどには向かないかもしれない。

使いづらく感じた点は、ケースにiPhoneをセットする時にできるだけケース内の空気を抜いておかないと、空気が膨張した時にタッチしにくい感じがあったこと。そもそも海やプールで撮影ができるように背面のカメラ部も透明なので、レジャー用途としての使い方が本当なのかも。温度の高いお風呂では注意して使う必要があるのかもしれない。くるっと回転するロック部分も堅いので、一度閉めると開けるのにコツがいる。濡れた手だとなおさらだった。

事前の準備としては、お湯につからないようにイヤホンのコードの長さを調節しておいたり、浴槽まわりにiPhoneを置けるスペースを確保したり。そこらへんに慣れてしまえば、防水ケースはすごく便利なものになった。文字を大きめにしておいて青空文庫を読むのも良いだろうし、使わなくなったアプリもお風呂で使えばまた活用できるかも。

●お風呂テレビを導入

お風呂と言えば、ずっと前から憧れだったのがお風呂テレビだ。ジムやスパのサウナでも、テレビ付きのところだと熱さが苦しく感じられなくて楽しい。入る時間帯によって放送している番組は違うけれど、どんな退屈な番組でもそこそこ見ることができてしまうのが不思議。サウナは気分がハイになるので、普段は見ない演歌番組でさえも楽しめる。テレビ好きでお風呂好きだから、家のお風呂でテレビがあったらきっと楽しいと思っていた。

ワンセグタイプの防水ミニテレビならいろいろ出ているけれど、そもそもうちのマンションはワンセグの映りが悪いようなので別の手段を考える。

ツインバード 防水ワイヤレスモニターLINK ZABADY VW-J707Sそして買ったのがツインバードの防水ワイヤレスモニター「LINK ZABADY」だ。チューナーがないので、正しくはテレビと言うよりモニターだけれど、うちの環境ではこれがばっちりだった。

LINK ZABADY
< http://www.twinbird.jp/product/vwj107/
>

液晶の画面は10Vインチのワイドで、部屋で見ると小さいけれど、お風呂では存在感のあるサイズ。すっきりしたデザインで薄い。ワイヤレスモニターなので、リビングのテレビに送信機を接続してそこからお風呂のモニターに電波を飛ばすしくみ。

これだとHDDレコーダーに録画した番組やDVDも見られるし、お風呂だけでなくキッチンや寝室で使うこともできる。家の中で使う限りはマンションの各部屋であればたいていは問題なさそう。

あちこちのレビューを読むと、部屋のドアを何枚通すかとか障害物との関係は映りの良さを左右しそうだ。こればっかりは、実際に置いてみなければわからない。

設置するまでは不安だったけれど、接続関係はだんなさんにお願いしてまずは送信機のそばの充電台の上で無事に映るのを確認した。モニターをお風呂場まで恐る恐る持っていって、きちんと見られた時にはガッツポーズが出た感じ。見られなかったらどうするつもりだったのかは、実はあんまり考えていなかった。楽観的な心配性かもしれない。

寝室はリビングから遠いせいか、きれいに見るには置き場所を選ぶことがわかった。入り口から遠い場所に置くと、画面がモザイク状に荒れてしまって見るに耐えない。ドアが開いているか、送信機からの角度はどうかなどが関係ありそうだ。

そしてこのモニターは防水リモコン付きで、お風呂のモニター側からAV機器の遠隔操作ができる。付属のAVコントローラーをHDDレコーダーなどのリモコン受光部に向けてセットすると、お風呂のリモコンでモニターに送った命令が、HDDレコーダー側にも電波で届くのだ。これはなかなかすごくて、再生や早送りなどのひととおりの操作はお風呂で可能になる。

ふだんは充電台に置きっぱなしにして、8時間充電で2.5時間の視聴が可能。お風呂で使うだけなら十分だ。今のところは全く問題なくお風呂でテレビを見られるけれど、今までよりさらに長風呂になってしまった。買う前は「お風呂に入っている時間にテレビが見られた方が時間の節約になる」と言っていたのに、結局はテレビを見る時間が増えただけだった。ということは残念ながら自覚している。

iPhoneとテレビは防水が可能だったわけだけれど、パソコンだけはお風呂でしたくないのはなぜだろう。世の中には防水ノートパソコンもあるらしい。きっとパソコンは私にとって楽しいだけのハコじゃないから、安らぎとは逆のものなのかもしれない。防水iPadがあったならもちろん今すぐにでも欲しい! お風呂iPhoneとお風呂テレビの両方がひとつになるわけだからすごいことだ。

【武田瑛夢/たけだえいむ】ハeimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト デコラティブマウンテン
< http://www.eimu.com/
>

昨年から行きたい映画を見られないまま上映が終わってしまうのが続いている。終わる頃に行っても小さいスクリーンなので、早く行かねばの連続なのに。