おかだの光画部トーク[42]最新デジカメ2010版その2:デジタル一眼編
── おかだよういち ──

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前々回のNo.40で「最新デジカメ2010版」と題して、この秋発売の注目コンパクトデジカメをご紹介しました。そして、今回はデジタル一眼編です。

ちょうど本日、2010年9月21日から26日(現地時間)にかけて、ドイツのケルンのコンベンションセンターで開催される世界最大の映像機器見本市「フォトキナ2010」に合わせて、先週あたりから各社からデジタル一眼やレンズの新製品の発表があり、魅力的な機種がいっぱいです。
< http://www.koelnmesse.jp/photokina/
>

その中でも一番気になるカメラをご紹介します。毎度のことながら、偏ったチョイスで申し訳ないのですが、普段あまり手にしないメーカーのカメラに関してあれこれ論評することは出来ないので、お許し頂きたいと思います。

ニコンD7000(2010年10月29日発売予定)
< http://www.nikon-image.com/products/camera/slr/digital/d7000/
>



ニコンの型番の桁数と、ユーザー層を結びつけて読み解くことはもはや不可能だと、昔からのニコンユーザーである私が思うのですから、どういうルールに基づいて機種名が決まっているのかは、ニコンの開発者にお聞きするしかないのですが、7000という四桁番号から連想する入門機・初心者向けとは全然違う、かなりハイスペックなカメラです。

ニコンのデジタル一眼レフは、センサーがほぼ35mmフィルムサイズのFXフォーマットと、その約3分の2のサイズのセンサーを使うDXフォーマットがあり、このD7000は小さい方のセンサーを使ったDXフォーマットのカメラです。

比較対象となるニコンのカメラは、2008年9月発売のD90と昨年2009年8月28日発売のD300sです。発売当初の価格はD90が12万円前後、D300sが22万円前後に対し、D7000が14万円前後という予想なので、D90の後継という位置付けのような感じですが、中身は限りなくD300sに近く、機能によってはD300sよりも性能が良い部分も多く、非常にコストパフォーマンスが高いカメラです。

ニコンはD300sをDXフォーマットのフラッグシップとしていて、D7000が出てもそれは変わらないとのことですが、一般に使う機能や大きさと金額を考えると、この2台が並んでいたら誰もがD7000を選ぶ気がします。D7000が優っている部分を細く見てみましょう。

有効画素数:D7000 約1,620万画素/D300s 約1,230万画素
測光方式:D7000 2016分割RGBセンサー/D300s 1005分割RGBセンサー
感度:D7000 ISO100〜25600/D300s ISO100〜6400
Dムービー:D7000 1,920×1,080ピクセル(24fps)/D300s 1,280×720ピクセル(24fps)
撮影可能枚数:D7000 1,050枚/D300s 約950枚
重量:D7000 約690g/D300s 約810g

このように上位機種のD300sよりも高性能に加え、プロが仕事で使うのには必須の防塵・防滴マグネシウム合金採用ボディーや、視野率100%のファインダーなどプロのサブ機として充分使える仕様になっています。こんなハイスペックプロ仕様のカメラが14万円前後(量販店のポイント割引とか考えると、実質12.5万円ほど)で買えるのですから、これからデジタル一眼レフを買おうと考えている人は候補に入れてみてはいかがでしょうか。

かつてフィルムの時は、ニコンF3が1980年発売、F4が1988年発売、F5が1996年発売、F6が2004年発売とフラッグシップモデルでも8年程度の間隔がありました。時間がゆったり流れているというか、ひとつの機種を10年近く使い込む贅沢というか...。

そう考えると、デジタル時代の今、メーカーはもの凄い開発スピードを迫られ、ユーザーは数10万で買ったカメラが1年でもう見劣りがする古い機種になってしまって残念な気持ちになる。どっちが幸せなのか、ちょっと考えてしまいますね。

【おかだよういち/WEB&DTP デザイナー+フォトグラファー】
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平成の大修理が始まっている姫路城。お城を囲う素屋根の工事が日々進んでいます。
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